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こんなレンズがあるからm4/3は面白い! LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

パナソニックの超コンパクトな望遠ズームレンズ「LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」をしばらく使ってみたのでレビューをまとめてみました。

Panasonic LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.

昨年、LUMIX DMC-GM1と組み合わせて使うために買ったパナソニックの「LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」(長いので以後「G VARIO 35-100mm」に省略。品番の「H-FS35100」だと分かりづらいし、パナソニックのレンズは略記が難しいですね……)。

焦点距離は35mmから100mm、35mmフィルム換算で70mmから200mm相当の画角をカバーする望遠ズームながら、手のひらサイズで重量135gと驚く位に軽量コンパクトなレンズです。

同社GM/GFシリーズにマッチするコンパクトな望遠ズームとして2014年に登場。標準ズームの「G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」と併せて現在もLUMIX DC-GF10/DC-GF90のダブルズームキットなどにも採用されています。価格は新品で2万円台前半、中古品なら1万円台前半とかなりリーズナブル。

パナソニックには同じ35-100mmの焦点距離で「G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.(H-HSA35100)」もありますが、こちらはF2.8通しの大三元レンズ。サイズ、重量、価格は大きく異なります。

登山や旅行の際に携行するカメラ2台持ちのシステムで、今まで12-100mm F4.0 IS PROが担っていた望遠域をよりコンパクトな機材でカバーできないかと考えて導入してみました(経緯は下記の記事にて)。

どちらもマイクロフォーサーズの12-100mm

外観&基本スペック確認

徹底的にコンパクトさを優先した故か、ズームレンジはやや控え気味ですが、といっても一般的な大小三元ズームの望遠レンズと同じ70-200mm相当なので利用シーンの多い画角であることは間違いありません。また、このサイズながら光学式手ブレ補正(MEGA O.I.S.)を内蔵していることも特筆したいポイントでしょう。

G VARIO 12-32mm同様の沈胴式で、縮めた状態ではとても望遠レンズには見えないコンパクトさ。重量も135gとマイクロフォーサーズのレンズ郡の中でも極めて軽量です。コンパクトながらも外装は金属製(マウント部も)で手に持った際の質感は上々。ブラックだけでなくシルバーも良さそうです。

レンズフードは付属しますが、使用サイズが極力コンパクトになるようにフジツボ型フードを装着しました。

沈胴機構は使用時にズーム方向に少し力を入れて回すのみで(ボタン等はなし)、使用状態まで伸ばすことができます。沈胴からの伸長は35mm位置で約19mm。100mmまで伸ばしても約29mmといったところ。

私は中古で購入したのですが、購入時にはスムーズだったズームリングが屋外でガンガン使っていたせいなのか、かすかに引っかかるような感触がします。沈胴を伸ばしたたまま、バッグに突っ込んだりするのは良くないのかもしれませんが、撮影の効率を考えると扱いが少々雑になるのは仕方ないことと割り切っています。

既に細かな塵の混入もそこそこ見られますし、中古市場などを見ても(クモリやチリあり)の表示を良く見るので、あまり密閉性の高い作りではないのかも。この辺りは価格やサイズとのトレードオフでしょう。

35mm位置のままバッグに収納していることが多いかも……

フォーカス速度はかなり速く、E-M1 Mark IIIやGX7MK3に装着した場合は気持ちよくAFが決まります。
ただし、私が組み合わせているGM1で使うと、やはりボディの古さに引っ張られるのか、撮影シチュエーションによってはAF回りでのストレスがそこそにあります。

LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.の主な仕様

LUMIX G VARIO 35-100mm | Gシリーズ 交換レンズ | 商品一覧 | デジタルカメラ LUMIX(ルミックス) | Panasonic

  • 品番:H-FS35100
  • マウント:マイクロフォーサーズ
  • 焦点距離:35-100mm(35mm判換算70-200mm相当)
  • レンズ内手ブレ補正:○(MEGA O.I.S.)
  • レンズ構成:9群12枚非(球面レンズ1枚、EDレンズ2枚)
  • 開放絞り-最小絞り:F4.0~F5.6 - F22
  • 最短撮影距離:0.9m(ズーム全域)
  • 最大撮影倍率:0.11倍(35mm判換算 0.22倍)
  • フィルター径:Ø46mm
  • 絞り羽根:7枚(円形虹彩絞り)
  • 最大径×全長:Ø55.5 × 50mm(沈胴レンズ収納時)
  • 重量:135g
  • フード:付属
  • 希望小売価格:57,200円(税込)

LUMIX DMC-GM1と組み合わせて使ってみる

ということで、当初の予定通りパナソニックGM1に組み合わせて使っています。

35mmと100mmの画角変化

ワイド端とテレ端の画角差、描写を見ていきましょう。
まずはワイド側の35mm、絞り開放から描写は良好ですが、やや周辺減光が見られます。気になるようならば1〜2段絞っても良いでしょう。

100mm側でも若干の周辺減光は見られます。絞りはF5.6になるので、描写は隅々まで良好です。

中央付近を拡大してみましたが、稲城市(若葉台公園)からの新宿高層ビル群もちゃんと写ってます。超望遠には程遠い200mm相当ですが、使い方次第ではトリミング併用でなかなか使えそうです。

参考までに、同じ場所からの7-14mm F2.8 PROのワイド&テレ端の画角(14mm&28mm相当)。この広角域から70-200mm相当をレンズ交換でなくカメラ2台でカバーしながら、総重量2kgを切る小さなカメラバッグ1つで持ち運ぶことが、この「GM1+ G VARIO 35-100mm」を導入した一番の理由です。

周辺減光

描写に関してはF5.6でピークだと思われるので、周辺減光の変化のみ簡単にチェック。35mmのF4.0はそこそこに、F5.6でテレ端共に目立たなくなり、F8.0まで絞ればほぼ解消しています。

35mm:F4.0/F5.6/F8.0
100mm:F5.6/F8.0/F11

ワイド端の開放はやや周辺減光が目立つので(これはこれで嫌いではないけど)、描写が安定するF5.6通しと割り切って使ってしまうのも良さそう。

ワイド端&テレ端作例

もう少しこのワイド端&テレ端で撮り比べた作例を見てみます。
これは今年の元旦の初日の出前。やはりワイド端では周辺減光がやや目立ちますが、これこれで味があります。テレ端はPROレンズのようにバキバキにシャープという訳ではありませんが必要十分。

同じような場所で別の日にも撮ってました。こちらはワイド端がF5.0まで絞っているので、やや減光が解消されてます。気になるようならLightroomで簡単に補正できるレベル。

多摩川河川敷からの富士山もこれぐらいまでは引き寄せられます。

先日の北八ヶ岳天狗岳。以前ならば12-100mm F4.0 IS PROが大活躍だった中望遠から望遠域ですが、流石にPROレンズのような精細さはないものの悪くない描写でしょう。

……と思いつつ、2年前に12-100mm F4.0 IS PROでもほぼ同じ場所、同じ画角で撮っていたので、ピックアップしてみましたがちょっとレベルが違いました……。

G VARIO 35-100mm、サイズを考えればとても良い写りをしますが、やはりPROレンズは別格ですね(後はボディの性能差も大きいかと)。
カメラとレンズが変われば、これだけの差があることは理解した上で、「PROレンズの写りが必用なとき」「機材のコンパクトさを重視する場合」とで適宜使い分けて行きたいものです。

G VARIO 35-100mmを雪山で使う

当初の目的である登山で使ってみました。メインのカメラとして携行するのは広角ズームを装着したE-M1 Mark IIIなので、GM1+G VARIO 35-100mmはあくまでサブ的な役割です。

普通に記念写真は捗る。背景を程度に引き寄せるには、広角レンズより中望遠ぐらいがしっくり来ます。51mm(102mm相当)。

そして35mm(70mm相当)のちょうど良さ。遠景を切り取る際に非常にしっくり来る画角。描写も申し分なし。手ブレ補正(MEGA O.I.S.)はモニターを見てる限りそれほど効いてる印象はありませんが、GM1にはボディ手ブレ補正が搭載されてないので無いよりはマシ程度に捉えています。

遠くに見える北アルプスの峰々もよく写っています。


晴天屋外での100mmのAFがイマイチ?(GM1起因ぽい)

しかしながら100mmではなかなかAFが合わない。半押しでなかなか合焦しなかったり、グリーンの合焦表示が出たのに後で確認するとピントが来ていない……。まさかこんな場面でピントを外しているなんて。

なんてことのないシーンのはずがぼんやり

35mm → 100mmと連続で撮ってワイド側では合っているのに、テレ側ではピントが来てない。

この辺りも全て同じような状況。手前の木々にピントが来てしまってますが、AFポイントは中央の一点で撮っているので、手前に引っ張られたというよりは、無限遠よりもかなり手前側で合ってしまった状況。

これはレンズというよりはボディのGM1側の問題な気もします。全て条件は晴天の青空なので、古いLUMIXボディのコントラストAFが特定の条件を苦手としているでしょうか? 一面の青空が苦手なのは分かりますが、空と山の境目などはコントラストAFが効くものだと思っていただけに思わぬ落とし穴。

雪山だとサングラスをしていて液晶モニターもそこまでちゃんと確認できませんし、押さえも含めて数枚撮っているのに、後で確認したらピントを外していたりするので結構厳しい。古いカメラだけに文句を言っても仕方ないですし、この軽量システムの運用自体はかなり気に入ってるだけに、何か上手い対策を見つけたいところです(レンズのレビューなので、この話はまた別で)。

下山後に同じように山を撮るとちゃんとピントが来ているので、やはり光量などの条件の違いなのか?

レンズよりもボディに引っ張られた結果っぽいので、レンズレビューとしてはこの項目については差っ引いて読んでいただければ。

ちなみにサブ機ながら日中氷点下の気温の中250枚以上を撮影して、バッテリーは消費は1メモリ減ったのみ。仕様での撮影可能枚数が約230枚なので、思った以上に使えてますね(って、これはGM1でなくレンズのレビューでした)。

テーブルフォトにも使える35mm

最短撮影距離はズーム全域で0.9mと決して寄れる訳ではないですが、70-200mmレンズなのでパースを目立たせたくないテーブルフォトや、ブツ撮りに使っても悪くない。開放F値があまり明るくないので感度は上がりがちですが、レンズ内手ブレ補正にも期待しつつなんとか。



三脚を使うならば感度も低く抑えつつ、被写界深度のある歪みの少ない写真が撮れるでしょう(自分はそういう使い方はしませんが)。

フィールド散歩や野鳥撮影のお供にも

200mmまでしかない望遠なので野鳥撮影に向いているレンズではありませんが、ちょっとしたフィールド散歩の際に携行しておくと、スマートフォンが苦手とする望遠側をいい感じにカバーしてくれます。

大きな鳥ならば警戒されない程度の距離で目一杯ズームしてこんな感じ。

200mm相当は野鳥撮影では完全に広角ですが、ポケットに入るサイズのカメラとレンズでこれが撮れるのは嬉しい。

小鳥となるとこんなレベルですが、トリミングすれば使えない訳ではない。スマートフォンやコンデジだと、ここまでのデジタルズームやトリミング耐性はないでしょうし。


カワセミも200mm相当では小さくしか写りませんが……

Lightroomのディテールの強化とトリミングを併用すれば、十分な証拠写真になります!?


その他、G VARIO 35-100mm作例

もう少しG VARIO 35-100mmで撮った写真。全てGM1との組み合わせです。









今回の作例ですが、より高性能なボディを使ったら(E-M1 Mark IIIやGX7MK3など)、もう少し違った結果を引き出せたかもしれません。しかし私はm4/3最小最軽量ボディのGM1で使ってこそのレンズだと考えて手に入れたので、今回はこの組み合わせのみでの作例となりました。

マイクロフォーサーズフォーマットならではのレンズ

以上、色々と紹介してきましたが、こんな手のひらサイズで200mm相当までの望遠ズームレンズなんて、現行マウントではマイクロフォーサーズ以外ではまずお目にかかれないスペックだと思われます。

パナソニックも最近はダブルズームキットよりも、標準単焦点を組み込んだダブルレンズキットを推していることもあって(それはそれで正しいと思うけど)このレンズが注目されることは少ないのですが、マイクロフォーサーズならではのレンズだと思うので、興味があればぜひ手に取って貰いたいものです。これは最近再び手に入れた「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」についても同様に感じていることだったりします。

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