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便利広角ズーム M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO を使ってみることにした件

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今まで散々買わない理由を作って(?)避けてきたレンズですが、そろそろ年貢の納め時かなと使ってみることにしました。OM SYSTEM(OLYMPUS)のM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROです。

標準域までカバーする便利広角ズームが増えている

これまで広角ズームレンズといえば広角端で超広角の14〜16mm(35mm判換算)辺りから、望遠端は標準ズームに繋がる24〜35mmあたりまでのズームレンジが主流でした(14-24mm、16-35mm等)。

そんな広角ズームレンズのカテゴリにおいて、望遠側を標準域まで伸ばした、或いは標準ズームレンズの広角側を広げたようなレンズが数年前から市場に登場してきています。
一般的に「便利ズーム」と呼ばれるのは広角24〜28mm付近から5〜10倍程度のズームレンジを持つレンズを指しますが(24-120mm、24-200mm等)、広角域になるほど焦点距離数ミリの違いでも画角の変化が大きいですし、超広角スタートの場合2〜3倍程度の倍率でも新世代の便利ズームと呼べる存在かもしれません。

自分の記憶だとこの手のレンズの先駆けだったのがマイクロフォーサーズ用のLUMIX(パナソニック)の「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.」。35mm換算で20-50mmの2.5倍ズームでF1.7通しと今までにないスペックながら、重量690gとマイクロフォーサーズにしてはヘヴィ級の尖ったレンズ。

同じLUMIXからLマウント用のレンズとして登場した「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」は可変F値ながら超広角から標準域の3倍ズームで350gと驚異的な軽さを実現。S5のキットレンズとしての印象も強く、まさに新世代の標準レンズを感じさせる1本でした。SIGMA fpに装着して山で使ってみたい!?

更に今年に入ってSONYから「FE 20-70mm F4 G」が登場したり、タムロンからは2倍と控えめながらF2.8通しのコンパクトな「20-40mm F/2.8 Di III VXD」が登場するなど、超広角と標準域を繋いだズームレンズ市場はにわかに盛り上がりを見せています!?(それにしてもフルサイズには魅力的な広角ズームが多いな!)

この手のレンズの人気が高まっているのには、スチル用途だけでなく、自撮りを含む動画需要があってのことかもしれません。でも、超広角から標準って単純にスナップレンズとしてもめちゃくちゃ魅力的。

そんな新世代の便利広角ズーム群の中で、最も画角の広い広角16mm相当から、標準50mm相当の3.1倍ズームを実現しているのが、オリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL 8-25mm F4 PRO」です。発売は2021年の6月、新会社OMデジタルソリューションズが誕生した後のOLYMPUSブランド製品として登場しました。

理想的なズームレンジだけどずっと手を出してなかった

35mm判換算で16-50mm相当と、登山や旅行では最も多様する(?)焦点距離をカバーするこのレンズ。72mm径のフィルターが装着可能な(出目金ではない)前玉、沈胴機構ながらOM SYSTEMのPROレンズシリーズに共通する防塵防滴性能を備え、重量411gと比較的コンパクトなパッケージにまとめた1本です。

発表当初は当たり前に買うだろうと思ってましたが、実際にショールーム等で手にしてみるとフードを装着した使用時のサイズが思いの外かさばることが分かりました。さらに12-100mm F4.0 IS PROや12-45mm F4.0 PROを使う際に感じていた、開放値F4.0故のいくつかの不満(特に屋内の飯撮りが苦手)を引き継いでしまう…… など、結局購入には至らなかったレンズ。

ズームレンジだけなら7-14mm F2.8 PROより広い「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0」を過去使っていた時期もありますが、結局手放して7-14mm F2.8 PROに落ち着いたこともありました。

今更F4.0通しを買うぐらいなら、軽くて広角端F2.8のVARIO-ELMARIT 8-18mmを書い直した方がマシじゃないか?、と思ったりもしましたが事ある毎に気になってしまう8-25mm F4 PROの存在……。
先日久々に行った登山でもいつもの超広角ズーム(7-14mm F2.8 PRO)と合わせて、望遠側を少し伸ばしただけの20mm単焦点(20mm F1.7)の画角がけっこういい感じでした。トリミングで作れないことはないけど、現場で構図を作れた方が良いし、同じレンズの方が現像時の色や雰囲気も揃えやすい。

14mm相当と20mm相当

「モヤモヤしてるなら一度使って判断してみるか」ということでこの度ようやくの購入となりました。
もちろん「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」は引き続き手元に残すので(傷だらけなので売れなさそう?)2種類の広角ズームは用途によって使い分けていくつもり。

実用サイズは7-14mm F2.8 PRO比で別にコンパクトじゃないよね?

現在考えている運用ですが、なるべく機材を減らしてカメラ1台で登山や旅行を楽しむ際にはこの8-25mm F4 PRO。カメラ2台体制でしっかり撮りたい取材、光量の少ない屋内メイン、星空の撮影などがある場合は7-14mm F2.8 PROと使い分けることをイメージしています。

分かってたけど言うほどコンパクトでも軽くもない

実際に使い始める前に、購入前から引っ掛かっていた8-25mm F4 PROのアレなとこ。使ってないのに言うのもどうかと控えていましたが、自分のものになったので心置きなく言ってしまいます。
まず、沈胴機構を伸ばした使用時の見た目がまあカッコ悪い!? 特に大事な広角端で伸び過ぎ……。

沈胴機構のレンズは他メーカーも少なからず似たような見た目にはなるのですが、メーカー公式や各種メディアでのレビューの際にレンズを縮めた(撮影ができない)状態の写真ばかり掲載するのは、あまりフェアでないというか正直セコいとすら感じております。
使用時の繰り出しは8mm位置が最長で18mm付近が最短、25mmでまた少し伸びる感じ。

この沈胴機構、使用時はずっと伸ばしっぱなしでも良いとは思うのですが、ただでさえ花粉が飛んでるこの時期は繰り出し式のズームレンズを伸ばして使う際は慎重になりますし、伸ばした状態でぶつけてしまった際の剛性などに不安もあります。となると繰り出しの機構は極力都度引っ込めておくのが安心。やはり面倒くさい……。

https://jp.omsystem.com/product/lens/zoom/pro/8-25_4pro/feature.html

さらに、携帯性の高さについても確かにレンズフード未装着ならばそれなりにコンパクトではあるものの、実際はレンズフードを装着した場合、全体のシルエットはレンズフード内蔵型の7-14mm F2.8 PROよりも正直大きいです(レンズフードを逆さ付けしてもフード周りの太さは代わりません)。

レンズフードは7-14mm F2.8 PROを飲み込んでしまうぐらいに太いですし、使用状態まで沈胴を伸ばすともう12-100mm F4.0 IS PROに近いサイズ感です。

ちなみに重量も「従来レンズの7-14mm F2.8 PROより100g以上軽い」なんて言われてますが、確かに本体のみなら411gですがレンズフードやレンズフィルタを含めたら460g程度となり、重量差も縮まります。

F4.0通しの明るさなのに、言うほど軽くなければコンパクトな訳でもなく、使用時のサイズは12-100mm F4.0 IS PROクラス。これが私から見えていた8-25mm F4 PROの姿。

せっかく付けられるので保護フィルターは付けました

……と、ちょっと言いづらかったことを書いてスッキリしたので(!?)、一転ポジティブな気持ちでこの新しい「M.ZUIKO DIGITAL 8-25mm F4 PRO」を楽しんでみたいと思ってます。

* *

まだ半日使った程度ですが、気になるところもいくつかありつつ、屋外使用では悪くない感触です。改めてファーストインプレッション的なものは近日中に書く予定。

E-M1 Mark III + 8-25mm F4.0 PRO:19mm/F4.0
E-M1 Mark III + 8-25mm F4.0 PRO:25mm/F4.0
E-M1 Mark III + 8-25mm F4.0 PRO:8mm/F5.6
E-M1 Mark III + 8-25mm F4.0 PRO:25mm/F5.6

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROの主な仕様

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO|交換レンズ | OM SYSTEM

  • マウント:マイクロフォーサーズ
  • 焦点距離:8-25mm(35mm判換算16-50mm相当)
  • レンズ構成:10群16枚(DSAレンズ1枚,EDAレンズ2枚,スーパーEDレンズ1枚,EDレンズ1枚,スーパーHRレンズ1枚,HRレンズ2枚,HDレンズ1枚)
  • 開放絞り: F4.0
  • 最小絞り:F22
  • 最短撮影距離:0.23m(ズーム全域)
  • 最大撮影倍率:0.21倍(35mm判換算:0.42倍)
  • フィルター径:Ø72mm
  • 絞り羽根:7枚(円形絞り)
  • 最大径×全長:Ø77×88.5mm
  • 重量:411g
  • 希望小売価格:160,000円(税抜)