最近発売されたオリンパスの「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」、16mm相当の超広角から50mm相当の標準域までを1本でカバーする非常に便利そうなレンズです。いいですね。
製品特長 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
あったら間違いなく重宝しそうなレンズですが、登山のお供として考えた際に沈胴構造なことと広角端がF4.0からというのがやや引っかかる所(風景だけなら良いのですが…… パナライカみたいに広角側が明るい可変F値だと良かったのに?と思わないこともない)。
とはいえ、やはり魅力は望遠端25mm(50mm相当)の標準画角。一般的な旅行や登山のお供としてならば、鳥や動物を撮らない限り広角に強い万能ズームであることは間違いないでしょう。今後この8-25mm F4.0 PROをどうするはひとまず置いとくとして、そういえば手元にある7-14mm F2.8 PROレンズの望遠側をもう少し活かせないいものか?
7-14mm F2.8 PROは望遠側の14mm(28mm相当)でもF2.8の明るさがあるので、登山帰りに食事処に入るときなども、F4.0通しの12-100mm PROよりもテーブルフォトで重宝することが多いのです(以前持っていた、LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mmも望遠側は36mm相当まで使える代わりにF4.0と暗くなってしまっていまうのが微妙でした……)。
ただし、そのまま14mmで撮ってしまうとどうしても広角レンズのパースになりますし、後でトリミングするつもりで引いて撮ってみても、やはり意識はファインダー像に引っ張られてしまいます。
ということで、撮影時にデジタルテレコンを使って倍の画角で撮ってみたらどうだろう?と。RAWなら記録されるのは14mmのデータですし、あとからトリミング範囲を変更することも可能です。
あと、なんとなくデジタルテレコン使用時のボケ量なども今更ながらに気になったので。
それでは、まず7-14mm F2.8 PROの望遠端14mmで撮影。GRやスマートフォンなどの画角に近い28mm相当ということで、まあ普通の広角です。フォーカス位置が近いので背景は軽くボケています。
これをデジタルテレコンで2倍にクロップしてみます(オリンパスのデジタルテレコンはRAWには反映されないので、今回は全てJPEG保存した画像で比較しています)。35mmフィルム換算だと「14×2×2」で56mm相当の画角となります。背景もそこそこボケているように見えるかな?
それでは本当の28mm F2.8と比較してみましょう。こちらはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを28mm位置に合わせて撮影したもの。画角はほぼ同じでうが、思った以上にボケ量が違います。
1段絞ってF4.0。まだボケが大きい。ボケ量が大きいせいか、背景が明るく見えます。
2段絞ってF5.6、かなり近くなりましたがまだボケが大きいかな?
F8.0まで絞ってようやく同じぐらいの背景のボケ量となったでしょうか?
改めて構図を買えてもう一度。まずは7-14mm F2.8 PROの14mm+デジタルテレコンで58mm相当。やはりボケが少なく固く見えます。ちなみに、左手前の花びらで若干前ボケの確認もできます。
続いて、12-40mm F2.8 PROの28mm(58mm相当)。今度はF8.0から。こうして見ると、7-14mm F2.8 PROのデジタルテレコン(58mm相当)の方が少しボケが大きいかな。
F5.6、こちらの方が近いかな?
F4.0、ここまで来ると間違いなくこちらの方がボケが大きい。
F2.8。
こうして見ると、7-14mm F2.8 PROの望遠側を2倍にクロップして使った場合、画角は標準画角(56mm相当)になるものの、開放F2.8で撮影してもボケ量は実際の画角よりも2段以上絞った絵になってしまいます。元々マイクロフォーサーズがフルサイズセンサーよりも約2段分ボケ量が少ないことを考えると、標準レンズで撮った写真にしてはボケ量が少なすぎる印象ですね。
実際に何枚か撮ってみましたが、画角は確かに標準になってるもののマイクロフォーサーズでF5.6〜8.0ぐらいの被写界深度しか出ていないので、どうにも標準らしさがないというか……。レンズの明るさはF2.8なので、感度やシャッター速度はあくまでF2.8を基準にできるのですけども。
例えばブログで使うような物撮りの場合は、F2.8の明るさで2段以上絞った被写界深度の絵になるので、手持ちで気軽に撮影する方法として使えるかも…… うーん、どうだろう?(普段、ブログ用の簡易物撮りは単焦点レンズを使ってF2.0未満で撮ってますし)
ところで、7-14mm F2.8 PROと12-40mm F2.8 PROの14mmの画角が微妙に違うようですね(7-14mm F2.8 PROの方がわずかに広い)。12-40mm F2.8 PROの方は広角端から少しズームリングを回して、ディスプレイに表示される14mm位置に合わせているので、誤差があるのかもしれませんけども。
どちらも絞りはF2.8、それぞれのレンズの望遠端とほぼ広角端ですが、ボケ量はほぼ同じ。それはそう。
特にオチはありませんが確認できたのは、クロップした場合のボケ量は、本来その画角とF値で得られるはずのボケと比較してかなり小さくなってしまうこと(これはなんとなく知ってた)。
やはりデジタルテレコンはそこまで積極的に使いたい機能ではありませんが、7-14mm F2.8 PROの望遠側で後々トリミングして使うことを想定するならば、デジタルテレコンの画角を見ながら撮る使い方はアリかもしれません。
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROの主な仕様
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡
- マウント:マイクロフォーサーズ
- 焦点距離:7-14mm(35mm判換算14-28mm相当)
- レンズ構成:11群14枚(EDAレンズ2枚、DSAレンズ1枚、非球面レンズ1枚、スーパーEDレンズ3枚、EDレンズ1枚、HRレンズ2枚)
- 開放絞り-最小絞り:F2.8 - F22
- 最短撮影距離:0.2m
- 最大撮影倍率:0.12倍(35mm判換算0.24倍相当)
- フィルター径:Ø58mm
- 絞り羽根:7枚(円形絞り)
- 最大径×全長:Ø78.9x105.8mm
- 重量:534g
- 希望小売価格:185,000円(税込203,500円)