パナソニックの単焦点レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.」を買ってみたので、購入報告がてらのインプレッションなど。
- コンパクトな40mm相当レンズが気になってきた……
- Panasonic LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH. H-H020A
- LUMIX DC-GF10に装着
- シチュエーション限定レンズだけどしばらくはスナップでも
- LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の主な仕様
コンパクトな40mm相当レンズが気になってきた……
先日、こんな記事を書きました。最近は広角ズームレンズとコンパクトな中望遠の単焦点レンズの組み合わせで、旅行時の写真をほぼ賄っているという話。
ただし、この組み合わせは標準域付近の画角が抜けているので、飲食店や宿の食事を撮る際には広角ズーム望遠側のトリミングで対応していること。それはそれで良いのですが、テーブルフォト用にコンパクトな標準域のレンズを組み合わせるのもいいのかも、と記事を締めくくりました。
そんなことを考え始めるとコンパクトな標準レンズが気になってしまう悪い癖!?
所有してるレンズならば「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」があります。35mm判換算で30mm相当、F1.7の明るさ、115gと軽量でそこそこコンパクト… ではありますが、予備として持ち歩くには少し嵩張るのと(厚みがあるので)、そこそこに広角ズームの望遠側(14mm)とあまり画角が変わらない。
パンケーキサイズの標準ズームレンズ(LUMIX G VARIO 12-32mm)も持ってますが、屋内テーブルフォト用途だと少し暗い(35mm相当あたりまでズームするとF4.0を越えてしまう)。
パンケーキレンズといえば、マイクロフォーサーズ最初期のM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8。これは動態保存で持ってるPEN E-P1用にそのうち欲しいとは思ってますが、やはり広角ズームのテレ端(14mm F2.8)に対しての差別化としては少し寂しい。以前使ってたLUMIX G 14mm/F2.5も同様ですね。
そこで俄然気になってきたのがパナソニックの「LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.」です。
焦点距離40mmの単焦点レンズは以前はフォクトレンダー NOKTONなどがありましたが、ここ数年はフルサイズミラーレスの盛り上がりと併せて、各メーカーからコンパクトな40mmレンズが発売されて人気のようです。RICOH GR IIIxやOM SYSTEMのM.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PROも、同様に40mm相当。準広角(35mm)と標準(50mm)の間の40mmという画角は、中途半端というよりは絶妙かも!?
私自信、これまで各フォーマットで35mmと50mm(相当)のレンズはいくつか使ってきましたが40mmに関してはまだ未体験、ということで早速購入に踏み切ったのでした。
Panasonic LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH. H-H020A
LUMIX G 20mm / F1.7 IIは35mm判換算で40mm相当、開放F1.7の大口径ながら、薄型の所謂パンケーキタイプのレンズ。マイクロフォーサーズ初期からの人気レンズ「LUMIX G 20mm/F1.7 ASPH H-H020」のリニューアル版(鏡筒設計の見直しによる軽量化)として2013年に登場しました。
現在よりもm4/3フォーマットに明るい標準域の単焦点レンズが少なかった頃から評判の高いレンズですが、初代〜二代目共にAF周辺に弱点があり(遅い、駆動音、C-AF非対応等)、私自信も14mm/15mm/25mmの各単焦点レンズを所有していたこともあり、今まで敢えてこのレンズを選ぶことはありませんでした。
公式サイトの商品ページ内にも注意事項としてしっかり書かれています。
LUMIX G 20mm II | Gシリーズ 交換レンズ | 商品一覧 | LUMIX(ルミックス) ミラーレス一眼カメラ・デジタルカメラ | Panasonic
- 写真撮影時、コンティニュアスAFには対応しておりません。
- LUMIX G 20mm/F1.7 II ASPH.は、コンパクトで明るいF1.7を実現するためのレンズ駆動方式を採用しています。そのため、フォーカス動作時に、動作音や振動が発生しますが、異常ではありません。
- 動画撮影時にオートフォーカスが働くと、動作音が記録されます。動作音が気になる場合は、[AF連続動作]を[OFF]に設定するなどして、撮影することをおすすめします。
今回は用途がかなり限定的なので、これらの弱点は覚悟の上で購入。
程度の良い中古の玉数も多いレンズですが、今回は新品で購入しました。どうもパナソニックの低価格帯のレンズは構造的なものなのか埃が入りやすい気がして、数千円の差なら新品を選びたい気持ちがあります(直接関係があるかは不明ですがマウント部のネジ数もオリンパスより1本少ない)。
パンケーキ型のレンズですが、実はそこまで小さい訳でなく、LUMIX G 14mm/F2.5やSUMMILUX 15mm F1.7に比べると直径は大きめ(太め)になっています。
しかしながら重量は87gと100gを切っていて、かつF1.7の明るさを実現しているのが凄い。高速なAFモーターを組み込んでしまうと、このサイズは実現できないのかも? GF10に装着した場合、重量は約350gです。
鏡筒の外装は金属と樹脂の両方が使われています。LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH.のような艶消しの塗装の方が落ち着きがあって良いのですが、そこは二型とはいえ発売時期の古いレンズなので仕方ないか……。
LUMIX DC-GF10に装着
GF10に装着してみました。少々レンズが大きめなものの、そこまで悪くないバランスでしょうか。
電源を入れると前玉部がわずかに繰り出します。
最短撮影距離ではさらに前玉部が飛び出します。
逆に電源OFF時は少しだけ引っ込むので、いつものようにステップアップリングをレンズフード代わりに使うと引っかかってしまいます。46mmの枠だけフィルター(ガラスを割るなどして)を作っても良いのですが、ひとまず手元にあった46mmのフジツボ型フードを装しました。
このレンズは極力薄い状態で使いたかったこともありやや不本意ですが、レンズキャップは着脱が面倒ですし、そのままだとうっかり前玉に触りそうなので、しばらくはこれで運用してみます。
ちなみにOM-1に装着するとこんな感じ。これはこれで結構アリな気がします。本体の直径がそこそこ太いので、思いのほかアンバランスにならないですね。
GF10に装着した場合と比べて若干AFが緩やかな気もしますが、AFの移動量など前後の撮影距離によっても多少反応が違うので、同レベルということで良いかも。駆動音が静かなのはOM-1に装着した方。
小型ボディのGM1に装着すると、レンズの太さがボディからハミ出してアンバランスですね。
マイクロフォーサーズの小型ボディ&単焦点レンズの2セット。このSUMMILUX 15mm F1.7との比較もそのうちしようと思います(個人的には15mmと20mmの画角差はかなり大きいかも)。
シチュエーション限定レンズだけどしばらくはスナップでも
このレンズ、想定しているシチュエーションは最初に触れたように「広角ズーム+中望遠単システム」の間を補うため。予備レンズとしてカメラバッグの隙間に入れておいて、旅先の飲食店や宿の食事のときにだけ42.5mmと交換してテーブルフォト用途に使おうと思っています。限定的といえばかなり限定的ですね。
ちなみに私自信の心境の変化もあり、最近は飲食店であまり大きなカメラは使いたくなくなっていたのですが(スマホカメラの性能も上がっていますし)、GF10とこのレンズならばそこまで気になりませんね。せっかく初めての40mm相当の単焦点レンズを手に入れたことですし、しばらくは日常のスナップなどでも積極的に使ってみようと思っています。
手元に届いたその日、ランチがてら持ち出してみましたが35mmと50mmのいいとこ取り的な使い方ができて(使ってる感覚は35mmよりも50mmに近いかも)、確かにこれは絶妙な画角かもしれません。
やはりAFはお世辞にも快適とは言えませんが(速度よりも近接にピントを合わせる際のカタカタ振動。GF10との相性かも?)、ストレスという程ではありませんでした。
LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の主な仕様
LUMIX G 20mm II | Gシリーズ 交換レンズ | 商品一覧 | LUMIX(ルミックス) ミラーレス一眼カメラ・デジタルカメラ | Panasonic
- 品番:H-H020A
- マウント:マイクロフォーサーズ
- 焦点距離:20mm(35mm判換算40mm相当)
- レンズ構成:5群7枚(非球面レンズ2枚)
- 開放絞り: F1.7
- 最小絞り:F16
- 最短撮影距離:0.2m
- 最大撮影倍率:0.13倍(35mm判換算:0.26倍)
- フィルター径:Ø46mm
- 絞り羽根:7枚(円形虹彩絞り)
- 最大径×全長:Ø63×約25.5mm
- 重量:約87g
- 希望小売価格:55,000円(税込)