先週末の土曜日から今年も立山に行ってたのですが、今回から新たなレンズを導入しました。パナソニックのマイクロフォーサーズ用望遠ズームレンズ「LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」です。
- 便利ズームがあってもライチョウ生息域に行くときは望遠レンズが欲しい!?
- Panasonic LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
- ぶっつけ本番導入のファーストインプレッション
- パーゴワークス フォーカスLにOM-1と合わせて収まる
- LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.の主な仕様
便利ズームがあってもライチョウ生息域に行くときは望遠レンズが欲しい!?
自分の場合、登山の際の写真撮影にそこまで望遠域が必要になることは少なく、通常は35mm判換算で80〜100mm程度の中望遠まで、機材によって200mmまで使える際には使うこともあるといった感じ。
最近手に入れた「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」のテレ端50mm相当まで使えれば、風景スナップや記録写真に関してはほぼ必要な画角は事足りると思います。
以前から登山の際に愛用している高倍率ズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」や、小型望遠レンズの「LUMIX G VARIO 35-100mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」はどちらも最大200mm相当までのズームレンズで、これで足りないとなるともう野鳥撮影などの特殊な用途。
そう、鳥。ただし登山をしながらの野鳥撮影はコースタイムも読めなくなってしまうので、偶然見かけた以上の鳥探しをすることはありませんが、唯一狙って探したり写真を撮りたくなる鳥がいます。
もうお分かりですね、国の特別天然記念物「ライチョウ」です。
ライチョウはあまり人を怖がらない鳥ですし、いきなり登山道や目の前に表れることもあるので「600mmは標準域」のような野鳥撮影の世界ではありませんが、こちらから彼らの生息域を探しながら撮影する際にはやはり一定の距離を保つことも重要です(環境省作製の『ライチョウ観察ルールハンドブック』によると5mp以上の距離を取ること、と)。
ライチョウ 観察ルールハンドブック | THE JAPAN ALPS
ライチョウのサイズはハトより少し大きいぐらいで、登山道で出会ったような場合は標準ズームや運が良ければスマホで撮れることもありますし、200mm相当もあれば十分ではありますが、より離れた場所から撮る場合、障害物等を挟んで撮影する場合は200mmではやや心細いこともあります。
これまでライチョウを見てきた経験上、ライチョウの個体数が特に多いとされる立山の室堂平でも最低300mm程度、できれば400〜600mmまでの焦点距離が欲しいのが正直なところ(逆に長過ぎることもあるので、単焦点でなく100mm程度からズームできる方が便利)。
これまで立山で使ってきたレンズだと「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」(最大200mm相当)、より望遠を稼ぎたい場合には「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」(最大300mm相当)や「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」(最大600mm相当)あたりですが、このクラスのレンズを扱うには手ブレ補正機能を持つOM-1やOM-Dクラスのボディが必要です。
以前のようなメイン機級のカメラ2台持ちは取材依頼でもない限りは極力控えたいですし、登山中のレンズ交換も極力したくないので、8-25mm F4.0 PROを付けたOM-1(メイン)に加えて、望遠までカバーするコンパクトなシステム…… と考えた結果、新たにGF10に「LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」を組み合わせてみることにしました。
Panasonic LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.
LUMIX G VARIO 45-150mmは2012年に発売されたLUMIX Gシリーズの望遠ズームレンズ。 DMC-G6のダブルズームキットなどになっていたようです。型番末尾に「-KA」が付く現行モデルは2015年に発売された外装マイナーチェンジ版(鏡筒の印字などが異なる)。
少し古いレンズということもありますが、市場価格はなんと2万円台前半(マップカメラで現在20,710円)と、LUMIX G VARIO 35-100mmよりも格安。中古で探せば1万円台半ばから手に入るようです。今回は保証期間が来年3月まで残ってる新古品をかなり格安で購入しました。
35mm判換算で90-300mmのズームレンジを持ち、200gと非常に軽量コンパクト。
手持ちの望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」、そして「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」と並べてみてもこれだけ小さいです。
OMDS(オリンパス)にも「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R」というスペックのよく似たレンズがあり重量はM.ZUIKOの方が10gほど軽いのですが(しかも中古だと1万円ちょっと)、LUMIX G VARIO 45-150mmの方がサイズが小さく(全長は1cm短い)、さらに手ブレ補正「MEGA O.I.S.」を内蔵しています。
このレンズをGF10に組み合わせることで、手ブレ補正付きの望遠300mmの軽量&コンパクトシステム(約470g)が完成するのです。これはOMDSのシステムではPENや10系のOMDを使っても難しいでしょう。
ぶっつけ本番導入のファーストインプレッション
今回、レンズが手元に届いたのが立山出発の前日だったので、ぶっつけ本番でしたが、実際に使ってみたフィーリングはなかなか悪くありませんでした。以前から使っているLUMIX G VARIO 35-100mmはとにかくコンパクトでしたが、沈胴ズームなので撮影までレンズ繰り出しにひと手間掛かるのと、ズームリングの動きがあまりスムーズでないのが気になっていました(中古だったこともあるかも)。
一方、LUMIX G VARIO 45-150mmは沈胴ではないので45mmの初期状態から使えますし、テレ端150mmまでのズームリングも非常に動きがなめらか。間の焦点距離も意識的に使うことができます。
AFも高速という訳ではないですが静かでスムーズな動作。手ブレ補正はテレ端でもそれなりに効いているのを感じますし、やはり200mm相当までと300mm相当までの望遠ズームはかなり感覚が変わります。
描写に関してはPROレンズやパナライカのような隅々までのシャープさやキレ、抜き出た個性はないものの、低価格のキットレンズからしっかり写るマイクロフォーサーズらしい堅実なレンズという印象。この性能が新品2万円程度のレンズで得られるのはバーゲンプライスではないでしょうか。
ボディがファインダーのないGF10なので、撮影時に構図やピントの確認が甘くなる弱点(雪山は雪の照り返しが強く、モニターでのLV撮影は反射でかなり厳しい)はあるものの、最低限求めている画質とコンパクトさ重視のシステムでは、現状かなりバランスの良い落し所だと感じてます。
ちなみにしばらく前まで導入をかなり迷っていたのが24mmから360mm相当までのズームレンジを持つ、LUMIXの1インチセンサーコンデジ「DC-TX2D」でした。
パーゴワークス フォーカスLにOM-1と合わせて収まる
これは個人的な基準というか希望なのですが、最初に2台持ちのサブ機としてGM+LUMIX G VARIO 35-100mmを使い始めたときから、メインのOM-1やE-M1 Mark IIIと合わせて、パーゴワークスのトップローディングタイプのカメラバッグ「フォーカスL」に収まることが1つの基準になっています。
その後、GM1はGF10になって若干のサイズアップをしたものの、条件は変わらず。今回レンズのサイズがさらに少し大きくなりましたが、なんとかフォーカスLへの収納という条件はクリアしています。
ショルダータイプのカメラバッグにメインとサブの2台のカメラが収まって、超広角16mm相当から望遠300mm相当までカバー。我ながらなかなかに理想的なシステムができてのではないかと感じています。
荷物は減らしたいけど広角から望遠まで使いたい欲張りセット。LUMIX G VARIO 45-150mnは新投入。GF10に付けてOM-1と合わせてパーゴのフォーカスLに収まる。これで16mmから300mm相当📷 pic.twitter.com/VXO5vo6iVU
— OKP (@iamadog_okp) 2023年4月24日
天の川もライチョウも撮れる。ED 8-25mm F4.0 PRO、暗さが気になっていたけどなんとか星も撮れるし山にはやっぱり便利ね pic.twitter.com/6twHRqFdgp
— OKP (@iamadog_okp) 2023年4月24日
詳細なレビューはもうしばらう使ってからまとめる予定。時間が経てばまた求めるシステム条件は変化すると思いますが、昨年あたりから12-100mm F4.0 IS PROの登板機会が減って以来、なんとなく気がかりだった「ライチョウのいる山に持ってく望遠カメラ問題」が一旦解決した…… かもしれません。
立山の雄山山頂から浄土山・龍王岳を45mmから150mmまでズームアップ。
150mmから龍王岳山頂を切り出すと登山者の姿がしっかり写っています。
最後にGF10+LUMIX G VARIO 45-150mmの150mm(300mm相当)で写したライチョウと等倍で切り出し(クリック拡大時)。トリミング前の画像も、いつもより大きめのサイズで貼ってあります。
実際の立山レポート。早速このレンズを使った写真を一部で使用しています。
LUMIX G VARIO 45-150mm / F4.0-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.の主な仕様
LUMIX G VARIO 45-150mm | Gシリーズ 交換レンズ | 商品一覧 | LUMIX(ルミックス) ミラーレス一眼カメラ・デジタルカメラ | Panasonic
- 品番:H-FS45150
- マウント:マイクロフォーサーズ
- 焦点距離:45mm〜150mm(35mm判換算90mm〜300mm相当)
- レンズ構成:9群12枚(非球面レンズ:2枚、超高屈折率UHRレンズ:1枚)
- 開放絞り: F4.0(45mm)~F5.6(150mm)
- 最小絞り:F22
- 最短撮影距離:0.9m
- 最大撮影倍率:0.17倍(35mm判換算:0.35倍)
- フィルター径:Ø46mm
- 絞り羽根:7枚(円形虹彩絞り)
- 最大径×全長:Ø約62mm×約73mm
- 重量:約200g
- 希望小売価格:39,050円(税込)