Mac miniのヘッドホンアウトについて。
先日、デスクトップPCの音を鳴らすためのオーディオインターフェイスを変えた件に付いて書いたのだけど、そんな記事の反応を見ていた中にちょっと気になるツイートがありました。
Mac miniならヘッドホンアウトのアナログでカナリ音はいいと思うんだけどなあ。ハイレゾ対応とかもしてるしそもそもアップルのオーディオだし。イヤホンジャックだからチープに思えちゃうのかな。
— 林愛一郎Aiichiro HAYASHI (@i16) 2023年6月5日
PCオーディオの出力をSteinberg UR22Cに変えたらスッキリ - I AM A DOG https://t.co/gAYQX6knzd
そういえば、パソコン標準のヘッドホンアウトの音質についてあまり気にしたことなかったかも。
でもよく考えると以前の仕事でも採譜やアレンジ作業をMacBook Proにヘッドホン直挿しのままやってる人結構いたし(備品のDACやオーディオIFもあったのに使われてなかった)、家で1世代前に使ってたMac mini(Intel時代)もヘッドホンアウトから小型のアクティブスピーカーNX-A01を鳴らしてたのでした(ミキサーに音を送るときだけUSB→UCA202に切り替え)。
以前見学したライブアイドルの現場でも、運営の人がPAブースで自分のMacBook Proのヘッドホンジャックに直接ケーブル挿して(グループが変わると交代して自分のMacに繋ぎ変える)、そのままPAからオケを流していたので「オーディオIF使わないんだ!」と少し驚いたことがります。
NHKの番組ではYOASOBIのAyase氏が、MacBook Proとヘッドホンだけで楽曲制作してると話していました。そのときも機材にオーディオIFは見当たらなかった……。
最近DM等で作曲機材は何を使ってますか
— Ayase (@Ayase_0404) 2019年9月2日
的なご質問を多く頂くので
PC↓
・MacBook pro (2010)
ヘッドフォン↓
・audio-technica(ATH-M40x)
DAWソフト↓
・logic pro x
だけです。
ご飯食べるテーブルに
PC置いて作ってます。
最低限すぎる質素な環境だけど
やる気さえありゃ
なんとでもなるかな、と pic.twitter.com/LiZCVQyyWK
思い返してみればMacのヘッドホン出力の音が微妙だと感じたのはかなり昔の話。当初はシーケンサーとして使っていたMacで録音までするようになってからは、オーディオIFを使うのが当たり前になっていてヘッドホン出力の音質を気にしたこともなかったかも。携帯オーディオiPodで復活を遂げたApple製品だけに(今や音楽プラットフォーム大手の一角)、標準のPC直の出力もそんな悪いものではないのかもしれませんね。
Mac内蔵のDACでハイレゾ再生できる?
こちらもちょっときになったので、調べてみました。
Apple公式のサポートには、2021年以降のMacBook Pro、2022年以降のMacBook Air、2023年以降のMac miniなどは最大96kHz再生ができるDACを内蔵してるという記述がありました。
Mac でサンプルレートの高いオーディオを再生する - Apple サポート (日本)
「ハイレゾ」の定義をCD(44.1 kHz/16bit)を超える音質とするなら、十分にハイレゾと言って良さそうです。
では、上のリストには入らないうちのMac mini(M1 2020年)ですが、記事によってはM1 Macは全て標準で96kHz/32bit再生が可能と書かれている記事や、ユーティリティフォルダの[Audio MIDI設定]で96kHzが選択できるなら内蔵DACにそれだけの性能があるといった記述なども(一方で「Macでハイレゾ聴くならUSB DACを使え」的な記事も多い)。
実際にMac miniで[Audio MIDI設定]を開くと、確かに[Mac miniのスピーカー]や[外部ヘッドフォン]で96kHz出力に設定ができます。
[Steinberg UR22C]だと192kHzまで選べます。やはり表示される以上はハードウェア側(DAC)が対応してると考えて良さそう。
ちなみにM1直前のIntel CPU時代のMacBook Air 2020でも96kHzに設定可能でした。
Mac miniのヘッドホン出力とSteinberg UR22Cを比較
ハイレゾ対応云々は取り合えず置いとくとしても、改めてMac miniのヘッドホン出力を確認してみます。
比較対象はもちろんUSB接続したSteinbergのUR22C。両方からの出力を同じアナログミキサー(MACKIE 1202-VLZ3)に入れてレベルが同じになるように調整して、Mac miniの出力先を切り替えながら聴き比べ(ソースはApple Musicのハイレゾ96kHz音源)。モニタースピーカーと、モニターヘッドホン2種類で交互に聴き比べました。
前回、引退させたベリンガーのUCA202では明らかに音の違いが分かったのですが、今回は正直殆ど差がないかも? ブラインドでテストされたら恐らく分からないレベル……。
無音状態でフェーダーをフルに上げるとなんならUR22Cよりもノイズがない。UCA202は既に片付けてしまってますが、USB接続したUCA202より標準のヘッドホンアウトの方が低ノイズで音も良いことになります。
そういえば今回目にしたブログ記事の中には「安いDAC使うよりもMacのヘッドホン端子の方が音が良い」と書いてるものもありましたが、どうやら大げさではないのかも。
で、結局どうしたか?というと、UR22Cは一旦外してヘッドホンアウトを使ってます。
というのもMac標準のオーディオ機能なので、本体の出力コントロール(音量調整)ができるんですよね。オーディオIFだとキーボードのボリュームキー(F10/F11)で音量の確認や調整もできませんし、現状192kHz以上の音源を鳴らす予定はありません。
ただ、ごくまれにデジタルノイズっぽいのを拾うことがあって「最初に戻ってるじゃん?」ともセルフツッコミしつつも、UCA202ほどは酷くないし、いつでもUR22Cには切り替えられる状態なのでしばらく様子見。
今回久々にApple Musicを使いましたが、普段はSpotifyばかりでハイレゾ音源を再生する機会もほぼありません(あっても96kHzで十分かな)。この先、またバンド活動などで宅録やDTMをする可能性もあるので、オーディオIFの活用については必要になったら使う感じで。
192kHzのハイレゾ音源を探していたら、なぜか青春時代の作品が対応していた。