2023年6月3日の午前中に掛けて日本列島の南を通過した台風2号の影響により、東京でも2日から3日未明に掛けて線状降水帯が発生、野川や仙川、石神井川などが氾濫危険水位に達しました。
過去の大型台風では多摩川の水位がかなり上がることもありましたが、今回は多摩川に関しては警報が出ることもなく、ライブカメラを見ていても普段より少し水量があるかな?ぐらいの雰囲気でした。
台風一過ですっかり晴れた3日の午後、そんな多摩川の様子を見てきました。
多摩川左岸の府中市側。府中市郷土の森バーベキュー場、過去の大型台風襲来時にはこの一帯は冠水して、遊歩道(多摩サイ)が通る堤防の途中まで水位が上がったこともありましたが、今回は見た限りタープの貼られているバーベキュー場の冠水すらなかったようです。
モンシロチョウがたくさん。多くは羽根がボロボロであの暴風雨をなんとか生き延びたのだなと。
「多摩川緊急治水対策プロジェクト」により数年後には撤去されてしまう大丸用水堰。流石に水量は多いですが比較的普通の大雨後といった流れ。スモールバス狙いの釣り人の姿も既にちらほら見られました。
多摩川緊急治水対策プロジェクト | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
大丸用水堰の直下。さすがに前日は冠水していたよう。
ただし冠水したのはせいぜいこの範囲で、郷土の森のグラウンドなども無事でした。
カモとカモツ列車。
郷土の森のバーベキュー場とサッカー場の間の流れ込みは、府中市内を複雑に流れる府中用水の終点の一部。新田川ってことでいいのかな。さすがにいつもよりは水量多め。
暗渠となった新田川からの水が流れ出す是政排水樋管。府中市は地区により合流式下水と分流式下水が混在していて、中央自動車道から南、中河原より東は分流区になっているようです。この流れ込みも大雨の後などは下水臭さが入りますが、この日は特に気になる悪臭はなく雨水と用水の水が中心だったよう。
公共下水道台帳 東京都府中市ホームページ
2019年10月の「令和元年東日本台風」ではグラウンドがボロボロに破壊されてしまいましたが、今回は被害がなくてなによりでした。上流部の雨量の他に、各所で行われていた治水関連の工事の影響もあるのでしょうか。
是政橋より少し上流にある、こちらも府中用水からの流れ込み。
こちらも落ち着いた水量で臭いもなし。
是政橋を渡って多摩川右岸の多摩市側へ。
南武線と貨物線の武蔵野南線を走る臨時列車が並走しています。
いつもよりは水量はありますね。
右岸を歩きます。
昨年来たときは「R2多摩川右岸大丸用水堰低水護岸工事」の工事で入れなかった、南武線鉄橋の先にも進めます。全体のスケジュールはまだ途中ですが、工事は主に冬季に行われるらしく6月の現在は休止中のようです。
三沢川分水路。
特に流れ込んでいるようには見えません。三沢川の水量はどうだったのでしょう?
勢いよく流れ込んでいるのは南多摩水再生センター(下水処理場)からの処理水。
このあたりの倒れた灌木は台風による増水の影響でしょう。
大丸用水の沈砂池でしょうか。ここからしばらく暗渠を流れた後、武蔵野南線を過ぎた辺りで開渠となります。三沢川分水路や南多摩水再生センターの放流口と交差していますが、恐らく大丸用水が上を越してるのではないでしょうか?
大丸用水堰の右岸側はいい感じの荒れ模様!? ここには落ちたくない……。
正面に見えているのが南多摩水再生センター、左手前が大丸用水の取水施設のようです。
大丸用水堰の上流右岸側、かなり整備されていますね。この大丸用水堰ですが、2019年の台風19号(令和元年東日本台風)の被害を受けての対策(多摩川緊急治水対策プロジェクト)により、大幅な改築が行われています。来年2024年に掛けて現在の大丸用水堰は撤去され、床止め工を行うとのこと。
⼤丸⽤⽔堰の改築について 【多摩川緊急治⽔対策プロジェクト】(PDF)
さっき写真を撮っていた場所はサギ集団に占拠されてしまいました。
この大丸用水堰が見られるのも今のうちです。右奥に見えているのは東京競馬場。
開渠になって流れ始める大丸用水、南武線が来るのを待っていたらカワセミが飛んできました(画面真ん中の下あたり)。大丸用水にもいるんですね。
そして日没。きれいな夕焼けでしたが、期待していた台風後の鮮やかな爆焼けはありませんでした。乱反射する雲は少なかったですからね。
それではそろそろ帰りましょう。
川の向こうに東京競馬場。明日は(4日)安田記念。
昇ってきた満月と南武線。