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北多摩二号水再生センター内を流れる水路が気になって辿ってみると四谷本宿床止からの本宿用水

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府中市内、まだまだ知らない用水路だらけだと思った日のこと。

自転車で「北多摩二号水再生センター」の近くに来ました。最近、多摩川流域の下水処理場をよく見てるので、北多摩二号水再生センターの周囲を少し見て回ろうと思います。


北多摩二号水再生センターは多摩川左岸の国立市にある水再生センター(下水処理場)で、多摩川を挟んだ対岸日野市の浅川水再生センターとは連絡管で結ばれています。ただし多摩川の堤防からは数100メートル離れたいずみ大通り沿いにあるため、多摩川堤防を移動していてもその存在に気づきにくい施設でもあります。

他の多摩川沿いの水再生センターと同様に、敷地の上はスポーツ施設の「流域下水道処理場広場」として一般開放されています。いずみ大通り沿いには、利用者のための無料駐車場も開放されています。

施設の南側にあるスロープと階段の連絡歩道橋。道路を挟んで「谷保緑地」という小さな緑地があります。

この歩道橋の上から見える北多摩二号水再生センターの敷地内、緑が生い茂った奥に水路が流れているのが見えました。これは府中用水でしょうか? 以前来た際にはこんな水路があることに気づきませんでした。後ほどこの水路がどこに続いてるのか確認してみようと思います。

こちらが北多摩二号水再生センターの建物。左側が流域下水道処理場広場になっています。

流域下水道処理場広場に入ります。

下水道処理場の沈殿池の上に野球場、テニスコート、バスケットコートが設置されています。

いかにも下水道処理場らしい施設を目にすることはありませんが、最近見た他の処理場に比べると汚水の臭気が全体的に漂っているように感じました(気温やタイミングの影響もあるかもしれませんが)。

円筒形の建物はヤクルト中央研究所。

流域下水道処理場広場は北側にも入口と連絡歩道橋があります。歩道橋の向こうは日野バイパス。

さて、先程敷地内を流れていた水路ですが、上流側を確認しようといずみ大通り側に来てみました。無料駐車場の並びで開放されてない区域ですが、これは見るからに暗渠がありそうな不自然な斜めの縁石。

いずみ大通りを挟んで遠くからも目立つ紫色の集合住宅は都営泉二丁目アパート。高置水槽も目立ってます。


先ほどの斜めの縁石の続きが交差点を挟んで団地の建物沿いに伸びているように見えます。

そんな団地沿いの「泉緑道」を歩いて行くと……

水門がありました。やはり水路はここまで暗渠を流れていたようです。

開渠となって多摩川方面に流れて行く水路。ここまで来てようやく気づいたのですが、これは府中用水でなく先日見た四谷本宿堰(四谷本宿床止)から取水された本宿用水(四谷用水)ではないかと。

やはり四谷本宿床止上の取水口につながっていました。



日野バイパスの石田大橋。

ちなみにこの石田大橋の少し上流、中央道を越えた先には府中用水の谷保堰があり、府中用水の本流がいずみ大通りに沿って流れ、石田大橋北交差点付近まで流れてきていること。そこで流れを変えた府中用水は北多摩二号水再生センターの敷地の北側を回り込むように再び中央道を越えて東進するのですが、それを知らなかったこともあり、北多摩二号水再生センター内を流れているのは府中用水ではと勘違いしたのでした。

府中用水と本宿用水(四谷用水)の流路については、このあたりのブログを参考にさせていただきました。

関東地方整備局による四谷本宿堰の解説にも、本宿用水の流路についての解説があります。

四谷本宿堰で取水された水は、国立市泉で二手に分かれます。南側を流れる用水は四谷地区を幾筋かに分かれて南東方面に進み、府中市住吉町で府中用水に流れ込みます。一方、北側を流れる用水は北多摩二号水再生センターの敷地内を通り、中央自動車道の国立府中IC付近をくぐってそのまま東に流れ、日新町と住吉町の境付近の行人前橋で新田川に合流すると、中央自動車道の南側を暗渠で流れます。
四谷本宿床止 - 多摩川の名脇役/関東地方整備局

さて、再び北多摩二号水再生センターの流域下水道処理場広場への歩道橋付近。

北多摩二号水再生センター内の本宿用水とは別に、道を挟んだ谷保緑地内に流れている流れがあります。恐らくこちらも本宿用水から分岐した流路で、関東地方整備局サイト解説の「南側を流れる用水」でしょう。

緑地の中を親水施設として流しているだけにしては結構な水量があります。

谷保緑地の中を流れて……

そのまま暗渠になって住宅地への中へ消えて行きます(これはまた後ほど)。

一方、北多摩二号水再生センター内を流れる本宿用水の出口を探すと……

北多摩二号水再生センターの中を並行して流れる2本の水路がありました。

細い水路と

こちらが太い水路。

2つの水路がどうなるかは不明ですが、敷地を出た本宿用水は道路の下を抜けると開渠となります。

しばら住宅地の中を流れて……

中央自動車道 府中国立インターのランプウェイの下に流れて行きます。

この先は追っていませんが、国立市と府中市の市境付近を流れて、府中用水の雨水第一幹線や新田川に合流しているようです。

一方、谷保緑地の中を抜けて住宅地の中へ消えた方の本宿用水、四谷緑道に沿って流れて府中市に日新町に入るあたりの生産緑地で開渠となって現れ、周辺の田畑を潤していました。


水田に引かれている水。かつては多摩川の西府用水下堰水門から引かれていた水は四谷用水として、本宿用水と合流しながらこの一帯を流れていたようです。

野猿街道の日新町付近で複数に分岐する用水路。


左手は中央道沿い、右側から2本の水路が合流しています。

中央道に沿って並行して流れる2本の水路。

畑の中を流れる素掘りの用水路。


置物かと思っていたら生きてるカモでした。カルガモのようなマガモのような?

カモの下を奥に流れて水が右奥からUターンして左前側に流れてきて……

先ほど中央道沿いを並行した流れていた2本の水路と合流して、今度は左上に流れて行きます。写真では少々分かりにくいですが水路の四差路(三叉→1本に)

そして中央道の高架下を流れ……

今度は中央道の北に広がる生産緑地の水田を潤します。水田の先に見えているのはNECの府中事業所。どうやらNECの北側を流れているのが府中用水で南側を流れているのが本宿用水、四谷用水のようです。


央道の側道から北東に掛けて枝分かれする水路、どれもいい雰囲気です。

この後も本宿用水は住吉町から南町に掛けて流れているようですが、そういえば中河原駅のあたりにあった「水祥矢部養魚場」の水源って何だったのかな(地下水だったようです)と思ったら、2023年に閉業してしまっていたそうです。

府中市に住んで結構長いものの「市内を流れている用水路は、ハケの湧水か府中用水由関連だろう」ぐらいに思ってましたが、実は中央道よりも南側(多摩川との間のエリア)は本宿用水を由来にした水路が多かったことをこの日ようやく知ることとなりました。用水路も奥が深い。