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稲城のありがた山から南山東部土地区画整理事業(スカイテラス南山)の様子を見てきた

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日曜日、稲城市の「ありがた山」に行ってきました。

徐々に姿を変えて行く稲城の南山東部地区

数ヶ月前にこんなツイートをしたのですが、稲城市の「南山」と呼ばれている多摩丘陵の一部(住所的には稲城市矢野口や東長沼)が、この10年数年の間にみるみるうちに姿を変えています。
多摩地区最後のニュータウン開発と言われている「南山東部土地区画整理事業」改め「多摩都市計画事業稲城南山東部土地区画整理事業」(スカイテラス南山)が今まさに行われている現場です。

この南山東部地区の開発については、つい先日DPZの記事にもなっていました。ウルルはやっぱり思うよね。

南山エリアは以前から買物や周辺にある仏舎利塔を見に足を運んでいましたが、地図を見ながら気になっていたのが「ありがた山」という名前。多摩丘陵(南山東部)の小さなピークの斜面に無縁仏を集めた石碑群があり、「ありがた山」とか「ありがた山石仏群」と呼ばれているのだそう。
ありがた山 - Wikipedia

2021年にまだ「稲城よみうりランド坂トンネル」が完成する前にランド坂の上から撮っていた写真。真ん中に見えている古墳のような小山がありがた山です。既に丘陵の周辺は大きく削られてて造成地となり、ありがた山の南面はコンクリートで法面保護工事されています。元々はどんな地形だったのでしょう?

トンネル完成後、新しくできた道路から見上げたありがた山。今年の初詣の際に歩いた際の写真ですが、南側からは登り口などはなく、登れそうな斜面に通じる場所は工事区域として入ることはできません。


調べてみると北側の歩道はまだ通じているようで、ネットにも頻繁にありがた山を歩いた記録が残っています。
ありがた山(東京) | YAMAP / ヤマップ
ありがた山|最新の山行記録と登山ルートやアクセス、気象状況など-ヤマレコ
ありがた山自体にも開発計画もあるよう、で今後の工事によってはどうなってしまうか分からないので、今のうち歩いておくことにしました。

南山東部地区の様子については多少過去の写真が残っているので、別途まとめてみたいと思ってます。
https://moognyk.jp/entry/2023/12/13/080000:embed:

JR矢野口駅からスタート

JR矢野口駅からスタートします。京王相模原線の京王よみうりランド駅が最寄りですが、調布や稲田堤を経由するよりは、ここから歩いた方が手っ取り早いので。

府中街道から名前を変えた川崎街道と鶴川街道の交差点。南多摩尾根幹線のスタート地点でもあります。近くには自転車乗りが集まったカフェなどもあり、この日もロードバイクに乗った人の姿が多く見られました。

榎戸の交差点を左折してよみうりランド方面へ。正面がよみうりランドなどがある多摩丘陵です。

アメリア稲城と横を流れる三沢川。このあたりは春には三沢川の花見、夏には梨やぶどうなどのフルーツを買い求めに、冬にも三沢川沿いの鳥見でよく訪れます。


多摩丘陵の歴史のある寺、妙覚寺

京王相模原線の線路をくぐって少し行くと、妙覚寺というお寺があります。丁度このあたりから多摩丘陵の隆起が始まっていて、そんな丘陵の斜面に作られたお寺のようです。

室町時代の終わりに開山されたかなり歴史のあるお寺のよう。少し覗かせて貰うことにします。

丘陵の段差があるお寺、いいですよね。

立派な本堂と鐘撞堂もありました。こちらの妙覚寺、実はありがた山とも関係のあるお寺です(後ほど)。

稲城市の指定文化財にもなっている板碑(青石塔婆)。室町時代の1454年に立てられたものだそう。


敷地奥はそのまま竹林になっていますが、通り抜けることはできないようでした。お寺の敷地ということで、今後も開発されることはなく残されて行くのでしょう。

左に見える道路がよみうりランド坂で奥にはよみうりランドの観覧車。正面が南山と呼ばれる多摩丘陵の東端。右上に少し見切れているのがありがた山ですね。

妙覚寺の中を通り抜けさせて貰い、ありがた山へと向かいます。


ありがた山と石碑群

このあたりはまだ里山的な風景が残ってますが、スカイテラス南山の整備とともに徐々に姿を消してしまうのでしょうか。同じ三沢川流域の上谷戸(若葉台)のようにうまく共存できるといいのですが……。

既にかなりのエリアが工事スペースとして区切られていますが、その脇にある狭い通路を進んで行きます。恐らくこの先にある墓地の参道として残してあるものだと思われます。12月中旬にルートの変更があるそう。


こちらの墓地も妙覚寺の管理になるようです。

墓地の横を通らせて貰って斜面を登って行きます。

途中にありがた山の名前の由来(?)となった石碑群があります。確かにこれはなかなか不思議な光景ですね。過去には特撮作品などのロケ地に使われたこともあるそう。

石碑は比較的新しいものからかなり古いものまで、形も様々です。この石碑群はこのまま残して欲しい気もしますが難しいのでしょうかね……。


石碑群の横に井戸がありました。確かに井戸の奥からかすかですが湧水があるように見えます。

こちらは墓地の中にあった立て札。お墓で使われる水は湧水を貯めているとのこと。開発により周囲を切り崩されてしまった丘陵の端にある小さな丘ですが、未だ保水能力があるのでしょうか(水源もわずかな雨水しかなさそうですが……)。開発の影響が気になるところです。

さて、上の看板には「白雲山・日徳海」と入っていますが、妙覚寺の墓地に立てられていたものです。
Wikipediaやその他ググった情報によると、ありがた山の石碑群は妙覚寺の土地をお借りして、日徳海という慈善団体の方々が設置、今も定期的な整備が行われている場所のようです。

1940年から1943年にかけて、道義的および宗教的理由により駒込地区に存在した無縁仏等がここに移動された。この移動作業を行ったのは「日徳海」と称する団体であり、現在もありがた山石仏群の奥にある仏舎利塔の奥に日徳海の施設が存在している。

臨済宗建長寺派に属する妙覚寺の先々代および先代の住職の厚意により墓地の一部に長期にわたる無縁仏の墓石および納骨施設を設け墓地としての利用を認められており、日徳海の各施設は自らの所有する隣接地に配置されている。したがって両者は無関係とは言えない相互関係によりお互いが協力してこの山を護っている。
ありがた山 - Wikipedia

振り返ると新宿のビル群が見えました。イトーヨーカドーは国領みたい。

再び石碑群の横の道を登って行きます。

西側の展望が大きく開けました。すでに木々はなくすっかり平らに慣らされたこの広い造成地にも、これから多くの住宅が並ぶのでしょうか。ニュータウン開発により新たな街が生まれることに土木的な関心がある一方、多摩に残された自然が消えて行くことへの寂しさもありなんとも複雑な気持ちです。

冒頭に貼ったツイートの南山ウルルの反対側。

石碑群を横から。

もうすぐ頂上です。



ありがた山からの展望、スカイテラス南山開発の様子

ありがた山からは、今まさに開発されている南山東部地区(スカイテラス南山開発)の様子が一望できます。眼下には2025年3月にオープン予定の水族館一体型の球場「東京ジャイアンツタウン」が建設中。

ウルルの向こうに見えているのは既に分譲が始まっているプラウドシーズン稲城南山。ヤオコーもあっていいなぁ……と思いましたが、我が家に手の届くような価格ではありませんでした。
ランド坂トンネルから続く手前の道は奥の住宅地とつながると思うのですが、いつになることやら……。

ありがた山の頂上です。小さな仏舎利塔が3つ、結構頻繁に人も訪れているようで(この日も数人の散歩客の姿がありました)、落ち葉の掃除などもされているようでした。

「武蔵国五字ヶ峯」という山頂標識?がありました。



石碑群が頂上の横までびっしりと並んでいます。


頂上から少し下がった場所に周囲を見渡すことができる展望台のような通路があります。


北東方面。手前の竹林は先程の妙覚寺。右奥が京王よみうりランド駅。真ん中あたりの奥には味の素スタジアムも見えています。

京王線がやってきました。奥に多摩川の河川敷も見えます。

紅葉の中に浮かぶ、よみうりランド(HANA・BIYORI内)の釈迦如来殿。

こちらは日本山妙法寺の多摩仏舎利塔。2つのストゥーパを見ることができるありがた山。このありがた山にも仏舎利塔がありますし、仏教系の宗教施設が多い稲城の南山。


仏舎利塔の立つ頂上部分を見上げて。素晴らしいロケーションですが、いつ崩れてもおかしくなさそうな山肌。周辺の開発が進んで元々の状態とかかなり環境が変わっていると思いますし……。

南東側。すぐ下を道路が通ってますが、こちらから登ることはできません。

ランド坂トンネルから続くループの真ん中に建設中の「東京ジャイアンツタウン」エリアをパノラマ写真で。現在、よみうりランド横にあるファーム球場はこちらに移転するのでしょうか。

東京ジャイアンツタウンの完成予想図は反対側から見た角度で描かれています。左上あたりがありがた山。南斜面の下にある空き地は駐車場になるようです。

「TOKYO GIANTS TOWN」構想特設ページ|読売ジャイアンツ公式サイト

あれ?こんな塔があったっけ……? と一瞬思いましたが。

よみうりランドの観覧車ですね。ここまで見事に真横から見たことはなかった。

直角カーブの横には大きな調整池が作られています。ヤオコーの近くにも調整池があって既に水が溜まっていましたが、やはり地下水の豊富な丘陵なのでしょうか。


ヤオコーをズーム。日曜日のお昼時、屋上駐車場まで車が並んでいて、かなり賑わっているようです。できたばかりの頃は、まだ周囲の住宅もなかったので、いつもガラガラだったのが懐かしい。

多摩丘陵のひだではお隣?になる向陽台がある城山公園の緑地が見えます。薄緑の円形の建物は南武線の車内からも見えて気になっていましたが、東京都水道局の向陽台給水所だそうです。

稲城市役所。

プラウドシーズン稲城南山では一番最初にできたエリアとその奥にはプラウドシティ南山、奥に見えているのがビュータワーズ向陽台。

それではそろそろ戻ります。

枯れ葉の中に地味な色のチョウがいるなと思って見ていたら、翅を広げたらとても美しいチョウでした。ムラサキシジミでしょうか。少し飛んでは日向ぼっこをするように、ゆっくりと翅を広げていました。


よみうりランドのロープウェイ「スカイシャトル」に沿った斜面の紅葉。丘陵のひだの間の谷を挟んだ光景です。遊歩道の「巨人への道」からも紅葉が楽しめることでしょう。


矢野口に戻って分倍河原でランチ

行きは妙覚寺の中を通らせて貰いましたが、本来はここで右折してありがた山へと進みます。

アメリア稲城のスーパー三和に立ち寄って買物を少々。

さて、ランチはどうしよう? 南多摩に移動して江川亭でラーメンでも食べて、腹ごなしに府中まで歩くか…… と思って南多摩に行ったらかなり混雑していたので、分倍河原まで移動して以前から気になっていて博多ラーメンの「しょうちゃん」へやってきました。稲城市から多摩市、そして府中市へ。

豚骨ラーメンと高菜ご飯、散歩中なのでこれぐらい食べても大丈夫でしょう。ごちそうさまでした。

腹ごなしにもう少し歩き回ってから家に帰りましたが、後でスマホで確認したら20000歩に満たないレベルで、もう少し歩くべきだったかもしれません。稲城南山の開発についてはもう1本まとめようと思います。