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【スーパームーン】ミラーレスカメラを使って簡単な設定で月を撮ってみる【マイクロムーン】【中秋の名月】

昨日は満月が普段よりも大きく見えるスーパームーンでした。多くの方がSNSに写真をアップしていましたが、そういえば最近OM-D E-M10を買った後輩に月の撮り方を教えてあげたところ、えらく喜んでくれたので同じような内容を記事にしてみようと思います。

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月だけを撮るならば手持ちで十分撮れますし(三脚は必要ありません)、慣れてしまえば簡単なんですけど、初めのうちは月の撮り方って結構分からなかったりするんですよね。

初心者は「月の撮り方設定」を自分のカメラに応用できない?

一眼レフ、ミラーレスカメラを使うと、スマホやコンデジよりも大きく、綺麗な月の写真を撮ることができます。私も初めて一眼レフカメラを使って、このような感じに月の写真を撮れたときはとても嬉しかった記憶があります。

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カメラの入門者やネット記事にも「月の撮り方」情報は溢れていて「月は天体写真の中で最も手軽に撮れる被写体」とされる初心者向けの解説が多いのですが、本当に初心者のうちは一眼レフやミラーレスカメラ全般に向けて書かれている記事の内容を、自分の持っている機種に当てはめることができなかったりするようです。

私の後輩もまさにそれで、ネット記事の花火や月の撮り方を見ても自分のカメラに応用することができず、その場で具体的に見せられてようやく理解できたそうです。

PEN Lite E-PL6のダブルズームキットで満月を撮ってみる

ということで、どこまで需要があるかは分かりませんが、もうかなり長いこと底値状態で売られているPEN Lite E-PL6のダブルズームキット(の望遠ズームレンズ)を使って、誰でも月を手持ちで撮れるオススメ設定値を紹介してみようと思います。このカメラを選んだ理由は私も安値に釣られて買ったひとりだから。

オリンパスのマイクロフォーサーズ機なら、ほぼ同じ設定で行けるはずです。

もちろん、オリンパス製品に限らずマニュアル設定可能なデジカメ全てに応用できるものですが、それが分からない人のための機種限定記事ですので…。

MFTカメラ+キット望遠ズームならまずこの設定

実際にどんな写真が撮れるかというと、トリミンズをしないでこんな感じ。「なーんだ。この程度、聞かなくても撮れるよ」って方は以下見る必要ナシです(笑)

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OM-Dほど手ぶれ補正が効かないE-PL6でも、これぐらいは手持ち撮影で十分撮れます。E-PL6以降の機種ならもちろん、それほど感度も上げてませんし、E-PL6以前の機種でも同じように写ると思います。
さらにトリミングをすることで、冒頭の写真のようにさらに月を大きく見せることもできます。

キットの望遠ズームレンズでも十分それらしい写真が撮れるのが分かって頂けたかと思います。というか、かなりいいレンズなんですよ。このキットの望遠ズーム。

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それでは主な設定値ですが、以下のようになります。

[レンズ]

  • 使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
  • ズーム位置:150mm(最大望遠)

[カメラ側]

  • モードダイヤル:マニュアル(M)
  • ISO感度:ISO400
  • 絞り:F5.6〜8.0位
  • シャッター速度:1/500〜1/1000秒
  • ホワイトバランス:オート、太陽光など
  • 画像サイズ:なるべく大きく
  • デジタルテレコン:On
  • オートフォーカス:S-AF

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上記設定について、ざっくり説明します。

  • まずダイヤルを「M」に併せてマニュアル露出に設定します。「S」のシャッター優先でもいいすが、ひとまず「M」で。
  • ISO感度は手持ちならば400位がいいでしょう。オートにすると勝手に上がってしまうので、絶対に固定です。
  • 絞りは開放値のF5.6でもいいですが、多少絞った方がクッキリ写るかもしれません。まあ、おまじないみたいなものです。慣れないうちはブレやすいので、F5.6でいいです(もし「S」モードでシャッター速度のみ弄る場合だと、絞りは恐らく勝手にF5.6になってるはずです)
  • 感度と絞りを固定したら、シャッター速度を1/500位から徐々に上げながら月にカメラを向けて撮りまくってみましょう。明るい満月の場合、最初から1/800位にしてしまってもいいかもしれません。暗い月ならもっと下げてもいいですが、あまり下げるとやや手ぶれしやすくなります。
  • 画像サイズ(ファイルサイズ)は最大にしておいた方が、トリミング耐性が上がります。ブログ掲載レベルならMediumでも十分ですけどね。
  • フォーサーズの150mm(300mm相当)でも月はかなり小さく写るはずなので、最初から「デジタルテレコン」機能をオンにすることで、600mm相当のズーム画角で撮ることができます。慣れないとなかなか画面の中央で月が止まらないと思いますが、後でトリミングすればいいだけなので、気にしなくていいです。ちなみにデジタルテレコン機能は、PENならばE-P3、E-PL3、E-PM1以降の機種には搭載されているようです。
  • ホワイトバランスはオートか太陽光にすれば、見た目に近い灰色っぽい月が写るはずです。また、青白い月にしたければ蛍光灯に、黄色っぽい月にしたければ晴天日陰や曇天にするといいでしょう。

こんな感じですね。

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  • ピントはオートフォーカスで合います。AFターゲットを中央1点にして月を捉えたら何枚も撮りましょう。手ぶれやピンボケ、真ん中に月がこないなどあると思うので、何枚も撮ってあとでまともな写真をピックアップすればいいのです。

それでも手ぶれしてしまようなら「連写」で撮ってみましょう。というか最初は連写してみた方が成功率が上がるかもしれません。
あと、これは好みもありますが、月はあまり明るく写すよりは、プレビューした際、多少暗めに写ってる位が、表面の陰影やクレーターがしっかり写っているはずです。明さは後から補正もできますので。

次の段階は「何故、この設定で撮れたのか?」を考えること

この設定でどうして月が撮れるのかが分かってくると、コンデジやスマホなどで月を撮るときに、何をすればいいのか?何故上手く撮れないのか?も分かってくると思います。

月の明るさに対してオートで露出を決めてしまうと、明るく光った月になってしまうのを、どう露出を落とせばいいのか? シャッター速度の調整できないコンデジならば、ISOを固定して、露出補正をマイナスに振って、内蔵フラッシュを炊けば(夜間の野外の場合フラッシュを指で押さえて周囲に怪しまれないようにするなどの注意も必要w)シャッター速度を落とすという方法もあります。
スマホなら月以外の対象物に露出を併せてロックするという方法も使えますね。ISO固定できるアプリが必要な理由も分かるでしょう。

月は設定さえ間違っていなければとても簡単に撮れる被写体です。このような定番の設定をいくつか覚えると、別の被写体を撮る際に(例えば星だったり、日の出だったり)どの数値を変更すればいいのか、経験則からはじき出すことができるようになるはずです。

今日明日ぐらいはまだまだ明るく丸いお月様が撮れるはずですので、まだ月を撮ったことのない方はぜひこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか? 私もまだまだ初心者に毛の生えた程度ではありますが、この記事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

もちろん、月の大きさに関係なく撮り方は一緒です。格安は超望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」で撮った「マイクロムーン」(1年のうちでで最も小さく見える満月)。

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