3月17日、いつもお世話になっているぶち猫(id:buchineko_okawari)さんが初の著書『日々をたのしむ器と料理』を上梓されました。おめでとうございます。
そしてお忙しい中での原稿作業、おつかれさまでした(職業柄つい考えてしまう)。
この本は、昨年ESSE Onlineで連載されていたぶち猫さんの器(うつわ)に関する記事を一冊にまとめて、新たにレシピなどを加筆したもの。
日頃ぶち猫さんのブログやESSE Onlineの連載を読んでいる方ならば、ぶち猫さんの美しい料理や器選び(そしてコレクション)の素敵さはよくご存じかと思いますが、それを伝える手段として写真までご本人が撮られていることが、普通の料理本、ライフスタイル本とはひと味違うこの本の特徴ではないでしょうか。
料理と器のセレクトから解説、そして撮影までもひとりの著者が手掛けるのは、かなり稀なことですが、それは本書のタイトルにもあるように日々楽しみながら作っている食卓の様子をぶち猫さんがそのまま切り取って見せてくれていることの証拠。
それだけにより現実的な憧れとして(もちろん私から見たら相当にスペシャルで異次元な世界ですが)、「こんな食卓を作りたい」「この器を真似してみしたい」と読んでいて夢が広がっていくのです(実際、連載に影響されて少しずつ食器が増えている我が家です)。
巻末にはぶち猫さんフェイバリットの作家さんやお店の紹介もあるのですが、もちろんそれを参考にするのもいいですし、自分なりのお気に入りの作家さんや店を見つけることを提案する著者からのメッセージなのかなとも。
さて、ぶち猫さんが「会」と呼ぶホームパーティ(の規模の大きなもの)で、そのお料理に接したことがある人は(ブログ記事等で見た人も含め)、一部では“暴力的”とも表現される出し惜しみのなさ(食材・調理法・量・盛り付けに至るまでの全て)やその演出に驚かされてしまうのですが、そんな「人を驚かせたい思い」がぶち猫さんのお料理やホスピタリティの根底にあるのでは、と常に感じている私。
ぶち猫さんご本人が何処まで意識されてるかは別にして、もはやエンターテインメントと共通する表現活動の域だと感じださせられますし、そんな私を含めたゲストたちの驚く様子を見て「ふふふ」と楽しそうに微笑むぶち猫さんはいつも最高にキュートなのです。
そして先ほどからちょいちょい挟まれる美味しそうな料理の写真ですが、実は本書のホームパーティの項で使う撮影に協力…… という体のホームパーティに参加させて貰ったときのもの。主催者自らお料理を提供しつつ写真を撮るのがぶち猫スタイル。
「イチゴローズマリースパークリング」「ジャンボマッシュルームのアヒージョ」「デミソースハンバーグ(マッシュポテト入り)」「焼き菜の花と辛子明太子ご飯」「半熟うに卵」「黒豆マスカルポーネ」…… 全て本書にレシピが掲載されています。
あえて全部が揃いでない大小の取り皿をゲストが選ぶシステムも本書にも登場します。「このお皿、連載で見たやつ!」と盛り上がる私達。
そんなご縁もあって、今回送っていただきました。感謝。
偶然にもAmazonから同じ本がもう一冊届いた所なので、布教活動の一環としてお菓子作りの好きな友人に進呈しようかと思います。
Amazonストアでは本日よりKindle版の配信も始まっているようです(ただし、紙版の装幀や使われてる紙の質感がとてもいい感じなので個人的には紙版がオススメです)。