現在私がメインで使っているオリンパスのOM-D E-M1 MarkII。ボタンやダイヤルなど操作系のカスタマイズ性が高く、さらにオリンパスのデジタルカメラの特徴としてメニュー階層が複雑なことが一部では知られていますが、初めてこのカメラを触る人にとっては分かり辛い部分も多いかもしれません。
以前、E-M1 MarkIIのユーザーが4人ぐらいで集まった際にそれぞれが持ち寄ったカメラを交換したら、カスタマイズ内容がみんな違いすぎて「E-M1 MarkIIオーナーなのに、他人のE-M1 MarkIIが使えない」なんてこともありました(笑)
私自身は過去、一眼レフ、ミラーレス、コンデジまで含めると2桁台数のオリンパス機を使ってきているので、このメーカーのメニューにはそこそこ慣れていますが(それでも未だによく迷いますが)、初めてオリンパス機を使う人や他メーカー機からの変更、併用をする人にとっては、かなり複雑で分かりにくいメニューに感じるかもしれません。
オリンパスカメラのこれって結構残念仕様だと思うんですけどどうですかね? JPEG派で[SF]の存在を知らないまま[F]で撮り続けている人いてもおかしくない気がする…… https://t.co/ngUh1TldZs
— OKP (@iamadog_okp) 2020年1月8日
先日もE-M1 MarkIIのJPEG記録画質の件でツイートしたところ、いくつか反応がありましたので、改めてE-M1 MarkIIと始めとするオリンパスのデジカメを使う際のメニュー周辺で気を付けたい点、カスタマイズについても少し紹介してみようと思います。
- 初オリンパス機 or 説明書あまり読まない系の人へ……
- デフォルトではJPEGの画質(圧縮率)で「Super Fine」が選べない
- EVF表示スタイルがデフォルトだとモニター表示と同じ「スタイル3」
- ややこしいけど積極的に使うと便利なFnレバー
- たくさんあって自由にカスタマイズ可能なFnボタン
- 3種類のカスタムモード(メイン/予備/連射)
- カラー設定は「sRGB」で
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初オリンパス機 or 説明書あまり読まない系の人へ……
現在手元にオリンパス製のカメラがE-M1 MarkIIしかないので、E-M1 MarkIIに準じた内容となりますが、その他のOM-D(E-M5系、E-M10系)やPENにも共通する部分はあると思われます。
私個人に最適化したカスタマイズ内容を細かく紹介しても仕方ないので、「これは最初に知っておくといいかも」「こんな機能もあるよ」というのもをいくつか紹介します。
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
「ISOオートの上限設定」「静音シャッターへの切り替え」「ダブルスロットの記録振り分け」「ダイヤル方向のカスタマイズ」など、どのメーカーのカメラでも行うような設定については触れません。また、自分で取説を読み込んでガンガン使い方を覚えて行ける人は、最初からそうしましょう(笑)
今回は[メニュー]→[リセット/カスタム設定]→[リセット]→[フル]を行った状態から各設定の確認を行います。
デフォルトではJPEGの画質(圧縮率)で「Super Fine」が選べない
これはOM-Dに限らずPENもだったと思うのですが、カメラ購入時の状態で[メニュー]→[画質モード]から選べるJPEG画質の最高が「L(Large)」サイズの「F(Fine)」までになっています。これを見るとFineが最高画質のように感じますが、実はその上に「SF(Super Fine)」があるのです(初期状態では選べなくない)。
※最近発売されたE-M1XやE-M5 Mark IIIでは最初から「Super Fine」が選択できるようになったようです(ただしE-PL10は相変わらず……)。
これはかなり意地悪というか謎仕様だと思うのですが、まずは「SF」を選べるよう、メニュー階層のさらに深い[カスタムメニュー]→[G]→[画質設定]でピクセルサイズと圧縮率の組み合わせを設定しておきましょう。私はLとMサイズのSFだけにして、うっかりFineやNormal、或いはSmallサイズが選ばれないようにしています。
E-M1MarkII取扱説明書/P.132より
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
さらに同じ[カスタムメニュー]内の[ピクセルサイズ]でM/S設定時のピクセルサイズを変更できます(同様の設定は他メーカーのデジカメにもあったかな)。私は基本的にRAWで記録して、JPEGデータは出先でスマホ転送してアップするなどの用途に使う程度なので「Mサイズ:2560×1920」のJPEGに設定しています(OI.Shareを使ったスマホ転送時のリサイズも可能)。
EVF表示スタイルがデフォルトだとモニター表示と同じ「スタイル3」
撮影時に覗くEVF(電子ビューファインダー)の表示スタイルですが、デフォルトでは最も広いファインダー表示に露出設定やISO感度等の情報がオーバーレイされた(つまりLVのモニター表示と同じ)「EVF表示スタイル3」になっています。何故デフォルトが「3」なの?とか思ってしまいますが……。
それはそれで広くて見やすいのですが、オーバーレイ部分が正しい構図を作る際の邪魔に感じるならば(特に下部と右サイド)、撮影画面と設定の表示が上下別に表示される「スタイル1/2」を選ぶのがオススメ。私は「スタイル1」に設定しています。
E-M1MarkII取扱説明書/P.133より
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
ややこしいけど積極的に使うと便利なFnレバー
E-M1 MarkIIのEVF右横にあるFnレバーについて。レバーを1/2の位置に切り替えることで、各ボタンやダイヤルの機能を切り替えることができる便利だけど少々ややこしいレバースイッチ。
[カスタムメニュー]内の[Fnレバー設定][ボタン/ダイヤル/レバー]の2箇所の設定で反映される機能などもありややこしい所もありあすが、私の使い方とちょっと便利なTIPSをひとつ紹介します。
私の設定はとても単純で、[Fnレバー機能]を[mode2]に設定して、レバーの1/2でAFの種類を切り替えるというもの。Fnレバー1では「S-AFのシングル(スモール)ターゲット」、Fnレバー2は「C-AFで9グループターゲット」にフォーカスポイントを設定。「動きモノへの対応はFnレバー」と体が覚えているので、全開の記事のような風景に動物が絡むようなシチュエーションではかなり活躍します。
Fnレバーを電源に割り当てすれば右手で電源ON/OFFが可能
意外と知らない人もいそうですが、Fnレバーを電源スイッチに割り当てられます。E-M1 MarkIIの電源は軍幹部の左側にあるので、通常右手でカメラをグリップした状態では片手でのON/OFFができません。
私はすっかり左肩電源スイッチの操作に慣れてしまってますが、他メーカー機を使ってた人などはストレスかもしれないので、そんな場合はFnレバーに電源を割り当ててしまうと、右手親指の操作で行えるようになります(この機能を使うと本来の電源スイッチは使えなくなります)。
E-M1MarkII取扱説明書/P.126より
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
たくさんあって自由にカスタマイズ可能なFnボタン
E-M1 MarkIIではユーザーが機能を割り当てられるFn(ファンクション)ボタンと、それに準ずる(Fn同様に機能を割り当て足られる)ボタンがなんと7個もあります……(さらに十字ボタンは別)。
EVF/LV切り替えのボタンなどは初期設定でもいいですが、右手周りのFn1、Fn2、録画、マウント横の2ボタンについては積極的に使っていきたいもの。
親指AFやデジタルテレコン、ピーキング、絞りプレビューなど自由な組み合わせで割り当てられるので、これはもうお好みではありますが、個人的に大事なのがM.8mm FisheyePROを装着した際の「Fisheye補正」。特定のレンズでしか生きない機能ですが、使う時は頻繁に使う機能なので、マウント横の右手中指で押せる位置に全てのカスタムモードで動作するように割り当てています。
3種類のカスタムモード(メイン/予備/連射)
多彩なカスタマイズ内容をマイセットとして保存、瞬時に呼び出すことができるのが3つの「カスタムモード(C1/C2/C3)」。これも色々な使い方ができるのですが、自分の場合はモードダイヤルのカスタムモードはあまり使わず、A/S/M/P各露出モードに共通する設定をカスタムモードに登録して、時々リコール的に呼び出すという使い方をしています。
E-M1MarkII取扱説明書/P.34よりVia : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
E-M1MarkII取扱説明書/P.89より
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
たまに頭がボケて[カスタム呼出]と[カスタム登録]を間違えてしまうことがあるので、保険としてC1とC2には同じ内容のものを登録しておくことで、うっかり上書き時の保険にしています(C3にはその他は同じ設定で、連射にしたの設定を入れています)。
星を撮る設定だったり、動体対応などは適宜設定しています。滅多に使わない設定をカスタム登録しても結局忘れてしまうので……(笑)
カラー設定は「sRGB」で
JPEG保存される画像の色空間設定。分かって出力環境を整えている訳でなければ、デフォルトの「sRGB」のままにしておきましょう。撮った写真を、スマートフォンやPCの色々な写真アプリで開いたり、SNSやブログに投稿する目的なら「sRGB」が確実。「Photoshop(Lightroom)持ってるしAdobe RGBでいいかなー?」みたいな適当な認識で変えてはダメです。
E-M1MarkII取扱説明書/P.67より
Via : https://cs2.olympus-imaging.jp/jp/support/dlc/archive/man_em1m2_ver3.pdf
細かいことはまだまだたくさんありますが、パッと思いついたことだとこの辺でしょうか。思い出したら適宜追記するかもしれません。
ところで後継機であるE-M1 MarkIIIについて、来月半ばに発表があるとの噂、本当でしょうか!?
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