オリンパスの防水コンパクトデジタルカメラ、Tough TG-5をTough TG-6に買い替えました。
小型センサーのコンデジ需要はすっかり下火となってしまい、最近は画像処理に長けたスマートフォンのカメラに画質で負けてしまう時代ですが、それでもまだまだ魅力が多いTGシリーズ(ダイビングやスノースポーツでは替えが効かない存在かもしれません)。もしかしたら自分が手にする最後のコンデジになるかもしれませんが、もう一世代このTGシリーズに付き合ってみることにしました。
- OLYMPUS Tough TG-6
- TG-5とTG-6で撮った写真を比較
- 外部アクセサリは全て共用可能
- 早速TG-6を持って多摩サイの桜を撮ってきた
- 追記:TG-6の使用レポート記事
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OLYMPUS Tough TG-6
オリンパスの防水&タフコンデジのTGシリーズ。今はなき広角特化の三桁シリーズ、マクロにも強いフラッグシップの一桁シリーズをこれまで3世代に渡って使ってきまいたが(TG-850→TG-4→TG-5)、この度TG-5の購入から2年半ぶりに「Tough TG-6」へと買い替えを決意しました。
Tough TG-6 | 防水デジタルカメラ T(Tough) シリーズ | オリンパス
Tough TG-6は昨年の7月26日に発売になったTGシリーズの最新モデル。TGシリーズとしての完成形にも思われたTough TG-5からはセンサー、レンズ、画像処理エンジン等の基本スペックはほぼ据え置きという、マイナーチェンジ機とも言えそうなモデルです(「TG-5 MarkII」の方がしっくりくるぐらい?)。
Tough TG-5からの変更点はそれほど多くない?
1200万画素の1/2.33型センサー、35mm判換算で25〜100mm相当のズームレンズ(F2.0〜4.9)、防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といった基本性能はTG-5譲り。
さらTG-5から搭載されている「フィールドセンサーシステム」(GPS、方位センサー、圧力センサー、温度センサー、加速度センサー)についても同様なので、本記事では特に触れません(過去のTG-4、TG-5の記事を見ていただけますと……)。
主なTough TG-5からの変更点のみ抜き出して表にしてみました。
[006738]TG-6 と TG-5 の違いを教えてください。 | オリンパス
TG-5 | TG-6 | |
発売 | 2017年6月23日 | 2019年7月26日 |
液晶モニター | 3.0型 46万ドット | 3.0型 104万ドット |
2倍デジタルテレコン | × | ○ |
スーパーマクロ(AF/MF) | × | ○ |
水中顕微鏡モード | × | ○ |
深度合成 | ○ | ○(撮影開始待ち時間、撮影枚数の設定可能) |
フォーカスブラケット | ○ | ○(撮影開始待ち時間設定可能) |
静止画への日付写し込み | × | ○ |
アートフィルター | 14種類 | 16種類 |
ピクチャーモード | 9種類 | 10種類 |
質量 | 250g | 253g |
大きさ | 113.0 × 66.0 × 31.9mm | 113.0 × 66.0 × 32.9mm |
※「スーパーマクロ(AF/MF)」は顕微鏡モードに入らずに、P/A/ムービーモードで最短0.01m〜0.3mmのマクロ撮影ができるフォーカスモード
TG-5ユーザーである私も元々このモデルには手を出さないつもりだったのですが、最近になって改めてTG-5の魅力を再認識した上で、TG-6でのアップデート要素に魅力を感じて買い換えることにしました。具体的には液晶モニターの高解像度化と2倍デジタルテレコン機能の搭載。
まあ正直かなり些細なポイントです。それでもこの先もう少し専用コンデジを使う上で、このポイントは魅力であると感じて買い替えを決意。TGシリーズは2年半落ちのモデルでもそこそこの下取り価格が付くので、比較的小さな差額で買い替えに成功しました。
開封、Tough TG-5との外観比較
本体サイズはTG-5ほぼ据え置きですが(厚みが+1mm)、なぜか外箱が一回り大きくなっていました。
付属品はTG-5と同じでしょうか。TG-4とTG-5では何も迷わずに好きな色である赤を選んできましたが、今回は気分を変えて黒にしました。箱は赤で統一されていたり、付属ストラップが赤なのを見るとベーシックカラーはレッドモデルの方なのでしょう。
色が違うので見え方は異なりますが基本的にデザイン面の変化は殆どなし。TG-5のブラックモデルはOLYMPUSロゴが白、Toughロゴが赤といった文字色の違いはあるようです(TG-6では文字色を本体に同化させて目立たなくしているようです)。
モニターや操作パネル側も全く変化なし。
サイズに唯一変化がある厚みですが言われてみるとなんとなく……といった程度。私自身は色違いでしか見分けが付きません……。
モニターの高精細化とデジタルテレコン
TG-5を使っていて一番の不満は…… 画質なのですが、これについてはレンズやセンサー性能の限界でもあるので仕方ない。最近のスマートフォンのような、見えない所での複雑な画像処理があれば小センサーのコンデジも高画質化は可能なのかもしれませんが、それはそれで画像処理エンジンにスマホCPU並の処理能力を求めることになるので、何かと難しいのかもしれません(脱線)。
画質意外だと液晶モニターの見づらさ。特に晴天の屋外では視認性が悪く、雪山などでは半ば当てずっぽうで撮っていることも。ただでさえ白飛びしやすいカメラなので、液晶モニターで露出が確認できないのは結構厳しいです……。TG-6は液晶モニターの解像度が上がっただけなので、視認性には大きな変化はないかもしれませんが、シアンがかっていたTG-5の液晶に比べるとやや暖色傾向で見やすいかも。
104万ドットの解像度は現在の基準では飛び抜けて高精細という訳ではありませんが、TG-5と比べてみるとメニューの文字表示等も含めひと目でその違いが分かります。
TG-5購入時に残念だったのは、前モデルのTG-4から(高感度耐性を上げるためか)画素数を落とした影響なのか、デジタルズームが廃止されていたこと。35mm判換算で100mmまでの光学ズームでは、何かと物足りないシーンも多く、デジタルテレコン機能は待ち望んでいいた機能です。
複数レンズが一般的になりつつあるスマートフォンでも光学50mm相当程度から先はデジタルズームです。TG-6の光学ズーム100mm相当にデジタルテレコン(まあデジタルズームなのですが)で200mm相当まで寄れるのは、例えば登山中に鳥や動物を撮る際にも重宝しそうです(というか目的はほぼそれ)。
このワンタッチテレコンは十字キーの左に割り当てられていて、すぐにON/OFFが可能。押しやすいボタンなので、うっかりONにしたまま忘れたりすると困りますが、ワンタッチテレコンの撮影画像はJPEG記録のみなので、RAW+JPEG保存にしておけばなんとかなるでしょう。
TG-5とTG-6で撮った写真を比較
スペックを見る限り恐らく殆ど変わらないと思われるTG-5とTG-6の写真ですが、念のために同設定にて撮り比べとしてみました。そこまで厳密なものでなく、手持ちで交互に撮り比べただけなので、構図もまったく同じにはなっていませんが、撮影設定は全て同じにしているはず。まずはワイド端にて。
まあ予想通りで殆ど変わらないのですが……。実は私のTG-5、広角撮影時の周辺部が甘い(特に上部〜左上がひどい)のが気になっていたのですが、新しいTG-6は周辺部まで安定した画質。個体差かもしれませんが、気分一新でありがたい。続いてテレ端……だと殆ど変わらないか?
そしてTGといったらマクロ撮影。TG-6からは顕微鏡モードのみでなく、A/Pモードでもマクロ撮影に入れる「スーパーマクロ(AF/MF)」が搭載されています。ワイド端である1.2倍から、2倍、最大倍率の4倍を撮り比べてみましたが、こちらもほぼ同一の撮影結果だと思います。
世代交代による画質向上についてはハッキリ分かる訳ではないものの、(個体差の可能性が高い)片ボケが解消されたので、個人的には満足行く結果となりました。
外部アクセサリは全て共用可能
TG-5で使っていたLEDライトガイド(LG-1)、フラッシュディフューザー(FD-1)、フィッシュアイコンバーター(FCON-T01)は引き続きTG-6で共用可能です。
コンバーターアダプター(CLA-T01)は、標準のデコレーションリングよりは多少レンズ面の保護になるので基本的に付けっぱなしにしています。
ちなみにTG-6から全周魚眼撮影に対応した新たなフィッシュアイコンバーターFCON-T02が発売されていましたが、私自身はそこまで興味がないので導入予定はなし。
OLYMPUS デジタルカメラ STYLUS TG-4/TG-3 Tough用 LEDライトガイド LG-1
- 発売日: 2014/06/13
- メディア: エレクトロニクス
OLYMPUS TG-4用 フラッシュディフューザー FD-1
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: エレクトロニクス
ストラップは付属のものでなく、以前から使っているピークデザインのCUFF(カフ)。アウトドアで使うカメラなので、余計な革張りなどのないシンプルな旧モデルが気に入ってます。
【国内正規品】PeakDesign ピークデザイン カフ リストストラップ ブラック CF-BL-3
- 発売日: 2017/08/24
- メディア: エレクトロニクス
早速TG-6を持って多摩サイの桜を撮ってきた
新しいカメラを買ったとはいえ、基本的にはTG-5からあまり変化していないものなので、頑張って作例撮るぞ!といった感じにもならず、その辺はしばらく使い続けたらまた記事にするかも。
先日、買い物帰りに天気が良かったので多摩川サイクリングロード沿いの桜を見つつ、初期不良チェックやコンバーターレンズとの相性確認でTG-6の試し撮りをしてみました。
駐車場に車を停めてすぐ目の前にほぼ満開の桜が現れました。TG-4世代からRAW保存が可能になってますが、今回は全てJPEGの画像です。RAWのままだとフリンジの処理が必要だったり、よほど露出やホワイトバランスで失敗していなければJPEGを使っていくのがTGの場合は効率が良さそうかなと。
広角25mm相当。中央上部に多少光が入ってますが、構図のすぐ上に太陽がある逆光シーン。
ズームして100mm相当。中央付近に富士山があるのですが、やはり飛んでしまってます。
そこからデジタルテレコンONで200mm相当。なんとか富士山見えますかね。
条件の悪い方から見て貰いましたが、順光ならばまずまずでしょうか(3枚目はデジタルテレコン)。オリンパスらしい空の色も出ています(NATURAL)。
道端の花をサッと撮るようなマクロ撮影は大得意。そこそこ風のある日でしたが、やはりTGは成功率が高い。このシチュエーションをマクロレンズで撮ろうとすると、結構苦労するんですよね……。
フィッシュアイコンバーター(FCON-T01)を装着。iPhone 11系などスマートフォンにも広角レンズが搭載されるようになりましたがどうでしょう、こちらもなかなかいい写りをしてると思いますが?
やはり私のTG-5は片ボケが激しかった模様。FCON-T01使用時は周辺流れがかなり厳しかったですが、今回のTG-6との相性はなかなか悪くないように見えます。
南武線鉄橋まで移動して撮り鉄に挑戦!? ちょっと現像で遊んでみました。
記事中も何度も書いているようにTG-5からはマイナーチェンジ機と言った方が良さそうなTG-6ですが、個人的にはそれなりに満足している買い替えになります。一時期は登山や旅行の際に妻に預けて使って貰っていたTG-5ですが、彼女がPixel 3を使うようになってからは明らかに画質で劣ることもあって、自宅での留守番も多くなっていたのも事実……。
それでもはやりスマートフォンにない魅力は多いですし(画質云々より撮る楽しみの部分も大きい)、改めてマクロに強くズームの効く防水コンデジとして、メインのカメラの補助的な出番も増えるかもしれません。心機一転でもうしばらく、このカメラにはお世話になることでしょう。
OLYMPUS デジタルカメラ Tough TG-6 ブラック 1200万画素CMOS F2.0 15m 防水 100kgf耐荷重 GPS 内蔵Wi-Fi TG-6BLK
- 発売日: 2019/07/26
- メディア: エレクトロニクス
OLYMPUS デジタルカメラ Tough TG-6 レッド 1200万画素CMOS F2.0 15m 防水 100kgf耐荷重 GPS 内蔵Wi-Fi TG-6RED
- 発売日: 2019/07/26
- メディア: Camera
OLYMPUS コンバーターアダプター TG-1,TG-2,TG-3,TG-4用 CLA-T01
- 発売日: 2012/06/29
- メディア: エレクトロニクス
OLYMPUS フィッシュアイコンバーター TG-1,TG-2,TG-3,TG-4用 FCON-T01
- 発売日: 2012/06/29
- メディア: エレクトロニクス
追記:TG-6の使用レポート記事