TG-4から最新のTG-6まで三世代使っているオリンパスの防水タフカメラ。広角が35mm版換算で25mm相当からとやや物足りないのですが、TG-5から使い始めたフィッシュアイコンバーターFCON-T01を装着することで、かなり広い範囲を写すことができます。
ただし“フィッシュアイ”コンバーターなので魚眼レンズで撮った写真のように、画面の周辺がグワンと歪んでしまいます。それがフィッシュアイコンバーターの個性でもあるのですが、せっかくならZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROと一部のカメラの組み合わせ(或いはOlympus Workspace)でできるような「Fisheye補正」ができたらいいですよね……?
魚眼写真の歪み補正はPhotoshopを使ったり([フィルター]→[広角補正]で簡単にできます)、あるいはからあげ (id:karaage) 氏製作の補正アプリ「uonome」を使う方法があるのですが、もっと手軽にLightroom Classicの機能だけでなんとかならないかな?と思いました。
Adobe Lightroom Classicのレンズ補正機能でFisheye補正してみる
サンプルの写真は縦横の直線が分かりやすい(?)私の部屋のCDラック(本棚)を使います(というか外に撮りに行けないので……)。まずは、FCON-T01装着前のTG-6のワイド端(25mm相当)がこちら。当たり前ですが真っ直ぐ。
続いてFCON-T01装着の写真になります。一気に画角が広がり、棚の左右1コマ以上が入るようになりましたが、周辺部にが強烈に歪んでいるのが分かります
手動レンズ補正でも多少の効果はある
ということでまずは、[レンズ補正]の項目から[手動]でゆがみ補正をしてみます。適用量の最大の[+100]でこんな感じ。結構悪くないですが、まだまだ周辺部の歪みは大きい。せめてシンセの鍵盤あたりは直線になって欲しい。
Lightroomのプロファイル補正を片っ端から試してみる
TGはRAW撮影ができるので、各社レンズ用に用意されているプロファイル補正を使うことができます(JPEGで使えるプロファイルもありますが、RAWの方が断然多いです)。
想定された使い方ではありませんが、手軽な方法で結果さえそれっぽくなれば良いのです。ということで片っ端から各メーカーのレンズプロファイルを当てていきます。
色々と試してみるとどうやら一眼レフ用のレンズよりも、小型センサーのコンデジやスマートフォンのカメラ(レンズ)がかなり強烈な補正を掛けていることが分かってきました(結構強烈なレンズを使ってるんだな……)。
Samsung EX1のプロファイルを当てて、ゆがみパラメーターを[200]まで上げたのがこれ。周辺部にかけてまだまだ歪みが確認できますが、広さはかなりキープされているので(目測ですが16mm相当ぐらい?)普通に風景を撮る程度ならば十分かもしれません。
DJI Osmo Action用のプロファイルで、ゆがみを[85]にしたもの。より補正が大きくなり周囲のトリミングも増えますが、25mm相当に比べたらまだまだ広い。18mm相当ぐらいの広さはありそうです。シンセの鍵盤もほぼ直線が出ていますし、少し歪みの目立つ広角レンズぐらいにはなってそう。
だいたいスマートフォンの超広角レンズって結構歪んでるんでしょ?(もっと広いと思うけど)
Nikon Coolpix P310のプロファイルでゆがみ補正[180]。Osmo Actionの場合と殆ど変わりませんが、周辺減光を持ち上げるプロファイルになっているようです(周辺減光補正は個別に行えますが)。
さらに[手動補正]の項目に入ることでもう少し微調整も可能ですが、手軽さ重視ならば今ピックアップした3つで十分でしょう。後は、それぞれをお気に入りの現像パラメーターとセットにして(個別でも構いませんし)プリセットにしてしまえば、一発でTG+FCON-T01の簡易Fisheye補正が完了します。
一応、ここまでの写真(25mm相当→FCON-T01→各補正適応)を登場順に一通り貼っておきます。






TG+FCON-T01簡易Fisheye補正の作例
まずは、TG-5+FCON-T01の写真から。元々、魚眼感の薄い(?)写真はSamsung EX1のプロファイル使った補正で十分でしょう。以下、1枚目が補正前で、2枚目が補正した写真です。
こちらもTG-5+FCON-T01。地平線は直線の歪みが目立ってしまうので、Nikon Coolpix P310のプロファイルでしっかり補正。普通に広角レンズ代わりに使えそうでは?
ここからはTG-6+FCON-T01での写真。これもSamsung EX1のプロファイルで補正してみました。
こちらはDJI Osmo Action用プロファイル。魚眼ぽさを強調するために線路を周辺部に置いて歪曲させましたが、見事に広角レンズ風のパースの強い画に変わりました。
後は歪み補正をすることで周辺部の景色が削られてしまうので、後で補正をすることを考えるならば、余白を考慮した撮影をした方がいいかもしれませんね。
その他……(補正後)。
最初にも書いてますが、歪曲の補正をするだけなら他にも(精度の高い)やり方はあります。しかし、日頃ライブラリ管理と現像をしているLightroomのみで手軽にできるならば、コレまで以上にフィッシュアイコンバーターFCON-T01を広角レンズ的に使うこともできるかと思って、今回の記事をまとめました。

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