I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

伊豆諸島・八丈島で八丈富士と三原山をハイキング、島の温泉と郷土料理を味わう

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東京から東京(島嶼地域)へ行く旅、夜行フェリーに乗って伊豆諸島の八丈島を訪れました。到着日(10/30)は島内に2つある山、八丈富士(西山)と三原山(東山)を歩いてきました。


八丈ストアで買い物をして八丈富士登山口へ

八丈島に滞在予定の2日間、天気予報が微妙でほぼ曇り予報。もし晴れ間があるようならば、その隙を見て山に行こうと思ってましたが、思いの外に初日から晴れていたのですぐ八丈富士に向かうことにします。

レンタカーを受け取って最初に向かったのが「八丈ストア」。島内にスーパーマケットはいくつかありますが、規模が大きなものはこの「八丈ストア」か、東京都八丈支庁の近くにある「あさぬま大賀郷店(ASANUMA)」になるようです(どちらも地元向けの店舗なので、しまぽ通貨は使えません)。

ペットボトル飲料とゼリー(ウィダーインも売ってます)を仕入れつつ、気になっていた八丈ストアの島寿司をチェック。ヅケと酢飯、練り辛子なのでこの季節ならばお弁当にしても大丈夫そうですが、ひとまず確認のみ。
後で買って食べましたが、めちゃくちゃ美味しかったです(数少ない島寿司体験の中でも一番)。八丈島に滞在予定があるなら、八丈ストアの島寿司は絶対に食べておいた方が良いかも。

八丈ストア前からは一本道で八丈富士に登って行くことができます。レンタカーがあまりに坂を登らないので笑ってしまいまましたが、NAの軽自動車ってそんな感じなんですかね(ターボ車しか知らなかった)
たった2日の滞在なので下から歩いて登るなんてことはせずに、当然のように車で行けるとこまで行きます。登山口の少し手前にある「空港展望台」で一時停車。

展望台からはひょうたん島の形がよく分かります。向こう側に見えているのが「三原山(東山)」、島の中央に八丈島空港、があって、くびれ部分の左右(東西)に2つの主要港。

こちらが到着港だった八重根港。丁度、我々が乗ってきた橘丸が東京に向かって出港したところです。

こちらは普段メインで使われる底土港。波が高く船の姿はありません。

八丈富士登山口前の10台ほどの駐車スペースはラスト2台でした。殆どがレンタカーですですが、それ以外のナンバーは少し大きめの車なので、ガイドツアーなどかもしれません。


八丈富士ハイキングへ

それではスタート。山頂部も見えてますし登山というより軽めのハイキング。

登山口を入ったところにも3〜4台ぐらい停められそうなスペース。

八丈富士(854m)は伊豆諸島の最高峰(伊豆大島の三原山は758m)。

お鉢の縁まではコンクリート舗装された階段です。

富士山や伊豆大島三原山でも見慣れたスコリアの地面。

基本的には樹林帯の中。本土はすっかり秋ですが、やはり南の島(といっても緯度的には高知県や大分県と同じぐらい)だけあって緑が目立ちます。

南の島感があるシダ類もワサワサと。

階段は一部崩壊しているものの、まあ登りやすい。

途中、朽ち果てた鳥居など……。

振り返ると底土港方面がよく見えます。正面の市街地が島で最も人口の密集したエリア。先程の八丈ストアやレンタカー、この日のランチ、泊まる宿なども全てここにあります。


八丈富士、火口のお鉢めぐり

山頂の火口跡、お鉢に出ました。

ここからお鉢めぐり。山頂は時計回りに20分ほど行ったあたり、1周1時間弱といったところのようです。

お鉢めぐりは基本時計回りがローカルルールのようですが(?)、YAMAP地図には逆時計回りのコースタイムも載っていましたし、この時点でのお天気的に楽しめそうな逆時計回りを選びました。ただしお鉢の登山道がかなり細いので、すれ違いなどを考えたら時計周りの方が安全かも。

徐々に雲が掛かりつつあったので、こちらの方が気持ちよさそうだったのですよね……。

お鉢の縁に登山道が付いているのですが、人1人が歩ける程度、かつハイマツに似たイヌツゲが膝から腰に掛けての高さで両側から生えている中をガサガサ抜けて行くことになります。夏はさらにイヌツゲが元気そうですし、短パンで歩くのはあまりオススメしない感じ。

足元注意の立て札が何度も登場。アクセスが簡単なお鉢までの舗装路に比べると突然登山道になり、落とし穴のような割れ目だったり、場所によっては左右がすぐに切れ落ちているので強風の日などは無理は禁物。おしゃれ革靴やデッキシューズの人も見かけましが、一部にぬかるみもあるので足元がかなり汚れていました。

左手には火口、右手に海を眺めながらの絶景登山道、八丈小島が見えてきました。ということは島の北を少し回り込んだあたりですね。

お鉢から火口内に続く溶岩の穴がありました。丁度、浅間神社(後述)の上あたりっぽいけども奥は道になっているのだろうか……? 他にもこのような小さな穴は数カ所見られましたが崩れても嫌なのでスルー。

せっかく八丈島に行くならグリーンシーズンが良いなと思ってましたが、10月末でも(多少枯れた草やススキが目立つようになってますが)まだまだ十分緑が楽しめます。

イヌツゲはこんな感じ。海がなければハイマツの稜線を歩いているみたい?

火口すごい。近くで覗き込めますが落ちたら確実にアウト。

結構際どいとこに登山道があります。強風の日はマジで止めた方が良さそう。

八丈小島が見えます。大越灯台が見えます。

八丈小島は注意がなくてもめちゃめちゃ見えてます。

灯台は言われないと気づかなかったですね。

この辺り、火口の内側が切れ落ちていてすごい迫力。

火口パノラマ。実際に歩いてみるとかなり大きい。本家富士山ほどではないものの、火口の直径は伊豆大島の三原山より大きいそうです。富士山や三原山と違って、巨大な火口内が森になっているのも初めて見る光景です。

油断すると火口の中に落ちてしまいそうな割れ目の落とし穴。

火口を3/4周ほどして山頂が見えてきました。普通に時計回りすれば20分程度です。

八丈富士の山頂(854m)はお鉢の中の最高地点、あくまで登山道の途中という感じ。

先程の切り立った崖を内側から見る。人が歩いてますが火口のスケール感、分かるでしょうか。

火口内にはいくつか池があるようです。

映画『君の名は』にこんな風景ありましたっけ?(よく覚えてない)

振り返れば三原山(東山)。八丈富士が円錐形に近いキレイな形をしているのに対して、全く違った形をしている三原山。どちらも火山活動による山ですが、その成り立ちが違うのでしょうね。ちなみにこちら側の八丈富士(西山)の方が新しい火山です。

八丈島空港。島の中央に東西の半分近くを使って滑走路が走っています。周辺を車で走ってみると元の地形か盛り土なのか、滑走路は一段高くなっていて、大島空港のように横から滑走をを見渡すことはできません。

今回は行きませんでしたが、八丈島の中腹に「八丈島ふれあい牧場」。

それでは山頂を後にします。お鉢めぐりの分岐点から山頂までも足元が凸凹なので、山頂だけ踏みたい人も最低限スニーカー程度は履いておくと良いでしょう。

山頂を振り返る。そういえば海外からの観光客に数組会いましたが、訪日観光客が戻ってきているのかな? 観光客の多くは山頂だけ踏んで戻る人が多いみたい。


八丈富士 火口内の浅間神社へ

戻ってきました。中央火口内に下りる道があり、中には「浅間神社」があるそうです。

富士の樹海っぽいかも。


中には湿地もあったりと。


鳥居がありました。やっぱり樹海っぽいですね。

奥にはさらに古い鳥居。ペイントされた石はなんだろう。ドラえもん?

雰囲気ありますね。

火口の中から見上げる。

それでは駐車場に戻りましょう。時間は12時過ぎ、なんとかランチタイムに間に合いそうです。

スクーターや自転車で登ってきた人もいるみたい。


魚八亭で刺し身&定食ランチ

ランチにやってきたのがこちらの「魚八亭」。ランチタイムは15時まで(14時半ラストオーダー)、既にランチのピークを過ぎたのか店内は我々のみでした。支払いはしまぽ通貨が使えます。

ランチメニューと黒板メニューの地物お刺身。オススメ刺身はキンメダイ以外は聞いたことがない(多分、食べたこともない)魚ばかり。メダイはさっき八丈ストアで見たけども。

定食を頼みつつ、お刺身も注文。オオヒメとアカサバ。アカサバは一見すると赤身なのですが、赤身系の味ではなく白身魚に近い味です。おもしろい。そしてどちらも美味い!

まだ運転があるのでノンアルビール。刺身に添えられた小さな青い唐辛子は島唐辛子です。半分に切られた島唐辛子を醤油に漬けるだけで、すぐに唐辛子醤油の味になります。伊豆大島でも買った青唐辛子醤油、結構長時間漬け込むのだと思ってたけど一瞬でいいのですね。お店の方にスーパーで売ってると教えて貰いました。

そしてメダイフライの定食。上質の白身フライで最高です。

こっちは妻のサワラの幽庵焼き定食。


三原山は山頂直下まで車で

さて、食事が終わった時点で14時。これから三原山に登りたいところですが、山の北側にある登山口から登った場合、往復で2時間半ぐらい掛かりそうです。もう登山は諦めて車で行けるとこまで行くことにします。

三原山は山頂付近まで道は通っているのですが、島の周回を走っている「八丈一周道路」から「三原林道」に入って行くと、結構な酷道を走ることになります。アスファルトに穴が空いていたり、崖崩れがあったり、ガードレールのない区間、対向車が来たら詰む区間もそこそこあります(ストリートビューで見られるので事前に確認しておくと良いかも)。今回は日曜の午後ならもう誰もいないだろう……と。

結局、車1台もすれ違わないまま山頂手前の分岐まで来られました。最後まで車で行けるようですが、少しは歩かないとランチを消化できぬまま宿の食事に臨むことになるので車を下りて30順程林道を歩いて行きます。

最後の分岐から山頂までの林道はこんな感じ。


露頭があありました。

突然広くなってます。車を停めたり展開するスペースはそこそこ。結局、運転時間とここまでのハイクを足したら、北側の登山道を登っても時間は変わらなかった気もします。次回来ることがあればちゃんと登ろう。ちなみに三原林道は携帯が入らないので、脱輪などあったら結構面倒です。

三原山山頂にはNHKや東京都のアンテナや中継所などの各種施設。

三原山山頂へ。

山頂です。標高701m、八丈富士より150mぐらい低い。山頂はかなり狭く、見晴らしは西〜南方面はそこそこ。

八丈富士はなんとか見えます。

たぶん、島の最南端に伸びる岬。

15時過ぎ、日没まではもう少しありますが既にこんな空。シャー。

三原山山頂の展望が少々微妙だったので、山頂から西に伸びる登山道を少し進んだら多少展望の良い場所がありました。かなり雲が掛かってしまいましたが、八丈富士も八丈小島もしっかり見えてます。このぐらいの高さから見る八丈富士が一番綺麗な富士山型ですね(下から見上げると中腹の段が目立ってしまう)。

先程向こうからこちら側を眺めたばかり。

東京都の防災無線中継アンテナ。

こっちははNHK八丈テレビの中継アンテナだそう。


登山ルートとGPSログ

とりあえず八丈富士と三原山のYAMAPログ。間の車移動は記録してないので直線になってます(2つの記録を敢えて分けるほどでもないですし、表示を消すことができるといいのですが……)。


八丈島:八丈富士(西山)&三原山(東山) / OKPさんの西山(八丈富士)東山(三原山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

大池・小池の路

再び車で少し林道を戻って「大池・小池の路」。ちょっと気になったので立ち寄ります。

もう16時過ぎですし、戻りがてら行ける場所には行っておこうかなと。

「小池」だそう。

こちらは「大池」、これはどう見ても人が掘った人工の池では……? あと虹が出てます。

なぜこんな場所に人工池が…… と思ってましたが、水辺遍路さんによるとやはり天然の池なのかな。そして三原山山頂部はカルデラになっていたのですね。

林道を戻る途中でまたシャーが見えたので。

不思議な海の水面。時間が止まっているように見えます。

川沿いに巨大なコンクリート建造物が…… これは、橋桁? 道路を通すのでしょうか。


樫立向里温泉「ふれあいの湯」

宿にチェックインが遅れる旨の連絡を入れてやってきたのが樫立向里温泉(かしたてむかいざと)「ふれあいの湯」。八丈島に数箇所ある温泉は中心地にはなくて、全て島の南側(三原山の麓周辺)に集中しています。宿では温泉に入れないので三原山に来たついでに寄っておこうと。

入浴料はなんと驚きの300円! 殆ど地元の方が来ているような温泉ですが、人懐っこい島民の方に話しかけられて翌日回る場所のオススメを聞いたり、ナトリウム泉のお湯もいい感じでした。

「やましたのおやど」で八丈島郷土料理:島寿司、トビウオ、くさや

すっかり暗くなってからのチェックインですが、この日はこの「やましたのおやど」に宿泊。最初のレンタカー屋のすぐ近く、八丈ストアも徒歩エリアです。

和室もありますが今回はツインベッドの部屋を取ってみました。靴は玄関で脱いでいるので、小テーブルには座椅子。写っていませんがユニットバス付きのお部屋、もちろんテレビもあります。別に浴場もありますが、既に温泉に入っているので利用しませんでした(写真を撮ることすら思い浮かばなかった……)。

18時半から夕飯で1階の食堂へ。この宿では夕飯に八丈島の郷土料理を食べさせてくれるそうです。宿泊客は他にもいたようですが、食堂で食事をしていたのは私達だけでした。やはり日曜泊は少ないのかな。

お刺身、もちろん島とうがらし付き。

フライはトビウオ。肉厚でボリューム満点。

カルパッチョ入りのサラダに、明日葉の和え物、一緒に合えられているのは…… くさや! くさや、実は昔から気になっていながら、まだ未体験だった食材です。伊豆大島でも食べる機会を逃しました。
ちなみに伊豆諸島特産のくさやの中でも、南に位置している八丈島は均気温が高いことで、くさや液の塩分濃度が高くなっている分、塩抜きを丹念に行っていることで臭みは薄めなのだとか。本当か?

食べてみると、これは確かに、くさや(語彙力)。ブルーチーズの強力な奴というか、独特のアンモニア臭?が鼻に抜けていく。マヨネーズ系の和え物で食べやすくはなっていますが、逆にくさや自体の旨味はそこまで感じることがなく(味の濃い干物であるのは分かる)、独特の匂いが目立つというか……。
焼いたくさやの、旨味と臭さのせめぎ合い(?)みたいな感じに興味はあったのですが、それはまた今度ということで(帰りに空港で干物を買ってしまった)。この小鉢は私も妻も普通に完食できました。

そして島寿司。メダイともう一種でしたが失念。八丈島の島寿司はワサビの代わりに練り辛子が使われています(伊豆大島の島寿司/べっこう寿司は唐辛子醤油のヅケ)。白身魚のヅケと甘めの酢飯、和辛子がマッチした美味しいお寿司です。

最後に明日葉入りのお椀が出てきます。これはお腹いっぱいになる内容。
島寿司も食べられるのが嬉しいですが、他のおかずがご飯に合うものばかりなんですよね。くさやの和え物も熱々のご飯があったらまた違ったかも……?

満腹になって部屋に戻ってからは、八丈島でなく小笠原クラフトチューハイを飲んだり……

懐かしい『るろうに剣心』を紀尾井坂の変まで読んでうっかり夜更し。京都編は長くなるので諦めました。

八丈島1日目。ひとまず2つの山は登ることができたので(登るとは?)、翌日は車で島内一周して夕方の飛行機で帰京です。天気予報は残念ながら1日曇り予報ですがどうなることか……。