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船で行く東京、伊豆大島 一泊二日②:三原山と裏砂漠ハイキング〜高速ジェット船で東京へ

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伊豆大島一泊二日旅の後半です。三原山と裏砂漠のハイキング、レンタカーで島内をぐるりと巡ってみました。


ホテル赤門の朝食〜トヨタレンタカー

伊豆大島2日目の朝、1日目とは打って変わって朝から晴天になりました。宿の部屋から山も海も見えています。ただし山の上にはちょっと雲もあるみたい……。

朝風呂に入ってサッパリしてから朝食。地物のアジの開きにイカ刺し、自家製の練り物(明日葉入)など。シンプルですがどれも美味しい。ご飯も適度におかわりして、しっかり満腹にしておきます。

宿に自由に出入りしているさくら耳のねこちゃん(初日は外を歩いてた)。届いたダンボールの上で爪を研いでいたかと思ったら気持ちよさそうに寝てました。

チェックアウトして、トヨタレンタカーへ。レンタカーを受け取る駐車場は赤門の横にありました。
この日は朝着の大型船は岡田港で午後の高速船は元町から出るということで、元町に停まっていた我々は元町で借りて、そのまま元町に返却で分かりやすかったです。
借りたのはヴィッツでしたが島内は狭い道も多く(後ほど紹介する月と砂漠ラインなどは特に)、切り返しやUターンを考えると、小回りの効く軽自動車やコンパクトカーが圧倒的に機動力があってオススメ。

写真は返却場所。隣の提携GSは単価207円/L(後でレシート見てちょっと驚いた)、離島価格+最近の高騰も効いてそうですね。燃費の良い車だったので、島を1周半ちょっと走って、1302円/6.29Lで済みました。

御神火スカイラインで三原山へ

まずは前日朝にハイキングを諦めた三原山へ。道は前日にみよし土産品店でオススメされた「御神火スカイライン」を使います。元町から三原山まで島の西斜面、標高差522mを一気に登るよく整備された2車線道路で、自転車のヒルクライムレースなども開催されているそう。

御神火スカイラインから見下ろす海方面の景色が素晴らしく、この日は山頂付近ででガスに入ってしまいましたが、直前までは見事な展望が広がっていました(写真は三原山ハイクの後に少し下って撮ったものです)。

元町港の桟橋をアップで。

溶岩流や火砕流を流すためのような(?)堤防や砂防ダムも確認できます。地図を見ると川のようになってますが、ブラタモリでは伊豆大島には自然河川はないと言ってたような…… どうなんでしょう?

前日に自転車で行った大島空港と乳ヶ崎方面。

三原山頂口に到着しましたが、かなり雲に包まれてしまいました……。下では良く晴れていても島の上には雲が掛かってしまう、これが山のある離島のお天気か。


三原山 お鉢巡りハイキング

前日はガス&雨で諦めた三原山ハイキング、スタート前に思いの外ガスってしまいました……。

前日は大島温泉ホテルからお鉢巡りを経て、現在居る三原山登山口に下りるコースを予定していましたが、この日は三原山登山口を起点にしてお鉢巡りピストン。裏砂漠には状況を見つつ徒歩で行くか、後で島の反対側まで車でアクセスするか考えます。

三原山登山口には派出所もあります。山では珍しいですが、活火山ですし防災の意味合いもあるのでしょうね。

「外輪山三原山展望所」、富士箱根伊豆国立公園に含まれるようです。今更ではありますが島全体が活火山である伊豆大島の中央、伊豆大島最高峰の山が三原山(標高:758 m)です。

外輪山の大きなカルデラの中にある内輪山(カルデラ内の小カルデラ)が三原山で(裾野から山全体が三原山かと思ったら、内輪山の部分を三原山と呼ぶのだそう)、お鉢巡りは三原山のカルデラ縁を歩きます。

大島温泉ホテル側の登山道はスコリアでしたが(朝、森の中は少し散歩しました)、こちら側はまさかの舗装路。なんとお鉢の縁まで舗装されてます。ハイキングのレベルでは高尾山一号路よりも余裕な感じ。お鉢巡りをするならスニーカーぐらいは履いていた方が良いでしょう。

活火山なのでシェルターが各所にあります。

江戸時代(1977〜78年)の噴火は粘度の低い溶岩のパホイホイ溶岩。『ブラタモリ』の伊豆大島の火山回で解説されていましたが、帰宅後に録画を見たので特徴である縄目状の模様をちゃんと確認してない……。

ブラタモリの伊豆大島編、「伊豆大島~なぜ伊豆大島といえば“アンコ椿”!?~」の回は見ていたのですが、どうやら「伊豆大島の火山」「伊豆大島・山頂へ」もあったらしく、帰宅後に録画を確認して見たのでした。事前に見ておけば、地層切断面や三原山についてもより深く楽しめたかも?
「ブラタモリ-伊豆大島編」ダイジェスト!|伊豆大島ナビ

一方、記憶に新しい1986年の溶岩流はゴツゴツとしたアア溶岩だったそう。



山頂からここまで溶岩流が流れてきた跡がよく見えます。

足元には溶岩に飲み込まれた古い遊歩道のアスファルト。ちょっと分かりづらいですが、下の1枚目は固まった溶岩流の上から来た方向で振り返って。スコリアの黒い地面の隣にあるのが古い遊歩道の跡です。

少し斜面を登って振り返ると外輪山の縁とその向こうには海が見えています。

30分程でお鉢の縁に到着。正面の大きな溶岩の塊は、溶岩のしぶきが降り積もって固まった「アグルチネート」と呼ばれる岩石だそう。後からブラタモリの録画を見て知りました。

そのままお鉢巡りへ。オススメは反時計回りのようですが、南東方面は雲が掛かっているので晴れている北側から時計回りで歩きます。

ようやく火山の山らしいスコリア(黒く細かな火山の噴出物、富士山でもお馴染み)の登山道になりました。

カルデラの縁に沿って歩きます。標高は一定ではないので、軽いアップダウンがあります。


大きな山頂火口が見えてきました。

歩いてきた方向を振り返ります。

「1986年割れ目噴火 B2火口」が見えました。


1986年の噴火で最も溶岩を拭き上げたのは、山頂火口ではなくこちらの割れ目火口とのこと。溶岩のしぶきはなんと1,500mの高さまで上がったとのこと。

カルデラの内側では、火山性ガスも見られ活火山であることを感じさせます。

この辺りが剣ヶ峰(749m)でしょうか。かつての伊豆大島最高峰。

三原山の東側には裏砂漠と呼ばれるスコリアの砂漠が広がっています。国土地理院の地図に国内で唯一「砂漠」と記されている場所。個人的には「これは…… 富士山だ」みたいな感想。

正面の丘は櫛方山。後ほど向こうから三原山を眺めます。なんというか御殿場ルート感(語彙力)。

そろそろお鉢巡りも残り半分。相変わらず山の南側がガスってますが、先程よりは少し晴れたかな?

剣ヶ峰を振り返ります。

三原山中央火口が一番近くで見える場所。なかなかのド迫力な火口です。

三原山の火口といえば、やはり世代的に映画『ゴジラ』(1984年)のラストシーンですね。その2年後、実際に三原山が大規模な噴火をしたことに、子供ながらに驚いた記憶があります。


ガスの中を下って行きます。

1986年の噴火で溶岩が積もって、新たに最高峰を更新した三原新山(758m)。この三原新山の頂上には登ることはできません。

ホルニト。


その向こうは表砂漠と呼ばれるエリアかな。噴火で溶岩が流れたり、草も生えてすっかり砂漠感はなくなっています。


公衆トイレがあります。この辺りはお鉢の中でも舗装エリア。

カルデラの内側に向かって、火口を覗ける展望台へ歩道があります。正面右奥が三原新山。

火口西展望所に到着。ブラタモリの収録ではガスガスだった場所です。


先程とはまた違った角度から中央火口を見ることができます。


お鉢を一周しました。

カルデラ縁にある三原神社。

1986年の噴火の際に溶岩流が神殿を避けて流れたのだとか。

さて、ここから裏砂漠まで歩いて行くか、車で島の反対側まで移動するか検討したのですが、どうやら移動時間を含めても車で移動した方が時間を有効に使えそうなので、そのまま三原山山頂口に戻ります。

車で移動しつつ「1986年割れ目火口展望台(新火口展望台)」からの三原山。この展望台、結構いい眺めなのですが、バス利用だと「三原山温泉」と「三原山頂口」の丁度中間なので歩くしかありません。レンタカー移動の際には立ち寄ってみると良いかも。


割れ目火口という言葉の響きもあり、お鉢巡りからだともっと細長い火口に見えていましたが、こうして見ると印象が変わりますね。高さ1,500mの溶岩を拭き上げた火口はやはり迫力があります。


月と砂漠ラインから裏砂漠へ

三原山山頂口から大島公園方面に山を下りて、大島一周道路を島半周してやってきた「月と砂漠ライン駐車場」。車での裏砂漠アクセスはここの他に4WD車のみ入れる「裏砂漠入り口」もあるようですが、普通のレンタカーならこちらからのアクセスになります。

駐車場は上手く停めて小型車が10台弱でしょうか。奥にはトイレも設置されていました。車が減りそうなランチタイムを狙って来てみましたが、普通に数台の車が停まっていました。

「月と砂漠ライン」は舗装路ですがほぼ一車線道路で、途中からすれ違いもできない細い道になるので運転慣れしてない人は注意。落ちの乗った側溝があって、対向車避けのバックで側溝に落ちるレンタカーも多いそう。さらに「月と砂漠ライン」では携帯電波も入らない(大島一周道路の島南東部も怪しい)ので事故ると結構面倒なことになります。

帰りに撮った写真なので侵入の際は車の向きは逆ですが、ここから先は対向車来たらどちらかがバックで戻る必要があります。

車を停めて、ここから徒歩で裏砂漠を目指します。

しばらく灌木の中を歩くと……

空が開けて、空にはトビだらけ。

こういうのも森林限界って言うのかな。太平洋に浮かぶ火山島なので、風の影響が大きいのでしょう。左奥の雲をバックにたくさんいるのは、虫でなくトビです。

草が生えてないスコリア大地が広がったあたりから裏砂漠でしょうか。やっぱり富士山みたいな風景。ちなみに水平線が晴れていたら、海の向こうに本物の富士山が見えるそうです。

1952年(昭和24年)に発生した「もく星号墜落事故」の現場、国内発の旅客機の遭難事故だったそうです。そのような事故があったことを初めて知りました。
もく星号墜落事故 - Wikipedia

砂漠感が出てきましたね。これぞ比喩的な意味でない本当の「東京砂漠」。

「裏砂漠第1展望台」。左奥が先程歩いていた三原山のカルデラ、右手奥が裏砂漠第2展望台の櫛方山。

左手側を振り返ると、外輪山の南西側。ちょっと小ぶりな浅間山外輪山を思わせます。

外輪山と内輪山(三原山)の間も裏砂漠の範囲になるのでしょうじゃ。雨の水が流れた跡が川のようになってます。

このあたり流れがかなり深くなってますね。水捌けの良いスコリアなので、しばらく表面を流れた後に地下水となるのでしょうね。伊豆大島の地下水や井戸についてもブラタモリ(アンコ椿回)で見ましたっけ。

正面に見えている先程歩いていた内輪山の縁までは恐らく歩いて20分程度だと思いますが、往復する時間などを考えると車で回り込んだ方が色々と見られて時間も短縮できるという計算でした。

「裏砂漠第2展望台」、つまり櫛方山山頂(671m)。太平洋に浮かぶ島で、高尾山(599m)より標高が高い場所がこれだけあるというのもよく考えると凄いかも、火山の力とは凄まじいものです。

記念写真。暑いので裾が取り外せるトレッキングパンツで良かった。

見渡す限りの裏砂漠と空と海。砂漠というので、もう少し荒涼としてるかと思いましたが、季節が夏ということもあってそこそこに緑もあります。これはこれで良いですね。



足元には様々な色と形状の火山岩。

地殻変動観測施設。GPSで山体の膨張を計測するんでしたっけ。

それでは戻ります。

大島温泉ホテルが見えました。

ホテルからはしばらく灌木の盛りの中を歩いて、裏砂漠に出るようです。次回はあちらから歩くコースで。

裏砂漠からの海の景色も良いですね。

島に近い海面から雲が立ち上っているのがよく分かります。

そしてそんな上昇気流を利用して飛び回るトビたち。



筆島〜いざなみのべっこう寿司〜泉津の切通し〜野田浜

大島一周道路をさらに時計回りしていたら、突然展望台が見えたので車を突っ込んで見ると「筆島」でした。


こちらも過去の伊豆大島火山活動によるもので、溶岩が吹き出す火道のマグマが固まり、周囲が侵食によって作られた「岩頸」と呼ばれる岩。これもブラタモリ(アンコ椿回)でやっていましたね。

駐車場は丁度ヘアピンの先にあるので、減速していればすぐ気付いてそのまま入れると思います。

山も良いけど海も良い。


三原山方面はかなり雲が掛かってしまいましたね。

さて、島の食堂の多くは14時で一旦店を閉めてしまうことが多く、この時間(13時半頃)となるとどこもラストオーダーを過ぎてしまった店ばかり。完全にランチ難民となってしまいました。

そこで、やってきたのが元町から少し大島一周道路を過ぎたあたりにある「いざなみ」。テイクアウト寿司の専門店ですが、なかなか評判のお店のようです。

べっこう寿司といなり寿司を買って、再び「ぶらっとハウス」へ。ジェラートとお茶を購入して、テラスで一緒にいただくことにします。

このべっこう寿司がとても美味しくて、妻などは前日にお店で食べたべっこう寿司よりも気に入ったみたい。いなり寿司も美味しかったですし、ランチタイムをうっかり逃してしまったら「いざなみ」オススメです!

ジェラートは塩味。大島牛乳と大島の塩を使ったもので、塩感はそこまで強くなくとても美味しかった。お寿司にも合うサッパリ味ジェラート!?

続いて前日行けなかった「泉津の切通し」へ。初日朝のバスでも横を通って貰ったのですが、あまりに細い切通しでよく分かりませんでした(この通りが切通しなのかと思った)。

切通しの両側に生えた木、かなり雰囲気ありますが元から生えているものなのでしょうか……?

前日から飛んでるところは何度も目にしながら、なかなか目の前で止まってくれなかったアオスジアゲハ。

交尾をしているところでようやくじっくり見ることができました。

最後にもう一度野田浜へ。セッティング場所って何のだろう。ダイビングかな?

タイドプール(潮溜まり)周辺を少し歩いてみます。

薄茶に濁ったタイドプール。満潮時は潮が流れ込むのかたくさん魚も泳いでましたが、こんな色になるのは溶岩の影響でしょうか?(温泉か?と思ったけどググった範囲では分かりませんでした)。


元町港から高速ジェット船で東京 竹芝へ

レンタカーの返却は帰りの船の出港時間の1時間前。船は16時半なので15時半にレンタカーを返却。しまぽ通貨の残り2000円分はお土産の足しにして余裕で使い切りました。

元町港の先客待合所へ。

平日(月曜日)ですがレンタカーが出払うだけあって、そこそこの人。しかし島内はランチタイムの飲食店などが若干賑わっていた程度で、レンタカーや自転車で走っていてもハイキングをしていても他の観光客とはたまに顔を合わせる程度で、観光地としての人口密度の低さがとても心地よかったです。

出港時間が近づいたので桟橋へ。

カラフルな東海汽船のコンテナ。

太陽が桟橋の正面に。元町港が西向きの港であることが分かります。

手前が東京行きの「セブンアイランド 結」で奥が、恐らく熱海行きの「セブンアイランド 大漁」。

16時半の東京行きは2本あって、我々が乗るのはこちらの「セブンアイランド 友」、ちょっと古い船な気がする。東京行きと書いてありますが、ここも東京都なのですけどね。

乗り込むと既に乗船客で埋まっていて、神津島〜式根島〜新島〜利島を回っての大島〜東京みたい。

高速ジェット船、何がジェットなのかと思ったら航空機メーカーが開発した特殊な滑走(「翼走」というらしい)をする船体のようです。翼走状態になっても揺れなどはあまり感じず、海の上を滑るように走る船。
ジェット船で行く伊豆諸島|大島・利島・新島・式根島・神津島へ|東海汽船

竹下桟橋までは1時間45分ほど。1時間ちょっとウトウトしていたら、もう羽田沖を走っていました。大型客船にも風情がありましたが、時間を有効に使いたいなら高速ジェット船の移動も良いですね。

レインボーブリッジをくぐって竹下桟橋。

先に出港したと思っていたセブンアイランド 結が後から着岸しました。

行きに乗ったさるびあ丸も夜の航海に備えています。

以上、初めての伊豆大島。たった一泊二日ではありましたが、かなり楽しかったしまた訪れたい。妻も船旅が楽しかったらしく、今度は他の伊豆諸島にも行こうと話しています。よく考えたら日本は離島だらけですし、山と同様に島もまだまだ知らないとこだらけ。そしてできることなら島の山にも色々と登ってみたい!


伊豆大島2日目の行動ログ

この日は大きな移動は全てレンタカー(青線)で、三原山のお鉢巡りと裏砂漠のハイキング(赤線)。

ハイキング部分はYAMAPのログでも。一直線になっているのは車移動でジオタグがすっ飛んでいる部分(分けるのもダルいので2つのログを合成しました)。


剣ガ峰・三原山(三原新山) / OKPさんの三原山櫛形山(東京都)の活動データ | YAMAP / ヤマップ