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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

曇天の鳥取・大山に登り島根でラーメンを食べた日

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今月初めの9月1日(金)、鳥取県の大山(だいせん)に登ってきました。残念ながらお天気は曇り、山頂付近では雨となってしまいましたが、下山後のラーメンも美味しく楽しい山陰旅行の締めとなりました。

日本百名山、大山(伯耆大山)に登る

サンライズ出雲で訪れた山陰地方。初日の大山登山を見送って出雲地方をドライブしましたが、結局翌日の天気もあまり変わらないものとなりました。出発前の天気予報だと初日は山中はずっと雨、2日目も曇りながら昼頃から回復傾向だったのですが、直前には2日目も雨と曇り予報となってしまいました。


大山(だいせん)は鳥取県の西部に位置する標高1,729mの独立峰で、日本百名山にも数えられる中国地方の最高峰です。西側から見た山容は富士山のような両側に長い裾野を引く姿なこともあり「伯耆富士(ほうきふじ)」とも呼ばれます。冬には富士山のような冠雪した姿も見られます。
ただし、山全体は円錐の一部を残して大きく崩れたような形になっていて、山頂付近は登山ピークの弥山(みせん:1,709m)の他、最高峰の剣ヶ峰(1,729m)など複数のピークが東西に伸び、眺める角度によってその山容は大きく変化します(国土地理院の3D地図表示で見ると大山の特徴的な形がよく分かります)。

「大山」の呼称は音声ならすぐ分かるのですが、テキストの場合は首都圏でも人気の丹沢(神奈川県)の「大山(おおやま)」との区別もあってか(WEBの場合は検索対策なども?)、登山系メディアなどでは「伯耆大山(ほうきだいせん)」と表記されることが多く、このブログでも両方の表記を使っています。

日本海側にある大山は低山でも冬になるとしっかりした積雪があり、以前から大山に登るなら積雪期が良いと思っていたのですが、せっかくサンライズ出雲に乗る機会があるなら大山登山をしないのは勿体ない。
今回は2日間とも天気は微妙ですが、登れない(荒れる)天気ではありませんし、公共交通の予約が先行する旅行ではこればかりは仕方ありません。夏の低山登山は日差しや気温の上昇で何かと大変なので、そこまで気温が上がらなそうなことを前向きに捉えることとします。

南光河原駐車場からスタート

8時過ぎに島根県の玉造温泉を車で出発して、コンビニで飲み物などを買いつつ9時半過ぎに大山夏山登山コースのスタート地点である「南光河原駐車場」(鳥取県西伯郡大山町大山)に到着しました。
曇り空の平日ですが駐車場は6〜7割が埋まっていました。夏山登山口周辺には他にもいくつか駐車場があるようですが、この南光河原駐車場が最も登山口に近く、公衆トイレも整備されています。

準備をすませて9時40分頃のスタート。標準コースタイムは上り3時間、下り2時間程度とのことです。帰りの電車は米子発17時26分、レンタカー返却の時間を考えると16時が下山のリミット。標準コースタイムはかなり余裕のある設定のようなので、ひとまず15時頃までの下山を目安にすれば良いでしょう。

夏山登山口周辺は古くより山岳信仰の拠点となる「大山寺」の門前町でもあるようです。

整備された階段で登れてしまう登山道

ここからが大山の夏山登山道の本格的なスタート。1合目から9合目までの分かりやすい道標が立てられているので山頂までの目安にするとペースを作りやすいかも。

5、6合目あたりまでは整備されたほぼ階段状の登山道。登山道の階段は歩幅が合わなかったり、土砂の流出によるエグレなどで登りにくい場所も少なくないですが、大山の階段はピッチも細かく、とても歩きやすいです。

登りなのでで決して楽ちんという訳ではないですが、足元の不安もなく登りやすい階段を地道に登っていれ5合目まで行けてしまいます。このスムーズさは登りよりも下山時に感じられることでしょう。

景観は期待できないので足元の草花を見ながら登って行きます。照りつける日差しもなく夏にしては涼しい日ですが、それでもすぐに汗が吹き出します。

振り返ると登山口の一帯が見えました。リフトや草原が見えますが、冬にはスキー場がオープンするようです。

平日なので登山客が少ないかと思ってましたが、人気の百名山だけあって思いの外に登山客を目にします。高齢者ツアーの他、この日見たのが小中学生の団体(夏休みの学校登山?)、高校、大学の運動部、消防士のブループなど…… たいていはペースが異なるので(ツアー系はゆっくり、運動部系はほぼラン)、渋滞のようなことはありませんでしたが、ちょっと驚いてしまいました。

色づいたナナカマドがありました。そうか、あと1ヶ月もすれば山は紅葉の季節なんですね。今年も夏山にちっとも登らないまま、もうこんな季節になっていることすら忘れていました。


6合目からは普通の登山道に、すぐに森林限界

六合目避難小屋では複数の団体、小中高校が休憩中でした。とてもよく整備された歩きやすい登山道ですし、学校登山や初めての登山で登るような地域に親しまれた山であることがよく分かります。

それこそ私達にとっての高尾山や大山(おおやま)ですね(どちらも子供の頃に登りました)。そういえば丹沢大山の階段地獄に苦しめられた系の感想はよく聞きますが(山歩きに慣れるようになんてことないレベルなのですが)、こちらの大山でも同様の感想を持つ人はいるかもしれませんね。

避難小屋前からの北側。かろうじて日本海が見えてます。前日より平地の天気も微妙なのでは?

それでは再び足元を見ながら進みます。カヤの実がなってますね。

なんだろこれ。枯れた花?…かと思って写真拡大したら小さな虫がたくさん付いてた(拡大注意)。虫によるものなのか、カビや菌類によるものなのか……?


六合目避難小屋から先はややザレた登山道となります。

日本海からの風が吹き付ける山だからか、1,500mあたりで森林限界になります。

山頂付近は少し平坦になっていて、植生保護のためか木道が整備されています。

山頂周辺は周回できるコースになっています。このお天気だと何も見えないのでそのまま山頂を目指します。

もう花ぐらいしか見るものがない。

7合目あたりからポツポツと振り始めていた雨がかなり強くなって、この山頂付近に出ると遮るものがなくなって風も吹き付けていたのでレインウェアを着ました。


大山頂上避難小屋が見えたら山頂その向こうです。

まずは先に山頂に行っていきます。新しめの木道が整備されていて、やはり植生保護をしているようです。

山頂周辺、ちょっとしたお花畑になってると思われます。晴れていたら気持ちよさそう。


ということで大山(弥山)山頂です。

この先、最高峰の剣ヶ峰方面は立入禁止となっていますが、何も見えません。

山頂で荷物をおろしてゼリー程度は食べてますが、避難小屋には売店もあるようなので立ち寄ってみます。ちなみに今回は特別昼食は用意せず、ゼリーやアンパン等の行動食のみ。

避難小屋内は2階建てになっていて、結構な數の人が休憩をしていました。このあと、子どもたちや団体が次々に到着してかなりの混雑となります。

避難小屋ではありますが、夏山シーズンは小屋番が在中して管理や売店の営業も行っているようです。飲み物、ビールの他、Tシャツや手ぬぐいの販売もありました。バッジ等を購入。

大山入山の協力金500円。こんなに整備された登山道、さぞ維持管理に手間が掛かっていることでしょう。もっとしっかり徴収しても良いぐらい(駐車場も無料だったし)。

山頂に到着したのが11時40分ごろ。丁度2時間ぐらいでした。久々の登山でしたがコースが整備されてるので、とても歩きやすかったです。山頂と避難小屋で30分ちょっとの休憩になりました。

これから下れば遅くても14時頃には下山できるでしょう。レンタカーの返却まで3時間近くあるので、下山飯やお土産、駅弁をゆっくり選ぶ時間も取れそうです。

下山は整備された階段でスムーズ

それでは下山します。しばらくレンズの前玉が曇っていることに気づかなかった……。山頂付近は雨雲の中でしたが8合目あたりまで下りてくると、下のほうが晴れているのが見えてきました。

先程とは打って変わって人がいない六合目避難小屋。

見事に6合目から上が雲の中。この方向に大山の北壁が見えそうなのですが、それはまたの機会に……。

前日にドライブした弓ヶ浜半島と美保、中海が見えています。ということは向こうからも雲を被った大山が見えてることでしょう。

ピッチの細かい階段のおかげで下山はらくらく。自然を感じるには少々手が入りすぎな気もしますが、久しぶりの山歩きなのでこれぐらいで丁度良かったかも(なんやかんやで後で筋肉痛になっていますし)。

黒いヘビがいました。すごいスピードで逃げてしまったので上手く写真を撮れず。かすかに見える模様からするとヤマカガシの黒化個体でしょうか?

1合目に降りてきました。下りは1時間半ほど、時間に余裕があるのでちょっと寄り道してみます。


阿弥陀堂とモンベル 大山店

古いお堂がありました。

室町時代の末期(1552年)に建てられたという「阿弥陀堂」。

山の中にそんな古いお堂が朽ち果てもせずに残っているとはすごいですね。

山頂は虚無の大山でしたが、見るものは他にもあります!?

周辺に多く見られる立派な石垣も古いものでしょうか。

無事下山しました。14時少し前なので、下山は1時間半ぐらい。

駐車場とは佐陀川を挟んでモンベル 大山店があります。ちょっと立ち寄ってみたりなど。

佐陀川と大山の下の方。

新大山橋、車で少し下りてきたら少し雲が晴れていました。

大山の富士山っぽい部分と、その向こうのに伸びる崖の両方が見えています。

駐車場で濡れた装備を干したり荷物を整理していてちょっと時間を使ってしまいましたが、まだ15時前。レンタカーを17時までに米子駅前に返却すれば電車には間に合うのであと2時間ちょっとの余裕があります。ラーメン程度の食事をしてから、お土産を買う時間は十分にありそうです。

鳥取と島根を行き来して下山ラーメン&道の駅

ということで米子東ICから米子西ICまで山陰自動車道の無料区間を走ってやってきたのが、国道9号沿いの「ローダンのラーメン 安来店」。この他に米子駅前店があるみたい。

ラーメンが600円からと今どきリーズナブルな価格設定で、醤油焼豚ラーメンでも800円。当店自慢と書かれていいた、醤油焼豚ラーメンと餃子をそれぞれ注文しました。うーん、これはおいしそう!

喜多方ラーメンを彷彿とさせるビジュアルですが、麺は中太麺。

スープは一瞬塩ラーメンかと思うぐらいのあっさりさですが、しっかりと旨味があっておいしいスープです。角煮を薄切りにしたタイプのチャーシューも柔らかくてうまい。

そして餃子、こちらも軽めでこの倍ぐらい食べられそう…… ですが、帰りの電車でも駅弁をしっかり食べたかったので、下山飯として今回はラーメン餃子で我慢しておきました。

ご当地ラーメンという訳ではなさそうですが、島根と鳥取に一店舗ずつある「ローダンのラーメン」、山陰旅行の最後にいい思い出となりました。米子起点で大山の日帰り登山をした人の下山飯にも最適かも!?

その後はレンタカー返却の前に「道の駅 あらエッサ」でお土産を探します。前日の出雲大社があまりの観光地だったために、ついお土産を買い忘れてしまい、ギリ島根県(安来市)の道の駅に立ち寄ったのでした。

家用にはギリ持ち帰れそうなノドグロ、アジ、キスの干物を保冷剤、保冷バッグと合わせて購入。車だったらもっと色々と買えたのですが、特急と新幹線移動なので程々にしておきました。

なんとなく米子から西はすぐ松江市かと思ってましたが。中海の南側は間に安来市があるようです。安来市はあの「安来節」の安来、道の駅の名前になっている「あらエッサ」はどじょう掬いの掛け声ですね。山陰土産の「どじょう掬いまんじゅう」(旅館にもあったやつ)はこの安来がルーツでしたか。

米子駅前でガソリンを入れてレンタカーを返却。帰りの特急やくもまで50分ほどとかなり余裕のある時間ですが、米子駅でじっくり駅弁を選んだり、鳥取のお土産も多少追加して帰路に着きました。

サンライズ出雲を使えば前夜車中泊の日帰り大山登山はかなりメジャーなようですし(帰りもサンライズで車中2泊でも)、米子からはレンタカーの他にバスを使って大山登山口まで行けるようです。

米子から東京までの電車移動は、サンライズ出雲の乗車記事にまとめてあります。

登山ルートとGPSログ

大山夏山登山コースはとても整備されていて歩きやすかったですが、休日や週末や混雑することも考えると、往復で休憩込み5時間〜ぐらいは見ておくといいかもしれません。



大山登山 / OKPさんの大山(弥山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ