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秋の那須岳(茶臼岳・姥ヶ平・朝日岳)で紅葉ハイキングを満喫してきた

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10月2週目の三連休、日本列島の北をかすめるように進んだ台風25号の影響もあり、山の計画に少々悩みつつも最終日の8日(体育の日)に栃木県の那須岳に行ってきました。

秋の那須岳は紅葉観光スポットとしても人気の山なので、前日のうちに現地へ向かって道中の食事や温泉を楽しみながら(これはまた別で書きます)確実に登山口の駐車場をキープしよう!なんて計画を立ててみたのでした。

那須岳の紅葉を見に行こう!

那須岳は栃木県の最北部、福島県との県境近くにある火山群で、主峰である「茶臼岳(1,915m)」を那須岳と呼ぶこともありますが、一般的には朝日岳(1,896m)や最高峰の三本槍岳(1,917m)、南月山、黒尾谷までの5峰の総称となるようです。

茶臼岳の山頂には噴火口があり、現在も山体からは水蒸気や火山ガスが吹き出しています。

東北自動車道の那須インターから30分程度で登山道入口とアクセスもよく、周辺の山域一帯で見事な紅葉が見られることで、この時期は観光地として大人気のスポット。茶臼岳の9合目まで那須ロープウェイで行けることもあって、紅葉シーズンの週末ともなると多くの観光客、登山客で賑わう山のようです。

今回我々が歩いたルートは「峠の茶屋駐車場」を起点にして茶臼岳→姥ヶ平→朝日岳を巡り、最後に三本槍岳を登る計画でしたが、朝日岳時点での天候(ガス)が優れなかったこともあり三本槍岳には行かずそのまま下山しました。

「峠の茶屋駐車場」は前日夜のうちに満車……!?

さて、夕方のうちに那須に到着して夕飯や食事を楽しむ予定だった我が家。那須ロープウェイ乗り口のさらに上にある「峠の茶屋駐車場」を登山のスタート地点にする計画だったので、明るいうちに駐車場や登山口の場所を下見で訪れていました。

前日は台風通過の影響でロープウェイが終日運休となる大強風(那須岳は強風の吹きがちな山域だそう)。峠の茶屋駐車場にはキャンピングカーなどの明らかな場所取りはチラホラ見られるもののご覧の状態。これなら夜中にのんびり来ても大丈夫そうかな? …… なんて思っていたら、この判断は甘すぎました!

「狭い車で横になるより温泉の休憩所でゴロゴロしてた方がいいよね」なんて22時を過ぎてから峠の茶屋駐車場を訪れてみたら、既に上の広い駐車場は満車の大混雑!
一段下の駐車場(トイレまで少し歩く)にまだ数台の空きがあったので事なきを得ましたが、恐らくあと20分来るのが遅れたら駐車場にあぶれていたかもとヒヤヒヤものです。

ひと息付いて空を見上げたら満天の星だったので、寝る前に少し星でも撮るかと上の駐車場へ行ってみましたが、その間も引っ切りなしに車がやってきてはウロウロして下りていくのを目にする状況(おかげで長秒露光がもう……)。

かなり強引な路駐なども見られましたが、3時過ぎに起きて登山の準備を始める頃には、交通整理の方が入って路駐の大半が移動させられていました。

前日のうちに埋まってしまう駐車場というのは完全にキャパオーバーだと思いますし、帰りに見たロープウェイ乗り場の渋滞も凄まじいことになっていたので紅葉時期の週末はマイカー規制なりシャトルバスの運行などあってもいいのでは?と思ってしまった位です。

夜明け前、茶臼岳に向かって出発

駐車場で3時間ほど仮眠をしてから、明け方の4時前に峠の茶屋駐車場をスタートします。駐車場から標高1,915mの茶臼岳山頂までコースタイムで1時間半程度なので、山頂付近で日の出(ご来光)を見る計画です。

まだ真っ暗な中をヘッドライトの明かりを頼りに登っていきます。まずは樹林帯を30分弱、周囲が開けてからは星空を見ながらのナイトハイクです。この日の気温は夜でもそこまで寒くなく、山頂までは薄手の長袖ベースレイヤーにソフトシェルを羽織っただけで少し汗ばむ位でした。

那須岳と朝日岳の鞍部「峰の茶屋跡 避難小屋」に出たら、左手側にに折り返すように茶臼岳へと登って行きます。

登ってきた方向を振り返ると街の明かりと星空、そしてやはり同じように駐車場から登ってくるヘッドライトの光が点々と見えてます。

普通は日の出まで1時間を切るとかなり星が消えてしまうのですが、カメラを空に向けて撮っただけで(SS2.5秒)でこれだけの星がまだ写りますし、実際にはもっと見えています。街の光も見えているような場所で、標高も2,000手前なのですが那須岳で見える星はかなり凄いかもしれません。

峰の茶屋跡 避難小屋から茶臼岳山頂まではガレ場の中を30分程、地平線付近に雲が多少あるものの空は相変わらずのお天気で、これはいい日の出が期待できそうです……。


「那須岳山頂」突然ガスに覆われてしまった……

いよいよご来光! ……と思ったらいきなり辺りをガスが包み始めめて、あっという間に周囲は真っ白け。なにそれこわい! あの星空は何だったの!?

山頂付近は風が吹き付けるのでフリースを着て防寒しつつ、太陽が見えるのを待ちながら朝食を食べたりホットミルクを沸かしたりしていますが、ガスはますます濃くなるばかり……。

ちなみに前日は30m近い強風の予報も出ていましたし、那須岳エリアは強い風が吹きがちなエリアだそうなので防風、防寒対策はお忘れなく。これからの季節はダウンぐらいあってもいいかもしれませんね。

結局ガスが晴れないまま、山頂火口のお鉢巡りをすることにします。

そういえば前回の御嶽山に続いてまた火山にやってきましたね。

時折ガスが薄くなると下の方に紅葉が見えたりするのですが、すぐに隠れてしまいます……。

茶臼岳山頂の那須岳神社で、ようやく太陽が雲の向こうに見えました。前日まで晴れ予報が出ていたはずの那須岳ですが、この段階で天気予報を確認したらいつの間に「1日中曇り」へと変化していました(笑)


記念撮影でフードを被ってる程度には風が強いです(帽子が飛ばされそうなので)。

期待していた日の出にフラレて出鼻をくじかれましたが、明るくなりましたし気持ちを切り替えて紅葉エリアの「姥ヶ平」を目指すことにします。ここからはロープウェイの山頂駅方面に200mほど下ってから、「牛ヶ首」方面を目指すコース(鉢巻き道)を取ります。


一旦、ロープウェイの山頂駅に立ち寄って……

明るくなって改めて茶臼岳の山肌ってこんなだったのか……と。


相変わらずガスは掛かっていますが、時折差し込む太陽光と紅葉、そして火山独特の変色した地表がなんとも幻想的な風景を生み出しています。



山の下の方を見ると那須岳ロープウェイ駐車場の車列が既に凄いことになっていました。恐らく夜中から待っているのだと思いますが、ロープウェイのオープンまであと2時間位あるんですよね……。

さて、ここで一旦ロープウェイの山頂駅へと立ち寄ります。

というのも那須岳エリアは各登山口とロープウェイ駅にしかトイレがないので一旦山に入ってしまうと、トイレ問題で苦労することになります(山小屋もトイレのない避難小屋のみ)。ロープウェイ山頂駅はオープン前でも1箇所だけトイレを空けていてくれるので、大変助かります(使用料取ってもいいかなと)。

我々もこの後の行動予定が長いこと、日の出待ちで少々温かいものを飲んでしまったのでありがたく立ち寄らせて貰いました。

ここからは山頂の南側にある鉢巻き道を歩いて「牛ヶ首」へと歩きます。

周辺の山(南月山?)にかけての斜面一面に紅葉が広がっています。すごい!

この時間はロープウェイ営業前ということもあり、特にこちら側は殆ど人が歩いてないのでとても贅沢な紅葉ハイクです。


紅葉が溢れる自然の庭園「姥ヶ平」

牛ヶ首に出ると紅葉が広がる自然の庭園「姥ヶ平」が見渡せます。一気に人が増えますが、峠の茶屋駐車場から茶臼岳には登らず直接来た人の他、山域西側の「沼原池駐車場」から来ている人も多いようです。

さすが紅葉の名称だけあって見事な紅葉が広がっています。駐車場から徒歩1時間ちょっとで歩いて来られてしまうので、それは人気のスポットになりますよね。

姥ヶ平から茶臼岳を見上げ…… って山頂がガスに隠れてしまっています(笑) 中腹から蒸気が吹き上っているのが見えますし「ゴーー!」という音が下まで聞こえています。

姥ヶ原の中央付近には「ひょうたん池」という池があり、そこまでは植生保護の木道を歩いて行きます。狭い木道なので人が多いとすれ違いのタイミングが難しいのですが、なるべく出て行く人優先で上手く譲り合って進みましょう。

木道の終点にあるひょうたん池の水面は周囲の紅葉に覆われて、あまりよく見えなかったりします(笑) でも紅葉に囲まれていてその密度がものすごい! これで茶臼岳の山頂が見えてくれると嬉しいのですが、こればかりはお天気の気まぐれなので……。

ちなみにSNSなどによくアップされてる「逆さ茶臼岳」(ひょうたん池に映る茶臼岳のリフレクション)は木道を下りて池の際まで行かないと撮ることができないようです。

周りが行ってるからと軽い気持ちなのかもしれませんが、「木道はおりないで」と看板が設置されてる位ですし、正直褒められた行動ではありませんね。国立公園内に植生保護の木道が作られてることの意味を少しは考えてもいいでしょう。

さて、再び牛ヶ首まで戻ったら今度は茶臼岳の西側を回り込んで、峰の茶屋後避難小屋を目指します。こちら側の登山道は茶臼岳から吹き出す蒸気や火山ガスを間近に眺めることができる、ダイナミックなコースです(鉢巻き道同様に平坦で歩きやすいです)。


峰の茶屋後避難小屋まで戻ってきましたがガスはますます濃くなっていて、この後向かう朝日岳方面もこの通り……。


ガスの中を朝日岳へ、三本槍岳はパス

まずは剣ヶ峯(1,799m)というピークを回り込みます。この山は山頂への登山道がありませんが、かなりもろそうな岩の山で確かにこれはちょっと一般登山道向きじゃないかも。

朝日岳は那須岳の中でもかなり鋭い形をした山で、登山道自体はとてもよく整備されていますが、ガレ場の斜面を30分程登ることになります(滑りやすい岩や手摺り状のクサリもあります)。
那須岳はアクセスの良さからはエリア全般にジーパンやスニーカー姿のハイカーも多いですが、茶臼岳や朝日岳は紅葉散歩の延長で登る山ではないので、コース選びは慎重に。


ということでせっかくの朝日岳山頂(1,896m)にやってきましたが、完全にガスガスで何も見えません。

周りが見えないなら足下でも撮っておきますか……。

本当はこの後、朝日岳のさらに先にある三本槍岳(1,916m)に登る登山計画だったのですが、この天候では景色もなにもあったものではないので下山することにしました。

山肌一面の紅葉を見ながら下山

さて、下山を始めると徐々に晴れて行くのが山のお約束!? 朝日岳の登りでは見えていなかった西側の紅葉が見えました。これは見事(って広角だと分かり辛かったか)。

振り返ると登ったばかりの朝日岳。こんな形の山だったんですね。

そしてこれから下っていく朝日岳と茶臼岳の間の谷筋。右上に見えているのが駐車場から峰の茶屋跡避難小屋にかけての登山道、朝は真っ暗な中歩いていたので下山路での景色が楽しみです。

手前の朝日岳から奥の鬼面山にかけての紅葉、凄いことになっています。

登りの際は明け方だったこともあって周囲の景色は全く分かりませんでしたが、まさかずっと登山道の横にこんな風景が広がっていたなんて……。

斜め前方に広がっていた紅葉の斜面がどんどん近くなり目の前にズドーンと!


30分程で登山口まで下りてきてしまますが、紅葉ハイクとしてはこのコースがかなり楽しかったです。茶臼岳や朝日岳のピークに登らなくても、この道と姥ヶ平を歩くだけでも那須岳の紅葉を見に来る価値はあるでしょうね。

ただしその場合は激しい駐車場争奪戦が待っているんですよね……(次回来るならば平日狙いかな)。ちなみに山に登らなくても駐車場からこれだけの紅葉を見ることができます。


登山後の食事や温泉についてはこちらの記事でまとめました。

久々のM.12-40mm PROが軽くて快適でした

さて、この日のカメラはいつものM. 12-100mm PROを留守番にして、M. 12-40mm PROをメインにしてもう1台はM. 8mm Fisheye PROを付けて行きました。冒頭の星の写真を含め広角の写真は例によってFisheye補正のJPEG。魚眼のものはRAWから現像しています。

久々にM. 12-40mm PROを持ち出しましたが何より重量が軽いので、M. 8mm Fisheye PROを付けたE-M1 MarkII(こちらも軽い)との2台持ちも快適です。

開放がF2.8通しなので光量の少ない時間帯や屋内のテーブルフォトでも活躍してくれますし、望遠が足りない所だけは山での紅葉写真では「もう少し欲しい」と感じることも多かったのですが、E-M1 MarkIIなら一応20M画素あることですし、ブログ写真ならばトリミングでなんとかなります(笑)

この山行からデビューさせて夜の星撮りに使った三脚はこれ。

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