I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

西武多摩川線に乗って野川公園のヒガンバナを見に出掛けてみた

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

府中市に住むようになって10数年になりますが、初めて西武多摩川線に乗りました。

西武多摩川線に乗ったことがないのです

先日、見たニュース。西武鉄道が東急と小田急から中古の車両を購入。「サステナ車両」と名付け、西武新宿線・池袋線以外の支線(多摩川線、多摩湖線、西武秩父線、狭山線、国分寺線)に導入すると発表しました。
西武が導入する他社の中古車=「サステナ車両」決定 なんと2車種100両 東急と小田急から | 乗りものニュース
西武鉄道と東急電鉄・小田急電鉄 「サステナ車両(※)」を授受 各社連携して、SDGsへの貢献を加速してまいります |東急のプレスリリース

西武線は個人的にあまり馴染みのない路線で、今年初めて西武多摩湖線(と山口線)に乗ったぐらい。

西武国分寺線や西武拝島線なども未だ未体験ですが、府中市民として気になるのが多摩川沿いの是政から中央線の武蔵境を結ぶ「西武多摩川線」です。他の西武鉄道とは接続がない単独路線で(小平、東村山あたりはあんな複雑な路線になっているのに……)、府中市内を走っている唯一の西武鉄道です。
西武多摩川線 - Wikipedia

その歴史は1917年開業とかなり歴史があり、1976年に廃線となった下河原線(1920年開業)と同じく多摩川の砂利を運搬する目的で敷かれた鉄道が元になっているようです。ちなみに現在の京王相模原線も、調布から多摩川方面に砂利鉄道として伸びた路線がその起源だそう。多摩の発展の影には砂利鉄道あり。

この西武多摩川線、野川公園と武蔵野公園の間の線路を走る姿は度々目にしますし、府中市内を東西に移動する際には必ず踏切や高架で渡るので存在は意識していましたが、利用する機会はありませんでした。

今回の車両譲渡のニュースを見つつ改めて西武多摩川線の路線を眺めていたら、野川公園に行く際に使えそうだと今更ながら気付きました。野川公園には車で行ってしまうのが手っ取り早いのですが、今回は多摩川線に乗ることが目的。丁度、野川公園自然植物園のヒガンバナも見頃のはずです。


始発駅の是政駅から西武多摩川線へ

さて、府中駅周辺から多摩川線に乗る場合ですが、京王線の武蔵野台駅から多摩川線の白糸台駅に乗り換えるか、やや遠回りですが府中本町駅からJRでぐるりと武蔵境駅まで行くか?
そして今回私が選んだのは、シェアサイクルで始発駅の是政駅に行く(笑) わざわざ府中駅から遠ざかって無駄が多いですが、西武多摩川線に乗ることが大きな目的なので上等です。

ということで是政橋近くのシェアサイクルステーションに自転車を停めて是政駅へ。

多摩川線の路線図を見るとなんと6駅のみ。沿線の長さに比べて駅数がやや少ない印象もあります。改札は自動改札ではありませんが、交通系ICカードに対応した改札機が設置されています。

是政駅は始発駅ですがホームは片側のみ(多摩川線は全線単線)。時刻表は12分間隔とそれなりに本数がありますが、ホームが複線化されているのは白糸台、新小金井、武蔵境駅の3駅のみなので、上下線のすれ違いの調整はその3駅で行っているのでしょう。

ホワイトにブルーの車両が入線してきました。あまりこのカラーリングの印象はありませんでしたが、そういえば西武多摩湖線に乗った際も黄色だったり赤だったり、基本のペイントがよく分からない西武線。

武蔵境側の1号車は自転車持ち込みが可能なサイクルトレイン。土日は終日、平日は9-17時の間、輪行袋を使わなくても自転車を持ち込めるそう。ママチャリで乗っても良いみたいなので、シェアサイクルでなく自分の自転車でも良かったのね! 今度試してみたくなりました(ママチャリで野川公園まで行くのは結構ダルい)。
西武多摩川線サイクルトレインご利用案内 :西武鉄道Webサイト

是政駅から1駅目の競艇場前駅。ふと後ろの窓を見たら、今は使われてないホームと謎のスペース。昔は対面式ホームだったのでしょうか(競艇場の利用客が今よりも多かったとか?)

伏線の島式ホームに車両基地がある白糸台駅。反対ホームと車両基地に止まってる列車、どちらも乗ってる列車とはペイントが異なりますね……。どれがベースカラーなのだろうか。

なんだか近未来的?なデザインの駅が見えてきました。降りるのはこの駅です。


多磨駅〜「くるま屋台GT」

「多磨駅」に到着、行きはここで降ります。括弧書きで「東京外大前」とも表記されています。西口側は多磨霊園の最寄り駅になっていて、2001年までは「多磨墓地前駅」という駅名だったそう。多磨墓地はかなり古い呼び名ですが、多磨霊園駅は京王線にありますし(多磨霊園からは離れてるけど)、東京外国語大学前駅にしたかったけど地元石材店の反対もあって多磨駅に落ち着いたとか(とWikipediaに書いてあった)。

新しくてキレイな橋上駅舎です。

西武多摩川線の時刻表。朝6時から21時台まで12分間隔で走ってます。

東口から出て眺める多磨駅駅舎。以前、Uターンだか線路を超えられないかの確認で、車で来たことがありますがこんな立派ではなかったはず…… と思ったら2020年に新しくなった駅舎だそうです。大きなガラス窓に緑がさわさわしたデザイン、武蔵境駅もそんな感じだったような……? 成城学園前駅とか大岡山駅とか。

野川公園まで行ってしまうと食事ができないので、駅前で何かないかな?とぶらぶら。駅近くに東京外語大学や警察大学校があるので、ちょっとした飲食店があるのは想像が付きます。

閉店してしまったけど、以前好きだった「ラーメンふじ」も比較的この近所でした。

ということでやってきたのが住宅地にキッチンカーを停めたスタイルの「くるま屋台GT」。かつて武蔵境にあったラーメン店の店主が自宅の敷地で?ひっそりと復活させたのだとか。

ラーメンでラーメンと塩ラーメン、油そばのシンプルなメニュー。全て700円。隣のテントでは4人ぐらいが食べられますが、テイクアウトも可能で自分以外のお客さんはテイクアウトで注文していました。

味玉が切れていたので、普通のラーメンで注文。具はキャベツとチャーシュー、ニンニクの風味がするややこってり寄りのスープ。麺は柔らかめですが、私好みの美味しいラーメン。ついスープを飲み干してしまいました。チャーシューとキャベツ増しが100円と格安なので、両方注文しても良かったかも。次回はそうします。

エネルギーが補給されたので、野川公園に向かいます。車で行くときと同様に朝日町通りから人見街道へ……

……からちょっと外れて入った道に鶴川街道の石碑。

派手なデザインの建物があると思ったら「アメリカンスクールインジャパン」、設計は丹下都市建築設計。


野川公園に到着、自然観察園へ

野川公園に到着。少し無駄に回り道してますが、最短の公園入口までなら多磨駅から徒歩10分弱といったところ。野川公園の公園のメインの広場や公園管理所に近いのは多磨駅ですが、園内の北側や野川公園の二枚橋には新小金井駅の方が近いかも。2駅のほぼ中間地点と思っていいでしょう。

せっかくなので少し川沿いを歩きながら自然観察園へ向かいます。

トンボやカルガモはいましたが、カワセミの姿はありませんでした。



自然観察園に到着。

ヒガンバナの季節はシュウカイドウもよく咲いています。

ツリフネソウにはホウジャク。たくさん飛んでますが、GF10のAFではなかなか捉えられません。

そしてヒガンバナの群落エリアへ。丁度満開かピークを少し過ぎたぐらい。


野川公園のヒガンバナは結構密集して咲いているので、広角レンズを使っても映えてくれます。


ところでヒガンバナのエリアにはこんな感じの木道が整備されているのですが……

木道からすぐ手前側の綺麗に咲いている花には、ことごとく撮影者による霧吹きと思われる水滴が付けられていました。撮りたい花にいざ寄ってみると、いくつもこんな状態。

濡れたヒガンバナは美しいですし、演出として霧吹きを使うぐらいは許されるとも思いますが、何も大勢の人が入れ替わりで訪れるエリアの目立った場所でやらなくてもいいのに……。
こうやって注釈を入れないと真夏日のレポートに不自然な写真を掲載することになりますし、撮りたい花を撮ることもできずで、もう少し目立たない場所で控えめにやって欲しいものです。

この日はせっかくの晴天なので、晴れの中のヒガンバナをもう少しお楽しみくださいませ。



他にも昆虫を撮ってみたり……

OM-1は持ってきてますが8-25mm PROを付けているので、望遠レンズはG VARIO 45-150mmを付けたGF10。対象が止まっていれくれればいいのですが、動いてる虫となると刃が立ちません。それでも数撃ちゃなんとやらで、ピントが来ていればそれなりに写る。

トンボは止まっていれば撮れる。同じような赤トンボに見えても種類が違うのですよね。


いつでもゆっくり撮らせてくれるイチモンジセセリ。それにしてもG VARIO 45-150mm、なかなかに使えますね。ライチョウのいる山域用に念の為で買ったレンズですが、思いの外散歩のお供に活躍してくれます。

野鳥観察の目的がないとなかなか望遠レンズを持ち歩くことはありませんが、このレンズなら取り合えずバッグの隙間に入れておけば、300mm相当までの望遠で撮ることができます。GF10とセットで手のひらサイズの470g、これだけ写ってくれれば満足です。

普段、野川公園ではあまり撮らない植物なども。名前は調べていません……


西武多摩川線を撮り鉄する

さて、ここでちょっと気になっていた西武多摩川線の車両の種類(カラーリング)を確認すべく、野川公園と武蔵野公園の間にある陸橋を走る電車をしばらく観察?することに。


1時間ほど見続けて車両番号の同じ電車が戻ってくるのも確認しましたが、結局この日走っているのを確認できたのは、来るときに乗った白に青と、クリーム色と赤の2種類のみでした。



その後も、新小金井駅に向かいつつ、西武多摩湖線が走るたびに見ていましたが、やはりこの日走っていたのはこの2色ばかりだったようです。



白糸台駅で京王線(武蔵野台駅)に乗り換え

帰りは新小金井駅から乗車します。

新小金井駅は対面式ホームで改札口があるのは上りホーム側のみなので、是政方面行きの下り列車が来てホーム内の遮断器が降りる前に下りホームに行かなくてはなりません。

なんとかセーフ。行きとは違うペイントの車両に乗ることができました。

帰りは白糸台駅で下車します。ホームが伏線になってる駅では基本、上り下りのすれ違いが発生する感じでしょうか。

やはり上りホーム側にのみ改札口がある白糸台駅。

西武多摩川線「白糸台駅」と京王線「武蔵野台駅」は徒歩数分の距離にあります。路線図には乗換駅の記載はないものの、車内アナウンスでは京王線への接続が案内されていました(逆はどうなのだろうとYouTube動画で確認したら京王線側のアナウンスは駅名のみでした)。

2駅の距離的には新秋津駅〜秋津駅や稲田堤駅〜京王稲田堤駅みたいな感じでしょうか。間に踏切を挟むのと直線距離を繋ぐ道路ではないので、もう少し遠く感じるかも……?
地図を見ると踏切を渡らずに行ける多磨霊園駅も結構近いですよね。

踏切からは白糸台駅の車両基地がよく見えます。黄色い西武多摩線は結局ここに停まっていただけか。

ちなみに西武鉄道の公式YouTubeによると西武多摩線は定期的に車両の交換を行っているとのこと。そして交換の際には、JR線の線路を介して武蔵境〜新秋津を経由して機関車で牽引しているそう。

武蔵境駅でJRと線路が繋がっているのはなんとなく想像できましたが、西武線の線路に入るのは西武国分寺線が入っている国分寺駅でなく、武蔵野線の新秋津駅なんですね(確かにGoogle Mapを見たら新秋津の手前で西武池袋線の所沢方面に線路が伸びていました)。

ということで京王線の武蔵野台駅に到着しました。

なんだか寂しい方の出入り口に出てしまったので、ロータリーがある側も見ておきました。

ちなみにこの武蔵野台駅にも来てましたが、「ちゅうバス」という府中市のコミュニティバスを利用すると、府中駅から武蔵野公園(ほぼ野川公園)まで100円で行けることも後で調べて知りました。所要時間は30分ほど掛かってしまいますが、30分間隔で運行されているようです。

地元とはいえ徒歩圏内を外れると車でばかり移動しているので、知らないことだらけだったりします。「くるま屋台GT」のラーメンもまた食べたいですし、西武多摩川線のサイクルトレインも利用してみたい。これからの鳥見シーズン、もっと公共交通を利用して野川方面に出掛けてみるのも面白いかもしれません。