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FALCAM F38 バックパック用クイックリリースV2、PDキャプチャーとの比較、幅広ストラップに対応?など

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ピークデザインのキャプチャー的なバックパックのストラップに装着するカメラホルスターですが、少し前からFALCAMのものを使っています。結構いい感じなので紹介します。

FALCAM F38シリーズ互換のキャプチャーみたいなやつ

FALCAM F38バックパック用クイックリリースV2、ピークデザインのキャプチャー(Peak Design CAPTURE V3)のような、バックパックのショルダーストラップに取り付けるカメラアクセサリです。


キャプチャー(V3)はこれですね。自分は、V2世代に当たるキャプチャープロから使っていて、現行もモデルV3はとても気に入って2つ使っています。登山で一眼系カメラを携行する人の超定番アイテムです。

FALCAMは中国深センのカメラアクセサリブランド。日本国内では代理店のイメージビジョンが販売していたり(銀一でも取り扱いがあるみたい)、同じく中華カメラアクセサリブランドUlanziの販売網でも売られているようです(型番は F38B3802 / F38B3803)。複数の販売網があるのは中華ブランドあるあるですが、詳しいところは分かりません。UlanziサイトによるとFALCAMはサブブランドとの記述もありますが……。

【3802】バックパック用 V2 ベース【3803】バックパック用 V2 キット
FALCAM(ファルカム) F38バックパック用クイックリリースV2 キット FC3803(キット): バッグ・ストラップ 銀一オンラインショップ | 撮影用背景-プロフェッショナル映像・撮影機材専門店
Ulanzi Falcam F38 カメラバックパックストラップクリップ用クイックリリースキット V2 F38B3803-ULANZIJP

箱に「F38 Quick Release for Backpack V2 」とあるので、製品名は「F38 バックパック用クイックリリースV2」でいいのかな。販売ページによって表記は揺れていて「バックパッククイックフックV2」なども。型番だとFC3802(ベースのみ)/ FC3802(ベース&プレートのキット)になります。

V2なので2世代目ということになりますが、恐らくこちらがV1に当たるモデル。

自分はプレートなしのベースのみを購入したので一式はこんな感じ。ポーチと専用レンチ(T6)、交換ランヤードM(これについては後述)、取扱説明書は英語と中国語のみ。falcam.jpサイトに日本語の取説PDFがあったので、国内代理店経由の販売だと付属しているかも。

ちなみにF38の純正プレートは、以前買った「FALCAM ショルダーストラップキット」に付属していたものを持っているので、プレートを組み合わせるとキットと同様のはず。


F38シリーズはピークデザイン キャプチャーV3プレートと互換性があるので、自分はキャプチャープレートを複数所有してることもありベースのみを購入しました。既に数ヶ月使っていますがキャプチャーのプレートで何の問題も使えていますし、同時にF38プレートも試してますが使い心地の差は特にありません。

キャプチャーV3と並べるとこんな感じ。ベースは縦幅が少しだけ広いですがほぼ同サイズですね。

プレートの互換性は一方通行なのでF38プレートをキャプチャーで使うことはできませんが、FALCAMから38とキャプチャーの両方に対応するプレートも出ています。これを標準で付属してくれればいいのに。

小さなバックプレート+ランヤードでベルトに固定する仕組み

フロントとバック、2枚のプレートで挟み込んで両サイドのネジで固定するキャプチャーとは違い、片側がヒンジ、反対側がバックルになってる2枚の金属プレートと、ダイニーマのランヤード(命綱・紐の意)でつながった正方形のバックプレート(取説ではランヤードボード)の構成。

ランヤードの金具をプレートのクランクピンギアに引っ掛けて、バックルを閉じることでプレートがストラップに固定される仕組み。ギアは3段階になっていて、ストラップの幅や厚みで引っ掛ける位置を調整可能。バックルを閉じると緩んだランヤードが引っ張られてキツく固定されます。

なかなか文字だけだと説明が難しいですが、写真と合わせて伝わってくれるといいのですが……。

バックプレートは小さいのでバックパックのストラップに取り付けた場合は、体側に当たるプレートの面積はかなり小さいです。ストラップとの接触部分はゴムの滑り止めが付いていて、適切なテンションでバックルを閉じればズレることはありません。

キャプチャー(CAPTURE V3)のバックプレートと比較してみると違いは一目稜線。Tシャツ1枚でキャプチャー装着のバックパックを背負った際には、バックプレートが体(胸あたり)に食い込む感触がありますが、FALCAMの方はほとんど存在を感じないレベル。実際に交互に背負ってみると全く違います。

その代わりというかプレートからはみ出したランヤードがストラップに食い込むので、長期間使った際にストラップ側にダメージを与える可能性はあります。キャプチャーにしてもストラップのクッションを挟んで押しつぶす仕様なので、この手のアイテムでは仕方のないことですけども……。

バックルはワンタッチで固定されるので(外す際はバックルを押すだけ)、キャプチャーと比較するとストラップへの着脱が段違いにスムーズ。バックパックの他にショルダーバッグのストラップにもよく取り付けて使っていますが、着脱がスムーズなので複数のバックでの使い回しも容易です。

また、プレートの滑り止めとランヤードで固定していることもあって、カメラの重みによってベースの位置がズレることがありません。キャプチャーだとネジの締め込みによっては、ズレることがあったのでこれについてもストレスがありません。

カメラ着脱はほぼキャプチャー同様だけど気になる部分も……?

カメラ(プレート)の着脱は基本的にキャプチャーと同じで、装着時はプレートをベースにスライドさせるだけ。プレートがベース下部にあるピンを押すことで、上部のバーブ(かえし)が上がってプレートが固定されます。外す際はサイドにあるボタンを押してバーブを引っ込めてプレートを外します。

ボタンを押し込むとカメラを固定してるバーブが引っ込む

バーブが引っ込んだ状態でカメラを持ち上げればプレートがスライドして外せます。装着時には自動的にバーブが上がります。

このボタンを下方にスライドさせると、ボタンがロックされてプレートが外せなくなります。キャプチャーのボタンを捻ってロックした状態ですね。

キャプチャーと多少の違いはあるものの、使っていればすぐ慣れると思います。プレートの滑りの良さや着脱時のスムーズさにはキャプチャーV3と変わらないレベル。

ただ、実際に使ってみると少し気になることも分かりました。まずは当初から予想はできましたが、ボタンがスライドのみでロックされてしまうので、予期せずボタンが動いてロック状態になっていることが発生します。

さらに、これは登山で使った際なのですが、ロック状態でなくてもボタンの押し込みにくい状況が発生したこと。あとから再現させようとしても原因がよく分からなかったのですが、雪山用のウェアの関係もありベース部分が直視しにくい状況で何度か悩まされました。
軽装でハイキングする際には今のところ発生してないので、装備(ウェア類)とカメラの干渉などで想定外の方向に力が働いていたりしたのかも。プレート周辺が見にくい装備の際は、今まで通りキャプチャーを使った方が安心な気もしましたが、薄着になる夏山ハイクなどは、体への負担のないFALCAMを積極的に使おうと考えています。

ランヤードの交換で幅広ストラップにも対応?

このカメラホルスターに対応するストラップですが、厚みは2mm〜20mm、ストラップ幅は標準のランヤード(S)で最大75mmまで、ランヤードを付属のMサイズに交換することで80mmまで対応するそうです。

自分のバックパックで試したところ8mm〜10mm厚、ストラップ幅60mmぐらいがランヤードSの限界だと感じました。75mm幅はかなり薄いストラップでないと難しそう。

ランヤードの交換は付属のT6レンチで、ヒンジ部分2箇所を含む6本のトルクスネジを外す必要があります。バックプレートなども付け直す必要があるので、頻繁にできる作業ではないと思います。

外してみると元々装着されていたランヤードSとMは、1cm程度しか長さが変わりませんでいした。半分に折って使うので対応幅が5mm広がっているということでしょうか。

ランヤードMに交換してみたところ、自分のバックパックでは70mm幅までなんとか装着できました。結構無理やりですし、恐らくこれが限界だと思います。

もう少し長いランヤードがあると対応するバックパックが増えると思いますが、現時点ではLサイズどころか交換ランヤードの販売もなさそう……。ダイニーマロープとはいえ長期間使ったら摩耗もあると思いますし(ワイヤーは黒/黄/赤色の三重構造で、内側の色が見えたら交換の目安とのこと)、交換用やより長いランヤードの発売を期待したいところです。

ピークデザインかFALCAMか?

当初、本製品が手元に来て使い始めたときは正直「キャプチャーの時代はこれで終わった」と感じたぐらい。着脱のスムーズさがなにより段違いですし、バックプレートの当たりのなさも素晴らしい!

市場価格もキャプチャー(いつの間にすっかり高くなってしまった)より2割近く安いですし、最近はAmazonで定期的にセール対象となって、そのタイミングであればベースのみで6000円弱、プレートセットでも9000円弱で買うことができます。

よほどキャプチャーに拘りがなければFALCAMを選ぶのがコスパ的にも良い選択だと思いますが、実際使ってみるとノールック時のボタン操作などはキャプチャーの方が使いやすいと感じることもありました。

自分は既にキャプチャー V3を2セット持っているので、メインのバックパックにはキャプチャーを付けっぱなしでもいいと考えてますが、普段使いのショルダーバッグや、小型のバックパックでは既にFALCAMばかり使っています。最後は好みになってしまいますが、格安のキャプチャーコピー品ではない、有力なキャプチャー対抗アイテムとして、ひとつの選択肢になるアイテムだと思います。