楽天カードのオウンドメディア『FunPay』に寄稿しました。「カメラにまつわるコト消費について何か書いて……」とお話をいただいたので、このブログでもお馴染みのカメラ&アウトドアの切り口で、最初に一眼レフを手にした頃からのアレコレを振り返って書いてみました。
そこまで“お金お金”した話はしていませんが(あまり振り返りたくなかったとも?)、複数の趣味が交錯することで消費にブーストがかかる様子を淡々と語りました。FunPayさんは若者のコト消費を応援するメディアだそうですが、自ら楽しんで沼にハマっている雰囲気が伝わればなによりです。
さて、記事中では現在私がメインで使っているオリンパスのマイクロフォーサーズシステムについて語っていますが、同様の目的で使えそうな、或いは興味の惹かれるシステムを他メーカー(マウント)で組んだらどうなるか?なんてふと考えてみたら面白そうな気がしたのでやってみました。
- 基準システム:オリンパス マイクロフォーサーズの場合
- パナソニック マイクロフォーサーズの場合
- フジフイルム Xシステムの場合
- ソニー Eマウントの場合
- ニコンZマウントの場合
- ペンタックス Kマウント
- どのマウントも魅力的だけど、私はまだまだオリンパス?
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基準システム:オリンパス マイクロフォーサーズの場合
基準にするのは、先日のこのブログでも書きましたが、私が「最小限に機材を絞るなら」で選ぶ2台のOM-D E-M1 Mark IIと2本のレンズ(M. 7-14mm PRO+M. 12-100mm PRO)システム。登山などのアウトドア用途は勿論のこと、旅行、スナップ、取材……と幅広い撮影用途に対応するセットです。
まずはこの基準セットについて価格、重量も併せてチェックしてみましょう。参考にしたのはみんなのクラウド防湿庫ことマップカメラさんの7月1週目の価格になります。対応する画角は35mmフィルム換算で14mmから200mm相当、総重量は2.24kg、合計額は60万円台の前半となりました。
OLYMPUS | OM-D E-M1 Mark II | 574g | ¥177,930 |
OLYMPUS | OM-D E-M1 Mark II | 574g | ¥177,930 |
OLYMPUS | M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO | 534g | ¥125,370 |
OLYMPUS | M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO | 561g | ¥135,420 |
画角:14-200mm相当 | 総重量 2,243g | 合計 ¥616,650 |
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オリンパスのMFTシステムは防塵防滴の信頼性もありますが、高性能なレンズにしては価格も他マウントよりも抑え気味な所が嬉しいですね。この私のお気に入りセットを基準にして、他のメーカー(マウント)でシステムを組んだ場合を見ていきましょう。
パナソニック マイクロフォーサーズの場合
まずはオリンパスとMFT陣営の両輪を形成するパナソニックから見ていきましょう。ボディはもちろんスチル機フラッグシップのG9 PRO、防塵防滴にE-M1 Mark IIにも並ぶとされる手ぶれ補正を内蔵したボディです。レンズはやはりオリンパスのPROレンズに匹敵するLEICA DGシリーズですが…… なんと、オリンパスに比べると、15万円近く安くシステムが完成するようです! 最新の高性能ボディがここまで価格を下げていることも驚きですが、Leicaズームレンズで揃えてもオリンパスよりこれだけ安くなるとは……。ボディ重量は少々嵩むものの、レンズは軽量化されるので総重量では2kgを切っています!
Panasonic | LUMIX DC-G9 PRO | 658g | ¥135,800 |
Panasonic | LUMIX DC-G9 PRO | 658g | ¥135,800 |
Panasonic | LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH. | 315g | ¥98,850 |
Panasonic | LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S. | 320g | ¥82,470 |
画角:16-120mm相当 | 総重量 1,951g | 合計 ¥452,920 |
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気になる点はパナライカズームは絞り値が可変になってしまうことですが、広角側でF2.8が使えれば星の撮影なども大丈夫なので問題ありません(パナライカ8-18mmは以前使っていましたが良いレンズでした)。後は望遠が120mm相当までになってしまうことですが、望遠をそこまで多用しない用途ならばトリミングやExテレコンでもカバーできるでしょう。
もちろん共通規格であるマイクロフォーサーズなのでオリンパスのレンズを組み合わせるのは全然アリなのですが、防塵防滴性能が100%発揮できないという話もあり(私もオリ/パナで使ってましたがどうも心配になる部分もあり……)、今回は純正同士の組み合わせにしました。
フジフイルム Xシステムの場合
続いてフジフイルムXシステム(マウント)。実はフジはこれまでも何度か検討したことのあるメーカーなのでワクワクします。ボディはやはり手振れ補正内蔵で堅牢性に定評のあるX-H1を2台……と行きたいところですが、重量増がネックになるので、センサーや画像処理エンジンがより新しいX-T3との2台持ちなんていかがでしょう。
広角ズームは以前から定評のある軽量なXF10-24mmも気になりますが、防塵防滴と開放値の明るさを重視して出血覚悟でXF8-16mmを選びました。一方で標準域は定番のXF16-55mmを選ばず、高倍率ズームのXF18-135mmにしました。206mm相当までの望遠は魅了ですし、レンズ手振れ補正の効きの良さもあるのでX-T3との相性も良いのではないでしょうか。対応する画角は広角12mm相当から望遠206mm相当までと今回調べた中では最も広くなります。
総重量は2.5kg、総額も66万でオリンパスのシステムより少しのオーバーで済みそうです。
FUJIFILM | X-H1 | 673g | ¥167,670 |
FUJIFILM | X-T3 | 539g | ¥165,850 |
FUJIFILM | XF8-16mmF2.8 R LM WR | 805g | ¥233,775 |
FUJIFILM | XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR | 490g | ¥95,710 |
画角:12-206mm相当 | 総重量 2,507g | 合計 ¥663,005 |
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ソニー Eマウントの場合
次はソニーEマウント。フルサイズセンサーのミラーレス機なら今最もシステムが充実しているのがこのEマウントです。しかしながらネックはやはり価格の高さ。高画素機は自分には必要ないと無印α7IIIを中心に組んでも軽く80万円を超えてしまいました。ボディがRなら余裕のミリオンコースですね……。
SONY | α7III | 650g | ¥218,890 |
SONY | α7III | 650g | ¥218,890 |
SONY | FE 16-35mm F2.8 GM | 680g | ¥260,010 |
SONY | FE24-105mm F4 G OSS | 663g | ¥145,440 |
画角:16-105mm | 総重量 2,643g | 合計 ¥843,230 |
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これだけ高額になると、ソニー機のいまいち煮え切らない(ように見える)耐環境性能を考えてもフィールドで酷使するのを躊躇ってしまいそう……。
そこで純正レンズは総重量が嵩むこともありますし、サードパーティのタムロンレンズでも試算してみましょう。価格も一気にお手頃になりますし、なんといっても通しF2.8は魅力。この2本のレンズは簡易防滴も備えています。望遠側が75mmと少々足りなくなるのでクロップを考えて1台をα7RIIIにしてみました。これでなんとか70万円台前半。オリンパスMFTシステムのプラス10万でフルサイズのシステムが組めると考えれば安いのか、どうなのか? 僕にはもうよく分からない……。
SONY | α7III | 650g | ¥218,890 |
SONY | α7RIII | 657g | ¥320,643 |
TAMRON | 17-28mm F2.8 DiIII RXD / Model A046SF | 420g | ¥104,490 |
TAMRON | 28-75mm F2.8 DiIII RXD / Model A036SF | 550g | ¥84,060 |
画角:17-75mm | 総重量 2,277g | 合計 ¥728,083 |
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えっ、シグマから14-24mm F2.8 ArtのEマウント版なんて出るんですか? 今後のラインナップ次第ではソニー純正とタムロンの間ぐらいの価格でシステムが組めそうですかね?
ニコンZマウントの場合
発売前後でかなり評価が変化しているニコンZマウント。個人的には現在市場にあるミラーレスカメラで最もEVFが自然で見やすいカメラだと思ってます。ニコンらしく耐フィールド性能もなかなかのものらしく、1台ではバッテリー持ちが少々不安でも2台体制ならばさほど問題はないのではないでしょうか?
レンズは純正の小三元の組み合わせ、こちらもかなり評判のいいレンズたち。望遠側はやはりZ 7の画素で殴るイメージで、広角側はF4での星撮りなどを考えたら感度重視のZ 6で。価格はレンズキットを利用しても80万越え…… 他にもXQDカードやら高画素機のRAWを快適に現像することを考えたら、PC環境も見直さないといけないかも……ってこれはα7RIIIにしても同じですけど。
Nikon | Z 6 | 675g | ¥242,460 |
Nikon | Z 7 24-70 レンズキット | 1,175g | ¥419,612 |
Nikon | NIKKOR Z 14-30mm f/4 S | 485g | ¥143,567 |
画角:14-70mm | 総重量 2,335g | 合計 ¥805,639 |
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それにしてもEもZもレンズの選択次第では重量がそこまで嵩まないのは驚きでした。純正大三元などを選ぶとまた変わってくるかもしれませんけども。
追記:AmazonにはZ 6、Z 7それぞれに広角ズーム(NIKKOR Z 14-30mm)のセット販売もあるんですね。同じ組み合わせで2つのキットを計算すると77万円台になるようです(7/16時点)。
[asin:B07PVBDM93:detail]
続いてキヤノン、ですがRFマウントはまだ広角ズームレンズが出てないのですよね。便利ズームのRF24-105mm F4 L IS USMを最初から出してきた所はさすがキヤノンですが、マウントアダプターを使ってEFレンズを使っては重量的にも不利になりますしひとまず今回は見送りで。タムロンやシグマがRF対応したら、一気に魅力的になりそうですね。
あとはフルサイズDSLRだとどうしても重くなってしまいますが、6D系と以下のタムロンレンズの組み合わせはなかなに魅力的かもしれません(同様のシステムはニコンD750辺りでも組めますね)。
ペンタックス Kマウント
ラストはペンタックス。現在ミラーレス機を作ってないペンタックスですが、フィールドに強い一眼カメラといえばペンタックスでしょう。重量級のK-1とフルサイズ用のレンズよりも、APS-C専用ボディ&レンズで軽快に使ってみたいところです。
現在のAPS-C最上位機はKPですが、もちろん防塵防滴でしかも重量703gと一眼レフにしてはなかなかの軽量コンパクト機です。レンズは今年出たばかりのF2.8通しのDA★広角ズームに、簡易防滴で(WR)はありますが写りの良さが魅了の便利ズームの組み合わせ。17mmから130mm相当までをカバーして、重量2.6kgは一眼レフ2台にしてはかなりの優等生です。
何よりも飛び抜けているのが価格で今回唯一の40万円切りと、パナソニックのマイクロフォーサーズシステムを超えるコスパの高さです。
PENTAX | KP | 703g | ¥83,763 |
PENTAX | KP | 703g | ¥83,763 |
PENTAX | HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW | 704g | ¥158,210 |
PENTAX | HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR | 488g | ¥64,150 |
画角:17-130mm相当 | 総重量 2,598g | 合計 ¥389,886 |
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どのマウントも魅力的だけど、私はまだまだオリンパス?
こうして各マウントで気になるシステム(フィールド向け、ボディ2台+レンズ2本)を組んでみると価格面さえ気にしなければ(そこが一番のハードルですが)どこのメーカーでもある程度似たようなシステムは作れるようです。
システム | センサー | 画角 | 総重量 | 価格合計 |
オリンパス | MFT | 14-200mm相当 | 2,243g | ¥616,650 |
パナソニック | MFT | 16-120mm相当 | 1,951g | ¥452,920 |
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フジフイルムXシステム | APS-C | 12-206mm相当 | 2,507g | ¥663,005 |
ソニーEマウント① | FF | 16-105mm | 2,643g | ¥843,230 |
ソニーEマウント② | FF | 17-75mm | 2,277g | ¥728,083 |
ニコンZマウント | FF | 14-70mm | 2,335g | ¥805,639 |
ペンタックスKマウント | APS-C | 17-130mm相当 | 2,598g | ¥389,886 |
もちろん画角、画質面、操作性、電池持ち、カードスロット数…… 等々細かなポイントを比べだしたらキリがありませんが(それ以外のレンズのラインナップなども)、今後もしオリンパスに何かがあっても、まあ何とでもなるなと安心しました(?)(笑)
ちなみに現時点でのオリンパスMFTシステムのアドバンテージを挙げるならば、やはりM.12-100レンズの存在と三脚要らずの手振れ補正。システムごと川に水没させても(さすがに焦った……)問題なく使い続けられる耐環境性能、そして今回のリストには登場しないPROレンズラインナップの(コストパフォーマンスを含めた)充実ぶりでしょうかね。結構あった(笑)
まあ、細かいことはどうでもいいので、みなさん好きなカメラを買いましょう! カメラはいいぞ。
そして改めてこちらの記事もよろしく!
https://card-media.infoseek.co.jp/articles/2019/07/11/11/