I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO、抜群の描写と使い勝手の良さに中望遠が好きになってしまう

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

約1ヶ月前、突然我が家に生えてきたオリンパスのPRO単焦点シリーズの45mmモデルを紹介します。


今まで自分にとって中望遠レンズはあまり相性が良くはなかったのですが(何本も買ってはいる……)、使い始めてみたらこれがかなり使い勝手が良い。登山の際に持ち出してみても、もちろん万能選手ではないもののが、広角寄りのレンズと組み合わせることで、いいアシストをしてくれます。そこそこ作例になりそうな写真も溜まってきたので、ファーストインプレッションをまとめてみることにします。

「OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」について

オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO(以下、M. 45mm F1.2 PRO)は2017年11月に発売された、マイクロフォーサーズ規格の交換レンズです。
F1.2大口径単焦点シリーズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」発売:2017:ニュース:オリンパス

上位グレードであるPROレンズシリーズの単焦点レンズとして、先行していた「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」に次いで(「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」に先駆けてというかほぼ同時期に)発売されたPRO単焦点3兄弟では最も長い焦点距離の中望遠レンズ。35mmフィルム換算で90mm相当の画角となり、一般的にはポートレート用途で手にする人が多いかもしれません。

開放値F1.2の明るさを持ち、ピント面からアウトフォーカス面にかけてにじむように溶ける「美しくにじむボケ」を目指したという、このPRO単焦点シリーズ。17mm PROと25mm PROに関しては、既に近い焦点距離の単焦点レンズを使っていることもあり(パナソニックのLEICA DG SUMMILUX 15mmと25mm)、三兄弟の中で最初に選んだがのがこの45mmでした。

ちなみに45mmといえば同じオリンパスからPREMIUMラインで「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」というレンズもあります。コンパクトなのに高画質でよくボケるレンズとして、MFTユーザーにはお馴染みのM. 45mm F1.8ですが、M. 45mm F1.2 PROとはこれだけのサイズ差があったりします。

開放値にして約1段の差ですが、そこに価格差にして5倍(定価比)、重量差3.5倍の価値はあるのか? ……なんて不毛なエクスキューズはやめておきましょう(笑) 欲しいから買った、それだけです。

高級感のある金属製のボディは410gとMFT用レンズとしてはそこそこに重量感がありますが、E-M1 MarkII等と組み合わせればバランスは非常にいい具合。ズームレンズよりもコンパクト(M.12-40PROよりは少し重い)なので、使う焦点距離が絞られている場合は機材の軽量化にもなります。

E-M1 MarkIIとの組み合わせで丁度1kg程度

PROレンズお馴染みのマニュアルフォーカスクラッチでMF(距離指標アリ)への切り替えもスムーズ。ただし私の場合は基本的にAFオンリーですし、星を撮る機会も少なそうなレンズなので、ケースから取り出す際などにこのクラッチが動いてしまうのは、少々邪魔に感じることもあるのですが……。

もちろん他のPROレンズ同様に防塵防滴仕様なので、オリンパスの防塵防滴ボディ(OM-D上位機)と組み合わせた際は定評ある耐環境性が発揮されます。


M. 45mm F1.2 PROのボケ味、及び他レンズとの比較

参考程度に屋内の近距離撮影でのボケ具合など。ISO感度は100固定、露出補正などその他の設定値も横並びで揃えています。

まずは、M. 45mm F1.2 PROの開放F1.2から。テーブル上の3箇所のピントを移動させてみました。確かにピント面からボケへのグラデーションはスムーズ。これが美しくにじんだボケか?と言われるとよく分かりませんが、前ボケも背景ボケも綺麗だと思います。

M. 45mm F1.2 PRO(F1.2)
M. 45mm F1.2 PRO(F1.2)
M. 45mm F1.2 PRO(F1.2)

続いて1段絞ってF1.8。ここでは「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」と比較してみましょう。カメラは三脚に固定したままなので、レンズのサイズが違うことで若干構図にズレが生じています。

M. 45mm F1.2 PRO(F1.8)/M. 45mm F1.8(F1.8)
M. 45mm F1.2 PRO(F1.8)/M. 45mm F1.8(F1.8)
M. 45mm F1.2 PRO(F1.8)/M. 45mm F1.8(F1.8)

M. 45mm F1.2 PROの開放(F1.2)からのボケ量の違いは一目瞭然ですが、2本のレンズの違い…… そこまでありますかね?(笑) 屋外や被写体との距離など条件を変えたり、等倍で比較したらまた色々と変わってくるかもしれませんが、正直パッと見では殆ど差はないように感じます。
予想はできましたが、それだけ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」が優秀なレンズなのでしょう。

さらに焦点距離がやや異なるので参考程度ですが、PREMIUMラインで最も大きなボケ量が期待できる「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」の開放F1.8にて同じ位置から撮ってみました。

M. 75mm F1.8(F1.8)

焦点距離が30mmも違うので(35mm換算なら90mmと150mmの60mm差)、比較をしても仕方ないのですが、先程のM. 45mm F1.2 PROの開放の写真を同じ位の画角までトリミングしてみるとこのようになりました(こうして見るとピントが甘いですね)

M. 45mm F1.2 PRO(F1.2)(75mmと同じ程度までトリミング)

ボケ量はM. 75mm F1.8の方が大きいものの、ボケの綺麗さだけならばいい勝負ではないでしょうか。トリミングで比較しても仕方ないですが、私の使い方ならば使いやすい画角のM. 45mm F1.2 PROに集約してしまっても良さそうです(ということでM. 75mm F1.8はドナドナしました)。

オリンパスの中望遠単焦点三兄弟!?

M. 45mm F1.2 PRO作例いろいろ

この1ヶ月の間にM. 45mm F1.2 PROを使った撮った写真たち。元々M. 45mm F1.8も持っていのに、やはりいいレンズだからなのか(道具は「その気」にさせてくれることが重量)かなり積極的に使いたくなります。これにはE-M1 MarkIIと組み合わせた際のバランスの良さも大きいかもしれません。

実家の犬の横顔(ベランダから外を見ている)、開放でもピント面の描写はとてもシャープです。

大國魂神社の節分豆まきより。



90mm相当の画角はテーブルフォトには少々長めですが、一歩引けばいいだけなので自宅ならば問題ない(?)。最短撮影距離は0.5mでM. 45mm F1.8と同じです。


むしろちょっと寄った絵が面白くて多様してしまったりと……(ラーメンばかり)。




さすがに90mm相当の中望遠レンズは山では使いにくいかと思ったら、これが思いの外活躍してくれます。特に人撮りで使うと、ボケも相まって雰囲気のある写真が撮れます ……ってポートレート用レンズみたいなものなので、当たり前といえば当たり前か。


ただし開放F1.2は、光量のある屋外では拡張の最低ISO感度まで落としても使えないことが多々あるので注意。ポートレート用途の場合、薄めのNDフィルターなどを用意しておくといいのかも?

ちなみに開放のまま風景をとってもこの写り。

構図一杯に山を切り抜くような使い方も楽しくてつい多様してしまいます。


このレンズを手にしてから毎回登山に持っていってますが、広角ズームレンズとの組み合わせで“標準ズームレンズの画角レス”状態で使うのが、かえって面白く(?)なっています。


山と人を絡めて撮った場合も中望遠の圧縮効果も手伝って、人がミニチュア的に見える(?)可愛らしい写真が撮れるのも、かなり気に入ってます。



府中郷土の森博物館で梅を撮ってみました。作例としてはまだ上手く使い切れてないかも……。


ハイキーとローキーで。

ボケが綺麗なので無意味に前ボケさせてみたくなる。


今までMFTってこういう立体感があまり上手く出せなかった気がします。ちなみにF2.0で。

といった感じで思ってた以上に使い勝手のよい中望遠レンズ。
性能的にはM. 45mm F1.8でも十分に高かったと思うのですが、1段分の明るさとボケ量で表現力はグッと広がりますし、PROレンズならではの堅牢性もあってアウトドアで積極的に使うのが面白い。

今までもM. 45mm F1.8、M. 75mm F1.8、シグマ60mm F2.8 DNと長めの単焦点はいくつか使ってきましたが、なかなか常連で使うレンズにはなりませんでした。それらと比較しても、このレンズの持ち出し具合は異例すぎて自分でも驚いているぐらいなので、よほど何か“来るモノ”があったのかもしれません。

ふんわりした表現ですが「フィーリングが合った」そんなレンズです。

フェイバリットレンズのM.7-14mmPROと組み合わせるのがお気に入り

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROの主な仕様

交換レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO | オリンパス:カメラ、オーディオ、双眼鏡

  • マウント:マイクロフォーサーズ
  • 焦点距離:45mm(35mm判換算90mm相当)
  • レンズ構成:10群14枚(EDレンズ1枚、HRレンズ4枚、非球面レンズ1枚)
  • 開放絞り-最小絞り:F1.2-F16
  • 最短撮影距離:0.5m
  • 最大撮影倍率:0.1倍(35mm判換算0.2倍相当)
  • フィルター径:62mm
  • 絞り羽根:9枚(円形絞り)
  • 最大径×全長:70×84.9mm
  • 重量:410g
  • フード:付属(LH-66B)
  • 希望小売価格:198,000円(税込)

こちらもどうぞ