今週の日曜〜月曜日にかけて、奥多摩町の温泉旅館・荒澤屋に泊まってきました。
- この夏は東京都内の魅力を再発見するブログ記事で行こう!?
- 民話の宿 旅館荒澤屋に泊まる
- 荒澤屋にチェックイン、リラックスできるお部屋とお風呂
- 奥多摩の幸をたっぷり堪能できる「あかべこ」での夕飯
- 翌日、朝食からチェックアウト
- こんな記事もあります
この夏は東京都内の魅力を再発見するブログ記事で行こう!?
新型コロナの感染者が再び増加したことで、8月のお盆週間に東京都知事より出された県外への移動自粛要請。その後もしばらく大きく感染者数が減少することなく、ふんわりした要請の期限も有耶無耶な感じになってしまいましたが、当の都民としては判断を個人の良識に委ねられてしまったような気分も……?
個人的には感染予防に注意した行動を取れば、現時点で自由な行動は制限されるべきでないとも考えますが、それでもこのようなブログやSNSで積極的に県外旅行や移動を勧めるような情報を出せる状況か?といえば、それにはまだ早いのかなとも考えます。個人の行動は自由ですが、情報発信はまだ慎重であるべきであると(あくまで私個人の指針です)。
よってこの夏のブログ発信については基本的に東京近郊で完結した行動のみにしておこうと考えています。まあ実際、何処にも行ってないんのですけども……。
しかし我慢しているばかりでは気持ちも塞ぐ一方ですし、8月頭の東京ステーションホテル泊の楽しい体験もあり、引き続き東京都内を再発見するような旅行をしてみたいなと。つまりは最近話題になることも多いマイクロツーリズムに行き着く感じでしょうか。
東京都内での都市部以外の観光といえば、やはり青梅市、あきる野市、檜原村、奥多摩町といった西部方面。登山やキャンプ、バーベキュー等では以前からよくお世話になっているエリアですが、ごく普通の旅行先としてこのエリアでの宿泊はまだ経験がありません。
民話の宿 旅館荒澤屋に泊まる
奥多摩方面の宿といえば、以前から御岳山の宿坊には興味がありましたが、今回は久々に温泉宿に泊まりたいなと。地元の山の幸をたらふく食べて、満腹で布団に倒れ込むような…… そんな温泉宿はないか?と調べて見つけたのが奥多摩駅近くの温泉旅館「荒澤屋」です。
【公式】民話の宿 旅館荒澤屋 | -創業百年- 東京都奥多摩の旅館
この手の温泉や周辺情報については月山もも(id:happydust)さんのブログを最大限に信頼している我が家なので、そんなももさんが2020年に泊まりたい東京の温泉宿としても挙げられている荒澤屋旅館はかなり気になりました。
口コミを調べていても、お料理がとても美味しい宿という情報が多くあったので、これはぜひ泊まりたい!
予約をしたのは悶々と家で過ごしていたお盆期間。既に9月はかなりの日程が埋まっていましたが、9月最初の日曜日が空いていたので、妻には月曜日の休みを取って貰うことにして予約を入れました。
創業110年、囲炉裏端を囲んで先代主人による民話の語りが聞けるという(現在は新型コロナ対策で休止中)温泉旅館 荒澤屋。JR奥多摩駅から徒歩約5分、多摩川本流と日原川の合流点から日原街道に少し入った日原川沿いのお宿です(川は谷を流れているので音が聞こえるのみ)。
客室を3部屋のみに絞った旅館で、二世代のご家族で経営されている旅館業を中心に、併設された居酒屋や宴会の提供なども並行して営業されているそうです。お風呂は奥多摩湖畔にある「鶴の湯温泉」からの汲み湯を使っている温泉旅館です。
今回、予約の時点で空いていた8畳+8畳の広い部屋を予約しましたが、現在旅館サイトで調べると同じ部屋は4人以上でないと予約できないようです。これから秋に掛けて奥多摩の人気シーズンに入るので、まだ残暑の厳しい9月とは違うのかもしれません。
温泉宿泊まりがメインで他はふんわり無計画な地元旅
奥多摩と言えば我が家にとっては主に登山で訪れる場所ですが、先月大岳山に登って、真夏の奥多摩登山はちょっと厳しいな…… みたいなのもあって、特に前後に登山の予は入れず(結果的に天気も悪かったですし)、荒澤屋に泊まることが主目的で後は周辺の散策的な観光や食メインで楽しもうと。
せっかく登山抜きの多摩川上流域なので管理釣り場でも立ち寄ろうかと思ったのですが、前日の時点で台風10号の接近に伴ってかなり雨が降ることが予想されたので、釣具一切は置いて出掛けました(川の増水も凄かったので恐らく営業してなかったはず)。
奥多摩方面のアクセスなら車の方が行動の自由度が高いですが、せっかく駅前のお宿に世話になりますし、奥多摩駅といったら、VERTERE/バテレ(駅前のブルーパブ)のビールも飲みたくなるだろうしと電車での移動にします。さらにこの夏は、同様に遠征を控えた都心や近隣からの観光客により度々渋滞が発生するといった話も聞いていましたし……。
といった感じで今回の2日間は、荒澤屋の宿泊をメインに、初日は奥多摩到着早々にバテレでクラフトビールを飲み始め、その後観光案内所で教えて貰ったハイキングコース(愛宕山〜登計トレイル)のウォーキング。2日目は今まで行く機会のなかった日原鍾乳洞観光に行ったり、同様に気になっていた川井の「釜めしなかい」を訪れてのランチなど……。
無計画なまま奥多摩に泊まって食べて飲んできただけ。こういうのでいいんです(宿泊以外の観光は別記事でまとめます)。
荒澤屋にチェックイン、リラックスできるお部屋とお風呂
バテレで膨れてしまった腹ごなしに2時間ほどの散歩をして、16時頃に荒澤屋にチェックイン。正方形と三角屋根が組み合わさったような面白い外観と真っ赤な色は、氷川大橋の辺りからもよく目立っていました。ちなみに我々が泊まった部屋(お大尽)は2階の右側の灯りが点いている窓。
大きな提灯に「あかべこ」。あかべこは荒澤屋の1階で営業している居酒屋の屋号であり、宿泊者の食堂にもなります。あかべこでの朝夕食については改めて別項にて。
【公式】東京都奥多摩の居酒屋・お食事処 炉ばた あかべこ
先程も書きましたが、荒澤屋の宿泊は1日3組(部屋)のみで、この日は2人客が3組。他のお客さんとは館内で出会うことも殆どありませんでした。
玄関を入って、写真の右手引き戸があかべこの入り口になっています。
今回我々が泊まったお部屋は8畳+8畳の広々とした「お大尽」。こんな広い部屋を2人で利用できるなんて贅沢過ぎる……。
一部屋だけでも十分なのに、1人8畳自由にゴロゴロできる。天国。
お茶菓子にサービスのお水、アルコール除菌スプレーはチェックイン時に受付で手渡されたもの。
トイレ付きの部屋は1部屋のみですが、トイレと洗面所は各階部屋を出てすぐにあります(もちろんウォシュレット付き)。感染予防対策としてアルコール除菌剤も各所に設置されています。
その他、冷蔵庫、空気清浄機、電気ケトル、ドライヤー等は部屋に完備。もちろん宿泊者用のWi-Fiもあります(各階の洗面所に中継機がありました)。ちゃんとお部屋のレポートをしたい所ながら、部屋に入ったら一気に緩みまくってひたすら畳でゴロゴロしていたので、殆ど写真が残っておりません(笑)
2階には客室が2部屋の他、囲炉裏のある6畳間も。本来ならここで先代のご主人から民話を聞けるのだと思いますが、現在は休止中につき普通に利用できるような状態になっていました。民話の本が置いてあったり、あとは禁煙スペースにもなっているみたい(我々の宿泊中は誰も利用していませんでしたが)。
貸し切りの温泉風呂は大小2つ
温泉は3階に大小2つの貸切風呂があって、部屋毎に貸し切りで(内鍵を掛けて)利用することができます。私は大きい方のお風呂を夕飯前と翌、妻のその間に小さい方のお風呂も利用していました。
先着で自由に利用できる貸し切り湯ですが、1日の宿泊客が3組のみなので、お風呂のバッティングなどはまず起こらないと思われます。大きいお風呂の体重計はプラス7kgほど加表示されるので注意(笑)
大きお風呂は洗い場が3箇所。一度に4人ぐらいは入れそうでしょうか。
小さい方もしっかり足を伸ばして入れる浴槽です。
温泉は汲み湯とのことですが、とても綺麗なお湯で塩素消毒の匂いなどもなし。サラリとした気持ちのいい泉質で2日間気持ちよく利用することができました。
奥多摩の幸をたっぷり堪能できる「あかべこ」での夕飯
我々の食事は19時から、チェックインしてから温泉に入った以外は、周辺の散策をすることもなくひたすら部屋でゴロゴロして過ごしていました。とても贅沢な時間だった(笑)
食事処になっている「あかべこ」へは玄関で用意された下駄を履いて入ります。
大きなテーブルが2つとL字のカウンター席、先にカウンター席でお食事していた宿泊者とほぼ入れ違いのタイミングで、食事の準備が用意されたテーブル席に着きました(もう1組は朝は隣のテーブルだったので、もしかしたら部屋食だったのかも)
我々の食事中は居酒屋営業のお客さんが入ってくることもありませんでしたが、この辺のシステムについてはよく分かりません。
あかべこで料理の腕を奮う板前さんは現在の荒澤屋のご主人。公式サイトの記載からは代替わりしているようですね。現在の荒澤屋&あかべこ経営になったのも2013年頃のリニューアルからのようです。
ちなみに「なぜ奥多摩であかべこ?」と思っていたのですが、若おかみが福島出身らしいのでそれでしょうかね。そんな若おかみは利き酒師でもあるらしく、なるほど確かに日本酒の解説が達者でした。
あかべこは日本酒のメニューがとても充実。せっかくなので色々試したい所ですが、あまり日本酒を飲める訳でないので3種類の日本酒を楽しめる利き酒セットを薦めていただき、地元(隣町?)である青梅の澤乃井(小澤酒造)のお酒を3種類選びました。
東京近郊の居酒屋だと奥多摩のお酒として澤乃井を置いている店が多いのですが、澤乃井だけでこれだけ選べるのも珍しいかも……? それぞれのお酒の特徴は若おかみが丁寧に教えてくれます。
お料理は奥多摩産のヤマメや手作りこんにゃく刺身を始め、地のものを中心に充実の内容。
元々、都心で料理人として修行されてたご主人が手掛けるお料理は、お世辞抜きにどれもが美味しい。特に焚物は絶品で、オクラ、山芋、さつまいも、角煮、がんもの1つ1つが驚くぐらいに味がある(語彙力……)。
ヤマメはお刺身の他にまるごと食べられる塩焼きも。
治助芋(じすけいも)江戸時代に日本に伝わった原種に近いジャガイモで、ほぼ奥多摩のみでしか作られていないブランド芋だそう。小粒ながら濃厚な味の芋で、同じ東京都内でも電車で1時間ちょっとでこのような知らない味に出会えるのは、たしかにマイクロツーリズムならではの魅力かも。
そして立派なあわび茸お鍋。鶏肉、すいとん、白菜など具材もたっぷりで、とにかくこのお出汁が美味しくて、自分の分を飲み干し、妻が飲みきれない分まで飲み干してしまったほど。既にこの時点で満腹でご飯が控えていたのに、止められなかった。
我々が満腹状態なのを察してか、やや手加減されて出てきた〆の炊き込みご飯。添えられたぬか漬けがかなり気合の入った古漬けで、もう最高過ぎて思わずおかわりを頼んでしまいそうになるものの、確実に満腹になっているので我慢しておきました。でも写真を見返すと、今すぐこの4倍食べたい……。
デザートは2種類の梨とぶどう。ごちそうさまでした。
今回温泉宿に泊まりたくなったのには、お盆頃に温泉旅館の食事の量についてネットの一部でちょっとした騒ぎになっていたことがあって、そのような中、比較的平和な私のTwitterタイムラインでは温泉旅館の食事が大好きな人たちが、美味しそうなお料理の写真を次々に流してくれたこともあって、料理が美味しそうな都内のお宿を探したのもありました。
結果、望み通りにもう動けないぐらいに満腹になって、部屋に戻ったらもう布団が敷かれていて、そのまま倒れ込むのみ。
かといって、そのまますぐ寝る訳でもなく、「もう食べられないー、幸せー」と言いながら布団に寝転がったり、持ってきたパソコンを広げたり(ブログでも書こうかと思ってたけど、結局何もしなかった)、妻は再び温泉に入りに行ったりと就寝までの数時間を幸せに過ごしました。
翌日、朝食からチェックアウト
翌朝は7時に起きて朝風呂でしっかり目を冷ましてからあかべこでの朝食へ。シンプルながらバランスのいい朝食をもりもり食べます。写真のお箸、握る部分が少し細くなっていて、とても使いやすかったです。見かけたら買ってしまいそう……。
陶板焼きは、自分で火を付けていい頃合いで食べるベーコン目玉焼き。
お部屋に戻ったらお布団が片付けられていて、後は帰り支度をするのみ。コーヒーを淹れて、結局チェックアウトの10時ギリギリまでのんびりしてしまいました。和室のない家に長いこと住んでいるせいか、たまに泊まる畳の部屋がとても新鮮。座布団1枚を枕代わりにゴロゴロしてるのが最高ですね。
チェックアウト後ですが、前日は雨で水位が上がって閉鎖されていた日原鍾乳洞。この日も閉鎖かと思ってましたが、電話をしたらどうやら営業するそう。丁度バスも10時15分に奥多摩駅から出るようなので、駅に向かうことにします。
宿の支払いですが公式サイトでの予約時(じゃらんのシステム)のオンラインの他、現地精算でカードも使えます。カードの場合は夕飯時にあかべこにある端末での手続きでした。
お土産代わり、という訳ではありませんがチェックアウトの際に受付で売られていた布マスクを買ってきまいした。ラーメンやら招き猫が柄の派手なマスクは私の。ついこういうの買ってしまうんですよね……(使います)。
今回泊まった荒澤屋旅館さん、とても良かったので自宅から1時間ちょっとで気軽に行ける温泉宿として、季節を変えてリピートしたい気分。次回はより温泉が気持ちいい冬にするか、今度は奥多摩登山と組み合わせて後泊で利用するのもいいかもしれません。
民話の宿 荒澤屋旅館(じゃらんnet)
とてもいいお宿だったので翌年のゴールデンウィークに再訪しました。