先日、南アルプスの鳳凰三山を縦走してきたのですが(近日中に山行記事書きます)、その下山先として夜叉神峠登山口を選びました。
……というのもSNS繋がりの山のお友達が、この夏山シーズン限定で夜叉神峠登山口にある山小屋(?)で小屋番(というか運営)をしているとのことで、挨拶がてら一泊してのんびりさせて貰うことにしたのです。
南アルプス玄関口の山小屋「夜叉神ヒュッテ」
それが今回紹介する「夜叉神ヒュッテ」、以前は「夜叉神の森」の名前で運営されていたようです。車道は通じていますが標高1,380mの山の中。
南アルプス 夜叉神ヒュッテ – 夜叉神峠登山口 宿泊・お食事・お風呂 tel:080-2182-2992
夜叉神ヒュッテのご案内 (旧 夜叉神の森) - 南アルプス市観光協会
夜叉神ヒュッテがある「夜叉神峠登山口」は南アルプス登山のパークアンドライド玄関口である、山梨県南アルプス市の芦安温泉(市営芦安駐車場があるとこ)から、さらに南アルプス林道を進んだマイカー規制ゲート(夜叉神ゲート)の手前。ゲートの先は北岳などの登山口でもある広河原方面になります。
年間を通じてマイカーの乗り入れが可能で、鳳凰三山へと向かう夜叉神登山道の入口であることは、「ゆるキャン△」(アニメ9話/コミック4巻)のエピソードでもお馴染みですね? リンちゃん、まさか通年のマイカー規制を知らなかったなんて……。
そんなゆるキャン聖地でもある、夜叉神ヒュッテの宿泊は1泊2食付(6,900円)、素泊まり(3,900円)と山小屋利用としてもかなりリーズナブル。上下水設備のあるエリアの山小屋なのでお風呂にも入ることもできます。お風呂は高谷山の深層水脈を沸かしたお湯らしく、いわゆる「鉱泉」になるようですね。日帰り入浴(600円)も可能です。
駐車場は夜叉神ゲート手前に約100台分ありますが、夜叉神ヒュッテ用でなく市営の無料駐車場なので登山客で混み合う夏期の週末などは埋まってしまうこともあるそう。登山だけでなく、聖地巡礼などで夜叉神峠登山口を訪れる際は注意しましょう。
今回、我が家は初日は芦安の駐車場に車を停めてバスで広河原まで行って登山スタート、夜叉神に下山して宿泊した翌朝にバスで芦安まで戻りました。マイカーアクセスの他、甲府から直通のバスもあるので公共交通を使った東京からの日帰りアクセスも充分可能です。
甲府と広河原を結ぶバスは比較的本数がありますが、それでも1時間1本程度なので事前にしっかりチェックしておきましょう。
自転車用のバイクラックも設置されていました。
「夜叉神峠」があるのはもう少し山の中、ハイキングにも最適
ちなみに地名としての「夜叉神峠」があるのは夜叉神ヒュッテのある夜叉神峠登山口から1時間ほど山を登った場所。白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を望む展望スポットでもある夜叉神峠までの登山道は緩やかなハイキングコースなので、夜叉神ヒュッテを訪れた際の軽いハイキングにも最適です(往復2時間弱)。
夜叉神峠には「夜叉神峠小屋」があって休憩や飲食なども可能です。
実はこの夜叉神峠にテント場があって、鳳凰三山への登山で使うにはやや微妙な位置なのですが(前乗りとしてはアリかもしれませんね)、初めてのテント泊の練習などで利用するには結構いいかもしれません。
夜叉神ヒュッテの飲食や売店、オリジナルグッズなど
それでは「夜叉神ヒュッテ」にお邪魔してみましょう。登山口にある売店、軽食スポットとしても機能していて、こちらが飲食用のテーブルや売店のあるメインスペース。
今回は食事付きの宿泊利用でしたが、ランチメニューの「スタミナ丼」とか「ネバネバ3色のうどん・そば」は結構気になりますね。
登山後のソフトクリーム&ビールが美味かった
地元産のジャムが添えられた「南あるぷすジャムそふと」(400円)、縦走終わりにひとっ風呂浴びてからのソフトクリーム、最高でした。
美味しかったので、お土産にキウイのジャムを買ってしまいました。
ドリンク類は外に自販機もありますが基本平地価格です。店内の冷蔵庫にあるビールはサッポロ黒ラベル瓶。下手にクオリティの問われる生ビールを導入せずに、安定してオイシイ瓶ビールを置いているところ、なかなかポイントが高いです!(最近、美味しくない生ビールに立て続けに当たり、瓶ビールの旨さを布教中)
チェックインしてすぐお疲れさまの1杯、そして風呂上がりには枝豆を摘まみつつの1杯…… これがやりたくて、すぐに車を運転しなくてもすむように宿泊を入れたのです(?)。
夜叉神オリジナルのグラス(森の夜叉神)もかわいい。
オリジナルグッズやゆるキャン△グッズも売ってるグッズコーナー
山小屋グッズコーナーはこんな感じ。
鳳凰イラストのオリジナルTシャツが可愛かったので、私と妻で2着買ってしまいました。速乾素材のシャツなのでアウトドアにも安心して使えそうです。
ゆるキャン△聖地だけに(?)ゆるキャングッズコーナーもありました。ゆるキャン△パッケージの「ほうとう」に「山梨銘菓 しまりんだんご」。しまりんだんご(3個入り)は我が家もお土産に買ってみましたが、とっても美味しかったですよ。
そうそう、しまりんだんごを買うと掛川産のほうじ茶がサービスで付いてきます。「夜叉神でほうじ茶」分かる人には分かる組み合わせだ!
「しまりんだんご」、帰宅後にいただいたほうじ茶とセットで美味しくいただきました。中には黒蜜、そしてきなこという組み合わせ、そう山梨銘菓のアレを彷彿させる味…… とか言っちゃダメかな(笑)
他にもオリジナルシェラカップ(写真が逆だった…)や
小屋番さんのお友達が作った山の同人誌なども置いてありました。
夜叉神ヒュッテに宿泊すると…
滞在中はひたすらダラけて過ごしていたのであまりちゃんとチェックはしていないのですが、夜叉神ヒュッテの宿泊利用についても簡単にご紹介。
宿泊者用の玄関は入口を一回出てからのこちら。先ほどの飲食&お土産スペースとは中で繋がっていて食堂も兼ねているので、宿泊者は中から歩いて行くことができます。
1つ断っておきたいのは、旅館やホテルでなくあくまで山小屋であること。交通や利便性の良さからつい勘違いしがちなので、そこはしっかり理解して宿泊しましょう。
タオルや歯ブラシといったアメニティのサービスはありませんし(数百円で購入可能)、個室の宿泊でも後からお客さんが増えれば相部屋を頼まれることもあります。外出時に部屋に鍵をかけることはできませんし(夜など中からの施錠は可能)、荷物・貴重品の管理は自分で行うことが基本です。
どれも山小屋を利用したことがあれば当たり前のことですが、明らかに山小屋というよりは旅館っぽい雰囲気もあるので念のため書いておきます。
網戸をしめているのにいつの間に虫が入ってきても「まあ山小屋だからね……」で済ませられる心のゆとりが求められているのです!?(笑)
我が家が利用したのは平日の火曜日ということもあって、お客さんは我々以外には翌日登山予定は1人のみ。部屋は6畳間の貸し切りで伸び伸びと使わせて貰いました。エアコンは付いていませんが、山の中なので網戸にしておけば充分涼しかったです。
部屋にテレビなどはありませんが、山小屋の娯楽といったらやっぱりこれが基本!?
「PEAKS」などの新しめの山岳雑記ももちろんありますが、80年代の雑誌「山と渓谷」が充実しているのは見逃せません。
夕飯を食べたらすぐに寝るつもりが、こいつのお陰で完全に夜更かししてしまいました(笑) フィルム時代の山岳写真特集号とか面白かったですよ。
お食事は清く正しい山小屋飯。ご飯もお代わりできるので、登山前でもしっかりエネルギー補給ができます。夕飯&翌日の朝食、おいしくいただきました。
今の運営体制は今シーズン限り、行くならこの夏・秋!
その他のトピックとしては、現在の夜叉神ヒュッテの小屋番氏はニコニコ動画の「登山家たちのクトゥルフ神話TRPG」を主催してたりするクラスタの山屋なので、オタク系コンテンツへの理解もあって(でなければこんなに「ゆるキャン△」聖地化されてない?)山小屋を使って面白いことがやりたい、なんてアイデアがあれば相談に乗って貰えるかも? 最新情報は小屋番氏のTwitterをチェックするのだ。
平日のクソ暑い日中に、すずしい夜叉神ヒュッテの宿泊部屋を貸し出してボードゲームなりTRPGなりの会場に使っていただく、というのを考えているのですが、ご興味ある方はいらっしゃいませんか?
— まだら牛@夜叉神峠 (@m_Usi) 2018年7月25日
他にも登山家の花谷泰広氏(同じ南アルプスエリア七丈小屋の小屋番でもある)が主催するヒマラヤキャンプにて、今年ヒマラヤの未踏峰パンカールヒマールに登頂を果たしたメンバーの1人も夜叉神ヒュッテの小屋番として働いているので、ご本人から直接面白い話が聞けたりするかも。とても気さくなお兄さんでしたよ。
ちなみに現在の運営体制の夜叉神ヒュッテは今シーズンのみ(11月いっぱいまで)だそうなので、ゆるキャン△聖地巡礼に限らず遊びに行くなら今のうち!?
- 作者: あfろ
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2017/07/12
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- メディア: Amazonビデオ
- この商品を含むブログを見る
こちらのイラストツイート&スレッドもぜひ参考にどうぞー!
TRPGやゆるキャンで夜叉神を知った人向け 夜叉神峠1日お楽しみコースです。夜叉神峠小屋より先はなが~い登山道なので、本格装備がない人はオススメしません。ただ、夜叉神登山口⇔夜叉神峠までなら家族連れなども来るハイキングコースです。樹林帯の中を通るので、日差しも弱め。いかがですか pic.twitter.com/x7gHQJPuUX
— ほ (@sanpomich) 2018年7月22日
関連のありそうな記事
夜叉神ヒュッテから芦安駐車場まで戻った後、せっかく山梨県に滞在しているのだからと河口湖方面に吉田のうどんを食べに行きました。