I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

山に行けないのでDVD『登山者に役立つ観天望気』を見たりアイゼンの爪を研いだり……

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せっかく楽しみにしていた雪山シーズンですが、県外移動の自粛もあってなかなか大手を振っての雪山に行けない状況が続いています(あくまで我が家なりの判断です)。
ふと、買ったまますっかり忘れていたDVDの存在を思い出したので見てみました。

私も以前から利用している山岳天気予報サービスの「山の天気予報 ヤマテン」の代表、猪熊隆之氏が監修、解説を手掛ける観天望気のDVDです。発売元はNHKエンタープライズ。

猪熊氏は山岳専門の気象予報士の方で、ドキュメンタリー番組や映画の山岳撮影における天気予報、山関連の雑誌での執筆やイベント登壇でもお馴染み。私も以前、猪熊氏の山の天気講座に参加したことがあります(有料セミナーなのでブログレポートなどはしていません)。
「観天望気」とは雲の種類や動きを始めとする自然現象から、気象の変化を予測すること。観察や経験則の積み重ねによる天気予報の一種でしょうか。「夕焼けの翌日は晴れ」みたいなのも観天望気の一種です(晴れの夕焼けの話なので、いわゆる爆焼け条件とは別なのですが)。

DVDのメインコンテンツは以下の9本。

  1. 観天望気とは
  2. 雲はどうしてできるか
  3. 10種類の基本的な雲
  4. 山で発生する特有の雲
  5. 雲の変化で前線の接近を知る
  6. 「疑似好天」を見極める
  7. 雲以外のサイン
  8. 天気図を読む
  9. スマートフォン(スマホ)を活用する

後半で少し天気図の読み方にも触れますが、最も時間を割いているのが山で常に我々が目にしていて、天気の変化を予測するのに欠かせない「雲」の話。レンズ雲が出てきたら稜線は爆風(天気も下り坂)などは登山者なら誰もが知る観天望気ですし、写真クラスタの人などは雲海となる層雲や層積雲の発生を予想することがあるでしょう……。
全体的にこれまで発売された猪熊氏の山岳気象の著書と被る内容が大半ですが(『山岳気象大全』にほぼ載っています)、この手の知識は一度読んだだけで定着する訳でもなく、繰り返し読んだり目にすること、実体験を重ねることが重要だと感じているので、このような映像教材も積極的に利用すると良いでしょう(その後で詳細を書籍で確認するなど)。

昨年末に出た猪熊氏の観天望気本。恐らく同じような話が載っているのだろうな…… と思いつつ、やはり手を変え品を変えで読んでおくのはアリかも。

しかし、山関連の映像を見ていたせいか、年が明けてからずっと我慢している雪山に行きたくて仕方なくなってしまったので、いつ緊急事態宣言が解除されてもいいようにアイゼン(クランポン)の爪を研いでおくことにしました。毎年シーズン前には手入れはしているものの、この冬最初の雪山だった11月の立山でかなり石や岩の上を歩いてしまったせいか、思った以上に爪の先が甘くなっていました。

アイゼンの爪を研ぐのに使っているのは定番(らしいです)のニコルソンの平ヤスリ。アイゼンの爪研ぎ用途ならマジカット(万能ヤスリ)の150mmサイズで十分だと思います。

爪を研ぐ際には必ず軍手をしましょう。アイゼンの爪が手に刺さるのを防ぐというよりは、勢い余ってアイゼンを押さえる側の手をヤスリで切らないため(以前、痛い目に合いました)。片足12本の爪があるので、両足分だとそこそこ時間が掛かります。

よく考えたら4シーズン?近く使っているペツルのバサック、かなり爪が短くなってきている気もするので(12月の谷川岳でやや効きが甘く感じた)、もう新しいものに買い替えてもいいかも。この冬、あとどれだけ行けるか分かりませんが、今シーズン使い切るか途中で買い換えるか。ひとまず次回雪山に行けたらその際の足元の感触で判断してみます。

軽く研いだアイゼンの爪(上)。結構短くなってしまった……

例年、なかなか雪山シーズン中にアイゼンの手入れをしなかったりするのですが(我が家のような緩い山行ペースだとそこまで派手に爪が減る訳でもないので)、こんなときですし空いた時間を普段サボりがちなメンテナンスなどに有効活用するのもいいでしょう。