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GWに快晴の蝶ヶ岳で富士山から北アルプスまで360度のパノラマを満喫

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ここ数年、ゴールデンウィークは残雪の北アルプスエリアでテント泊を楽しんでいる我が家。今年は以前から気になっていた蝶ヶ岳に行ってきました。

同じ稜線沿いの常念岳との縦走も考えたのですが、GWの山行はのんびりと過ごしたいのと、上高地でキャンプをしたかったこともあり、上高地の徳沢を起点に蝶ヶ岳で一泊して横尾に下りるシンプルな時計回りのルートを選びました。

この時期の蝶ヶ岳には2年前にはらですぎ(id:haradesugi)さんが登ってるのをブログで拝見していて、一度行ってみたいと思っていたのですよね。

はらですぎさんが登ってる三股からのピストンが、蝶ヶ岳へのメジャールートらしく、マイカー規制されてる上高地を経由しなくていいので、車で行くならばこのアプローチが正解ぽいですが(常念岳をセットにする場合も)、私以前からGWに徳澤園でキャンプをするのに憧れていたのです(笑) ということでまずは初日の様子になります。

うっかり平湯温泉? 「あかんだな駐車場」から上高地へ

北アルプスへ向かったのはGW期間の平日である5月2日の火曜日早朝。当初はいつも通り長野側の沢渡駐車場を目指していたのですが、途中で気が変わり「下山後の食事や温泉を考えたら平湯の方がいいかな?」と、そのまま安房トンネルを抜けて岐阜県へこんにちは。

ひと月ぶりの平湯温泉へとやってきてしまいました。

岐阜県側の平湯温泉を拠点にして上高地に入る場合、マイカーアクセスだと平湯バスターミナルからでなく平湯温泉を安房峠側に少し入った所にある「あかんだな駐車場」という巨大な有料駐車場に車を停めることになります(600円/1日)。

平日だからか始発バスから時間が経っていたからか、平湯発上高地行きのバスはガラガラです。沢渡〜上高地はアルピコ交通の運行でしたが、平湯〜上高地は濃飛バスが運行しているようです(この2社は高山〜松本間で共同運行していますしね)。

北アルプス方面を目指していると大正池バス停で降りる人はなかなかいませんが、この時期は雪を纏った穂高連峰の大正池へのリフレクションが美しい時期… ということでバスの中からパチり(釜トンネル〜上高地トンネルを抜けた先に2箇所ほどポイントがあります)。

時間に余裕があるなら大正池バス停を下車すると、穂高だけでなく焼岳のリフレクションも楽しめます。春の上高地もなかなか良い風景が満載なのですが、北アルプスが目当てだとついバスターミナルから先を急いでしまうのが我ながら残念ではあります…。

バスターミナルから河童橋へ。いつもの場所からいつもの写真を撮りますが、今年のGWは穂高の雪が明らかに多い。残雪期というか数日前にも降雪があったばかりとか…。

焼岳にも随分と下の方まで雪が残っています。

いつもは我慢の横尾までの平地歩きですが(?)、今回は徳沢までかつ既に太陽も昇っているので、それほど辛くない上高地ハイク。これは明神の少し先にある古池への明神岳リフレクションかな。

明神〜徳沢の間、大きく崖が崩落して迂回の道ができていました。開山前に整備する方も大変ですよね… ご苦労さまです(上高地エリアは入山料あってもいいのでは?なんて)。

春の上高地といえばお猿さんにたちも毎回出会えますね(お猿は春に限らずか…)。



徳沢登山口から長塀尾根経由の登山スタート

徳沢から蝶ヶ岳までは長塀山(ながかべやま)というピークを経由する、長塀尾根を登って行くのですが、尾根といってもひたすら展望のない樹林帯歩きです。

すぐに足下は雪道となり標高2,200m位までひたすら急登が続きます(徳沢の標高は1,560m)。早速アイゼンを付けて登っていきます。

それにしてもこの長塀尾根がとっても長い… ちょっとした景色のご褒美もなく黙々と樹林帯を登り続けます。上高地のバスターミナルから5時間半以上歩いて、ようやく最初のご褒美ポイントである長塀山(2,564m)。尾根の東側が開け、富士山から南アルプス、中央アルプス、噴煙を上げる御嶽までが見えました。


振り返れば多少木々に阻まれていますが穂高連峰に槍ヶ岳。「あとひと息」と気力を振り絞って蝶ヶ岳まで残り1時間の歩みを進めます。

長塀尾根のルートは急登なこと以外では特に危険な箇所もなく、軽アイゼンで登る人もいるようです。ただし日が昇ってくると雪がザラメ状態になりアイゼンの効きが悪くなるので、12本爪を履いていてなんら問題なし(前爪なしの10本爪でも良かった気は多少…)。

長かった樹林帯を抜けてようやく森林限界へと出ると、目の前になだらかな蝶ヶ岳の山頂が見えてきました。

そこで左手(西の方角)を見るとしばし絶句… 雪原の先には穂高連峰から槍ヶ岳、そしてその先まで続く峰々がパノラマとなって広がっておりました。この圧倒的な光景には疲れも吹き飛びます!?(写真では上手く伝わりませんがスケール感がヤバイ)

実はこのパノラマ、蝶ヶ岳の周辺では殆どの場所から見られる景色なのですが、この雪原越しの光景が一番ベストなスポットだった気もします。もっと写真撮っておけば良かったか(笑)

そして稜線の先に見えて来た蝶ヶ岳ヒュッテ。ずっと雪山を登ってきたのに、山頂付近の尾根に出たら雪が消えてアイゼンを脱ぐことになるという…(風と日当たりなのでしょう)。


蝶ヶ岳ヒュッテにて昼食&テント設営

尾根の西側はすっかり雪が溶けていたので、アイゼンをぶら下げてやってきました。まずはテント場の受付を済ませます(幕営料1泊1人700円)。

到着はランチ提供時間の14時を少し過ぎてしまっていましたが、「おでんやカレーならOKですよ」とのことで(ありがたい!)、おでん定食にて少し遅い昼食。こ結構ヘバっていたので、テントの設営前にエネルギー補給ができて助かりました。おでん美味しかった!

蝶ヶ岳ヒュッテの南側の広い尾根がテント場になっていて、その1/3位が雪のないエリア。なんとなく尾根の真ん中は山頂への登山道的になっていて(?)、雪上の良さそうな場所は既に埋まっていたので、雪のない地面の上にテントを張ります。GW中とはいえ平日だからなのか、テン場にもかなり余裕があります。そして山頂はすぐ向こうの丘の上。

今回スコップは必要なかったなぁ… なんてテントの袋を開けたらうっかりスノーペグを忘れていて、結果的にここで良かったのかな、なんて(笑) スコップは後ほど、ビールを冷やすための雪を運んでくるのに役立ちました。

テントに荷物を放り込んだら、テン場から5分位で標高2,677mの蝶ヶ岳山頂へ。あまりピークハント感はありませんが、なだらかな山頂からは360度の大パノラマを楽しむことができます。

北側は蝶ヶ岳ヒュッテの向こうに常念岳へと続く稜線。左手に見える槍ヶ岳から伸びる北鎌尾根に東鎌尾根、大天井岳へ続く表銀座の他、裏銀座の名峰も色々と見えていると思いますが、あまりよく分かってないので割愛。

安曇野の街の向こうには八ヶ岳や富士山、南アルプス、中央アルプスまで伸びるパノラマ。

そういえば北アルプスから富士山を見たのは初めてです。頭だけがちょこんと見える程度かと思っていたら、こんなにもよく見えるんですねえ。右に見えるのは北岳でしょうか? …だとするとすぐ近くには奥穂高岳も見えているので、日本1〜3位の高峰が全てこの場所から見えていることになりますね。

噴煙を上げる御嶽に乗鞍。谷間の上高地の向こうには焼岳。

そしてやはりクライマックスはこの穂高連峰から槍ヶ岳へ連なる見事な稜線。

超広角レンズでも収まりきらないどこまでも続く峰々。

大勢の人がテントを張っているであろう涸沢カール方面をズームしてみました。黒く見えてるのが涸沢小屋の上にある岩場でしょうか。涸沢岳、北穂高岳のあちことに雪崩の跡が見えてこわい。

槍ヶ岳から伸びる東鎌尾根に来た鎌尾根。槍ヶ岳山荘もよく見えますね。槍沢の雪原に少し顔を覗かせてるのが昨年お世話になった殺生ヒュッテでしょうか?



北アルプスの午後を満喫

さて、ここまでご覧頂いた通り、この日は朝から午後まで見事な快晴で、ありがたいことに風もほとんどなし。カメラを持って付近を散歩してみたり…


こうなってしまう気持ちはよく分かる(実際こんな感じでぼーっとしてしまいます)。

テントの入口を開放してKindleで漫画を読んだり、雪で冷やしたビールを飲んで過ごします。この時期は虫も入ってこないので快適ですね(笑)


寝転んだテントの上にはお月様。

ダラダラとテントで過ごしたり昼寝をしているうちに、太陽が大夫低くなってきました。なんだか北穂高岳に太陽が沈みそう。ダイヤモンド北穂高来るか!?

…なんて一瞬思いましたが、太陽は北穂の山頂をかすめて大キレットへと沈んで行きます。


北穂高と夕日。高倍率ズームがあると本当に便利ですね。

そしてマジックアワーへ…


山の向こうに太陽は隠れましたが、日没まではもう少し。明るいうちに夕飯にしてしまいましょう。実はカレーメシを食べるのは初めてです。山専ボトルに入れてきたお湯なので、あっという間に沸騰してくれました。

うむ、これはなかなかに旨いね。新たな山飯の定番になりそうかも。ただし、山では食べ終わった容器を洗えないので、ゴミ持ち帰り用のジップロック等は忘れずに。

夜は月明かりが明るかったので、あまり星も見えないなーと、しばらく写真を撮ったら眠気に勝てずそのまま寝てしまいました。月が沈む頃に起きたら凄い星空が見られたのでしょうけども… 気が付いたら明るくなっておりました(苦笑)

寝る前にテントの中から安曇野の夜景をパチリ。おやすみなさい。


追記:続きを書きました。

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