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府中市の浅間山にだけ自生する「ムサシノキスゲ」が咲き始めたようなので浅間山公園に行ってきた

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府中市の浅間山公園で「ムサシノキスゲ」を見てきました。

ムサシノキスゲは高山植物として知られる「ニッコウキスゲ」(ゼンテイカ)の低地型の変種で、東京都府中市の浅間山(せんげんやま)にだけ自生している植物です。東京都レッドデータブックにも掲載されている希少種だそうです。

ムサシノキスゲの開花時期は、例年4月下旬から5月中旬にかけて。昨年、市の広報誌でその存在を知ったのですが既にシーズンが終わった後だったこともあり、敷地内を歩き回って数輪の花を確認したのみに終わりました。

今年もやはり広報誌の情報を見て、そろそろ開花時期であることを思い出し、GWに入る前に行っておくか…… と行ってきました。

さて、「浅間山」は府中市の北部に位置する標高79.6mの山(というか丘)で、かつての古多摩川が武蔵野台地を削った際に(立川段丘上に)残された残丘。最高地点の堂山の他、前山、中山と3つの山頂があり、その中にハイキングコースが縦横に貼りめぐらされています。
浅間山 (東京都) - Wikipedia
浅間山公園 | むさしのの都立公園

堂山には浅間神社の祠と二等三角点

緑地として繋がっている多磨霊園(を緑地と読んで良いのかは微妙ですが)・武蔵野公園・野川公園の先に流れる野川を挟んだ、国分寺崖線(はけ)とは遥か昔に切り離された親戚のような関係となります。

これらの緑地は、「府中の森公園」や「武蔵野の森公園」も含め、東京都の「武蔵野の森構想」のもとに整備された「武蔵野の森」と呼ばれているそう。近隣の「国際基督教大学」「国立天文台」「神代植物公園」なども、これらの緑地に連なる武蔵野の森ですね。

浅間山の成り立ちなどについては、最近読んだこれらの書籍でも紹介されていましたが、多摩の地形や高低差について興味を持つと、外さずにはいられない重要な地形変化が見られる場所となります。

「浅間山公園」へのアクセスですが、京王線の東府中駅から徒歩20分弱、西武多摩川線の多磨駅からなら多磨霊園を抜けてやはり同じぐらい、私は市内なので徒歩やレンタサイクルでアクセスしています。駐車場はありませんが、近隣に安めのコインパーキングがそこそこありそう。

ということで浅間山公園の西側からアクセス。ムサシノキスゲの群生地は浅間山の北西側の斜面が中心ですが、園内を歩いているとポツポツと黄色い花が咲いているのを見ることができます。



このススキのような細長い葉とニッコウキスゲやヒメカンゾウによく似た花がムサシノキスゲ。タイミングによってはもう少し密になって咲いているのが見られるのかもしれません。



浅間神社(人見浅間神社)の祠がある堂山山頂付近、ここが一斉に咲いたらなかなかに凄そうですね。



せっかくなのでキスゲ橋を渡って多磨霊園側に行ってみます。

この先も浅間山の一部がしばらく続きますが、敷地は多磨霊園になります。橋を渡ると鳥見っぽい人が増えたので何かと思ったら、雑木林の一角にカメラマン(バードウォッチャー?)が集まっていました。
三脚対策なのか絨毯まで敷いてありますし、多磨霊園が整備してる野鳥観察スポットなのかと思ったら、帰宅後にネットで調べてみるとどうやら野鳥愛好家が餌付けを行っている撮影用の水場のようです。その筋では有名な場所らしく、「浅間山公園 多磨霊園 餌付け 水場」等のキーワードで検索すると、ここで撮影した野鳥の写真をアップしているブログが多く見られます。

都立霊園の敷地ですし許可が取れるようなものとも思えませんが、ネットの野鳥愛好家の反応を見ると意外と受け入れられているみたいですが、問題意識を持っている方のブログ記事も見つかりました。

東京都のサイトを見ても、都立公園での餌付けは問題視されていますし(リンク1リンク2)、世代や野鳥歴によってもこのあたりの意識は異なるよう。私自身はちょっと相容れない空気を感じたので、鳥を撮ることなく立ち去りました(そもそも機材もなかったし)。珍しい鳥は撮ってみたいですが、このような場所は私が撮ってみたい野鳥スポットではありません。

さて、そのまま浅間山の雑木林を抜けると多磨霊園に出ました。

江戸川乱歩(本名:平井太郎)が眠るお墓。

浅間山に戻ります。さっきの餌付けポイントは避けて行こうと思ったら(雑木林の中に何本か道があるんです)、結局出てしまった(笑)

再び浅間山公園。

浅間山の北側斜面はたくさんんのムサシノキスゲが咲いていました。


少し丘を上がると足元に多磨霊園が見えます。

なかなか見事なムサシノキスゲの群生。




こわ……

キンランもよく咲いています。



園内北西部の群生地。この辺りもムサシノキスゲの株が多いのでタイミングによっては一面に咲きそうですね。正面の階段を登れば最短で、あずまやのある中山の頂上に出ることができます。


今年の「キスゲフェスティバル」(なるイベントが毎年開催されているらしい)は中止。恐らく昨年も中止だったのだと思います。公園利用は短時間で混雑を避け、大人数で飲食を控えるように、とのこと。

浅間山の野鳥写真。ルリビタキ見たいですねえ……。

中山の東屋から南に伸びる「あずまや道」の周りもかなりの群生地のようです。平日ですがムサシノキスゲを撮りに訪れているハイカーの姿を結構見掛けました。




そしてこの日もPENTAX Papilio II 6.5x21を持っていってムサシノキスゲを観察。

なかなか言葉でこの双眼鏡の新鮮さは伝わらないと思いますが、足元にある花がしゃがむことなく双眼鏡のファインダーに大きく広がります。試しに接眼レンズにスマホのレンズを当てて撮ってみたのがこれ。伝わらないかなぁ……。

これぐらいのサイズ感が目の前にあるんですよ(しかも両眼視の立体感で)。

ということで久々の野川ウォークに続けての地元散歩でした。それほど公共交通アクセスが良い場所でもないので、連休中もそこまでの密になるとは思えません(?)、出掛ける場所もなく運動不足が心配なご近所の方は、珍しいムサシノキスゲを見に出掛けてみるのも良いのではないでしょうか。

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