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OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II / IIIの逆光フレア時に発生する格子状ノイズについて:像面位相差AFセンサーが要因?

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先日昭和記念公園で撮影したコスモスの写真をチェックしていた際、撮影データの中に変わったノイズのようなものを見つけました。

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この写真だけだとほぼ分かりませんが……

ブログにも貼った上の写真。中望遠の単焦点レンズ(M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro)で、コスモスの花越しに西日の太陽光を逆光で入れてフレアを発生させています。今のレンズはそこまで派手なフレアが出ることは少ないのですが、この条件で撮影するといかにもというフレアが出て、コスモスの淡い色によくマッチする気がして積極的に使っています。
レンズフレア - Wikipedia

現像の際に拡大して気付いたのですが、中央上部のフレアが発生している辺り、格子状の(網目というか原稿用紙のマス目っぽい感じ?)模様が浮き出ているのがお分かりになるでしょうか。

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フレア部分全体に格子状のノイズ(?)

同じような状況の写真を確認すると、やはり同様のノイズがありました。PC画面だと確認できるサイズで拡大していますが、スマートフォン画面で分かりにくいようなら拡大してくださいませ。

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これも拡大するとかなりくっきり(右:拡大)

ただし、紫色(マゼンタ)のフレアが出ている際に顕著に見られ、連続したカットの中でフレア的な光が入っていてもマゼンタになってない(白っぽい光の)場合はこのノイズは出ていません。

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記事冒頭の1枚目を撮った食後ですがこちらは出てない

当然ですが普段からよく撮っているこのような広角逆光でも出ることはありません。

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斑点状のゴーストといえば有名なサッポロポテト現象がありますが、それともかなり違う。なんというか撮像センサー上の規則的なパターンがそのまま焼き込まれてしまったような……?
写真の格子状の斑点はサッポロポテト現象!ゴースト発生原因と対策方法を紹介するよ。 - studio9

この件、気になってツイートしてみたところ、E-M1 Mark II時代から指摘されていたもののようです。こちらは海外のマイクロフォーサーズ系フォーラムに2017年に投稿された話題。強い光源と絞りを開いたて撮影した際に、人工的なグリッドが出るというもの。まさに私のデータと全く同じもの。
A wired grid on photos from Olympus EM-1mkII | Mu-43

(JPEG保存のみの場合ノイズが出ないとの書き込みもありますが、RAWとJPEGをスロット別に分割保存していた私の環境では、RAW/JPEG共に同様の格子ノイズが発生していました)

そして、こちらは2018年のデジカメinfoの記事(元ネタは43rumors)。さらに踏み込んだ原因として、像面位相差AFセンサー要因のノイズであると語られています。他メーカーの像面位相差AFセンサー搭載機でも似たような症状が出るなんて話もあるようです。
E-M1 Mark II の像面位相差ピクセルによるパターンノイズ - デジカメinfo
E-M1II pattern noise issue tested by J.S.Park – 43 Rumors

原因はともかくとして症状としては、今まで私のアンテナに引っかかっていなかっただけで、かなり前からネットでは報告されていたもののようです。さすがにメーカーが気付かない症状ではないと思われますし、E-M1 Mark II → IIIの世代交代で改善されてないところを見ると(搭載センサーは同じと言われてますが、ソフト的な後処理でも解消できない?)、メーカー的にもかなり特殊な条件で発生するものとして、対応しない(できない)と判断しているのでしょうか。

実際、私自身が2016年にE-M1 Mark IIを使い始めてから最近まで気づいてなかった訳で、発生する条件としてはかなり限定されたものなのかもしれません。

まだ、過去の写真の多くをチェックした訳ではありませんが、手持ちの写真を確認してみた所、今回コスモスを撮影したシチュエーションと全く同じ(場所も昭和記念公園のコスモス畑)逆光西日で意図的なフレアを発生させた際に、E-M1 Mark IIでも同じ格子模様が出ていました。

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サンピラーっぽいフレアが出るのが気に入っていた様子……
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中央上部あたり、やっぱり出ていた……

やはり同日でも日中の青空逆光の写真ではどれだけ探しても同様の写真はなし。日中の太陽の方が光は強いと思われますが、単に強い光のみが原因という訳ではないのかもしれません(日中に中望遠で太陽を撮ることもありませんが……)。先程からのサンプルのようにマゼンタのフレアが出ている際に、格子ノイズが出ることが多いようです。これは、夕方頃の長い波長の太陽光で発生しやすいものなのか?
そもそもこのマゼンタの光はレンズフレアではなく、カメラ内(マウント内部?)で光が回ったり反射することによるフレアかもしれません。

例えば、この写真は出ているけど……

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これらの写真では出ていません。

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これなんてすごく出そうだけで出てない。

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これも出ていないけど。

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同じようなこちらの写真ではごくわずかに出ている(等倍で見て気づくレベル)。

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この2枚も拡大してチェックすると、かすかに出ていました。

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ここまで来るとブログ用に長辺1280Pixelに縮小した画像だと、潰れてしまって分かりませんね。

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最後の3枚はここまで拡大してなんとか分かるレベル

発生条件はかなり特殊なようですが、この夕方逆光フレアはお気に入りで、昨年の二番煎じ的に今年も積極的に使っていただけに、やや残念な発見ではありました。といっても拡大しなければそれほど目立たないものですし、あまり気にしすぎないことにしましょうかね。

ところで昨年45mm F1.2 PROで撮っていたような写真を今年は60mm F2.8 Macroで撮っていたのですが、焦点距離の違いはあれど結構同じような雰囲気で撮れるものだなと。45mm F1.2 PROは好きなレンズではあるものの今年は殆ど出番がありませんし、マクロレンズとしても中望遠単焦点としても使えてしかも軽量コンパクトな60mm F2.8 Macroの方が何かと使いやすいですね。
ポートレート等でボケ味を求めるとまた違うのかもしれませんが、私の使い方だとどうにも45mm F1.2 PRO宝の持ち腐れになっているような気もします。

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