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アルペンルート閉鎖直前の立山室堂でのんびり雪上テント泊①

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毎年恒例の11月の立山に今年も行くことができました。

今年は11月中の予定などもあって立山黒部アルペンルート閉鎖直前の最週末、11月28日の日曜日から翌月曜日に掛けて、室堂平の仮設野営指定地でテント泊をしてきました。

11月立山のタイミングを計っていたら最終週になってしまった

毎年楽しみにしている11月の立山。例年降雪が始まって早い段階の(BCにはまだ少し早いぐらいな)11月中旬を狙っていましたが、今年は天候や予定の絡みもあって行けるのが最終週になってしまいました。
アルペンルートの閉鎖直前はBC目的のスキー(スノーボード)客が一気に増えるというのは聞いてましたが、室堂周辺の宿泊施設(みくりが池温泉や雷鳥荘など)の営業終了後に開設される仮設野営指定地(2021年は11/25から)にも以前から興味がありましたし、新雪で真っ白になった立山も一度見てみたい。

ここは天空のテント場!?

登山の計画も一応立てておきますが(計画書では2日目にいつもの雄山に浄土山、龍王岳)、雪の状況を見て行けそうなら行くぐらいのつもりで、のんびり雪上キャンプと雪の立山を楽しみに行くプラン。
この週末は直前の土曜日までは降雪、吹雪のような天候が続き(アルペンルート立山側の高原バスは11/25から11/30まで終日運休で、いち早く営業を終えてしまいまった状況)、28日の日曜から晴れるというものでした。

予報通りに初日の日曜日は今まで体験したことのない積雪量とパーフェクトな快晴、2日目も朝方にはやや雲があったものの、徐々に青空が広がる最高の2日間を過ごすことができました。


朝2番目で扇沢スタート

この時期の立山黒部アルペンルート扇沢駅は8時半が電気バスの始発ですが、事前に取れたチケットは9時スタートの2便だったので、あまり急がずに8時頃に扇沢の到着を目指します。大町アルペンラインの手前あたりから道路の積雪があって、扇沢に掛けては完全な雪道でした。11月の立山行きはスタッドレスタイヤが必須。

そして扇沢に付いてみると11月中頃はいつも停められる市営無料駐車場は満車、有料駐車場も第3→第1と既に埋まって中断の第2に案内されるほど。前日以前から停めているだろう車には雪がたっぷり積もっているので、前日は扇沢でも降雪があったようです。


今回初めて利用したWEB予約。事前精算で現地ではQRコードで発券するのみで、チケット売り場に並んだり手書きで領収書を書いて貰う必要もなく(混雑してるチケット列で毎度手書きの領収書を発行して貰う手間、なんとかならないものか……)、今後は積極的に利用したいところです。

時間指定の予約チケットでなく、始発狙いで早くから並ぶのもアリましたが「立山黒部アルペンルート全線開業50周年記念WEBきっぷ」の扇沢ー室堂往復の7160円(通常9470円)がお得過ぎるのです。WEBでチケットを取ったのが2日前なので、さすがにその時点では始発便はもう予約分は埋まってしまっていました。
まあ、有料駐車場が12時間1000円だったので(翌日の16時出庫で3000円でした)チケットが安くなった分はかなり相殺されてしまったのですが……。

ほぼBC勢な始発バスの乗車を横で待ちつつ……。2便目になると多少は空くものの、やはり殆どの乗客が板やテント泊の大型ザックを持っているので、人数以上に荷物で混雑している感じのアルペンルート。

黒部ダムの上も前日の積雪でこの状態(重機が除雪中)。完全に凍結していて油断すると滑ります……。

BCの皆さん、板やボードを持っていてブーツも歩きにくそうなのに歩みが速い。

黒部平より大観峰を見上げると真っ白。

そして室堂ターミナルに到着。入山届はコンパスで提出済でしたが(画面の証明書を見せればOK)、プリントアウトも提出しつつ雪の状態などを聞いておきます(積雪期の立山入山ルールについて)。積雪はなんと3メートル、浄土山方面もラッセル必至とのことでした。

ターミナルの立ち食い蕎麦はこの日(28日)の午後15時までの営業。

確かに積雪260cmに新雪40cmと書いてありますね。


新雪で真っ白になった立山&室堂平

ホテル立山の外に出ます。国見岳方面、すごい真っ白!

11月の立山でここまで雪が積もっているときに来たのは初めて。今年は特に11月中旬からかなりの降雪があったので、一面の雪景色です。

前日土曜日の天候は吹雪ということもあってホテル立山前にテントを張れていたようですが、この日からはターミナルから徒歩3分程の慰霊碑周辺に仮設野営指定地が指定されていました。

室堂の仮設野営指定地については以下を参照してください。
防災情報|立山黒部アルペンルート

あと、利用時の注意として昨年のこちらの記事などにも目を通しておくとよいかと。
アルペンルート営業終了。室堂平仮設野営指定地の状況 | 中部地方環境事務所 | 環境省

仮設野営指定地、素晴らしいロケーション。

分かりづらいですが中央少し左にあるのが(エビの尻尾で真っ白なやつ)慰霊碑。

新雪でふわふわの雪面を整地してテントを張ります。仮設野営指定地には当然トイレはないのですが(携帯トイレの携行が求められてます)、なんと夜間も室堂ターミナル内のトイレや水道を使わせて貰えます。幕営料も取らないというのに、なんと有り難いことか。

そしてテントの周囲を見回せばこの絶景。ここまで雪が多くて真っ白になった立山は初めて見ます。初日は登山の予定もないので、この絶景に囲まれた室堂の午後をのんびり過ごせます。




ホテル立山でローストビーフ重ランチ

あんな最高の幕営地に、さらにトイレまで使わせて貰って少しでも室堂ターミナル(ホテル立山)でお金を使わないと申し訳ない…… と言い訳しつつランチをホテル立山のレストランに食べに来ました。

以前食べた白エビ唐揚げ丼と迷いましたが……

ホテル立山料理長自慢の「ローストビーフ重」を頼んでみました。これはすごい! 綺麗にサシの入った見るからに良い肉のローストビーフがお重にたっぷり。

明らかにご飯とは釣り合わないバランスですが、味も適度に赤みの旨味もあり柔らかく素晴らしいローストビーフ。ご飯との間には生姜やネギの薬味が散らされていて、サッパリとしたバランスに仕上がっています。

元々やや料金お高めのホテル立山ではありますが(なにせ標高2450m)、このローストビーフ重の価格は却って破格に感じてしまった程。次回メニューにあったらまた頼んでしまいいそう。

さらにホテル立山の売店では冷えたビールや日本酒も買えて、営業時間は19時半まで。もしや雷鳥沢より快適?


食後は室堂のんびり散歩

その後は夕飯時間まで室堂散歩。室堂山や国見岳のシュプールを眺めたり……



チラ見剣岳。

ミクリガ池は既に結氷して雪が積もっています。

これだけ雪があると、散歩するにもスノーシューかワカンは必須です。

11月だというのにエビの尻尾がめちゃ育ってる。

雷鳥いないかなぁ……?



みくりが池温泉はもちろん営業終了しています。

奥大日岳には既に立派な雪庇。

雷鳥沢。シュプールがいっぱい。

新雪たっぷりな割には目立った雪崩はどこにもなさそう…… と思ったら小さく崩れている斜面はありました。やはりこれぐらいの傾斜の斜面は崩れやすいのですね。

雄山、大汝山、そして山崎カール。大汝山側のシュプールはどこから滑ってるのかと思ったら、雄山側から途中まで滑った後でガッツリとハイクアップしてるんですね。

前日が降雪というか吹雪だったおかげで雪面がリセットされていて本当に綺麗。

富山方面には雲海。いつも夕日方面に見えるのは立山高原ホテルと天狗平山荘でしたっけ。

地獄谷。

この池はお湯なのか水なのか……? そしてシュカブラというか雪庇が!

午後になって太陽が傾くと山の陰影が濃くなってまたなんともいい雰囲気。


これから長い冬ですが、雪の中では既に新芽の準備がされているのですね。

ミドリガ池。

真っ白な雄山ズーム。

富士ノ折立。

国見岳から雪煙。午後になって少し風が出てきたようです。

浄土山。

そして仮設野営指定地は雲に浮かぶ天国のようなテント場です。

少し角度が変わると雪と雲に挟まれたような…… こんなテント場他にありませんね。

翌日登る予定の浄土山方面の雪とトレースをチェック。室堂山は雪が柔らかいのでワカンが必要そう。


もう最終のトロリーバスの時間なので、ホテル立山とテント場の宿泊者のみの室堂。やはりこの雪を目当てに日曜日だというのに、テントがとても多いですね。

というか今まで立山に来た中で、こんなにテントがあるのを見たのは初めてです(GWの雷鳥沢でもここまで多くはなかった)。そしてひときわ目立つ巨大な三角テント(近くで見ると人が立って入れる大きさでした)。


こんな時間からもまだまだハイクアップする人たち。みなさん好きですね。


雄山の雪煙はますます激しく。


日没からアーベントロート、星空へ

そしてこの日の日没ショーが始まります。テント場にも影が射してきました。


奥大日岳の陰影も濃くなり、徐々に薄いピンク色へ……。

山の影に太陽が隠れました。



そしてマジックアワーへ……。


アーベントロートの立山。




浄土山の先がオレンジ色に染まっています。

見事なピンク色。


360度どの方向を見ても美しい時間です。

富山の街に掛かっていた雲が薄くなって上空に細い雲、そして街明かりが見えました。

そろそろ夕飯の準備をしようかと思ったら、やはりこのタイミングを狙って室堂に来た山友達夫妻に声を掛けられました。丁度来たばかりということで、お隣のスペースを急いで整地してお隣さんの誕生。

そうこうしている間も立山の日没ショーは続きます。

テント内ではホテル立山の売店で買ってきた立山地ビールで乾杯。この日は「星の空」は見えるかな?

夕飯は妻が作ったキムチ鍋。

「星の空」ばっちり見えてます。しばらく星を眺めてから就寝。

シーズン初の雪上テント泊。前日は予報ではマイナス2桁まで気温が下がっていたようですが、この日の夜はそこまで冷えることもなく、テント内のスポドリや水は殆ど凍ってしまったものの、シュラフの中はポカポカで朝まで熟睡でした(少々ナメてモンベル#2のみでしたが、思いの外余裕でした)。

少々長くなってしまったので翌日分は次回に続きます。