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コスパ良好なポロプリズム式双眼鏡 KOWA YFII 30-8を買ってみた

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少し前に新しい双眼鏡を買いました。KOWAのYFII 30-8です。しばらく野鳥観察に使ってみたり、立山に持って行ってライチョウを観察するのに使ってみましたが、なかなか良い感じです。

サングラスごしでも見やすい8倍双眼鏡が欲しい

双眼鏡はPENTAXのPapilio II 6.5x21を使っていて、本体のコンパクトさ、50cm近さからピントが合うことなど、登山だったり日常的な自然観察には最適なアイテムだと思っています。

ただし、雪山に限ってサングラスをしていると少し使いにくいと感じていました。アイレリーフは15mmと十分なのでメガネやサングラスをかけていても使えるのですが、本体同様に接眼部もコンパクトなのでサングラスごしに覗いた際、正しい位置で覗くのにコツが必要。もう少し大きな接眼部の双眼鏡が欲しいかも。

さらに昨年の秋に立山に行った際、妻や同行者に双眼鏡を渡して見て貰うことがあり、もう1個ぐらい双眼鏡があっても良さそう。古いニコンの双眼鏡ははあるのですが特に良いものではないですし、Papilio II 6.5x21よりも少し倍率の高い8倍ぐらいの双眼鏡が欲しいかも。

コストパフォーマンスの高いポロプリズム型双眼鏡

以前から目をつけていた双眼鏡があってそれがKOWAのYFⅡ30-8です。KOWAは興和のグループ会社である興和オプトロニクス株式会社が製造する光学機器ブランド。
YFⅡシリーズ|双眼鏡 製品情報|興和オプトロニクス スポッティングスコープ/双眼鏡

フィールドスコープや双眼鏡の他、以前はカメラレンズも製造していましたが、現在はマイクロフォーサーズ用のPROMINARシリーズ(既に生産終了)が公式サイトの製品ラインナップにかろうじて残るのみです。
マイクロフォーサーズ専用マウント単焦点レンズ 製品情報|興和オプトロニクス スポッティングスコープ/双眼鏡

双眼鏡はフラッグシップのGENESISシリーズから複数モデルがありますが、その中でもコストパフォマンスが高いのがYF IIシリーズ。他がダハプリズム式なのに対して、YF IIシリーズは唯一のポロプリズム式(昔ながらの形の双眼鏡)なので、価格の割に比較的性能の高いモデルとなっています。
ダハ式とポロ式には光を導くプリズムの設計に違いがあり、詳しくはこのあたりを参照。
双眼鏡の選び方 | RICOH IMAGING
双眼鏡のプリズム | Sport Optics Guide | 株式会社ニコンビジョン

ダハプリズム式(左)とポロプリズム式(右)

双眼鏡を選ぶ際は倍率の他に明るさや実視界などのスペックで検討しますが、同じ口径ならダハの方がコンパクトだけど高価格になる傾向。同程度のスペックならポロ式のコスパが高いですが、最近は各メーカー上位モデルはデザイン的にもスッキリしたダハ式が中心です。ポロ式の方はデザイン的に少々野暮ったくなりがちですが、コスパの高いモデルとして各メーカーラインナップしています。
JUPITER / 双眼鏡・望遠鏡 / 製品 | RICOH IMAGING
基本情報|8×40 S|双眼鏡|製品・オンラインストア| OM SYSTEM公式サイト|OMデジタルソリューションズ
ACULON A211 8x42 - 概要 | 双眼鏡・望遠鏡・レーザー距離計 | ニコンイメージング

ちなみにペンタックスのPapilioやUシリーズは比較的コンパクトですがポロ式です。
Uシリーズ / 双眼鏡・望遠鏡 / 製品 | RICOH IMAGING

KOWA YFⅡ30-8 スペック等

ということでYFⅡ30-8。実は昨年の秋頃からずっと探していたのですが、しばらく品切れが続いてて今年の3月ぐらいになってようやく買えるようになりました。現在は比較的安定して買えるみたい。

スペック、倍率6倍のYFⅡ30-6もあります。価格は実売で1.6万円前後(数年前はもう少し安かったのですが……)、同じぐらいのスペックでダハ式だと、5万円前後でもおかしくないと思います。475gという重量もこのクラスのポロ式にしてはかなり軽量な方だと思います。

モデル 倍率 実視界 ひとみ径 明るさ アイレリーフ 1,000m先視野 重量 希望小売価格
YFⅡ30-6 8.0° 5.0mm 25.0 20.0mm 140m 470g ¥17,500
YFⅡ30-8 7.5° 3.8mm 14.4 16.0mm 132m 475g ¥18,000

表に入り切らなかった共通仕様は、対物レンズ口径:30mm、最短合焦距離:5m、眼幅:50〜70mm、サイズ:114×160×48mmとなっています。

立派なケースが付属していますが持ち出す際はかさばって邪魔なので使っていません。

バックパック等に突っ込む際は、カメラ用のラッピングクロスでくるんでいます。


見え方は良好、ピントダイヤルは少し微妙?

肝心の見え方ですが、とても良いと思います。視界は明るくクリアですし、周辺部も像が滲むようなことはなくシャープに見えています。
購入前にカメラ店(新宿ヨドバシとか)で各メーカーの双眼鏡を試した際は、2〜3倍ぐらいする価格帯のダハ式と交互に覗いても、特に見劣りするようには感じませんでした。

手持ちのPapilio II 6.5x21との比較だと見え方のクリアさは同じぐらいか、倍率が高い分よく見えます。ちなみに1,000m先視野は131m(Papilio II 6.5x21)と132m(YFⅡ30-8)でほぼ同じ。気のせいかもしれませんが、ほぼ同じ視野のPapilio IIよりも手ブレが少なく保持しやすく感じました。

メガネやサングラスごしに使った場合はやはりYFⅡ30-8の方が覗きやすいです。
接眼部の大きさは並べるとこの程度の違いですが、Papilio IIに比べるとYFⅡ30-8はメガネでもスッと視野を確保できます。これは立山でライチョウを見た際にはかなり楽でした。

好みが分かれそうなのがピント調整のダイヤル。結構トルクがあるので、片手指だと少し重く両手の人差し指を使って動かしています。もう少し軽くヌルヌルと動いてくれた方が使いやすいかも。Papilioはダイヤルが軽いので持ち替えるとラク…… と感じます。気になる人は店頭などで実機を触ってみることをオススメします。

コンパクトではありませんが、重量は500g以下なので有効径30mmクラスの双眼鏡としてはダハ式を含めてもそこまで重い訳ではありません。雪山を登ってる際も首にぶら下げていましたが、特に負担ではなかったです。

ライチョウや動物の観察だけでなく、単純に遠くを見たり情報収集のアイテムとしても山での双眼鏡の利用シーンはあります。山で超望遠レンズが必要になるシチュエーションはそれなりに限られると思いますが、双眼鏡は常に持ち歩く価値のあるアイテムのように感じています。

最短合焦距離は5mなのでPapilio IIのようなマクロ双眼鏡ではありませんが、5mはライチョウを観察する際に最低離れるべきとされている距離ですし、比較的近い距離のライチョウを大きく見るには十分でした。

ライチョウは比較的近くで見ることができる鳥なので、双眼鏡を使っている人は少ないですが、やはり専門に観察しているような人は皆さん双眼鏡を持っていますし、近距離にしろ遠距離にしても肉眼だけではなかなか見えない様々な情報が見えてくるのでオススメです。