北沢峠の長衛小屋から甲斐駒ヶ岳に登ってきた翌日。今度は甲斐駒ヶ岳の反対側に位置する仙丈ヶ岳へと登ってきました。何故いきなりこんな写真から始まってるかって? …ってそりゃ、まともな山の写真がないからですよ(笑)
南アルプスの女王!? 仙丈ヶ岳
仙丈ヶ岳は雄々しい山容を持つ甲斐駒ヶ岳に対して、複数のカールを擁する雄大な山容を持ち「南アルプスの女王」とも称される美しい山… という予備知識はありましたが、今回の日記にはそんな女王らしい甲斐駒ヶ岳の姿はありません。同じ女王でも、なんというか女王様的なアレではないか… なんて。
標高は3,033mと堂々の3,000m峰。甲斐駒ヶ岳同様に北沢峠からは約1,000mの標高差ですが、下の案内地図を見ても等高線や北沢峠からの距離関係など、全く違ったタイプの山であることが分かるかと思います。
単純に比較できる訳ではありませんが、甲斐駒ヶ岳とは活動距離が3km以上も長くなる割に、活動時間は仙丈ヶ岳の方がかなり短いことが、PRO TREK Smart WSD-F20で記録したYAMAPの活動ログを見てもよく分かります。
最新の天気予報が見られなかった…
さて、北沢峠や長衛小屋は携帯の電波が一切入らないので、最後に山の天気予報を受信できたのは前日の甲斐駒ヶ岳(尾根に出ると電波が入る)で見た13日(日)夕方発表のもの。その時点での15日の予報は「日中は概ね晴れ」というものでしたが、翌日の夕方には「朝:晴れ、日中:霧、午後:雨」へと変化し、さらに当日の明け方には緊急で「午前午後:霧&雨」の予報へと修正されていたのです。
そんな修正予報など知らぬまま、この日こそ晴れてくれるのでは!?と期待して出発した我々の運命やいかに…?
ひたすら樹林帯を歩く
長衛小屋のテント場をスタートして5分程で、仙丈ヶ岳の登山口に出ます。橋の手前(右手)で南アルプスの天然水を飲むことができるので、喉を軽く潤して出発です。ちなみに、ルート上にトイレが存在しない甲斐駒ヶ岳に対して、仙丈ヶ岳山頂から近い仙丈小屋ではトイレをお借りすることができました(100円)。
最初の2時間半程はひたすらの樹林帯歩き。標高を上げるためには仕方がないことですが、こればかりは、南アルプスも奥多摩も八ヶ岳も同じようなもの…?
…なんて思っていると周囲の木々の植生がやはり他の山域とは違います。
ところで、さっきからポツポツと雨が降って来たのはなんなのでしょう? しかも早々にレインウェアを着るレベルです。やれやれ。
雨は強くなる一方…
標高を上げていけば天候も変化するかと期待しましたが、雨は止むどころか強くなる一方。仙丈ヶ岳の五号目にあたる「大滝の頭」と呼ばれる分岐。足下の石もこの濡れ方、1台のカメラはザックにしまい、ザックカバーも掛けてもう完全なる雨装備。
森林限界が近くなり北側の空が見えてくると3,000m弱には見事にぶ厚い雲。さすがにこうなってくると、この日はもうダメなんだと諦めの気持ち。
この辺りから仙丈ヶ岳にかけてかなり高い標高ながらナナカマドが多いのが特徴。秋になったらさぞ美しい紅葉が見られるのでしょうね。
雨で石も滑りやすくなるので、もうテンションがた落ちです。
わーい、森林限界に出て視界が開けたよー(棒)
小仙丈ヶ岳を通過……
我が家(テント)にもタップリ雨が降り注いでいることでしょうね…
雨粒がまるで草の実のようです。だからどうした…
仙丈ヶ岳登頂
仙丈小屋との分岐まで来たらあとひと息。向こうの方に何か見えますね、うっすらと。
仙丈ヶ岳山頂。こんな状態なので当然、大仙丈ヶ岳には行かずにさっさと帰ります。
下山路は仙丈小屋方面へ… レンズフィルターの雨粒を吹き飛ばしても、次から次へと付いてしまうのでそろそろ限界。というか写真を撮ってもこれなので…。
5年近く使ったモンベルのトレントフライヤージャケットはどこからか浸水していて(恐らくシーム部分がダメになっているのかと)中までビショ濡れ。この山行が終わったら速攻で買い換えることにします(→ 帰宅後finetrackエバーブレスフォトンを買いました)。
仙丈小屋で一休みさせて貰う
仙丈小屋の売店もお天気のせいか閉店中。トイレがてら声を掛けてみたところ、ありがたいことに宿泊者用の自炊処を使わせて頂けることになりました。
屋根のある場所でザックを下ろしレインウェアを脱いで、お湯を沸かしたり濡れた荷物を拭いたりできることがどれだけ助かったことか。ただただ感謝です。
お陰で下山のためのエネルギーもジックリと充電することができました。
登山スナップはここでオシマイ…
そしてここで、カメラは2台ともザックに片付けてしまい、その後の下山〜テント撤収〜バスで仙流荘まで戻るまで何一つ写真はありません(笑)(駐車場に戻っても結露が激しく、しばらくカメラは使える状態ではありませんでした)
そしてそんな状況下での下山ですから、帰宅後にチェックしたレンズが壊れていても「ああ…やはりな」みたいな感想だったりします。それにあれだけ濡らしてしまったというのに、他のカメラボディやレンズが無事だったことを褒めてあげたい位(笑)
メインのE-M1 Mark II+12-100mmを収納していた新型フォーカス。レインカバーが付属しなくなった性能は伊達でなく、サイドからの吹き込みさえ注意してあげれば暴雨対策はかなりされていると感じました。
下山〜仙流荘〜温泉〜ラーメン
さて、仙丈小屋からの下山ですがとにかく雨の中、転ばないように淡々と。小仙丈ヶ岳は巻き道を使い、それ以外は登りのピストン。だいたい2時間半弱で長衛小屋に戻りました。
テン場に着いたのは13:20、雨の中テントを畳んで14:30過ぎに北沢峠のバス停に向かうと、なんと、この時期の15時便はなし…。
2022年(令和4年)南アルプス林道バス:伊那市公式ホームページ
16時便の1本目が少し早めに人が揃って出るのを待って、15時半位には北沢峠を出発したでしょうか。それ以後はバスで熟睡してしまい、仙流荘駐車場まで記憶がありません(笑)
その後、伊那市高遠町の温泉「さくらの湯」へと冷えた体を温めに向かうのでした。
伊那市観光株式会社
温泉後はとりあえずカロリーの高いものを食べたいぞ!と南諏訪のハルピンラーメンに足を運んでみるものの、お盆期間のために早い時間に閉店。その後も地元情報を貰いながら別のラーメン屋を訪ねるも、やはり同様にお盆休業を食らってしまい、結局ネット検索で見つけた諏訪の「麺王 零」へ。一時期都内では乱立していた濃厚豚骨/魚介スープ系のコッテリラーメンでしょうか。こちらは妻が頼んだ「ぶたそば」、うん普通に美味しそう。
そして私が頼んだ「ぶた鰹そば(大)」のチャーシュー増し+玉子。普通ならちょっとしょっぱすぎるのでは?レベルではありますが、登山後ということもあって、餃子+チャーシューご飯と合わせて美味しく頂きました。
これだけ食べればさすがに満腹です。温泉での体重計測では通常マイナス2kg位でしたが、帰宅するまでに戻ってしまったかもしれませんね(笑)
次回こそはハルピンラーメンへ!