愛用の双眼鏡、PENTAXのPapilio II(パピリオ2)を紹介します。
- RICOH IMAGING PENTAX Papilio II
- マクロレンズのように使える双眼鏡
- 普通の双眼鏡としてもクリアな視界
- 撮影より双眼鏡で観察しているのが楽しいことも
- WWF支援モデルもある
- こんな記事もあります
RICOH IMAGING PENTAX Papilio II
Papilio II(パピリオ2)はリコーイメージングのペンタックスブランドが作る双眼鏡(名前の通り「パピリオ」というシリーズの2型)。通常の双眼鏡は最短合焦距離が2m程度なのに対して、このパピリオシリーズは50cmという近距離からピントを合わせられることが大きな特徴です。
Papilio IIの特徴はメーカーによる特設サイトを合わせて見て貰うと分かりやすいかも。
近距離も見える双眼鏡 PENTAX PapilioII
昨年、野川を歩いて野鳥を見たり写真を撮るようになった際、昔から使ってたニコンの小型双眼鏡(スポーツスターの10倍)よりも明るくて見やすい双眼鏡が欲しくなり、面白そうなスペックに引かれて購入しました。
Papilio IIには6.5倍と8.5倍の2モデルがあって、それぞれの仕様は以下の通り。
一般的には野鳥観察には8倍〜10倍程度の倍率が使いやすいとされていますが、Papilio IIの8.5倍モデルは明るさ6.3と手持ちのスポーツスターと変わらないこと、視野もあまり広くないので6.5倍モデルを選びました。
製品名 | Papilio II 6.5x21 | Papilio II 8.5x21 |
---|---|---|
倍率 | 6.5x | 8.5x |
対物レンズ有効径 | 21mm | 21mm |
実視界 | 7.5° | 6.0° |
1000m先視野 | 131m | 105m |
ひとみ径 | 3.2mm | 2.5mm |
アイレリーフ | 15mm | 15mm |
明るさ | 10.2 | 6.3 |
最短合焦距離 | 約0.5m | 約0.5m |
外形寸法 | 114 x110 x 55mm | 116 x110 x 55mm |
質量 | 約290g | 約290g |
Papilio / 双眼鏡・望遠鏡 / 製品 | RICOH IMAGING
この辺りは好みもあると思いますが、Amazonのレビューを見ても6.5倍を選んでいる人が多く、特に美術鑑賞など屋内での使用も考慮するならば明るい6.5倍を選んでおくのが無難そうです。
Papilio II 6.5x21:外観など
重量は300g弱、ポロプリズム式の双眼鏡にしては比較的コンパクトにまとまっていると思います。表面はラバーコートっぽい仕上げで埃などが付きやすそうな質感ですが、実際に1年ちょっと使ってみてもそこまで汚れが目立つ感じではありません。
Papilio II本体と接眼レンズ用の保護キャップ。キャップはストラップに通しておくことができます。
特徴的なデザインの対物レンズ側。
ピントリングを回すと対物レンズが前後に動きます。対物レンズの前にはガラスが1枚あって直接対物レンズに触れることはありません(曇ったり汚れるのは手前のガラスなので、お手入れも楽ですね)。
アイレリーフ(目から接眼レンズまでの距離)は15mmあるのでメガネを掛けていても使用可能。雪山では必須のサングラスをかけたまま使うことができます(クセでついアイカップを伸ばしてしまうけど……)。
付属のストラプはワンタッチで着脱できます。
裏には三脚穴も付いていて、三脚で使用する場合はすぐにストラップを外すことも可能。
ケースも付属していますが、普段はケースは使わずにカメラバッグに入れておいたり、首から掛けっぱなしで使っていることが多いです。ちなみにPapilio IIは防水仕様ではないのでそこは注意しましょう。
マクロレンズのように使える双眼鏡
双眼鏡といえばスポーツ観戦や観劇、遠くの景色や動物、天体を拡大して見る道具と捉えている人も多いかもしれませんが、50cmという近距離にピントが合わせられることで、足元の花や虫などの自然観察、さらに博物館や美術館での展示物の鑑賞といった普通の双眼鏡とは違った使い方もできるのです。
「双眼鏡で近くを拡大して何が?」と思うかもしれませんが、実際にPapilio IIを手にして身近な花を見たり印刷物などにピントを合わせてみれば、その面白さがすぐに理解できると思います。
ルーペを覗いたりマクロレンズで撮った写真のような光景が、両眼視で立体的に見える。かつルーペやカメラのファインダーとは全く異なる、マクロの世界を体験することができます。
花のシベや花粉、虫たちを見るのはもちろん、個人的にハマったのが川の浅瀬をこのPapilio IIで覗くこと。小さな川虫(カゲロウなどの幼虫)が、まるでカニのようなサイズ感で見えたときは流石に驚いてしまいました。メダカのような小さな魚などは延々と見続けることができます。
散歩の際にこのPapilio IIを首から下げていると、大げさでなく何を見ても面白いですし、多摩動物公園に行った際には動物を見るだけでなく、昆虫園でも大活躍でした。美術館や博物館に行く際も絶対にあると楽しいはずなので、忘れずに持って行くことにします。
写真で見え方のイメージをお伝えできないのが残念ですが(貼っている写真はあくまでイメージです)、このPapilio IIの面白さは、店の双眼鏡コーナーなどに展示機があれば実際に覗いてみればすぐ理解できると思います(花などがなくても、印刷物の網点やディスプレイのドットを見てみるといいかも)。
普通の双眼鏡としてもクリアな視界
もちろん普通に遠くを見る双眼鏡としても優秀です。双眼鏡の性能や価格は上を見たらキリがないものの(Papilio IIは双眼鏡の中では入門機レベルの価格帯だと思います)、明るくクリアな視界で、屋外のみならず屋内でも十分に使うことができます。
それまで使っていたのが随分と昔に買った双眼鏡だったこともあり、視界の綺麗さには驚きました。
6.5倍というやや低めの倍率は野鳥を探す際に不利かとも思いましたが、体感としては600mm相当のカメラレンズのファインダー視界よりも遥かに鳥を探しやすく、見え方もクリアに感じます。
実際、Papilio IIで見つけた鳥をカメラで捉え直す際に、その見やすさの違いはかなり大きく感じます。
これは視野の広さだったり、双眼鏡は両眼視なので立体的に見えること、さらにカメラのレンズより被写界深度が深いなど複合的な理由によるものですが、実際には300mm相当程度の倍率しかない双眼鏡の方が600mm相当のファインダーよりも明らかにハッキリ見えるのだから面白いものです。
山に行く際はカメラ機材もありますしあまり荷物は増やしたくないのですが、先日の立山でも肉眼や望遠レンズでは見つからないような遠くのライチョウの姿も、Papilio IIで見つけることができました。
撮影より双眼鏡で観察しているのが楽しいことも
カメラのファインダーを覗いていると、どうしてもピントのバッチリ合った、かつ最高のタイミングの瞬間を撮りたい気持ちになりがちですが、双眼鏡を覗いている際は、より観察することに集中できるのでピントや絞り、シャッタースピードなどカメラの設定に気を取られる雑念(?)もありません。
……とは言え、双眼鏡の視界で面白い光景が見られたりすると「ああ、今の瞬間を撮っておけば……」なんて思ったりもしますが(雑念だらけである)、実際にその瞬間を両目で見ることができた体験は何にも耐え難いですし、そんな観察の積み重ねが今後決定的瞬間をカメラで捉えるための下地になるのだと思います。
WWF支援モデルもある
このPapilio IIにはパンダのマークでお馴染みWWF(世界自然保護基金)の支援モデルもあります(売上の5%がWWFに寄付)。個人的にはグリーンだったら欲しかったのですが、グリーンは8.5倍モデル。欲しかった6.5倍のWWFモデルは水色っぽいブルーだったので、通常モデルを購入しました。
PENTAX Papilio II | RICOH IMAGING
メーカーサイトによるとWWF支援モデルは既に生産完了とのことですが、市場在庫などはまだあるようです。
AmazonなどではWWFモデルが通常モデルとあまり変わらない価格まで値下がりしていますし、リコイメのオンラインサイトでも同様にお買い得となっているようです。