2022年10月26日、OMデジタルソリューションズから新型のカメラボディ「OM SYSTEM OM-5」が発表されました。遂に本体から「OLYMPUS」のロゴが消え、ペンタ部に「OM SYSTEM」のブランドネームが冠された記念すべきカメラでもあります。
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今年3月にフラッグシップ機のOM-1が投入された流れに続く、OMシリーズ初の小型軽量機になるので期待の声もそれなりにあったと思うのですが(一部では「ミニOM-1」的との噂もあったりなど)、蓋を開けてみたら2020年に発売されたOM-D E-M5 Mark IIIのマイナーチェンジ版とも言えそうなカメラでした。
[007168]OM-5 と E-M5 Mark III の主な違いを教えてください。 | オリンパス
外装デザイン、センサー、EVFなどE-M5 Mark IIIからの据え置き部分が多いものの、画像処理エンジンにはE-M1 Mark IIIと同じTruePic IXを搭載し、ライブND、手持ちハイレゾショット、星空AFを搭載するなど、限りなく「ミニE-M1 Mark III」的なスペックのカメラとなっているようです。TruePic IXの限界なのか、OM-1に搭載されたAI被写体認識は見送られています*1。
さらに防塵・防滴はOM-1同様のIP53まで高まり、 現在はF4.0 PROズームレンズのラインナップも加わったことで、アウトドアでも安心して使える堅牢なコンパクトシステムには一定の引きがあることでしょう。
個人的にE-M1 Mark IIIの適度なパッケージは好ましく思っていることもあり、その小型版となるとそれなりに気になる存在です。以前はE-M1系ボディを2台携行が基本スタイルでしたが、最近ではよほど重要な撮影でなければサブ機をGM1やGF10に軽量化させたり、将来的にはシステムの中核もOM-1などの中型機から小型機に変更するのも良いかと検討するぐらいになっていました。
今回のOM-5にしてもE-M1 Mark IIIからの乗り換えを視野に入れながらのチェックだったのですが(E-M1系の液晶EVFは偏光サングラスとの相性が悪く、OLED機の方が好ましいことなども)、残念ながら今回は見送ることとなりました。
とうのもOM-5の仕様を確認して驚いたのが、USB端子がMicro USB(Micro-B)で据え置きになっていたこと。昨年発売のE-P7がUSB Micro-Bだった際にも驚きましたが、まさかそれから1年以上も経った2022年に、しかもフラッグシップに次ぐクラスのボディにMicro USBはちょっとありえません。
逆に言えばUSB端子がType-Cになっていれば、十分に購入検討となるものでした。E-M5 Mark IIIから引き継いでいる小型バッテリー(BLS-50)の貧弱さにしても、PD給電や急速充電に対応していれば、使い方によってはフォローできるはずです。
それがバッテリーは小さなまま充電は時代遅れのMicro USB、さらにUSB給電もできないとなると、せっかくの星空AFを使うシーンでも常に電池切れの不安を抱えることとなります。これでは電池性能が著しく下がる氷点下環境で使うのは(夜間、星空、タイムラプス等まで視野に入れた場合)かなり難しそうです。
ちなみにE-M5 Mark IIIには属していたバッテリー充電器はOM-5には付属しないので、バッテリーの充電は本体でのMicro USB一択となります(交換電池の充電も本体で行う必要があります)。
たかが端子ひとつではありますが、上で挙げたような実用面での不安もですが、2022年にこの仕様で新製品を出す選択をしたメーカーに対する失望の方が大きいかもしれません。
現在のOMDSにはいちユーザーの視点でも、様々な面でリソースの不足を感じていますし(CS、広告、WEBデザインひとつ見ても)、流用機にせざるを得ない事情はあったのでしょう。様々な声があったはずですが、それでもこのスペックで出すしかなかったのが今のOM SYSTEMの実情だと思うと、なかなかに厳しいところです。
OM-1やE-M1 Mark III、PROレンズは引き続き愛用していくつもりですが、再び魅力的な製品を生み出してくれることを期待しています。
余談ですが、少し前にOM SYSTEMの製品ページ及びオンラインストアがリニューアルされ、オリンパス時代から使われていた「olympus-imaging.jp」から「omsystem.com」にURLも変更となったのですが、個別の製品ページが新たな製品ページにはリダイレクトされず、全てトップページに行くようになっています。
そのせいもあってか、Googleに個別の製品ページがインデックスされてない状態となっていて、製品名で検索してた場合に価格コムやデジカメWatchのページばかり出てきてしまい、公式サイトにたどり着けないという困った状況が続いていました。
今気づいたけど、「https://t.co/gbDS89xGgY」上にあったOMDSの製品ページが遂に「https://t.co/g9taYKUPl3」に移動された。ただし各製品ページのリダイレクト先がOM SYSTEMのトップページになってて、Googleで製品名を検索しても公式が表示されないという切ない状況になっている…… pic.twitter.com/GOOKzlY5QC
— OKP (@iamadog_okp) 2022年10月14日
発表になったばかりの「OM-5」も昨日の時点ではGoogle検索で公式が表示されませんでしたが、さすがに検索やアクセス数が多かったせいか、現在ではトップに表示されています。「OM-1」は現在、1ページ目の最下段(8番目)なので、そのうち上がってくることでしょう。レンズのスペックなどは定期的に公式ページで確認するので、早くGoogleトップに表示されるようになると良いのですが……。
*1:やはりE-M1 Mark IIIのアプデによる被写体認識搭載は難しそうですね……