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白布温泉・湯滝の宿 西屋に泊まって米沢牛すき鍋を堪能した

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先月、3月末に泊まった山形県米沢市の白布温泉「西屋」の宿泊レポートです。

追記:2024年2月にも宿泊して、米沢牛しゃぶしゃぶを食べたので追記しました。

吾妻山の麓、米沢市南部の白布温泉

先日、西吾妻山と蔵王山の登山レポートを書きましたが、その際に宿泊をしたのが山形県米沢市の白布(しらぶ)温泉にある温泉旅館です。実は今回レポートする「湯滝の宿 西屋」の宿泊がこの旅のメインイベントで、天気も良かったので前後に登山の予定を入れた感じです。

白布温泉があるのは山形県米沢市の南部、福島県との県境に広がる西吾妻山の麓、標高850mほどの山の中。周辺には西吾妻山の登山口にもなっている天元台高原や、白布温泉とは源泉を別にする新高湯温泉があります。天元台ロープウェイの湯元駅は白布温泉から徒歩で10分程と、最寄りの温泉地になります。

米沢の中心地や東北中央自動車道のインターからは車で30分程の距離。山間部の温泉地にしてはワインディングロードもなく、市街地からスムーズなアクセスが可能です。といっても前日に降雪があったので3月後半だというのに白布温泉まではガリガリの雪道(翌日の帰りにはすっかり雪は消えていましたが)。何れにせよ降雪の可能性がある時期に東北行くなら、最低限スタッドレスタイヤの準備は必須でしょう。

ちなみに今回も月山ももさんのブログ記事を見た妻のリクエストにて予約したお宿です。

茅葺母屋の湯滝の宿「西屋」に泊まる

「西屋」は米沢市の景観重要建造物にも指定されている、茅葺屋根の立派な母屋を持つ旅館。かつて白布温泉には同様の茅葺きの温泉旅館が2軒あったそうですが火事による消失があり、現在残っている建物はこの「西屋」のみ。正面から見るとL字のシンプルな建物に見えますが、実際はもう少し複雑な作りになっています。

上の写真に写ってますが丁度送迎車が到着したところ。白布温泉には米沢駅からの路線バスが通じていますが、2名以上ならば米沢駅からの送迎サービスもあるそうです。車の場合、宿の前の道を挟んだ向かいに広めの駐車場が用意されています。

入口の階段には恐らく温泉のお湯が流されているので(凍結対策ぽいので冬季だけかな)、ソールの薄いスニーカーなどは注意した方が良いかも(冬の東北の山間部なのでそれなりの靴を履いてると思いますが……)。ちょっと外に出る際などは玄関で長靴を借りられます。

今回は全国旅行支援(やまがた旅割)を利用しての宿泊でしたが、チェックインはとてもスムーズでした。ちなみに全国旅行支援を利用する場合は予約時に予約サイトの備考欄に記入しておくか、事前にメールなり電話で利用についての意思表示が欲しいとのことです(公式サイトの全国旅行支援の案内参照)。

フロント前のソファーではねこちゃんが気持ちよさそうに寝ています。

フロント横には部屋で飲むためのコーヒーのドリップパックや紅茶のティーバッグ、マグカップ、ティーポットなどが用意されています。部屋に備え付けの電気ケトルでお湯を沸かせば、好きなときに飲むことができます(2024年2月宿泊時に追記)

それではお部屋へ。今回泊まったのは本館2階の「蒼風」。

トイレや洗面所はありませんが広くて落ち着いたベッドのお部屋。3月後半でも朝晩はそこそこ冷え込みますが(温泉に行ってる間にも部屋が冷えてる)、ガスファンヒーターの効きが良いので安心。

ちなみにこちらの勝手な事情ですが、柄物の布団のベッドや絨毯はうっかり忘れ物をしそうで(ついベッドの上に荷物を広げがち)、なるべくあちこちに物を置かないように注意してます。

中庭に面したお部屋なので景色は特にありませんが、正面に見えているのは食堂と渡り廊下ですね。

お風呂は2箇所あって、本館1階の「湯滝風呂」と本館2階の「家族風呂」。

食事の案内と館内マップ。ちょっと複雑なようですが、離れの宿泊でなければ迷うことはないかな。

夕飯は18時から、朝食時間は予約サイトでは7時半か8時となっていましたが、基本は8時なのかも。我々は2日目に蔵王への移動があったので、7時半でも大丈夫か確認ところOKでした。カメムシの姿は見ませんでした。

猫ちゃん推しの宿なので、手作りの肉球クッキー。

最近はアメニティに足袋が付いてる宿が増えてきたのかな。個人的に嬉しい傾向。

部屋の中に冷蔵庫はありませんが、部屋の外にトイレや洗面所の他、共同の冷蔵庫があります。

洗顔や歯磨きなどは洗面所にて。水道とお湯は温泉(飲用不可)が出ています。蛇口には湯の花がびっしり。

飲み物の自販機はソフトドリンクのみ。缶ビールはフロントで販売しているようです。

館内、敷地内は完全禁煙なのでタバコ臭の苦手な人も安心して宿泊できます。そういえば昨年、Twitter界隈で話題になったお宿だったのですね(女将さんのツイートをRTした記憶があります)。臭いの問題はもちろんですが、過去の地域での火災もあり貴重な建物を守る立場としても心砕かれていることでしょう。

ビックリするほど豊富な湯量の温泉

それでは温泉へ。1階の「滝風呂」から。

丁度、貸し切りでした。スリッパ用の目印クリップもあります。

透明で湯の花たっぷりのお湯はやや熱めですが、冬はこれぐらいが嬉しい。洗い場にはボディーソープやシャンプは置かれていますが、カランやシャワーはありません。手桶で湯船からお湯をくんで流しましょう。細かな湯の花がたっぷりのお湯ですが、匂いの強い温泉ではないですし手桶で洗髪してもなんてことありませんでした。

滝風呂の名前の通り、上から3本のお湯が滝のように勢いよく流れています。下に立つとまるで滝行のような衝撃…… というかこのお湯がかなり熱い(笑) 掛け湯用の源泉は60度近くあるそうですが、溜まっているお湯は滝のお湯と変わらないぐらいになっていたので、熱めのお湯として掛け湯が可能なレベルでした。

滝風呂入口前の廊下、足元をお湯がザバザバと流れています。先程の滝の勢いで掛け流されるお湯が、湯船から溢れてそのまま流れて行くようです。なんと豊富な湯量と贅沢なお湯の掛け流しっぷり……。

そしてお湯はそのまま中庭へ。この一部を玄関の階段に凍結防止として流しているのでしょうか。

そしてもうひとつの「家族風呂」。入浴時は入口の看板を裏返して、入浴中であることを知らせておきます。

更衣室にはガスファンヒーターがあるので、寒い時期は点ければすぐに暖かくなります。

3人ぐらいは入れそうな湯船。お湯はかなり熱めなので、軽く水で埋めて入ります。

3月後半とはいえまだ朝はそれなりに冷えますし、熱々の温泉に浸かって体が温まりました。
シャワー等はありませんが、出る前に温泉を流すかなど迷うこともありませんし(掛け流しでないお湯だとなんとなくシャワーで流してしまうことも)、温泉を全身で味わうのみというシンプルさが心地よいです。

地域限定クーポンでお土産でビールを買って部屋で過ごす

さて、チェックイン時に貰った1人2000円分の山形県地域クーポン。これはQRコードを登録してスマートフォンで支払う方式で、2人分をまとめてチャージすることが可能です。それにしてもクーポンは地域ごとにしても、システムを全国で統一できなかったのかといつも思ってしまいます。

クーポン利用のためというか部屋で飲むビールやお酒、お土産を買いにすぐ近くの酒屋さんにやってきました。地元山形のお酒が充実した「かもしか」、西屋からは徒歩3分ぐらい。

お店の中には日本酒がいっぱい。蔵王の樹氷をモチーフにしたラベルの出羽桜「いいべ」をジャケ買いした他、お土産をまとめ買いして地域クーポンは余裕で使い切りました。

部屋に戻って山形ビール。後は夕飯までゴロゴロして過ごすのみ。

夕飯の時間になったので、着物が飾られた渡り廊下から会場の「湯の花ダイニング」に移動します。

絶品の米沢牛すき鍋コース、セルフおばんざいに飲み物無料のダイニング

部屋ごとにアクリル板で区切られたダイニング。

私達のテーブル。

今回は「米沢牛すき鍋コース」を選びました。同じ米沢牛でもしゃぶしゃぶのコースもありますが、まずはこのすき焼きが食べてみたかったのです。

2人前が1つのお鍋にセッティングされてます。公平に食べなくては!?

セルフサービスのおばんざいとお漬物。

その他、もろもろ充実したセルフサービスコーナー。

お酒は冷やの日本酒2種類とワイン、梅酒は無料。熱燗もあります。

さらに冷蔵庫左側の炭酸水、ノンアル、サワーも無料で飲めます。右側のお酒と瓶ビールは別料金ですが、ここはもう無料の飲み物だけで十分に楽しめます。

おちょこ各種。

ご飯は地元山形のつや姫。

お茶碗も好きなサイズ、絵柄が選べます。

ほうじ茶。お茶碗は全体的に猫柄多め。

本日のスープと本日のデザートはフルーツポンチ。

ということで、おばんざいとスープ、お酒も並べていただきます。

おばんざい。どれも素朴な味でおいしい。

3月ということでお雛さまをあしらったオードブル盛り合わせ的なお膳。

雛さま部分は器になっていて、中にはニシンのマリネと筍。

冷汁、筍の土佐煮。

お酒を飲みつつお膳や小鉢を一通り食べてから、いよいよすき焼きタイムへ。

ここからご飯を投入します。先にご飯を食べすぎないのが正解!?

みそだれのすき焼きですが、そこまで味噌感が強い訳でもなく食べ慣れた割り下と違和感のないお味。なにより米沢牛が柔らかくて絶品です。しっかりご飯をお代わりして満腹となりました(卵のお代わりも無料)。

デザートは軽めで。

続いて翌朝の朝食。

ご飯が進むおかずたっぷりで、やはりご飯お代わり。


温泉卵が美味しくてつい2個食べてしまいました。

しっかり朝食を食べてからあまり急がずに出発の準備をして、チェックアウトを済ませたのは9時過ぎでした。

冬の白布温泉、また行きたい

白布温泉を後にして米沢の中心地に向かう途中、山がよく見えていたので車を止めました。

恐らく正面が蔵王連峰で、中央付近の一番高い山がこの後で登った熊野岳。

振り返ると吾妻連峰と飯豊連峰、蔵王に比べると雪が少なく見えますが、実際に雪が多かったのは吾妻山の方でした。眺めているのが山の南側と北側という違いも大きいかもしれません。

車なら白布温泉から蔵王まで1時間30分程でしたが、東北中央自動車道はほぼ片側1車線なので道路事情によっても変わりそう。ロープウェイが混雑するハイシーズンだと現地での行動時間が短くなってしまう可能性も高いので、登山まで考えている場合は無理のないスケジュールでどうぞ。

以上、白布温泉 西屋の宿泊レポートでした。天元台からの西吾妻山ハイクは、“すき鍋前の軽めの運動”に丁度良かったですし、次回また来るならやっぱり冬かな…… と思ってしまいます(グリーンシーズンの吾妻山も良いそうですが)。今度はしゃぶしゃぶを食べるも良し、新高湯温泉のステーキも気になるところです。


追記:2024年2月、米沢牛しゃぶしゃぶプランで宿泊

2024年の2月にも西屋に宿泊したので情報を追記します。大まかな宿泊レポは新しい記事にも書いています。


2月中旬ということで前回よりも雪の多い白布温泉、茅葺き屋根のお宿はやはり雪が似合いますね。

お部屋は前回とは別ですが同じタイプの和洋室。ファンヒーターを消すと朝夕はかなり冷え込みますが、付けていれば十分快適に過ごせますし、寝る際にヒーターを切ってもベッドに入ってしまえば温かいので大丈夫。
今回は階段が近い部屋だったせいか、夜中に廊下や階段を歩く人の音と揺れで何度も目が覚めてしまいました。古い日本家屋なので仕方ないのですが、普段は一度寝ると物音程度では起きない方なので、気になる人は耳栓など用意しておくといいかも(自分は持っていたけど寒くてベッドから出たくなかった……)。

お茶菓子は手作りの肉球クッキーからドーナツに。そういえば前回あったアメニティの足袋くつ下がなくなっていました。館内で過ごす際、特にスリッパを履くときに嬉しいアイテムだったのでちょっと残念。
廊下にあったソフトドリンク自販機はなくなり、ロビーでの生ビールの販売が始まっていました。缶ビールが売ってるかは未確認。

夕飯は前回すき焼きを食べたので、米沢牛しゃぶしゃぶのプランを選びました。やっぱり米沢牛は美味しい!

ところですき焼きのときにも思ったのですが、人数分のお肉や食材が1つの鍋、皿にまとめられてしまっているのは、個人的にはちょっとマイナス。旅館の夕飯は品数も多く、ゆっくり時間を掛けて食べるので、家族とはいえ自分のペースで1人分として提供された量を食べたい気持ち(同行者が家族以外だとさらに厳しいかも)。1人分の小さなお鍋が用意されてる1人客のテーブルが羨ましく感じました。

朝食は前回とほぼ同じ内容ですが、スタート時間が8時一択になっていました。前回は7時半からが選べて、チェックアウト後に蔵王に移動して登山を楽しんだのですが、今回は30分出発が遅くなるので、食前すぐチェックアウトできるように少し早めに起きて準備をしました。

2回目ということで、やや気になったことも書いてしまいましたが、相変わらず米沢牛は絶品でしたし、お湯も素晴らしく短い滞在中に3度も温泉に入ってしまいました。