自転車に乗るようになると、道路の決まった場所を走るように指定されている表示を色々と目にします。それぞ従って走ってるつもりですが、それぞれどんな違いがあるのか正しく分かってない所もありました。再来月からは自転車利用者を対象に青切符の反則金制度も導入されますし、そもそも普通免許を持っているのに「よく分からん」なんて言ってられないので自分の理解のために少し整理してみることにします。

まずは公式ルール。警視庁『自転車の交通ルール』、国土交通省 道路局と警察庁 交通局による『安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン』。この辺りを参考にしつつ、身の回りの主に多摩エリアで見掛けたあれこれをまとめてみることにします。
自転車の交通ルール 警視庁
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(PDF)(国土交通省 道路局/警察庁 交通局)
- 自転車ナビマーク、自転車ナビライン
- 普通自転車専用通行帯(自転車レーン)
- 車道外側線の外側に自転車ナビマーク
- 自転車道
- 自転車歩行者道
- 遊歩道、緑道、多摩川サイクリングロード
- 分かったようでますます分からなくなったような…
自転車ナビマーク、自転車ナビライン
ひところから増えた車道の左側にペイントされた、矢羽根や自転車のマーク。「自転車は車道左端のこの上を走ってくださいね」というお知らせの法定外表示です。車もこのマークの上は走ります。なるべくこのマークに沿って走りたいとは思うけど、交通量が多く逃げ場のない車道だと歩道に逃げたくなります(普通自転車歩道通行可の標識がある歩道沿いでも、車道に自転車ナビマークが書いてあることもあります)。

また、歩道のない道路で路側帯(白線の外側)が色分けされたグリーンベルト。自転車ナビマークは当然車道側にペイントされていますが、路側帯なので自転車が走ることも可能(もちろん歩行者優先)。歩行者的には歩道の方が安心ですが、自転車だと路側帯に段差なしで待避できるので比較的走りやすい道でもあります。

普通自転車専用通行帯(自転車レーン)
「普通自転車専用通行帯」は車道の一番左の車線が自転車専用の通行帯として指定されているもの。「🚲️専用」の道路標識や「自転車専用」のペイントで表示される他、路面が青や赤に塗られていることが多いようです。通行帯なので境目は白の破線になっています。

自転車の専用通行帯なので路上駐車さえなければとても走りやすい。歩道走行を悩むこともないですし、流石にこの表示を逆走する自転車もほぼいないのでもっと増えて欲しい。

自転車専用通行帯を走っていたと思ったら、突然終了して自転車ナビラインに切り替わったりすることも(調布市の天文台通りなど)。上の写真はよみうりランド通りのジャイアンツタウン前ですが、交差点の周辺は自転車専用通行帯が解除されて自転車ナビラインの表示になっていたりします。
ちなみに「自転車レーン」という言葉は普通自転車専用通行帯と同義とのこと。もう少しざっくりした意味合いで使いたくなりますが、自転車専用通行帯以外の道路で使うのは紛らわしいので止めた方がよさそう?
車道外側線の外側に自転車ナビマーク
最近新しい道路など増にえてきている気がする、白線を挟んで自転車ナビマーク等のペイントはあるけど、普通自転車専用通行帯にはなってないパターン。白線は破線ではなく車道外側線ぽい。南多摩尾根幹線の若葉台公園付近はこの表示になっています。

以前開通式を見た「宮上横山線」もこのタイプでした。

この表示は自転車専用通行帯と何が違うのかといえば、そもそも通行帯ではなく車道外側線の外側になるのかと。必車が左折時のキープレフトで車道外側線をまたぐことや、禁止でなければ駐停車も可能という感じ(自転車専用通行帯は車やバイクは原則侵入禁止)。
車道外側線の外側にある自転車ナビマーク、ナビラインという判断で良さそうですが、車を運転していてわざわざこの表示に踏み込もうとは思わないので、専用通行帯程にはできなくてもこれがあると嬉しい表示。
自転車道
縁石や柵などにより車道、歩道とは区画された自転車専用の道路。この辺だと国立市のさくら通りにあります。一見すると歩道の中にある自転車歩行者道(次項目)にも見えますが、ここは元々4車線だった道路を2車線化して自転車道を設置したもの。そのような経緯もあり、歩道との間に街路樹があります。

車道とは縁石で区切られているので、専用通行帯よりも安心して走れますが交互通行が可能になっているので対向車の存在は意識して走る必要があります(自転車道が全て交互通行という訳ではなさそう?)。
この自転車道、ママチャリがゆっくり走っていたり、交差点で段差があるせいか、ロードバイクなどが車道側を走っているのをよく目にしますが、専用道路だから通行義務があるんじゃないかな……? 冒頭で貼った警視庁サイトにも「普通自転車はやむを得ない場合などを除き、自転車道を通行しなければなりません」とあります。
自転車系のブログではこのような見解も。
自転車道の通行義務とロードバイクの親和性。 | ロードバイクが欲しい!初心者向けナビ
同じ国立市内のメインストリートである大学通りは普通自転車専用通行帯(自転車レーン)の標識がありますが、縁石で区切られているので自転車道のようも見えます。左車線の通行帯であること気付かない逆走自転車がたまに走っていたり、桜の季節などは歩道と間違えた人もよく入り込んでいます。さくら通りと交差していますが、普通自転車専用通行帯と自転車道という違いがあります。

自転車の交通ルールを確認しましょう!/国立市ホームページ
大学通りの自転車レーンは、西側が北向き、東側が南向きの一方通行です。 逆走は危険ですので絶対にやめてください。
イベント時には、歩行者の方が自転車レーンに侵入する事例もみられます。危険ですのでやめてください。
自転車歩行者道
警視庁のサイトで普通自転車が通行可能な歩道における「普通自転車通行指定部分がある場合」とされているもの。道路構造令の「自転車歩行者道」もほぼ同じですが、道路交通法上にはない定義になるようです。
広めの歩道の車道寄りに指定されていて、頭上にはこのような標識。自転車専用ではなく歩行者がいる場合は歩行者が優先です。自転車の通行指定部分では相互通行も可能です。

余談ですがネットでは歩道の自転車通行に関して「左車線側の歩道のみを走るべき」的な意見をたまに目にしますが、ルールとしては歩道を走行する自転車は相互通行が可能です(自転車同士のすれ違いは左側に避けることが徹底されて欲しいですが)。
尾根幹線の唐木田あたり。間に街路樹もあって自転車道ぽくもありますが歩道の一部。
府中市内には比較的狭い歩道内を色分けしている場所がありますが、自転車は車道寄りなのでルールとしては分かりやすい。自分はこの通りならば車道に余裕があるので車道を走ります。
他にも広い歩道で街路樹や植え込みで2レーンあるけど、特に歩行者や自転車の指定がないもの。なんとなく車道寄りの方を自転車で走っても良さそうな気がしますが、この場所に関しては自転車歩行者道の標識はないので、4月以降は取り締まりの対象になってしまうかも…?
遊歩道、緑道、多摩川サイクリングロード
「◯◯緑道・◯◯遊歩道」等の名前が付けられていて、車道が並走していなかったり自転車が走っても大丈夫な歩道。歩行者専用道路ですが、車やバイクが走ってないこともあり、自転車の利用も多い道路です。
自転車同士が相互通行することを考えたら左寄りを走るのが無難ですが、次の写真のような遊歩道はどこを走るのが正解なのか?(赤い方が少し高くなっているのでこちらが歩行者と自分は判断してます)

歩行者の追い抜きやすれ違いに関しては、左側通行する歩行者もいれば、歩行者右側通行(これは歩道や路側帯がない道路での対面交通の話)に拘ってるいる人もいるので、どちらにしても歩行者優先でスピードを出さずに走るべきでしょう。
このような遊歩道にも自転車のレーンが指定されていることがあります。例えば府中市内の緑道の一部はペイントで自転車と歩行者がレーン分けされています。合流場所によってはどちらのレーンにいるか分からず初見殺しだったりしますが、何れにせよ路面のペイント等には注意を払っておいた方が良さそう(「歩行者は赤や緑、自転車は青」で覚えておくなど)。

こちらも遊歩道のひとつ「多摩川サイクリングロード」の愛称でもお馴染みの多摩川堤防上の遊歩道。当然歩行者優先ですが相互通行が発生するので、自転車も人も左側通行が基本ですが一部に例外もあります。
例えば右岸側の日野市の一部は河川敷側が歩行者、自転車は堤防の外寄りの指定。

左岸の府中市内「府中多摩川かぜのみち」はもう少しややこしいルールで、歩行者は道の端を右側通行、自転車は中央付近の左側通行となっています。普段からよく利用する人は知っていますが、知らない歩行者や自転車が入り込むと一触即発になりやすく注意の必要な区間。

府中市のサイトでは「一般道路と同様の交通ルールで通行」を強調しているので、対面交通の考えを採用しているのだと思われますが、近隣の稲城市や川崎市では同じ多摩サイでも歩行者、自転車共に左側通行としています(狛江市の路面ペイントも左側通行となっていたはず)。ネットを見ているとやはり府中区間がイレギュラーなルールだと認識されているみたい。
府中多摩川かぜのみち 東京都府中市ホームページ
「府中多摩川かぜのみち」は歩行者優先です。事故防止のため、一般道路と同様の交通ルールで通行してください。
散歩やランニングなどの場合は、「道の右側の端」を通行しましょう。
自転車の場合は、「道の中央の左側」を走行しましょう。
多摩川サイクリングコースの通行ルール|稲城市公式ウェブサイト
道路交通法第10条第1項では、歩行者は路側帯(白線)と車道の区別のない道路では、道路の右側を通行しなくてはならないとなっておりますが、多摩川サイクリングコースの幅員が約2.5メートルと狭くなっているため、同条のただし書きを適用することとし、歩行者も左側に寄って通行することとさせていただいております。
川崎市 : かわさき多摩川ふれあいロードの利用について
歩行者も自転車も左側通行をお願いします。通行の際は後ろから来る自転車にも注意しましょう。歩行者や速度の遅い自転車などを追い越すときは右側からゆっくり追い越しましょう。
その他に、歩行者が通行できない「自転車専用道路」(車道に併設される上記の自動車道とは別)などもあるようですが、近隣だとちょっと見た記憶がないかも。
自転車専用道路 - Wikipedia
分かったようでますます分からなくなったような…
身の回りで見掛けた自転車の通行区分等を指定した道路について簡単にまとめてみようと思ったのですが、道路法、道路交通法、道路構造令など複数の法令により定義されていたり、まだ見たことのないタイプの道路もあるようで、簡単には整理できそうにありませんでした。

ただし道路の定義や呼称で迷うことはあっても、自転車で道路を走る上での基本的なルール(指定された通行帯を守る、通行しても良い歩道を確認、歩道は常に歩行者優先、等々)を守っていれば、そこまで問題になるようなことはなさそうです。4月からの青切符導入に不安を抱えている人もいるかもしれませんが、まずは身近な生活エリアにおける道路標識や自転車関連のペイントを確認するところから初めてみてはいかがでしょう。
追記:詳しく分類した記事をXで教えて貰いました。



