今年の8月30日に発売された、SONY Eマウント用の純正レンズFE 35mm F1.8について。
発売直後からなかなか良い感じの評判が聞こえてきたこともあり、それまで使っていた「VoightLander NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount」と入れ替えで購入しました。マニュアルフォーカスレンズが少し面倒に感じていた頃で、コンパクトなAFレンズが出たこともあってこれは良さそうだなと。
しばらく使ってみましたが、軽くて写りもよく、しかも寄れるので日常のスナップ用途には最適なレンズという印象。主にテーブルフォト用途ですが、風景スナップやちょっとした接写にまで活躍してくれるユーティリティ性の高い単焦点レンズとしてすっかり気に入ってしまいました。
SONY SEL35F18F / FE 35mm F1.8
焦点距離35mm、開放絞りはF1.8のスタンダードクラスの単焦点レンズです。レンズ名称は「FE 35mm F1.8」になるようですが、SONY製レンズは型名で表記されることが多いようなので(?)、以下「SEL35F18F」で記述します。
SONYのEマウント用フルサイズレンズの35mm焦点距離は、以前から「SEL35F28Z」と「SEL35F14Z」という2本のZEISSブランドレンズがあったものの、とてもコンパクトながら開放値が暗いSEL35F28Zか、明るく大きく高価なSEL35F14Zとやや両極端で、スタンダードクラスに当たるF1.8の「丁度いい」ゾーンが抜けていました。
そこを埋めるべく登場したのがこのSEL35F18F。最大径65.6mmの全長73mm、重量280gとフルサイズ用のF1.8レンズにしてはかなりの小型軽量さを実現。さらに最短撮影距離0.22mまで寄れて、最大撮影倍率0.24倍とクォーターマクロに迫る接写能力を備えているのが特徴。
SEL85F18など比較的新しめのスタンダードクラスのレンズ同様に、機能を割り当てられる「フォーカスホールドボタン」やAF/MF切り替えの「フォーカスモードスイッチ」が搭載されています。
防塵防滴に配慮した設計で、マウント部にはシーリングのゴムパッキンも確認できます。
希望小売価格は87,000円とスタンダードクラスのレンズにしてはやや高めの設定ですが、実売価格では6万円程度。それでも少々高い気はしますが、SONYのレンズ全般に高額なこともありますし、実際に使ってみると価格以上の性能を感じられるレンズだと感じています。
ソニー デジタル一眼カメラα[Eマウント]用レンズSEL35F18F(FE 35mm F1.8) フルサイズ
- 発売日: 2019/08/30
- メディア: Camera
スムーズなAFとコンパクトさが魅力
SONY純正のF1.8シリーズは以前SEL50F18Fを所有していたことがありますが、このレンズはAFがかなり遅く、使っていて少々ストレスのかかるものでした(初代α7で仕様)。
一方、今回のSEL35F18Fはそれとは全くの別モノでスムーズなAF動作を実現、既に前世代機になるα7 IIで使っていますが、もさほどのストレスは感じません。
さらに特筆したいのは本体のコンパクトさと軽さ。フルサイズ対応レンズなのでさすがにマイクロフォーサーズ並とはいきませんが、以前使っていたNOKTON classic 35mm F1.4 E-mount(262g)から持ち替えてもオートフォーカスが内臓されたのに、殆ど重量差を感じません。
付属のフードを取り付けた状態で実測300gを切っていますし、カメラとの合計でも1kg以下とフルサイズのカメラとレンズとは思えない取り回しを実現しています。
SEL35F18作例いろいろ
そんな取り回しの良さが魅力のSEL35F18ですが、実際どんな感じの写りなのか。普段はマイクロフォーサーズのカメラを愛用している私ですが、たまに気分を変えてα7 IIで写真を撮ることも楽しんでいるので、そんな中からいくつか見て頂ければと思います。
絞り開放(F1.8)だとそこそこ周辺減光は目立ちますが……
Lightroomでプロファイル補正を当ててあげれば歪曲収差と合わせて解消されます。歪みに関しては以前使っていたNOKTON classic 35mmに比べたら少ない方ですね。
F8.0まで絞っていても若干周辺の減光は出ていますが、殆ど気にならないレベルかも。
Lightroomで補正後。
35mmはスナップで使いやすい画角だと思いますが、私自信があまりスナップを撮らないこともあり……。開放が明るいので夜でもそこそこ安定して使えますね。
35mmの画角でもそれなりにボケるのはやはりフルサイズの強みなのか。
最短撮影距離の短さを犬の鼻で確認。
飲食店でのテーブルフォトには丁度いい長さと明るさ、寄れることのありがたさ。
被写体との角度を考慮しないとボケすぎてしまうこともありますが、それはそれで……?
自宅の食卓も一時はこればかりで撮っていましたが……
寄れるし。
ただし俯瞰でパッと撮った際に想像してたよりもピントが薄く、マイクロフォーサーズとの被写界深度の違いを痛感したりと……。
広角寄りなので風景スナップには使いやすいレンズ。やはりフルサイズの方が階調豊富なのかRAW現像での自由度が高いのは改めて実感しますね。
山ではまだ1度しか使えていませんが、被写界深度での奥行きの表現はやはりフルサイズの方が幅があることを感じます(逆に光量が少ない時間帯は難しくも感じますが)。
ここでも寄れることか大きな強み。
マクロレンズでもないのに、これだけ寄れるのだから大したものです(ノートリ)。
今年のヒガンバナはこのレンズを使って撮っていました。
まだ2ヶ月程度しか使えていませんし、今後も作例は追記して行ければと思います。
SONY FE 35mm F1.8の主な仕様
SEL35F18F 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
- 型名:SEL35F18F
- 焦点距離:35mm
- APS-C利用画角:52.5mm
- レンズ構成:9群11枚
- 開放絞り-最小絞り:F1.8-F22
- 最短撮影距離:0.22m
- 最大撮影倍率:0.24倍
- フィルター径:55mm
- 絞り羽根:9枚
- 最大径×全長:65.6mm×73mm
- 質量:約280g
- フード:付属(ALC-SH159)
- 希望小売価格:87,000+税