先週、仕事で都心に行ったついでに毎年恒例の東京ミッドタウンのイルミネーションを見てきたのですが、この時期のイルミネーションといったら… そう、多重露光を使ってのライトアップ丸ボケ重ねですよね。
昨年の冬に覚えて(はてなブログ界隈でちょっと流行ったような?)ちょいちょい楽しんでいたのですが、今年も遊んでみました。この日は事前のバッテリーチェックを怠っていたことで直ぐに電池切れになってしまい、ろくな写真がありませんがまあ雰囲気だけでも。
この多重露光での丸ボケ重ね。カメラに機能さえ搭載されていれば、難しい設定やテクニックも必要なく撮ることができるもの。せっかくなので簡単に説明してみたいと思います。
カメラの多重露光機能でお手軽に
今回使ったカメラはOLYMPUSのPEN Lite E-PL7。レンズは単焦点のM.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8を使っています。もちろん標準ズームレンズでも撮れますが、レンズが明るい方が夜景写真は手ブレに強いのと、焦点距離は標準〜中望遠位あった方が、大きく滲んだ丸ボケを作りやすいと思います。

OLYMPUS PEN E-PL7 ボディ シルバー ミラーレス一眼 PEN E-PL7 BODY SLV
- 発売日: 2014/09/20
- メディア: Camera

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 ブラック マイクロフォーサーズ用 単焦点レンズ
- 発売日: 2014/02/28
- メディア: エレクトロニクス
「多重露光」の設定ですが、オリンパスのPENやOM-Dならば[MENU]→[撮影メニュー2]→[多重露光]をON(2コマ)にすれば準備OKです。
他にも手持ちのカメラだとペンタックスK-S2はドライブモード(連写やセルフタイマーに切り替える場所)の中にありました。ペンタックスの一眼レフは数年前のエントリー機K-30にも搭載されていましたが、何故かK-S1には搭載されていないようです、残念。
多重露光機能の付いたPENTAX K-S2は高倍率ズームレンズDA18-135mmWRのキットが、現在サイバーマンデーセールで10%OFFになっています。
ニコンだとD7000番台以上、キヤノンも新しめの中級機以上じゃないと多重露光機能は付いてないみたいですね。初心者こそ楽しい機能だと思いますし、各社エントリー機にも搭載すればいいのに…。
http://cweb.canon.jp/e-support/faq/answer/eosd/66256-1.html
カメラによっては3枚以上の多重露光が可能なものもありますが、とりあえず今回は2枚重ねられれば十分。また、カメラ側に多重露光機能がなくても、Photoshopなどを使って合成を行えばできるものですが、あくまで今回はデジカメの搭載機能で簡単に、ということで。
手持ちのカメラではフジフィルムのコンデジXQ1にも多重露光の機能はあって(モードダイヤル[Adv.モード]内)、丸ボケの写真を撮るのにちょっとコツが必要ですが、慣れれば同じような写真を撮ることができます。下の写真はXQ1を使ったものです。

FUJIFILM デジタルカメラ XQ1 シルバー F FX-XQ1S
- 発売日: 2013/11/23
- メディア: Camera
光の丸ボケ(玉ぼけ)を作るには?
まずは、初心者のうちはどう撮っていいのか分かりにくい、丸ボケ(玉ボケ)写真の撮り方。1度の撮影で、ピントの合った被写体と光の丸ボケを混ぜた写真を撮るには、ちょっとしたコツが必要ですが、多重露光の場合は玉ボケだけを先に撮ればいいので簡単です。
複数の光源(ライトアップの電球など点状の光源が集まっていると楽ちん)にカメラを向けて、マニュアルフォーカスで最短撮影距離側にフォーカスリングを回してあげると、下の写真のように光源が大きくボヤけると思います。MFができな場合は、手などをかざして最短付近にAFを合わせるのでもいいです。
光源との距離、焦点距離でも丸ボケの具合は変わってくるので色々と試してみましょう。絞りで丸ボケの形が変化したりしますが、手持ち夜景なら手ブレ対策もありますし開放付近でいいでしょう。後はレンズの中央部に近い方が綺麗な円形になり、周辺部だとややラグビーボール状の丸形になったりします。
ピントは最短距離側に合わせた方が大きなボケができますが、無限遠の先に回したときも、やや雰囲気の違うボケができます。あけて光源の粒をハッキリ見せたい場合には、こちらもアリかもしれません。下の写真はそうやって作った丸ボケです。
ピンの合った絵を重ねる
1枚目に丸ボケを撮ったら、そこに重ねる絵を探してAFなりMFでピントを合わせて撮れば、1枚目と2枚目が透過状態で重なった多重露光写真の完成です。
光学ファインダーの一眼レフを使う場合、ファインダー撮影では2枚の重なりをイメージしにくいため、液晶モニターを使ったLV(ライブブビュー)撮影の方が捗ると思います。
前の項目の丸ボケ写真と、上のイルミネーションを重ねるとこんな感じの多重露光が完成するイメージです。丸ボケの素材も同じ場所に立ったままLEDの粒をボヤけさせたもの。
丸ボケを1枚目に撮るか2枚目に撮るかはお好みですが、まず撮りたい風景を決めてから、それに併せてボケを探す方がいいかもしれません。
私は何も考えず丸ボケから撮ることが多いです(笑)
夜景はAFが合いにくかったり、手ブレも起きやすいですが、別にボケた写真同士やピントの甘いを写真を重ねてもそれっぽく(幻想的に?)見えてしまうのが、この写真のいい所かもしれません。言い訳っぽいですけども(笑)
冬は夜景&イルミネーション撮影が捗る季節です!?
この多重露光、夜景やイルミネーションの他、ポートレートなどにも応用できると思います。…と思ったら、やっぱりつるたまさんがやっていましたね。最後の写真(アイキャッチの写真)は恐らく多重露光かな?と。やはりプロは使い方が上手いなあ。
昨年、私の購読してるはてなブログ界隈でこの多重露光が流行ったのは、ネコと夜景とビールブロガーなDAIKIさんが切っ掛けだったように思います。
ちなみにイルミネーションでなくても車のテールランプや街灯程度でも、結構それっぽい感じの丸ボケは作れます。せっかくカメラに多重露光機能があるのにまだ試してないなんて方は、この冬(別に冬でなくとも撮れますが)ぜひ試してみてはいかがでしょう?