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途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

夏の谷川岳・西黒尾根を登って天神尾根から下山する日帰り山行

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9月最初の日曜日(9/1)、群馬県の谷川岳に登ってきました。

登りは西黒尾根から、下りは天神尾根を歩き天神平からは谷川岳ロープウェイを使って下山しました。

初めての夏の谷川岳は西黒尾根から

谷川岳はこれまで3度登ったことがあるのですが、全て積雪期の天神尾根(一度は天候不良により肩の広場に出る前に引き返し)。ロープウェイを使って標高1319mまで稼げる天神尾根は、雪山の入門ルートとしてもお馴染みですが、実はまだ夏の谷川岳には一度も登ったことがありませんでした。

夏山シーズンの谷川岳に登るなら、週末は7時から運行(平日は8時スタート?)している谷川岳ロープウェイは使わず、早朝の西黒尾根を登ってみたいと考えていました。というのも同じルートを8月の頭に登っている方々をTwitterで見ていて(その頃はなかなか山に行けない状態だったこともあり)とても羨ましかったのですよね……。


ちなみに、20kg背負って西黒尾根は結構ヤバいと思うので真似してはダメです(笑)

西黒尾根は天神尾根に次いでメジャーな谷川岳の登山ルートで、日本三大急登にも数えられる急な登りがあるのだとか。標高差1200mほどをコースタイム4時間(山と高原地図より)で登るルートです。
地図を確認すると多少の抑揚はあるものの、平均的に等高線の詰まった尾根沿いの登山道で、ダラダラとした箇所がなくてなかなか登り甲斐がありそうなルートです。

西黒尾根の北側を並行して途中から合流する巌剛新道ルートが、前半が沢沿いの比較的緩やかな登りから、中盤からの西黒尾根以上の急登へと大きな変化が付くのに対しても、西黒尾根の平均的な斜度はペースが作りやすそうです。

夏山シーズンかつ有名な日本百名山ですし、それなりに混雑する可能性もありそうです。なるべく日の出時間の少し前からスタートできるようなスケジュールで(混雑避けと涼しい時間帯に歩く目的)、都内の自宅を未明の2時ぐらいにスタート、中央道から圏央道を経由し、関越道の水上インターを目指します。

受付にはまだ誰もいない谷川岳ベースプラザに車を停めたら薄明かりの駐車場で準備。谷川岳ベースプラザから少し下った所にある駐車場は確か無料?だったと思いますが、週末のベースプラザは駐車料金500円を後で支払うシステム。それでも十分に安いですけどね。

谷川岳ベースプラザ、エレベーターホールのトイレは夜間も開けていてくれるようなので、出発前に用を足すことができます。大変ありがたい。


夜明け間近に西黒尾根登山口からスタート

4時半過ぎに谷川岳ベースプラザを出発、10分ほど舗装路を歩くと西黒尾根登山口に到着します。この日のみなかみ町の日の出は5時14分。そろそろ薄明になっている時間帯ですが、樹林帯の中はさすがにまだ暗がりなので、ヘッドライトを付けてのスタートです。

しばらくは足下の泥濘んだ登りが続きます。雨でも降ったのかと思ったら、水場からの水が登山道を伝っていたようです。その後は足下もすっかり乾いていました。

徐々に明るくなってきました。三大急登といっても登り始めから強烈な斜度がある訳でもなく、適度な急登(?)で気持ち良く標高が上がって行きます。

そして何がありがたいってこの日とにかく気温が涼しく、夏山的な暑さに苦しめられることもなく、樹林帯の登りを楽しむことができます。そういえば、警戒して念入りに虫除けを塗った割にはアブやブヨも少なかった気がします。

基本曇り空のお天気ではありますが、たまに雲の合間から青空が見えます。

天神平が見えました。あそこの標高は1320m、まだ見上げている角度なので、もう少し登らないとロープウェイ分の標高は稼げないようです。それでも既に500mくらいは標高を上げていて、高度計の数字がグングン上がるのが急登の面白さです。

しばらく樹林帯を登って行くと、植生が徐々に灌木中心となり、岩やクサリ場が登場します。


まだお花も少し咲いていました。

森林限界を超えて見晴らしのいい西黒尾根を行く

難しい岩場ではありませんが、大きな岩が並んでいて、青緑っぽい色の岩はとてもよく滑ります。下りに使うにはちょっと気を使いそうですし、雨の日はスリップ多発になりそうです。


最初のクサリ場を抜けた所で、谷川岳山頂の双耳峰(左からトマノ耳とオキノ耳)がよく見えました。この日は一日中曇り空だったものの、天神平に戻るまで谷川岳の山頂はずっと見えていました。

青空とお日様は少々恋しいものの、登りが快適な涼しさはこのお天気のおかげでもありますからね。

森林限界から上、西黒尾根の尾根筋が見えて来ました。正面に見えて居るコブ状の小山がポコポコと続くあたりが「ラクダの背(ラクダのコブ)」でしょうか。

コブの合間にもちょっとしたクサリ場が登場します。


それにしてもこの日の西黒尾根は日曜日だというのにガラガラで、たまにペースの速い登山者に追い抜かれる程度。夏山シーズンが一段落して、世間的には夏休み明けの9月1日。紅葉シーズンはもう少し先ということで、丁度山が一端静かになるタイミングだったのかもしれません。

少しだけ雪渓が残っているのがマチガ沢でしょうか。

ラクダの背(ラクダのコブ)。この小山のことだけを差すヒトコブラクダか、手前のコブからのフタコブラクダか?

ラクダのコブから少し下りた鞍部(ラクダのコル)で巌剛新道と合流します。紅葉シーズンに来ることがあったら、マチガ沢沿いに登る巌剛新道を歩くのも良さそうです。


ここから先は岩場中心のルート。歩きやすいコース取りが丁寧にマーキングされているので、それ通りに行けば特に難しい所はないと思います。クサリはないので、下りに使う場合は注意が必要かも。

ラクダのコブを振り返って。とても綺麗な三角の尾根筋ですね。雪が付いたらどんな感じなのだろう。

去年、3度も(2月、3月、12月)雪の中歩いた天神尾根。今年の冬も来ることになるでしょうか。実際に歩いてみると、冬の西黒尾根を登るのはまだ厳しそうな気がします……。

なんだかドラマチックな光が差してきたような……? 正面を登ってくるのは妻。鳥海山ではかなりヘバってましたが、だいぶ調子を取り戻してきたみたい。

この辺りが「ガレ沢の頭」かな? 山頂が近づいてきました。


ひとやすみ。

このモコモコが「ザンゲ岩」ですかね?


ザンゲ岩越しの天神尾根。天神尾根の方のポッコリは「天狗の留まり場」でしたっけね。


肩の広場の標識が見えてきました。

「天神尾根」「西黒尾根」「肩の小屋」「谷川岳」を示す道標だったんですね。

冬はこんなやつ。道標というか十字架的なオブジェかと思ってました(笑)

谷川岳肩ノ小屋は後ほど立ち寄ることにして、まずは山頂へ。


谷川岳山頂、トマノ耳とオキノ耳

8時10分、双耳峰の手前側「トマノ耳」(1963m)に登頂です。三頭三角点があるのはこっちの耳。

トマノ耳から天神尾根方面。

続いてあちらの「オキノ耳」へ向かいます。

両耳の鞍部からトマノ耳とオキノ耳それぞれを見上げるとカッコいいんですよねー。


標高が少し高い方の「オキノ耳」(1977m)。間は10分ぐらいです。

山頂にナナカマド、秋の谷川岳も良さそうですがきっと混むのだろうなぁ……。

谷川連峰の主稜線が伸びる西側、毎度広角で撮りがちな大好きポイント。

西黒尾根、適度に登りが続いてダラっとした所がなく、コースタイム的にも日帰りに丁度いいコンパクトさでとても楽しいルートでした。近所にあれば、トレーニングを兼ねて定期的に歩きたいぐらい?

ちなみに山頂から見ると西黒尾根って歩きやすそうな尾根に見えるのか、天神尾根を登って来た初心者が「あれなら下りられそう?」と突っ込んだりするそう。登りから歩いてるなら兎も角、下りだけを西黒尾根というのは無茶なので止めておきましょう。

最近、日帰りでお湯を沸かしてラーメン作るのが面倒になってきたので(水も使うし)、ずっと行動食を食べてたり(ゼリー中心)菓子パン食べたりなのですが、セブンイレブンのおにぎりセット(から揚げと卵焼き付き)は悪くないと思います。

気温は10度前後だと思いますが、風がちょっとあるのでレインウェアを羽織って丁度いいぐらい。ソフトシェルを着て行動する程の気候ではないですが、山頂などではさっと羽織れる風よけが何かしらあるといい季節です。

ガラガラだった山頂も9時頃になると天神尾根組が登ってくるので、少し賑やかになってきました。

それではそろそろ戻りましょうか。

トイレを借りがてら、肩の小屋に来てみました。ここが営業しているのを見るのも初めて! せっかくなので冬は買えないバッジを買って行きます。

そうか、谷川岳はヤマノススメ聖地なんですよね。

下山は天神尾根から

帰りは天神尾根から下山します。時間は9時41分、まだまだこれから登ってくる人も多いので、登り優先で譲りつつのんびり行きましょう。冬期は最後の急登で息を切らしていた肩の広場の直下ですが、こんな歩きやすい階段になっていたのですね。

「天神ザンゲ岩」なんてあるんですね。

ここでまさかの雨、一時は結構降ってきましたが、結局レインウェア(オキノ耳を離れる際に片付けてしまった)を着るまでもなく徐々に止んで行きました。西黒尾根の下りで振られていたら、少しヒヤっとしたかもしれませんね。

クマザサがモコモコしていて茶畑みたい。



ここも格好いいから下山時に足を止めて必ず撮ってしまう。万太郎山から仙ノ倉山、谷川主稜もいつか歩きたいものです。

この急登は覚えてる。登りだと熊穴沢小屋の後、前回は新雪に埋まりまくって大変だった気が……(笑)

熊穴沢小屋を過ぎたら尾根の北側のトラバース道が中心です。

木道なども整備されていて、とにかく歩きやすい。

ゴールの天神平が見えました。

帰着は11時5分。早朝の西黒尾根はガラガラ、帰りの天神尾根もそれほどの混雑もなく、マイペースで夏の谷川岳を楽しむことができました。行動時間の割に、しっかり山歩きをした気分になれますし、やはり人気の山である理由がよく分かります。

天神平より。山頂、西黒尾根もまだよく見えています(水上を離れる頃には雲の中でした)。

何故か天神平の南の空だけ青空が出ていました……(笑)

谷川岳ロープウェイでらくらく下山中。片道利用の場合はJAFやモンベル割引はありません(1,230円也)。気持ち良く登ってロープウェイ下山、なんて贅沢なんでしょう。

ベースプラザで下山ソフトクリームをキメる。

ベースプラザに掲示されている谷川岳登山の注意など。


山行ログと歩行ルート

この日もログ記録はPRO TREK Smart WSD-F30にて。最近、YAMAPを積極的に使ってまして、以前は非公開にしていたログも公開状態にしています(過去の分は少しずつ)。写真と山行記録は相変わらずブログがメインなので、詳細情報は引き続き当ブログでよろしくお願いします(笑)




谷川岳(西黒尾根〜天神尾根) / OKPさんの谷川岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

育風堂精肉店のソースカツ丼と湯テルメ・谷川

オキノ耳で食べたおにぎりセットは昼食というよりは2回目の朝食だったのでだったので、今度こそ本当の昼食です。昨年12月以来の育風堂精肉店ですが、あまりの混雑に驚きました……。

順番受付のiPadがバリバリに活躍していて、案内まで30分以上は待ったでしょうか……。今まで冬しか来たことがなかったですが、夏期は平均的に混んでいるのか? 昼時だからか? この半年ちょっとで人気が急上昇したのか? 周囲を見回すと明らかに登山やアウトドア帰りっぽくない(ラフティングにも見えない)服装のお客さんばかりなのですよね。

私はソースカツ丼、妻はブラートヴルストセット(色々なソーセージのセット)を注文しました。

これまでリブボーンステーキ、ローストポーク、そして普通のカツ丼と食べてきまして、どれも美味しかったですが今回頼んだソースカツ丼(930円)がコストパフォーマンス込みでは一番アタリかも!?

細長い大きなカツ(ヒレカツ?)がゴロゴロと入ったソースカツ丼。サラッとしたソースに潜らせてあって、味は駒ヶ根のような甘いソースでもなければ、そこまで辛い系でもない絶妙の塩梅。

これならご飯がいくらでも行けそうですが、そこまで空腹だというほどではなかったのでご飯大盛りにはしていません。まだ運転も残っていますしね。

食事の後は高速に乗る前に温泉へ。そういえば谷川岳の帰りに温泉に入るのは今回が初めてです。以前、Twitterで教えて貰った、育風堂からも比較的近い谷川温泉「湯テルメ・谷川」へ。町営の温泉施設で、なんと源泉が3つもあります(浴場に入って初めて知りました)。

ぬる湯が2種類(アルカリ性単純温泉と塩化物温泉)にアルカリ性単純温泉の少し熱めのお湯。露天風呂は広々ですし、渓流が見られる展望台付き。登山後の温泉については体を温めるだけでなく、本当は筋肉のクーリングが必要なんて最近どこかで読みましたが、あの体温とほぼ同じぐらいのぬる湯は(クーリング効果があるかはともかく)なんとも気持ち良かったですね。

湯テルメ・谷川についての詳細は、月山ももさんのこちらの記事が詳しいです。

育風堂の盛況ぶりが嘘のように、こちらはお風呂も休憩所も空いていて(結局、夏のみなかみは混んでるのか空いてるのか?)、風呂上がりものんびり休憩してから出発。関越、中央道とダブルで渋滞に巻き込まれたものの、明るいうちに無事帰宅できました。

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