先日オリンパスから発表された「OM-D E-M5 Mark III」。OM-D E-M1 MarkIIと同じ20Mセンサー(像面位相差AF対応)を搭載し、一部機能を覗いてかなりE-M1 MarkIIに肉薄するスペックを実現、かつ先代E-M5 Mark IIに対して大きく軽量化を図ったOM-Dの最新ミドルクラスです。
11月下旬売予定に発売になるこの最新モデルの体験会が、新宿のオリンパスプラザ東京で行われたので参加してきました。体験会の様子と、実際に触ってみたE-M5 Mark IIIのファーストインプレッションなどを簡単にまとめておきます。
「E-M5 Mark IIIを体験しよう!特別体験会」
まずはじめに、前提としてOLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIIの基本的な情報及び、E-M5 Mark II、E-M1 MarkIIとのスペック比較については、以下の公式サイトをご覧くださいませ。
OM-D E-M5 Mark III | デジタル一眼カメラ OM-D | オリンパス
OM-D E-M5 Mark III おすすめ情報 | デジタル一眼カメラ OM-D | オリンパス
[006810]E-M5 Mark III と E-M5 Mark II の主な違いを教えてください。 | オリンパス
オリンパス 製品比較:主な仕様
さて、10月18日から23日にかけて、オリンパスプラザ東京で毎回7名限定、1日2回のスケジュールで行われる今回のE-M5 Mark III体験会。前日にふと気が付いて調べた所、まだ席が残っていたので参加することにしました(明日10月23日分は既に受付終了しています)。
10月18日(金)~23日(水) E-M5 Mark IIIを体験しよう!特別体験会(参加費無料・定員制)|オリンパスプラザ東京 イベント一覧|ショールーム/写真教室|OMデジタルソリューションズ
ちなみにE-M5 Mark IIIの展示機はオリンパスプラザ東京にあるので、体験会に参加しなくてもプラザまで行けばE-M5 Mark IIIには触ることができます(ただし現時点は1台のみでした)。
体験会では1人1台のデモ機が用意され、主要なレンズを自由に付け替えながら、会場内で自由に撮影をすることができます。まずは冒頭にスライドを見ながら、説明員の方よりE-M5 Mark IIIについての主な特徴の紹介が15分ほど。その後約30分の実機使用体験となります。
OM-D E-M5 Mark III最大のアピールポイントはズバリ「機動力」。そしてそれを実現する要素としての「小型軽量システム」「手振れ補正」「防塵防滴」。
小型軽量システムのアピールとして一般的なフルサイズミラーレス機と比較しつつの体積重量のコンパクトさをアピールしますが、これ必要かなぁ……なんて。E-M1シリーズもある訳ですし。
当初、個人的にはデチューンではと感じてしまったBLN-1からBLS-50へのバッテリー小型化。初代E-M5以降使われてきたBLN-1を廃止してPENを含めて小型機用の電池として一本化するのはそれなりに分かるものの、省電力化で撮影枚数を伸ばすよりも小型化を推し進めたのは個人的には解せない所もあります(実際、スペック上の容量差は1220mAh→1210mAhではあるものの)。
これによりE-M10 Mark III(410g)に迫るサイズ重量を実現した訳ですが(414g)、これでE-M10 Mark IIIの後継機が出たりしたら、またよく分からないことになりそうです。
防塵防滴に関する設計ノウハウは最近のM1Xの技術が応用されてるとのこと。電池が小型化してますが、寒冷地での動作安定性などが先代と比較してどうなのっているかが最も気になりますが?(この点について、後で質問してみましたが、さすがにそこまでの情報は下りて来てないそう)。
AF性能はM1 MarkII同様(M1Xは画像処理エンジンを2基積んでいるので一段上のレベル)、手振れ補正は新開発のユニット採用でやはりM1 MarkII同様の性能を実現しているそう。
……とカタログ的な説明をひととおり聞いたのちに、デモ機による体験イベントへ。ちょいちょい気になる説明などもあったので、もう少し突っ込んだ所もこのタイミングで聞いてみることにしました。
E-M5 Mark III&好きなレンズで体験スタート
デモ機はシルバーとブラックの両方がそれぞれ数台ずつ用意されていました。
私はシルバーのデモ機を手に取って体験スタート。E-M5 Mark IIからマグネシウム合金→樹脂ボディの変更がありましたが、気になる質感の変化は確かに若干のプラスチッキーさはあるものの(得にシルバーは少し目立つかも)ブラックだとそれほど気にならないレベルだと思います。
レンズはPROレンズ、PREMIUMラインを中心に各2本(M.300mm F4 PROのみ1本)用意されているので、好きなレンズを付け替えながらE-M5 Mark IIIを試すことができます。
軍幹部のダイヤル、電源スイッチ等の配置等がE-M1 MarkIIに準じたものになっているので、M1ユーザー的には非常に使いやすくなっています。モニタのスイッチが左肩(フィルム巻き戻しクランク風ギミック)にあるのはしばらく気付かずに探してしまいました。
左肩電源は長らく一部で評判が悪い仕様なのですが、さすがに初代E-M1から使っていると、もはや自然な動作で電源を操作しています。どうしても我慢できない人は、電源をファンクションレバーに割り当ててしまいましょう。
ボディサイズ、握りやすいグリップ、フィッシュアイ補正、有機ELファインダー
ボディは想像以上にコンパクトなものの、E-M5 Mark II比でグリップが少し飛び出しているのと、親指側のグリップが大きくなったことで、サイズ以上の握りやすさは実現していると思います。
やはりバランスのいいレンズはPROレンズの単焦点シリーズぐらいまでで(もちろんサンヨン以外の)、中でもM.8mm Fisheye PROはかなりのベストバランスに感じました。M.12-40mm PRO位なら問題ないと思いますが、M.12-100mm PROとなるとちょっとレンズとのバランスが悪く感じてしまいました。
気になっていたフィッシュアイ補正撮影機能(M1 MarkII、M1Xには搭載)はちゃんと入ってました。
M.25mm F1.2 PRO、見た目は若干フロントヘビーですが持った感じは悪くない。
サンヨンはさすがにこのバランス。後発のグリップ(EGC-5)が待たれますね。
ちなみにEGC-5に対してさらに(先代機のように)バッテリーを追加する縦位置グリップが登場するかは現時点では不明。オリンパスの人も「EGC-5側に電子設定があればあるいは……」みたいなことは言ってました(EGC-5現物をまだ見ていないそう)。
236万ドットで解像度、倍率は据え置きながら有機EL化されたファインダー(EVF)。有機EL化により視認性が向上したと説明員の方は仰っていましたが、個人的にはそこまで大きな違いは感じなかったかも……。E-M1 Mark IIと持ち替えての不自然さはないものの、最近の各社ミラーレス機に比べてるとオリンパスのEVF全般にやや見劣りしてしまうのは正直なところ。
ただし有機EL化により偏光サングラスをかけた状態でのファインダー使用が可能になった(と思われる)のは、アウトドア仕様においては嬉しいポイントかもしれません。
Bluetooth搭載で電源オフ時もスマホから接続可能に
これまでのOM-D/PENシリーズにはなかったBluetoothが搭載された今回のE-M5 Mark III(とPEN E-PL10)。省電力のBluetooth Low Energyにより、カメラ本体が電源OFF状態でもスマートフォンのOI.Shareアプリから本体の起動、接続が可能になったそうです
Bluetooth Low Energyは転送速度は低いので、接続後はWi-Fiでの通信に切り替わり、撮影データやリモートの送受信を行うそう。
鞄等に本体をしまった状態でも、スマホから写真を呼び出せるようになったのはかなり便利ですね。
E-M5 Mark IIIで撮った写真など……
せっかくのデモ機撮影タイムですがメニューをチェックしたり、自由にレンズを使えることばかりに気が回って(マクロ、サンヨン等)、これといった写真は何も撮れてなかったり……(苦笑)
ずっと買おうか迷っている60mm F2.8マクロはピントもシビアで思ったより使いにくかった……
一方で、M.30mm F3.5は焦点距離もあってめちゃ使いやすい。マクロレンズを買うならこっちか?とか……(E-M5 Mark III全然関係ないですね)
M.12-100mm PROでの手持ち長秒(2.0秒)はちょっとブレてしまった……。E-M1 Mark II同等の手振れ補正性能とのことですが、M1系ほど安定したグリップではないのでその点は注意して。
最近35mm付近が好きなので、M.17mm F1.2 PROが気になるけど……
M.25mm F1.2 PROを使うとやっぱりPRO単買うならこっちかな?みたいな。
RAWでも撮っていたのですが発売前の機種につきLightroomでの現像不可なので全てJPEG画像です。
E-M5 Mark IIIメンテナンスパッケージLite、購入宣言キャンペーンなど
最後にE-M1 MarkIIユーザーにはお馴染みのメンテナンスパッケージ(私は2台加入中)の紹介。E-M5 Mark III用は「Lite」ということで、価格が下がった代わりにリフレッシュ整備(分解清掃、消耗部品交換)やプレミア会員延長がなし。正直そこまでのお得感はないかも?
その他、E-M5 Mark III及びE-PL10の発売日前日までに(実際に買っても買わなくても)購入宣言をしておくと、BLS-50が1本貰えるキャンペーン。購入の可能性が1%でもあるならば、とりあえずポチっておくといいかもしれませんね(ポチった)。
OM-D E-M5 Mark III・OLYMPUS PEN E-PL10 発売前購入宣言キャンペーン!!
OM-D E-M5 Mark III・OLYMPUS PEN E-PL10 発売記念キャッシュバックキャンペーン!
その他、キャッシュバックキャンペーンや、これから大阪、札幌、福岡、東京で開催される「OLYMPUS Photo Festa 2019」(名古屋は終了)についてなど。
OLYMPUS PHOTOFESTA 2019|ズイコーフレンドクラブ|OMデジタルソリューションズ
OM-D E-M1 Mark IIのサブ機として魅力的かも?
ということでE-M5 Mark IIIを触ってみた感想ですが、発表当初に持った電池等へのネガティブな印象は多少残るものの、E-M10 Mark IIIに迫るレベルの小型軽量化についてはそれなりの意気込みを感じましたし(今後E-M10系をどう扱うか? OM-Dのラインナップをどう整理するかも気になるところですが……)、実際M1 Mark IIのサブ機として考えた際に、このコンパクトさは大きな魅力になるように感じました。
特にFisheye PRO、12-40PRO、30/60mmマクロ等の小型レンズとのバランスは抜群なので、少しでも機材重量を抑えたいアウトドアや旅行では、E-M1 Mark IIを2台よりもE-M1 Mark II+E-M5 Mark IIIという組み合わせが取り回しもよくなりそう(注:既にE-M1 Mark IIのサブ機としてE-M1 Mark IIを使っている人間が、サブ機の選択肢が増えたらいいなーという文脈での発言です)。
弱点と思われる電池周りですがサブ機運用ならば多少の余裕も出ますし、USB充電が可能となったことで(給電は不可)、比較的スムーズな継ぎ足し充電などが可能になると思われます。
もちろんE-M5 Mark III単独で軽量なアウトドア用システムを組むのもいいと思いますが(12-200mmがベスト?)、E-M1 Mark IIユーザーがサブ機として使う場合には、これまでのM5 Mark II以上にスムーズな使い分けができるモデルになりそうです。
おまけ:せっかく新宿まで行ったので、石井スポーツのビックロ店に寄ってから妻と待ち合わせて食事など。テムレスブラックでも買おうかと思ったのですが、Lサイズはカフ付きしかなかったので諦め。カフ付きは結局ドローコードを付けることを考えるとカフ部分のコード等が邪魔になりそうかなと。
写真は百日紅のラーメンとつけ麺です。