I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

今冬初の雪山へ、3年ぶりに歩いた雪の上州武尊山・剣ヶ峰山

久々の雪山というか久々の登山。3年ぶりに群馬県の武尊山に行ってきました。

今シーズン最初の雪山は上州武尊山へ

昨年から色々と体調、メンタル共に低調気味でせっかくの雪山シーズンになっても全く山に行ってなかった今季。「直前になって行く気がなくなる病」にも何度か見舞われ、楽しみだったはずの厳冬期も終わりを告げ、花粉も飛び始める頃になってようやく山に出掛ける気力が少しずつ戻ってきました……。

……といっても、雪山どころか登山自体が昨年の10月以来なのであまりキツくないコース。かつ雪山感がしっかり味わえて、なんならリフトやロープウェイを駆使して最初から雪景色の中を歩ける山がいい。天候等の条件から検討した結果、群馬県の日本百名山「武尊山(ほたかやま)」に行くことになりました。

前回武尊山に訪れたのは2020年の2月。丁度降雪の直後だったので雪はたっぷり、爆風にさらされながらも新雪と霧氷に囲まれた美しい稜線を歩く楽しい雪山登山でした。写真を振り返っても、めちゃ条件良かった。

天気さえよければ危険な場所も少なく、雰囲気の良い雪山の稜線を歩くことができる楽しいコースです。

まずは冬の武尊山登山のエントリー口である川場スキー場へ。スキー場までの道路は既に雪もありませんでした。結局今シーズン、スタッドレスタイヤが活躍(?)したのは東京に降雪があった日ぐらいでしたね。

川場スキー場のリフトを経由して武尊山登山を行う場合、川場スキー場の専用登山届の提出とココヘリの携帯(持ってない場合はレンタル)が必要です。朝7時半から登山届の受付とリフト券の販売がスタート。

専用の登山届は事前に川場スキー場のサイトからPDFをダウンロードしての記入が可能、ココヘリも事前予約しておけば当日の手続きがスムーズになるようです。ココヘリを持参の場合、窓口で番号をチェックされます。
アクティビティ|雪山登山|川場リゾート

3年前はまだココヘリ未契約で、前回の武尊山登山の後すぐに契約をした我々ですが、現在もココヘリのレンタル率は高いようでした。個人賠償責任補償や用品補償の他、昨年からjRO(遭難時の救助費用保証)も付帯するようになりましたし、全登山者必須のサービスだと思います。
COCOHELI ココヘリ | 会員制捜索ヘリサービス

ということで8時スタートのリフトに並び、そこから2本のリフトを乗り継ぎます。天気はご覧の通り、なかなかいい感じ。しかしながらこの前日は曇天の強風で、途中撤退が続出だったようです。

スタートダッシュで思いの外、息が上がる!?

川場スキー場のトップから尾根に上がり、そこから尾根伝いに武尊山山頂を目指すピストンコース。コースは前回と全く同じなので、レポートは簡単にしておきます。

前回は尾根に出たらすぐに強風でしたがこの日は驚くぐらいに穏やかな天気。この段階でこの日のトップですが、しばらく降雪もないせいかトレースはくっきり。気温は雪が溶けない程度に日中まで氷点下ひと桁台(午後はプラス気温だったかも?)、雪もかなり固くしまっています。

振り返ると続々と登山客が登って来ます。久々の雪山なのでのんびり行くつもりでしたが、かなり人数の多い高齢者グループがいたので先に行かせて貰うことに…… いつも通りのペースのつもりでしたが、久々の山なのに少し無理をしていたようで、これが思いの外この後響いてしまった。

尾根に出てすぐの急登。朝イチは結構ガチガチなので、アイゼンとピッケルを効かせて登ります。

うーん、いつもより息が切れるような。既に腿にもキテる……

最初の急登を超えると視界が開けます。谷川岳方面、ほぼ晴れてるけど少しだけガスがある?

やはり最初に少し飛ばし過ぎたようで、一気に体力を持って行かれたのでスローダウンして呼吸を整えます。この先は、前が詰まる場所も少ないですし、速い人にはどんどん抜いてもらってのんびり行きます。

まずは目の前に見えている剣ヶ峰山を目指します。

緩い斜面で息を整えて仕切り直し。写真の右手奥に見えるのが武尊山の山頂。

相変わらずジェラートのような剣ヶ峰山の山頂部。整えた息が再び上がってしまう……(苦笑)


剣ヶ峰山〜気持ちの良い雪の稜線歩き

展望の良い剣ヶ峰山(2020m)の山頂部。

雪に埋まった剣ヶ峰山の山頂標識。正面少し左手が武尊山(沖武尊)。

剣ヶ峰山からの下りが積雪期の武尊山登山の注意ポイント。下りの際は転倒にだけは注意しましょう。軽アイゼンやチェーンスパイクの人も少し見かけたので、スリップにも気をつけて。最初の急登もあるので、できればちゃんとしたアイゼンを履いておくのがオススメ。

剣ヶ峰山から先の全行程がほぼ一望できます。じわじわと下って、登る。帰りも同じ。

どんどん登山者がやってきます。

左端が谷川岳。うっすらと山の上に掛かっているグレーのガスっぽいのは何だろう?

剣ヶ峰山は尾根の北側から見た方がカッコいいですね。

この先はくっきりトレースのゆるふわスノーハイク。暑くなってきたのでハードシェルも脱ぎました。


この先から登り返しが始まります。

最後の斜面。

剣ヶ峰山と同じぐらいの高さまで登り返したでしょうか。

私よりも妻の方が調子良さげ。やはり最初は私のペースに付き合ってかなり息切れしたみたいだけど、その後は調子を取り戻したそう。アイゼンを12本爪から10本爪に買い替えたのも結構具合がいいみたい。

山頂手前の展望ポイント。谷川連峰に掛かってたガス?も消えましたかね。

もう山頂はすぐ目の前。

2月中には見事なエビが見られたことでしょう?


武尊山山頂へ∂

10時過ぎ、武尊山山頂(2158.3m)に到着。うっすら雲があるので太陽にハロが出てますね。

前回はバラクラバが手放せない強風が吹き荒れていましたが、この日は山頂でも微風レベル(とはいえ、休憩時はハードシェルを羽織りました)。楽勝のつもりでしたが、思いの外心肺も足もいっぱいいっぱいでした。

足元は昨年末に新調していたアイゼン(クランポン)。前と同じペツルのバサックです。かなり爪が減っていたのと、ワンタッチ仕様にベルトも思い切ってカットしていたこともあり、古いアイゼンは残雪期等のセミワンタッチ靴用にして、新しいアイゼンは冬靴もセミワンタッチで使うことにしました。

ワンタッチでもアイスクライミングなどでは問題なかったですが、なぜか突然靴から外れたことがあり(確か前回の武尊山の山頂休憩時)、最近はセミワンタッチが主流のようですしその流れに乗ることにしました。

広くて360度見晴らしの良い山頂。そうこうしてる間に、どんどん登山客が登ってきます。

中ノ岳方面。時間に余裕はありますが、正直普通に疲れたので素直に今日はここまで。

しばらく休んでいる間にすっかり大混雑の山頂。手軽な雪山というのもありますが、装備などを見ていると最近雪山を初めた人も多いかも?という印象も。やはりコロナ禍を経て登山人口は増えているのでしょうかね。

歩いてきた稜線と谷川連邦。いつものED 7-14mm F2.8 PROにて、やはり山に広角は必要だなぁ。

サブ機で持ってきていたGF10とLUMIX G 20mm/F1.7 II(40mm相当)でも。標準画角も結構使うけど、記録写真なら広角ズームのトリミングでも良いかなぁ。敢えて別に持ってくるなら中望遠ですかね。





来た道をのんびり下山

11時近くまでのんびり休憩したのでそろそろ戻りましょう。

この時間、まだまだ登ってくる人は多いですね。車でなくスキーバス利用だったりするのかな。

山頂直下を下りたら今度は剣ヶ峰山までの緩やかな登り返し。

久々の雪山を満喫しながらのんびり行きましょう。

イイネ?👍 以前はダルマはよく見ましたが、最近はこんな型もあるんですね。

剣ヶ峰山と昼過ぎの太陽。前回もこんなの撮って気がする……。

丁度、最後の登りで日陰に入るのでこんな感じで撮りたくなる。

撮ってましたね。これが2020年、レンズも同じ。そして雪が多い。

剣ヶ峰山からの谷川岳。雪がたっぷり残っているのは白毛門かな。

剣ヶ峰山からの見晴らしの良さよ。南方面は少し雲が多め。

朝はガリガリだった急斜面も雪が緩んでサクサク下りられます。

3月に入って雪はやや少なかったものの、やはり良い山でした。風もなくハイキング日和でしたが、次回はやっぱりもう少し冬を感じられる時期に来たいですね。あとはもう少し体力戻さないと……。

今回のカメラはようやくOM-1の雪山デビュー!? ……かと思ったら、なぜかE-M1 Mark IIIなのでした(OM-1はメーカー保証が切れる前に気になる部分についての修理出し中)。

もう1台はGF10と20mm。こちらは42.5mmを付けておくのが正解でしたね(前回は45mm F1.2 PROを2台目としてよく使ってた時期で、これはとても良かった)。とはいえLVモニターだけのカメラは雪山ではあまり視認性もよくないので、割り切って1台だけでも十分かも。

再び2台のリフトを乗り継いで川場スキー場を高速下山。

窓口で下山の受付をしてリフト券のデポジット返却を受け取ります。瓶コーラの自販機も健在でした。

上州沼田とんかつ街道でランチと河岸段丘を見下ろす温泉

下山ランチは「上州沼田とんかつ街道」の「とんかつトミタ」へ。お座敷から片品川の河岸段丘を見下ろすことができる眺めの良いとんかつ屋さんで、ブラタモリの沼田の回にも登場したようです。

メニューはこちら。

食べたかったのはカツ重(カツ丼)。以前、尾瀬の帰りに立ち寄った「ゆき藤」(この日はランチタイム営業に間に合わず)のカツ丼がとても美味しく、沼田に来たらまたカツ丼を食べたかったのでした。

お重にご飯たっぷりで満腹になりました。お肉も分厚く美味しかった。

食後は近くの「道の駅 白沢」併設の温泉「望郷の湯」へ。河岸段丘を見下ろす眺めの良い露天風呂があります。

武尊山もよく見えます。

温泉で久々の登山の汗をサッパリ流すことができましたが、その間に関越渋滞が始まってしまい帰路は大ハマリ。日帰り登山で昼過ぎに下山できたなら、温泉か食事のどちらかを我慢してもさっさと帰ってしまうのが正解…… 毎度学んでいるはずですが、なんやかんやで下山飯と下山温泉の魅力に負けてしまうのよね。

YAMAPプレミアムを解約しました

登山地図アプリYAMAPの有料会員「YAMAPプレミアム」を解約しました。

自分がYAMAPを使っているのは、カシオのスマートウォッチSmart Outdoor Watch WSDシリーズ(PROTREK Smart)との連携が主な目的で、スマートフォンの登山地図アプリは「山と高原地図ホーダイ」がメインなのですが、サービスの応援の意味も含めて以前からYAMAPプレミアムに加入していました。

しかし、昨年2022年11月にYAMAPプレミアムの料金が改定されました。年割プラン5,700円(旧価格3,480円)或いは月額プラン780円(旧価格480円)と結構いいお値段に……。
そんな中、新料金が適用される年会費の更新が、来週に迫りました。

YAMAPプレミアムの特典として無料ユーザーに対して色々と用意されてるのですが、私自身はどれも利用してないものばかり……。肝心のスマートウォッチに関わる特典は何もありません。

YAMAPプレミアムのご紹介 | YAMAP / ヤマップ

登山計画は「山と高原地図ホーダイ」と「Compass」、山行中にスマホのYAMAPアプリは使っていませんし(ログの記録、位置確認はスマートウォッチのYAMAPアプリ単独でできる)、他ユーザーとの交流に関心もなく、別途「ヤマテン」「登山天気」に課金しているので「詳細天気予報」も不要。通販を利用したことはありません。

最近は山行回数がかなり減っていますし、以前よりもYAMAPのユーザー数も増えてサービスも大きくなってきたので、応援課金はそろそろ止めていい頃かもしれません。

サービスの向上、維持のため有料会員が必要なことは理解できますが、最近のYAMAPが力を入れている方向は私が求めてるサービスとは少し違うみたい。
多機能化で料金アップよりも「基本機能は基本料金、オプションは別料金で」みたいな方が有り難いのですが(元々、多機能目当てで課金した訳ではないので)、なかなかそうも行かないようですね。

残念ながらカシオもWSDシリーズの開発を止めてしまったようですし、恐らくWear OSのYAMAPアプリも今後の大幅なアップデートは期待できないでしょう。
手元にあるWSDシリーズがあとどれぐらい使えるかは不明ですが、次のスマートウォッチ地図に関してはまた別途検討することにします。Apple WatchならYAMAPかヤマレコが使えますが、現在はスマートフォンをiPhoneからAndroid(Pixel)に乗り換えているので、その辺りも検討課題。

スマートウォッチの内蔵充電池が劣化して使えなくなるのが先か(WSD-F30がダメになったら再びF20を使うぞ)、スマホOS側の対応を含めYAMAPアプリが使えなくなるのが先か? 使えるうちには引き続きWSDシリーズと無料会員でのYAMAPの組み合わせで登山を楽しむつもりです。

* *

おまけ:先日読んだ、地図アプリ「ジオグラフィカ」の開発者さんによる登山地図アプリの歴史が面白かったです。私が最初に使ったスマホGPSと連動した地図アプリは「山と高原地図」で確か2013年頃のこと。

ヤマレコのWEBサービスは登山を初めた当初から使ってましたが(山と高原地図アプリで取ったログを転送していた)その後登場した地図アプリを使うことはなく、YAMAPは2016年に初代のWSD-F10を使う際に初めて初めて名前を知りました。WSD-F20が登場した2017年からYAMAPを積極的に使うようになり山行記録をヤマレコからYAMAPに移行。スマホ地図もしばらくYAMAPを使っていた時期もありますが、その後サブスク版の「山と高原地図ホーダイ」を知って戻りました。各サービス、大変お世話になっています。

山と高原地図ホーダイ 登山地図・GPSナビ

山と高原地図ホーダイ 登山地図・GPSナビ

  • Shobunsha Publications, Inc.
  • ナビゲーション
  • 無料

tenki.jp 登山天気-山頂やルートの天気予報アプリ

tenki.jp 登山天気-山頂やルートの天気予報アプリ

  • 一般財団法人 日本気象協会
  • 天気
  • 無料

ジオグラフィカ | 登山用GPS

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  • keiji matsumoto
  • ナビゲーション
  • 無料

伊豆諸島・八丈島で八丈富士と三原山をハイキング、島の温泉と郷土料理を味わう

東京から東京(島嶼地域)へ行く旅、夜行フェリーに乗って伊豆諸島の八丈島を訪れました。到着日(10/30)は島内に2つある山、八丈富士(西山)と三原山(東山)を歩いてきました。


八丈ストアで買い物をして八丈富士登山口へ

八丈島に滞在予定の2日間、天気予報が微妙でほぼ曇り予報。もし晴れ間があるようならば、その隙を見て山に行こうと思ってましたが、思いの外に初日から晴れていたのですぐ八丈富士に向かうことにします。

レンタカーを受け取って最初に向かったのが「八丈ストア」。島内にスーパーマケットはいくつかありますが、規模が大きなものはこの「八丈ストア」か、東京都八丈支庁の近くにある「あさぬま大賀郷店(ASANUMA)」になるようです(どちらも地元向けの店舗なので、しまぽ通貨は使えません)。

ペットボトル飲料とゼリー(ウィダーインも売ってます)を仕入れつつ、気になっていた八丈ストアの島寿司をチェック。ヅケと酢飯、練り辛子なのでこの季節ならばお弁当にしても大丈夫そうですが、ひとまず確認のみ。
後で買って食べましたが、めちゃくちゃ美味しかったです(数少ない島寿司体験の中でも一番)。八丈島に滞在予定があるなら、八丈ストアの島寿司は絶対に食べておいた方が良いかも。

八丈ストア前からは一本道で八丈富士に登って行くことができます。レンタカーがあまりに坂を登らないので笑ってしまいまましたが、NAの軽自動車ってそんな感じなんですかね(ターボ車しか知らなかった)
たった2日の滞在なので下から歩いて登るなんてことはせずに、当然のように車で行けるとこまで行きます。登山口の少し手前にある「空港展望台」で一時停車。

展望台からはひょうたん島の形がよく分かります。向こう側に見えているのが「三原山(東山)」、島の中央に八丈島空港、があって、くびれ部分の左右(東西)に2つの主要港。

こちらが到着港だった八重根港。丁度、我々が乗ってきた橘丸が東京に向かって出港したところです。

こちらは普段メインで使われる底土港。波が高く船の姿はありません。

八丈富士登山口前の10台ほどの駐車スペースはラスト2台でした。殆どがレンタカーですですが、それ以外のナンバーは少し大きめの車なので、ガイドツアーなどかもしれません。


八丈富士ハイキングへ

それではスタート。山頂部も見えてますし登山というより軽めのハイキング。

登山口を入ったところにも3〜4台ぐらい停められそうなスペース。

八丈富士(854m)は伊豆諸島の最高峰(伊豆大島の三原山は758m)。

お鉢の縁まではコンクリート舗装された階段です。

富士山や伊豆大島三原山でも見慣れたスコリアの地面。

基本的には樹林帯の中。本土はすっかり秋ですが、やはり南の島(といっても緯度的には高知県や大分県と同じぐらい)だけあって緑が目立ちます。

南の島感があるシダ類もワサワサと。

階段は一部崩壊しているものの、まあ登りやすい。

途中、朽ち果てた鳥居など……。

振り返ると底土港方面がよく見えます。正面の市街地が島で最も人口の密集したエリア。先程の八丈ストアやレンタカー、この日のランチ、泊まる宿なども全てここにあります。


八丈富士、火口のお鉢めぐり

山頂の火口跡、お鉢に出ました。

ここからお鉢めぐり。山頂は時計回りに20分ほど行ったあたり、1周1時間弱といったところのようです。

お鉢めぐりは基本時計回りがローカルルールのようですが(?)、YAMAP地図には逆時計回りのコースタイムも載っていましたし、この時点でのお天気的に楽しめそうな逆時計回りを選びました。ただしお鉢の登山道がかなり細いので、すれ違いなどを考えたら時計周りの方が安全かも。

徐々に雲が掛かりつつあったので、こちらの方が気持ちよさそうだったのですよね……。

お鉢の縁に登山道が付いているのですが、人1人が歩ける程度、かつハイマツに似たイヌツゲが膝から腰に掛けての高さで両側から生えている中をガサガサ抜けて行くことになります。夏はさらにイヌツゲが元気そうですし、短パンで歩くのはあまりオススメしない感じ。

足元注意の立て札が何度も登場。アクセスが簡単なお鉢までの舗装路に比べると突然登山道になり、落とし穴のような割れ目だったり、場所によっては左右がすぐに切れ落ちているので強風の日などは無理は禁物。おしゃれ革靴やデッキシューズの人も見かけましが、一部にぬかるみもあるので足元がかなり汚れていました。

左手には火口、右手に海を眺めながらの絶景登山道、八丈小島が見えてきました。ということは島の北を少し回り込んだあたりですね。

お鉢から火口内に続く溶岩の穴がありました。丁度、浅間神社(後述)の上あたりっぽいけども奥は道になっているのだろうか……? 他にもこのような小さな穴は数カ所見られましたが崩れても嫌なのでスルー。

せっかく八丈島に行くならグリーンシーズンが良いなと思ってましたが、10月末でも(多少枯れた草やススキが目立つようになってますが)まだまだ十分緑が楽しめます。

イヌツゲはこんな感じ。海がなければハイマツの稜線を歩いているみたい?

火口すごい。近くで覗き込めますが落ちたら確実にアウト。

結構際どいとこに登山道があります。強風の日はマジで止めた方が良さそう。

八丈小島が見えます。大越灯台が見えます。

八丈小島は注意がなくてもめちゃめちゃ見えてます。

灯台は言われないと気づかなかったですね。

この辺り、火口の内側が切れ落ちていてすごい迫力。

火口パノラマ。実際に歩いてみるとかなり大きい。本家富士山ほどではないものの、火口の直径は伊豆大島の三原山より大きいそうです。富士山や三原山と違って、巨大な火口内が森になっているのも初めて見る光景です。

油断すると火口の中に落ちてしまいそうな割れ目の落とし穴。

火口を3/4周ほどして山頂が見えてきました。普通に時計回りすれば20分程度です。

八丈富士の山頂(854m)はお鉢の中の最高地点、あくまで登山道の途中という感じ。

先程の切り立った崖を内側から見る。人が歩いてますが火口のスケール感、分かるでしょうか。

火口内にはいくつか池があるようです。

映画『君の名は』にこんな風景ありましたっけ?(よく覚えてない)

振り返れば三原山(東山)。八丈富士が円錐形に近いキレイな形をしているのに対して、全く違った形をしている三原山。どちらも火山活動による山ですが、その成り立ちが違うのでしょうね。ちなみにこちら側の八丈富士(西山)の方が新しい火山です。

八丈島空港。島の中央に東西の半分近くを使って滑走路が走っています。周辺を車で走ってみると元の地形か盛り土なのか、滑走路は一段高くなっていて、大島空港のように横から滑走をを見渡すことはできません。

今回は行きませんでしたが、八丈島の中腹に「八丈島ふれあい牧場」。

それでは山頂を後にします。お鉢めぐりの分岐点から山頂までも足元が凸凹なので、山頂だけ踏みたい人も最低限スニーカー程度は履いておくと良いでしょう。

山頂を振り返る。そういえば海外からの観光客に数組会いましたが、訪日観光客が戻ってきているのかな? 観光客の多くは山頂だけ踏んで戻る人が多いみたい。


八丈富士 火口内の浅間神社へ

戻ってきました。中央火口内に下りる道があり、中には「浅間神社」があるそうです。

富士の樹海っぽいかも。


中には湿地もあったりと。


鳥居がありました。やっぱり樹海っぽいですね。

奥にはさらに古い鳥居。ペイントされた石はなんだろう。ドラえもん?

雰囲気ありますね。

火口の中から見上げる。

それでは駐車場に戻りましょう。時間は12時過ぎ、なんとかランチタイムに間に合いそうです。

スクーターや自転車で登ってきた人もいるみたい。


魚八亭で刺し身&定食ランチ

ランチにやってきたのがこちらの「魚八亭」。ランチタイムは15時まで(14時半ラストオーダー)、既にランチのピークを過ぎたのか店内は我々のみでした。支払いはしまぽ通貨が使えます。

ランチメニューと黒板メニューの地物お刺身。オススメ刺身はキンメダイ以外は聞いたことがない(多分、食べたこともない)魚ばかり。メダイはさっき八丈ストアで見たけども。

定食を頼みつつ、お刺身も注文。オオヒメとアカサバ。アカサバは一見すると赤身なのですが、赤身系の味ではなく白身魚に近い味です。おもしろい。そしてどちらも美味い!

まだ運転があるのでノンアルビール。刺身に添えられた小さな青い唐辛子は島唐辛子です。半分に切られた島唐辛子を醤油に漬けるだけで、すぐに唐辛子醤油の味になります。伊豆大島でも買った青唐辛子醤油、結構長時間漬け込むのだと思ってたけど一瞬でいいのですね。お店の方にスーパーで売ってると教えて貰いました。

そしてメダイフライの定食。上質の白身フライで最高です。

こっちは妻のサワラの幽庵焼き定食。


三原山は山頂直下まで車で

さて、食事が終わった時点で14時。これから三原山に登りたいところですが、山の北側にある登山口から登った場合、往復で2時間半ぐらい掛かりそうです。もう登山は諦めて車で行けるとこまで行くことにします。

三原山は山頂付近まで道は通っているのですが、島の周回を走っている「八丈一周道路」から「三原林道」に入って行くと、結構な酷道を走ることになります。アスファルトに穴が空いていたり、崖崩れがあったり、ガードレールのない区間、対向車が来たら詰む区間もそこそこあります(ストリートビューで見られるので事前に確認しておくと良いかも)。今回は日曜の午後ならもう誰もいないだろう……と。

結局、車1台もすれ違わないまま山頂手前の分岐まで来られました。最後まで車で行けるようですが、少しは歩かないとランチを消化できぬまま宿の食事に臨むことになるので車を下りて30順程林道を歩いて行きます。

最後の分岐から山頂までの林道はこんな感じ。


露頭があありました。

突然広くなってます。車を停めたり展開するスペースはそこそこ。結局、運転時間とここまでのハイクを足したら、北側の登山道を登っても時間は変わらなかった気もします。次回来ることがあればちゃんと登ろう。ちなみに三原林道は携帯が入らないので、脱輪などあったら結構面倒です。

三原山山頂にはNHKや東京都のアンテナや中継所などの各種施設。

三原山山頂へ。

山頂です。標高701m、八丈富士より150mぐらい低い。山頂はかなり狭く、見晴らしは西〜南方面はそこそこ。

八丈富士はなんとか見えます。

たぶん、島の最南端に伸びる岬。

15時過ぎ、日没まではもう少しありますが既にこんな空。シャー。

三原山山頂の展望が少々微妙だったので、山頂から西に伸びる登山道を少し進んだら多少展望の良い場所がありました。かなり雲が掛かってしまいましたが、八丈富士も八丈小島もしっかり見えてます。このぐらいの高さから見る八丈富士が一番綺麗な富士山型ですね(下から見上げると中腹の段が目立ってしまう)。

先程向こうからこちら側を眺めたばかり。

東京都の防災無線中継アンテナ。

こっちははNHK八丈テレビの中継アンテナだそう。


登山ルートとGPSログ

とりあえず八丈富士と三原山のYAMAPログ。間の車移動は記録してないので直線になってます(2つの記録を敢えて分けるほどでもないですし、表示を消すことができるといいのですが……)。


八丈島:八丈富士(西山)&三原山(東山) / OKPさんの西山(八丈富士)東山(三原山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

大池・小池の路

再び車で少し林道を戻って「大池・小池の路」。ちょっと気になったので立ち寄ります。

もう16時過ぎですし、戻りがてら行ける場所には行っておこうかなと。

「小池」だそう。

こちらは「大池」、これはどう見ても人が掘った人工の池では……? あと虹が出てます。

なぜこんな場所に人工池が…… と思ってましたが、水辺遍路さんによるとやはり天然の池なのかな。そして三原山山頂部はカルデラになっていたのですね。

林道を戻る途中でまたシャーが見えたので。

不思議な海の水面。時間が止まっているように見えます。

川沿いに巨大なコンクリート建造物が…… これは、橋桁? 道路を通すのでしょうか。


樫立向里温泉「ふれあいの湯」

宿にチェックインが遅れる旨の連絡を入れてやってきたのが樫立向里温泉(かしたてむかいざと)「ふれあいの湯」。八丈島に数箇所ある温泉は中心地にはなくて、全て島の南側(三原山の麓周辺)に集中しています。宿では温泉に入れないので三原山に来たついでに寄っておこうと。

入浴料はなんと驚きの300円! 殆ど地元の方が来ているような温泉ですが、人懐っこい島民の方に話しかけられて翌日回る場所のオススメを聞いたり、ナトリウム泉のお湯もいい感じでした。

「やましたのおやど」で八丈島郷土料理:島寿司、トビウオ、くさや

すっかり暗くなってからのチェックインですが、この日はこの「やましたのおやど」に宿泊。最初のレンタカー屋のすぐ近く、八丈ストアも徒歩エリアです。

和室もありますが今回はツインベッドの部屋を取ってみました。靴は玄関で脱いでいるので、小テーブルには座椅子。写っていませんがユニットバス付きのお部屋、もちろんテレビもあります。別に浴場もありますが、既に温泉に入っているので利用しませんでした(写真を撮ることすら思い浮かばなかった……)。

18時半から夕飯で1階の食堂へ。この宿では夕飯に八丈島の郷土料理を食べさせてくれるそうです。宿泊客は他にもいたようですが、食堂で食事をしていたのは私達だけでした。やはり日曜泊は少ないのかな。

お刺身、もちろん島とうがらし付き。

フライはトビウオ。肉厚でボリューム満点。

カルパッチョ入りのサラダに、明日葉の和え物、一緒に合えられているのは…… くさや! くさや、実は昔から気になっていながら、まだ未体験だった食材です。伊豆大島でも食べる機会を逃しました。
ちなみに伊豆諸島特産のくさやの中でも、南に位置している八丈島は均気温が高いことで、くさや液の塩分濃度が高くなっている分、塩抜きを丹念に行っていることで臭みは薄めなのだとか。本当か?

食べてみると、これは確かに、くさや(語彙力)。ブルーチーズの強力な奴というか、独特のアンモニア臭?が鼻に抜けていく。マヨネーズ系の和え物で食べやすくはなっていますが、逆にくさや自体の旨味はそこまで感じることがなく(味の濃い干物であるのは分かる)、独特の匂いが目立つというか……。
焼いたくさやの、旨味と臭さのせめぎ合い(?)みたいな感じに興味はあったのですが、それはまた今度ということで(帰りに空港で干物を買ってしまった)。この小鉢は私も妻も普通に完食できました。

そして島寿司。メダイともう一種でしたが失念。八丈島の島寿司はワサビの代わりに練り辛子が使われています(伊豆大島の島寿司/べっこう寿司は唐辛子醤油のヅケ)。白身魚のヅケと甘めの酢飯、和辛子がマッチした美味しいお寿司です。

最後に明日葉入りのお椀が出てきます。これはお腹いっぱいになる内容。
島寿司も食べられるのが嬉しいですが、他のおかずがご飯に合うものばかりなんですよね。くさやの和え物も熱々のご飯があったらまた違ったかも……?

満腹になって部屋に戻ってからは、八丈島でなく小笠原クラフトチューハイを飲んだり……

懐かしい『るろうに剣心』を紀尾井坂の変まで読んでうっかり夜更し。京都編は長くなるので諦めました。

八丈島1日目。ひとまず2つの山は登ることができたので(登るとは?)、翌日は車で島内一周して夕方の飛行機で帰京です。天気予報は残念ながら1日曇り予報ですがどうなることか……。

ワークマンのメリノウール製品がますます充実! ワンコインのインナーグローブにメリノパンツ等々

なんだかまたワークマンで色々と買ってしまった……。

先月末のこと、そろそろワークマンに秋冬モノが並んでいる頃かなと覗いてみました。昨シーズンに買ったメリノウール混の靴下は悪くなかったですし、秋冬モノの在庫が潤沢なうちに少し追加しておこうかなと。買ったのはメリノウールの靴下と長袖シャツ↓、さらに昨日追加で買ったのが↑になります。

地元ワークマン、いつの間にワークマンプラス(WORKMAN Plus)になってた

メリノウール製品を本格的に着用する季節にはまだ少し早いですし、使用レポートという訳ではありませんが(一部は2週間ほど着用)この秋冬シーズンはこんな製品がワークマンに並んでますという紹介がてらに。
ネットで話題になったり本格的な冬シーズンに入ると、品切れするアイテムも出てくると思うので、気になったら在庫が潤沢な今のうちに確保しときましょう!?

ワンコインのメリノインナーグローブ

ということで今回の目玉はこの499円のインナーグローブ。メリノウール60%(他ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンとの混紡)の薄いニット手袋。以前から雪山登山の際に愛用しているモンベルの「メリノウール グローブ タッチ」にもよく似た雰囲気(厚さも)で、タッチパネル対応ではないもののこれがワンコインは安すぎる!ということで2セット購入しました。

サイズはワンサイズ(F)のみで、モンベルのMサイズと丁度同じぐらい。今回買った中で登山で使う予定なのはこれぐらいかな。モンベルの在庫がまだまだあるので、しばらくは予備として携行予定。

私の手で少し大きめぐらいなので洗濯で縮んだらジャストサイズになりそう。妻は指先がかなり余る感じだったので、手の小さい女性には少し大きいかもしれません。


メリノウール100%の長袖シャツ

続いて丸首の長袖シャツ。メリノウール100%の長袖シャツが1,900円はこれまた破格です。ちなみにウエイトが同じぐらいで、アウトドア用メリノウールシャツとしては比較的お手頃なモンベルのスーパーメリノウール(M.W.)でも7,000円オーバー(アウトレット品で4,700円とか)なので、とんでもなく安い。

一般的なメリノウール製品の性能と同様なら当然登山などアウトドアの肌着にも使えそうですし、もちろん普段着としても冬場に重宝しそう。先月末に一着買ってしばらく着てみましたが、数日連続で着用しても匂いなどが気になることもなく、それなりの性能はありそう。ということで追加で色違いをもう一着(黒と紺)。

これまで冬の肌着は無印良品「綿であったかインナー」やユニクロ「ウールブレンドドライTシャツ」、そしてヒートテックを使ってましたが、ヒートテック肌着は乾燥肌のせいか痒くなりやすいこともあり今シーズンはもう処分することに決定。

それにしても普段着としてメリノウールが気軽に使えるのはなんとも贅沢。洗濯時はネットインで脱水後に取り出すつもりですが、うっかり乾燥機まで掛けてしまうこともありそうなので(そういえばワークマンのメリノ靴下はいつもそのままでした)ヘタリ具合などはまた追ってレポート予定。

追記:メリノウール肌着、チクチクしないし少し汗ばんでもベタつかずにサラッとしてて、かなり気に入りました。静電気は起こりやすいですが上に重ねるアイテム次第。かなり気に入ったので洗濯も乾燥機前に洗濯機から出すようにして大切に着ています(笑) 後日タイツも買い足しました。

メリノウール靴下ショート&ロング

メリノウール60%、ショート丈の靴下(2足セット)。冷え性なので冬は長い靴下を履きますが、丁度今ぐらいの時期はくるぶし丈ぐらいで夏用よりは少ししっかりした靴下が重宝します。

つま先と踵がパイル地になっていて履き心地も悪くないのですが、2週間ほど履いていたら結構あっという間にくたびれた感じになってしまった。やはり乾燥機は厳しいか。この分だと耐久性はあまり期待できないかも?(といいつつ、追加でもう1セット買ってしまいました)

メリノウール55%、ロング靴下は冬用の買い足しなので、まだ履いてません。中厚手でちょっとしたハイキングから、靴サイズによっては登山で使っても問題はなさそうです。これももちろん普段用です。

ちなみにメリノウール系の靴下の多くは24.5-27cm/27-29cmの2サイズ展開になっているので、足サイズの小さい自分にはジャストサイズが選べて助かります。

メリノウール100%ボクサーブリーフ

まさかこんなものまであるとは! メリノウール100%のパンツ(ボクサーブリーフ。

メリノウールのパンツについては、こちらの記事を読んで以来、試してみたいと思っていたのでした。別に同じパンツを長期間履き続けたり、うんこ漏らす予定はありませんけど人生何があるか分からないので。

雪山には欠かせないメリノウールのタイツも1,900円と激安(やはりモンベル比1/3)。下の方に少し写ってる混紡タイプは保温力の高そうな厚手のタイプです。必要に応じて都度書い足せると嬉しいのですが、シーズンに入ってどこまで店頭の在庫が残っているのか……(追記:長袖シャツが良かったのでタイツも在庫があるうちに買い足しました)。


ロングビーニー&ロングネックウォーマー

こちらもメリノウール100%シリーズ、どちらも980円! 冬の登山以外の屋外活動用として。すぐ必要ではないものですが、念の為今のうちに押さえておきました。ビーニーはサイズ感が良ければ山で使っても良いかも。

追記:ロングネックウォーマーは定番のBUFFより少し短いぐらいで、ほぼ同じ使い方ができます。メリノウールのBUFFは4000円ぐらいしますが、1/4の価格でこれはかなり凄いかも……。生地も薄手でモコモコせずに首元をカバーできるのでかなり気に入りました。マフラーのように首元をガッチリガードするのでなく、ある程度の隙間や通気性も作りつつふんわりと包む感じです。

ちなみに登山やスノースポーツで使えそうな、メリノウール100%のバラクラバ、フェイスカバーも売っていました。バラクラバとフェイスカバーって違うんですね。微妙にデザインや裁断が異なるようです。

ウエストウォーマー(腹巻き)もありました。本当にメリノウール製品のラインナップが増えましたね。

他にも明らかに雪山(ラベルが完全に山)を意識したようなソフトシェルっぽい素材のパンツや……

Twitterでも話題になってましたが、防寒ブラックテムレスをパクったような製品も並んでいました。買ってはいませんが、今使っているものから買い替えの際には、検討してみても良いかもしれません。

以前は完全に現場向けだった路面店もこんな感じのアピールになっていましたし、コロナ禍のアウトドアブームも追い風になっているのか、ワークマンのアウトドアブランド展開は益々気合いが入ってきているようです。


秋の苗場山、山頂部に広がる高層湿原を歩く:秋山郷 小赤沢コース

10月1日の土曜日、新潟県と長野県の県境にある苗場山に登ってきました。

快晴の登山日和の中、池塘が点在する高層湿原の草紅葉、中腹の紅葉も合わせて楽しむことができました。

久々の登山は秋山郷からの苗場山

この夏は登山らしい登山をすることがなく、伊豆大島三原山以来の山予定だった先月の八丈島行きも台風で中止に……。さすがに山に行かなすぎて足に不安を感じてきたので、天気の良さそうな10月最初の週末、久々の山に行くことにしました。
気がついたらもうすっかり秋ですが、あまりに遠かったり混雑しそうな場所は避けたい。そこそこラクそうで、草紅葉の湿原を歩くのも良いかな…… と以前から気になっていた苗場山へ。本当は前々からグリーンシーズンに行きたいと思っていたのですが、(以前行った尾瀬にせよ)気がつくと夏が終わっているという。

苗場山は長野県と新潟県の県境に位置する日本百名山のひとつ(標高2,145m)。山頂部にある広大な高層湿原や北東斜面のかぐらスキー場でもよく知られています。ちなみに、昭和平成のスキーブームの象徴でもある「苗場スキー場」は、苗場山苗場山とは谷を挟んだ別の山。

恐らく苗場スキー場方面……?

苗場山山頂に至る登山ルートは複数あって、最もメジャーなルートは新潟県湯沢町の秡川登山口からの「祓川コース」。ただし標準コースタイムで7時間以上、山頂手前に登り返しがあったりと、久々に山を歩く妻的にはやや大変そうということで、今回は苗場山登山最短ルートでもある、長野県 秋山郷にある「小赤沢三合目登山口」からの「小赤沢コース」で登ることとしました。

ただし秋山郷は信州の秘境とも呼ばれる場所でもあり、関越自動車道が走っている湯沢町側からは苗場山を挟んだ反対側まで移動する必要があります。ちなみに長野方面からだと野沢温泉から千曲川沿いに国道が通じています。最近ロングドライブが少々だるくなってるものの、片道300km以下なら許容範囲ということで。

前日はこれだったので妻も有給を取っていて早い時間から準備もできましたし、夕飯後に軽い仮眠を取って深夜2時過ぎに出発。関越道の湯沢ICまではスムーズなドライブで、そこから60km弱の下道。信濃川(千曲川)と中津川の合流点にあたる津南の中心地からの国道405号。始めのうちは2車線道路ですが、途中点在する秋山郷の集落に入るあたりから1車線区間も増えて行きます。

国道405号の一車線区間

余談ですが国道405号は秋山郷をもう少し南下すると一旦途切れ、その先は登山道を経て中津川の水源でもある群馬県の野反湖から再び出現します。志賀高原方面にも雑魚川林道で通じているようですが、できればあまり走りたいとは思わないかも。
国道405号 - Wikipedia

国道を外れてからの登山口までは待避所以外はすれ違いの困難な道幅が続く林道で、朝方は登山口に向かう車ぐらいしか走らないと思いますが、帰りはちょいちょい対向車が発生するのでスピードは出しすぎないよう。

登山口までの林道

小赤沢三合目登山口の駐車場はかなり広く、朝6時頃に到着時はかなりガラガラ。下山時には駐車スペース中央まで車が停められていましたが、早い人は昼前に帰ってしまうと思うので回転は良いのかも。駐車場に入口付近にはトイレもあります。


小赤沢三合目登山口からの小赤沢コース

6時20分頃に駐車場の奥にある登山口からスタート。

登山道としては三合目。恐らく秋山郷の林道入口辺りが一合目になっているのでしょう。

沢と名の付く登山道ですし上には高層湿原のある山なので、足元のぬかるみを覚悟して珍しくゲイターを履いてきました(冬用以外だと富士山以来では?)。結果的にはなくても問題ないレベルでしたが、多少はパンツの裾や靴を泥汚れから守ってくれました。

しばらくは樹林帯の登山道。平坦という程でもなく急登でもなくじわじわと標高を上げて行きます。このタイプの登山道は帰りが結構ダルい。

あの平らな山の上に高層湿原が広がっています。

周囲はまだ緑が多いですが色づいたナナカマドの実など所々に秋の気配を感じます。

標高が約100m上がるごとに四合目、五合目……

一部、沢の水が登山道に流れ込んでいる場所なども。

五合目を過ぎると鎖場が数箇所登場します。

そこまで危ない箇所はありませんが、下りの際は足元が湿っている所も多いので、素直に鎖を使って下りてしまった方が楽かも。

数回の鎖場を抜けて八合目を越えると……

森林限界の気配。

周囲の灌木も秋らしい色づきに。



最初の高層湿原へ

最初の小さな池塘がいきなり登場して、ここから高層湿原が始まります。

尾瀬の燧ヶ岳などでも体験してますが、山を登っていきなり広い湿原が広がっている光景は何度見てもテンションが上がります。

登山道は付いてませんが、いい感じのピーク。

視界が開けた西側には北アルプスも見えています。

いい感じのフォルムの山は鳥甲山でしょうか。

ここからは高層湿原に点在する池塘を眺めながらの平坦な木道歩き。

山頂に繋がる湿原とはもう1〜2段ほどの段差があるようですが、この先は200m弱の標高差をゆるゆると登って行く感じ。

一面の草紅葉、そして間の樹林帯にはクマザサの緑と、紅葉、黄葉が広がっています。

平太郎尾根方面の分岐。

最高ですね。



九合目で短い樹林帯へ。


ぬかるんだ足元と大きな石の登山道。


苗場山山頂に広がる高層湿原

再び高層湿原に出ます。紅葉が素晴らしい!


とても良い。ここから先はもう山頂から広がる広大な高層湿原がひたすら続きます。

苗場神社の分岐を過ぎて……

あの少し高くなったあたりに山頂があるようです。


草紅葉だけでなくナナカマドなどの赤い紅葉もチラホラ。

振り返るたびにこの景色。


スタートから2時間半程度でこの絶景、久々の山をここにして大正解でした。



小屋が見えてきました。



苗場山自然体験交流センター(苗場山頂ヒュッテ)。

水、ポカリ、ビールなども買えたり、トイレの利用も可能。

苗場山頂ヒュッテの横から1分で苗場山山頂。

ひたすら広く見通しの良い苗場山の高層湿原ですが、山頂部分は少し背の高い木に囲まれていて展望はありません。

それでは山頂周辺に広がる高層湿原をじっくり楽しみましょう……。


うーん、ひたすら気持ち良い。




秡川コース側も少し覗いてみましょう。向こうに見えるのはカッサ湖(田代湖)。ロックフィルダムのカッサダムはここからでは見えません。

2000m弱のピークから暗部を挟んでの登り返しは少々大変そうですが、こちらはこちらで良い雰囲気。小赤沢コースとはまた雰囲気が違って面白そうです。

苗場山頂ヒュッテに戻ってトイレをお借りしたり、バッジを買ったり、近くの見晴台へ。

西側が開けてこれは間違いなく夕焼けスポット。

正面の山の裏側が登ってきた小赤沢コース、中津川の谷を挟んで鳥甲山、その先には北アルプスまで……

もう少し高層湿原のお散歩。

尾瀬に比べると全体的に池塘が浅い感じ。

池塘の底が少し赤く見えます。秋山郷にある温泉は鉄分を多く含んだ赤いお湯でしたが(新潟側にも「赤湯温泉」があります)、何か関係があるのでしょうか。

湿原(台地)のヘリまで来ると紅葉している木々が目立ちます。



この山頂の湿原の広さ。

山頂の湿原も微妙に二段階になっているんですよね。

湿原を望む休憩スペースはこの賑わい。もう少し空いている場所を探しましょうか……

再び小赤沢コースを戻りますが、この景色が最高。

苗場神社の分岐の辺りでお昼にします。


ちょいちょい行動食は食べているので、お昼はセブン-イレブンのおむすびセット。お湯を沸かすのもダルいのでこういうのでいいんです(と言いつつ2人でスープ1杯分ぐらいなら作っても良いかな)。

食後に苗場神社。分岐からはすぐ。

松やナナカマドの窓が良い感じ。

苗場神社の先も良い感じの湿原が続いてますが、まあ良いでしょう。


下山、ぬかるみにサンショウウオ

なぜなら下山路にまたこの湿原を歩けるので。

最後の池塘に別れを告げて……

鎖場地帯を下ります。

トンボを見たり……


奥さんが見つけて写真を撮っていたサンショウウオ(クロサンショウウオ?)。登山道のぬかるみにいたみたい。周囲には登山靴の足跡だらけでよく踏まれませんでしたね……。

だいぶ緑になってきました。

黙々と下りて登山口に到着。かなり車も増えたようです(既に帰ってる車も多いです)。

駐車場入口近くにある沢で、ぬかるみで汚れた登山靴を洗えます。

横の木にブラシが掛かっているのでお借りします。

ゴシゴシと……

ブラシを戻そうを思ったらトンボが止まっていました……


秋山郷の温泉「楽養館」〜津南町で夕飯

林道で数台のすれ違いをやり過ごして秋山郷まで下りて、やってきた日帰り温泉「楽養館」。

源泉は「小赤沢温泉」。鉄分が溶け出したような赤褐色のお湯の温度はかなりぬるめ、浴槽の底には赤褐色のザラザラの湯の花の砂のように積もっています。かなり長時間浸かっていた割にはあまり体が温まりませんでした(というか冷えてしまった……)。温泉の横に少し小さな沸かし湯の浴槽もあるので、そちらで体を温めるのが正解みたい。

せっかくの源泉かけ流しなので温泉成分を洗い流さずに上がりたかったのですが、お湯で顔を洗うと目が染みるぐらいの塩分で、湯の花のせいか毛もゴワゴワになってしまうので軽くシャワーで流して出ました。なかなか他にないお湯なので、次回はもう少し体を温めつつじっくりお湯を楽しみたい。

帰りの405号は朝方の暗い時間に比べたら走りやすく(車線の狭いワイディングがあるのでヘッドライトは点灯した方が良さげ)スムーズに津南の中心地へ。少し早めの夕飯は津南町役場近くの「喰処みさと」にて……


帰りの関越道は特に混雑や渋滞もなかったものの、さすがに眠くなったので赤城高原SAでしばし爆睡。日付が変わる頃になってからガラガラの高速を走って東京に戻ったのでした。

久々の山はやっぱり楽しかったですが、夜中からの活動や運転のダルさは年々大きくなる一方。もちろん近場にも良い山はたくさんあるものの、なかなか行ってみたい山と、運転や混雑のストレスのなさのバランスが難しいところ。まああまり気張らずのんびりやっていきます。

ソーラーチャージャー、充電ロスを考えるとやはりガジェット直で充電した方が効率良いよね(Anker PowerPort Solar)

そうえいば結構長らく出番のないANKERのソーラーチャージャーについて。

Anker PowerPort SolarとPowerPort Solar Liteを持ってます

3年前にネパールにトレッキングに行く際に購入。エベレスト街道は途中約1週間ほど電源の取れなくなるエリアがあって(ロッジによって買うこともできる)、2台のカメラ、スマートフォン、スマートウォッチの充電のために大いに役立ちました。特に毎日1000枚前後の写真を撮っていたので、カメラのバッテリーの消費が激しく、これがなかったらカメラのバッテリー(全部で6本)が倍は必要だったかも……?

ただし、残念なことにその後全く出番がありません!
1泊〜2泊程度ならモバイルバッテリーで足りてしまうことが殆どですし、元々そこまで長期の縦走などをすることもない。本体の重量が約420gなので(取り付け用の金具を含めたら500gオーバー)、荷物としては20000mAhのモバイルバッテリーを携行した方がかさばらないし、少し軽くなるぐらい。

10000mAhのモバイルバッテリー2個あればたいていは間に合ってしまう……

ちなみに発電条件もそれなりにシビアで、よく見るバックパックにソーラーチャージャーを装着した光景ですが、パネル全体に太陽が当たってないと(稜線や開けたエリアで背中にずっと直射日光を受けるなど)大して発電されません。日当たりの良い場所に長時間設置して、初めて安定した発電が期待できる感じ。

こういう使い方、よく見るけどよほど条件が良くないとほぼ発電されません

恐らく3泊以上の縦走で、かつ1日に数時間はじっくりと充電を行うことができる時間のあるプラン(昼過ぎまで移動して、午後は泊地で休む等)でないと、ソーラーチャージャーを生かすことは難しいでしょう。
そう考えると、1日の行動時間がそこまで長くない(高度順応があるので、目的地までは一日の行動量がそれほど多くない)エベレスト街道トレッキングは、ソーラーチャージャーを活かせるトレイルとしては最適だった訳で、なかなか同じような状況は普通のアウトドア活動では発生しないものです。

さて、先日ジオグラフィカ開発者の松本圭司氏のこちらの記事を読みました。

ソーラー発電についての言及もありますが、やはり「ソーラー発電はロマン」とまとめられています。

安定性を考えるなら、1週間程度の山行でも大きめのモバイルバッテリーを複数持ったほうが良さそうです。ソーラーパネルが役に立つのは、半月以上山に入るときかと思います。

こういう不便さも含めて、ロマンだと思います。
[無料]登山とモバイルバッテリー|松本圭司@ジオグラフィカ開発者|note

これについては私も同感です。防災用にソーラーパネルを買ったのもある意味ロマン。
ポータブル電源 → モバイルバッテリー → マイカー発電…… これらを総動員しても賄えない長期停電が、この先の人生で訪れる可能性なんてどれぐらいあるのでしょう(もちろんないとは言い切れない)。

そしてもうひとつ、記事内で触れられているモバイルバッテリーでの充電時のロス率について。
記事内では実効容量と呼んでいますが、モバイルバッテリー容量の約6割程度が実際に充電できる容量に相当するというもの。同じ松本氏の記事で実際に検証もされていますが、やはり6割強という数字。

そこで気になってくるのが、ソーラー充電の際に一旦モバイルバッテリーへの充電を挟むことで発生してしまうロスについて。ソーラーパネルでの発電は日当たりによって、かなりムラが出てしまうので直接スマートフォン等を充電することは不安でもあるのですが、それなりの日当たりを確保できるならば、直接機器を接続して充電した方がやはりロスが少なくなります。

実は今年の5月頃にEcoFlowのソーラーパネルをテストしていた際、一緒にANKERのソーラーチャージャーも引っ張り出して3日ほど充電具合について試していたのでした。

特に目新しい知見もなく記事のネタにもならなかったのですが、モバイルバッテリーの充電と合わせて、デジタルカメラ(E-M1 Mark III)のUSB充電を試してみたところ、残量33%から100%になるまで1時間半弱(思いの外速かったので満充電になるタイミングを見逃した)。

E-M1 Mark IIIの充電池であるBLH-1(1720mAh)の専用充電機による急速充電が2時間、同時にモバイルバッテリーにも給電していたので、2ポート使用時の最大出力1.5A+1.5Aに近い数字が出ていたとしても、容量の7割弱を1時間弱で充電できたのはかなり効率の良い充電ができてそうです。

ソーラーチャージャーでスマートフォンやカメラを直接充電する場合、防犯的に長時間目を離す訳にいかなくなるなどもありますが、休憩時間を利用しての1時間程度の継ぎ足し充電用途ならば、モバイルバッテリーを挟まずにソーラー充電からスマホやカメラを直接充電した方が良い結果となりそうです。
とはいえ、先述の通りソーラーチャージャー自体を持ち歩く機会が全然ないのでなかなか出番もないのですが、せっかく持っているのだし何か上手く利用してあげたいものです。

そうそう、中国輸入クラファン等でよく見る折りたたみソーラーパネル一体型のモバイルバッテリー。ソーラーパネルのサイズを考えると(ソーラー充電に関しては)そこまで実用的な製品とは思えません。
以下の製品などは、モバイルバッテリー容量が36800mAhとかなり大容量なこともありますが、パネルでの充電だと満タンまで約270時間かかるそう!

あくまでモバイルバッテリーの大容量がメインで、ソーラーパネルは緊急用ぐらいに考えておくと良いでしょう。36800mAhで約565g(ソーラーパネルを外すと約420g)は決して軽くないけど、大容量バッテリーとパネルを別途揃えるよりは軽いかも。確かにロマンはありますよね(笑)

サロモン XA PRO 3D GORE-TEXからXA PRO 3D V8に買い替え、前世代からフィット感が変化

普段の散歩靴に愛用してるサロモンのXA PRO 3D GORE-TEX。2020年8月から2年履いて、ソールがかなりすり減ってきたので先日同じシリーズの「XA PRO 3D V8 GORE-TEX」を買いました。

今年1月に書いた記事で取り上げたSALOMONのトレランシューズXA PRO 3D GORE-TEXですが、購入が2020年の8月なので丁度2年ほど履いたことになります。

特にハイキングや山で使っている訳ではないのですが、コロナ禍の影響で近所の散歩が増えたからなのか、もうソールがかなりすり減ってしまいました。踵と拇指球の前後あたりはすっかりツルツル……。

というかその前に履いていたモデルと比較してもソールの減りが激しい気がします。グリップ力を高めるために、ソールの素材が柔らかいゴムに変化したりしていたのでしょうか。

近所の散歩などで使う分にはまだそこまで問題ありませんが、天候や条件によっては危ないので、そろそろ次の靴を買っておくことにします。特に試したいモデルもないので、同じXA PRO 3D GORE-TEXの第8世代モデルとなるXA PRO 3D V8 GORE-TEXを購入。

同じブラックなのでパッと見の変化は分かりにくいものの、少しすっきりしたデザインに。つま先部分のゴムは縫い目が消えて圧着になり、重量は同サイズで20gほど軽量化されているようです。

実測したところ、既にソールが削れて軽量化されていたのか新旧で12gの差でした(笑)

足を入れてみるとかなりフィット感が強くなっていて、今まではクイックレースを緩めていればスリッポン的にスッと履けていたのが、緩めた状態でも少し締め付ける感じがあるなと。

元々、歩く際にはクイックレースをしっかり締めるようにしていたので、私はこのまま履き続けることにしましたが、今までのモデルをキツめで選んでいた人には、結構厳しいかも?というレベルで履き心地が変わっています。ワイドモデルもあるようなので、人によっては両方試し履きして比べた方が良いかもしれません。

追記:数ヶ月履いてみましたが、当初キツめに感じたフィット感はしばらく履いているうちに落ち着いてきました。こころなしかウォーキング時の疲労も以前のモデルより少なくなったような……?

サイドのSALOMONロゴが目立たなくなって良い感じ

しかし最初に買った際は確か1万円弱で、Amazonセール定番ということもあって2年前に1万円ちょっと、今回もセール時を見計らって14000円弱、現在はセール価格でも15000円程度、とどんどん高くなりますね。
ソールが減った方も当初はすぐ捨ててしまうつもりでしたが、普段履いてる分には特に滑りやすいということもないので、雨の日などは気をつけながらケチケチ履き続けてます。

V8でない旧モデルもまだ手に入りますが、合うサイズがなかったので今回はV8にしてみました。フィット感の変化を求めてないならば、手に入るうちに旧モデルを買っておくのも良いかも。

GORE-TEXモデルじゃなければ少し安いんですよね。GORE-TEXはうっかり川等で浸水させると内側から水気が抜けにくいのもありますし、割り切って非ゴアモデルを使うのもアリかも。

Peak Designのアンカーを使って防水スタッフバッグをショルダーバッグ化してみた

テント泊やキャンプの際、もう少し荷物を増やしたいけどバックパックは大型化したくない、みたいな際に使えるかもしれないカメクラ技(?)。

登山の際は必要な荷物全てをパッキングできるサイズのバックパックを選ぶことが基本ですが、大して登山要素がない場所だったり、あまり大きなバックパックを使いたくない(移動の公共交通、テントの中で邪魔になるなど)こともあります。或いは現地で消費する予定の食料を、多めに持って行く場合など。

具体的には立山の雷鳥沢キャンプ場や上高地の徳沢キャンプ場など、登山道という程でない道を数10分から1〜2時間歩けば辿り着けるキャンプ場、普段使いのバックパックに合わせて、テントやシュラフ等を別に持って行くシーンを想定。

バックパックとは別に適当なトートバッグやショルダーバッグ、エコバッグ、なんならコンビニ袋や紙袋を使ったって別に良いのですが(濡れそうなら止めた方が……)、5月6月と立山の雷鳥沢に行った際には、このような感じでバックパックとは別にしたテントやシュラフを携行しました。

用意したのは防水のスタッフバッグ。黒のは私のカリマー(Karrimor SF)の40Lドライバッグ(パーゴワークス カーゴ40で使っているもの)、青いのは妻のISUKAの20Lサイズ。

これらのスタッフバッグのバックル部分に、カメクラなら余らせまくっている(?)ピークデザインのアンカーを取り付けます(この写真のアンカー、かなり古いやつですね… V2でしたっけ?)。

こんな感じ。少々強引に付けてますし、これによりスタッフバッグのバックル破損等の可能性もあるので、自己責任でどうぞ。

あとは各自、うっかり買いすぎて余ってるピークデザインのカメラストラップ、或いはアンカーリンクスを取り付けたカメラ用ストラップを装着すればOKです。これでスタッフバッグがショルダーバッグになりました。

私は「スライドライト」を使用、手持ちのストラップでは最も幅の広いモデルですが、「スライド」などより幅広のストラップの方が楽かもしれません。
当初妻には「リーシュ」を使って貰ってましたが、少々ストラップ幅が細かったので、その後アンカーリンクスでカメラ用のもう少し太いストラップを付けています。

実際に斜めがけしてみるとこんな感じ。歩く際にちょっと邪魔ですが両手が自由になるのは大きいです。立山室堂や上高地のハイキング程度ならなんとかなるでしょう。

ストラップの長さはピークデザインのスライドライトの最短より少しだけ伸ばした状態。最短まで縮めればもう少し荷物の位置を上げられます。

ちなみに、アンカーもストラップも関係なくなりますが、公共交通に乗る際などは手提げスタイルの方が身軽です。具体的には立山黒部アルペンルートなど。防水バッグなので雪の上や濡れた地面に置いても大丈夫。登山道でなければ、巨大なテント泊用のバックパックに振り回されるより、意外とこのスタイルの方が動きやすかったりもします。

スタッフバッグのバックルを外すと、少し荷物の位置が下がってしまいますが、ストラップに体を通しやすくなりますし、ストラップの両端が広がるのでショルダーバッグとしても安定します。

この方式で残雪期の立山でも中型のバックパックで済みましたし、登山の際にアタックバッグでなく使い慣れたバックパックを使えたり、テントやシュラフを取り出したスタッフバッグをテント内の荷物整理に使えたりと、結構メリットもあります。山に登らないテント泊なら今後もこのスタイルで良いかなと思ってます。

コツとしては重い荷物よりもテントやシュラフ、防寒着など軽くて嵩張るものを中心にパッキングすること。重量のある荷物はやはりバックパックで背負った方が安定しますし、携行も圧倒的に楽です。

パーゴワークス BUDDY 33 2022年モデルの改良点を見て、買い替えを諦めることになった話

冬山の日帰りから夏山のテント泊まで愛用している、PaaGo WORKS(パーゴワークス)のバックパックBUDDY 33(バディ33)。


私のBUDDY 33は2018年に登場した初代のモデル。そこまで山行数が多い訳ではありませんが、やはり4年使っているとメッシュポケットに穴が空いたり全体的にくたびれてきています。

まだまだ使えるけど全体的にくたびれ感……

ちなみに初代モデルはその後のモデルとは少し仕様が違っていて、ショルダーハーネスの下部のベルトが、ボディ側2点で固定されていたり(その後、通常のシンプルなベルトへに変更となりました)……

初代(左)のベルトと2世代目以降(右:写真はBUDDY 22ですが33も同様)

ジッパーが止水ジッパーになっていたり(BUDDY本体の生地が防水になっている訳ではないので、滑りの良さを重視して廃止されたようです)、サイドストラップのトグルボタンの形状が違ったりします(初代のトグルボタンは外れやすいので、現行パーツをバラで購入した方が良いかも……)。

まだ使うには問題なかったものの、後から出た(買い足したBUDDY 22と同じ)のとアーバングレーで色を揃えたくなり、今年の春頃から買い替えを検討していました。昨年発売分は既に完売していたので、今年の出荷を待っていたのですが先日待望の2022年モデルが出荷されました。

よし、買うぞと、Amazonでカートイン。
ポチる寸前、一応2022年モデルの変更点などを公式サイトで確認します。
BUDDY 33 (バディ33)| バックパック| PAAGOWORKS
どうやら2022年モデルからは「モスグリーン」がカラバリに加わったみたい。これはこれで気になるけど、普段着てるウェアの色はアースカラー系ではないし、アーバングレーの方が無難ぽいかな。

そして「細部のアップデート」を見ると、なんとショルダーハーネス(ストラップ)のデザインが大きく変更されています! 肩から胸に掛けて、今までの1.5倍?程度に幅が広がり、そこにメッシュポケットが付けられています。現行「FOCUS」「PATHFINDER」「SWITCH」を引っ掛けるためのリングも追加。

新たに付いたメッシュのポケットはスマートフォンやコンデジの収納に丁度良さそうで、もしかしたら細いボトルなども入るかもしれませんし、ハイカー的には嬉しい改良点かもしれません。

しかしながらザックのハーネスは、私にとってピークデザインのカメラホルスター「キャプチャー」の定位置。キャプチャーが取り付けられないハーネスだとカメラ携行を見直す必要があります。

BUDDY 22/33共にキャプチャーは必須

旧型のBUDDY 22/33でもストラップ幅的にはかなりギリギリでキャプチャーを取り付けていたので(65mm弱)、最新モデルは確実に装着不可能。
70mm幅までならSWFOTO CQC-02などの選択肢もありましたが(もう売ってないんですね)、キャプチャータイプのホルスターをこの幅に対応させるのは現実的ではないでしょう。

ちなみにキャプチャーを付けてない側のハーネスにはドリンクホルダーを付けていて、このドリンクホルダーはベルト幅が調整できるものの、メッシュポケットと機能が干渉してしまいます。

パーゴワークス的にはカメラの携行は同社の「FOCUS」や「SWITCH」があるので、敢えてショルダーハーネスの仕様を他社製品に合わせる必要がないのは当然のことで、機能性を追い求めての改良なのは理解できますが、キャプチャーの使用が前提の私個人にとっては残念な改良となってしまいました。

既に何度も記事にしてますがパーゴのFOCUSは過去モデルから既に4世代買っている程のファンですが、フォーカスとキャプチャーを併用して、カメラを収納・装着する場所を使い分けたり、2台のカメラを同時に携行するのが私のスタイル。

2022年モデルBUDDY 33の購入は見送ることにして、旧BUDDY 33をしばらくは大事に使うことにします。かなり気に入ってるバックパックなので、予備も欲しいぐらいなのですが、中古も含めて状態の良い旧モデルが手に入らないか探してみることにします。

船で行く東京、伊豆大島 一泊二日②:三原山と裏砂漠ハイキング〜高速ジェット船で東京へ

伊豆大島一泊二日旅の後半です。三原山と裏砂漠のハイキング、レンタカーで島内をぐるりと巡ってみました。


ホテル赤門の朝食〜トヨタレンタカー

伊豆大島2日目の朝、1日目とは打って変わって朝から晴天になりました。宿の部屋から山も海も見えています。ただし山の上にはちょっと雲もあるみたい……。

朝風呂に入ってサッパリしてから朝食。地物のアジの開きにイカ刺し、自家製の練り物(明日葉入)など。シンプルですがどれも美味しい。ご飯も適度におかわりして、しっかり満腹にしておきます。

宿に自由に出入りしているさくら耳のねこちゃん(初日は外を歩いてた)。届いたダンボールの上で爪を研いでいたかと思ったら気持ちよさそうに寝てました。

チェックアウトして、トヨタレンタカーへ。レンタカーを受け取る駐車場は赤門の横にありました。
この日は朝着の大型船は岡田港で午後の高速船は元町から出るということで、元町に停まっていた我々は元町で借りて、そのまま元町に返却で分かりやすかったです。
借りたのはヴィッツでしたが島内は狭い道も多く(後ほど紹介する月と砂漠ラインなどは特に)、切り返しやUターンを考えると、小回りの効く軽自動車やコンパクトカーが圧倒的に機動力があってオススメ。

写真は返却場所。隣の提携GSは単価207円/L(後でレシート見てちょっと驚いた)、離島価格+最近の高騰も効いてそうですね。燃費の良い車だったので、島を1周半ちょっと走って、1302円/6.29Lで済みました。

御神火スカイラインで三原山へ

まずは前日朝にハイキングを諦めた三原山へ。道は前日にみよし土産品店でオススメされた「御神火スカイライン」を使います。元町から三原山まで島の西斜面、標高差522mを一気に登るよく整備された2車線道路で、自転車のヒルクライムレースなども開催されているそう。

御神火スカイラインから見下ろす海方面の景色が素晴らしく、この日は山頂付近ででガスに入ってしまいましたが、直前までは見事な展望が広がっていました(写真は三原山ハイクの後に少し下って撮ったものです)。

元町港の桟橋をアップで。

溶岩流や火砕流を流すためのような(?)堤防や砂防ダムも確認できます。地図を見ると川のようになってますが、ブラタモリでは伊豆大島には自然河川はないと言ってたような…… どうなんでしょう?

前日に自転車で行った大島空港と乳ヶ崎方面。

三原山頂口に到着しましたが、かなり雲に包まれてしまいました……。下では良く晴れていても島の上には雲が掛かってしまう、これが山のある離島のお天気か。


三原山 お鉢巡りハイキング

前日はガス&雨で諦めた三原山ハイキング、スタート前に思いの外ガスってしまいました……。

前日は大島温泉ホテルからお鉢巡りを経て、現在居る三原山登山口に下りるコースを予定していましたが、この日は三原山登山口を起点にしてお鉢巡りピストン。裏砂漠には状況を見つつ徒歩で行くか、後で島の反対側まで車でアクセスするか考えます。

三原山登山口には派出所もあります。山では珍しいですが、活火山ですし防災の意味合いもあるのでしょうね。

「外輪山三原山展望所」、富士箱根伊豆国立公園に含まれるようです。今更ではありますが島全体が活火山である伊豆大島の中央、伊豆大島最高峰の山が三原山(標高:758 m)です。

外輪山の大きなカルデラの中にある内輪山(カルデラ内の小カルデラ)が三原山で(裾野から山全体が三原山かと思ったら、内輪山の部分を三原山と呼ぶのだそう)、お鉢巡りは三原山のカルデラ縁を歩きます。

大島温泉ホテル側の登山道はスコリアでしたが(朝、森の中は少し散歩しました)、こちら側はまさかの舗装路。なんとお鉢の縁まで舗装されてます。ハイキングのレベルでは高尾山一号路よりも余裕な感じ。お鉢巡りをするならスニーカーぐらいは履いていた方が良いでしょう。

活火山なのでシェルターが各所にあります。

江戸時代(1977〜78年)の噴火は粘度の低い溶岩のパホイホイ溶岩。『ブラタモリ』の伊豆大島の火山回で解説されていましたが、帰宅後に録画を見たので特徴である縄目状の模様をちゃんと確認してない……。

ブラタモリの伊豆大島編、「伊豆大島~なぜ伊豆大島といえば“アンコ椿”!?~」の回は見ていたのですが、どうやら「伊豆大島の火山」「伊豆大島・山頂へ」もあったらしく、帰宅後に録画を確認して見たのでした。事前に見ておけば、地層切断面や三原山についてもより深く楽しめたかも?
「ブラタモリ-伊豆大島編」ダイジェスト!|伊豆大島ナビ

一方、記憶に新しい1986年の溶岩流はゴツゴツとしたアア溶岩だったそう。



山頂からここまで溶岩流が流れてきた跡がよく見えます。

足元には溶岩に飲み込まれた古い遊歩道のアスファルト。ちょっと分かりづらいですが、下の1枚目は固まった溶岩流の上から来た方向で振り返って。スコリアの黒い地面の隣にあるのが古い遊歩道の跡です。

少し斜面を登って振り返ると外輪山の縁とその向こうには海が見えています。

30分程でお鉢の縁に到着。正面の大きな溶岩の塊は、溶岩のしぶきが降り積もって固まった「アグルチネート」と呼ばれる岩石だそう。後からブラタモリの録画を見て知りました。

そのままお鉢巡りへ。オススメは反時計回りのようですが、南東方面は雲が掛かっているので晴れている北側から時計回りで歩きます。

ようやく火山の山らしいスコリア(黒く細かな火山の噴出物、富士山でもお馴染み)の登山道になりました。

カルデラの縁に沿って歩きます。標高は一定ではないので、軽いアップダウンがあります。


大きな山頂火口が見えてきました。

歩いてきた方向を振り返ります。

「1986年割れ目噴火 B2火口」が見えました。


1986年の噴火で最も溶岩を拭き上げたのは、山頂火口ではなくこちらの割れ目火口とのこと。溶岩のしぶきはなんと1,500mの高さまで上がったとのこと。

カルデラの内側では、火山性ガスも見られ活火山であることを感じさせます。

この辺りが剣ヶ峰(749m)でしょうか。かつての伊豆大島最高峰。

三原山の東側には裏砂漠と呼ばれるスコリアの砂漠が広がっています。国土地理院の地図に国内で唯一「砂漠」と記されている場所。個人的には「これは…… 富士山だ」みたいな感想。

正面の丘は櫛方山。後ほど向こうから三原山を眺めます。なんというか御殿場ルート感(語彙力)。

そろそろお鉢巡りも残り半分。相変わらず山の南側がガスってますが、先程よりは少し晴れたかな?

剣ヶ峰を振り返ります。

三原山中央火口が一番近くで見える場所。なかなかのド迫力な火口です。

三原山の火口といえば、やはり世代的に映画『ゴジラ』(1984年)のラストシーンですね。その2年後、実際に三原山が大規模な噴火をしたことに、子供ながらに驚いた記憶があります。


ガスの中を下って行きます。

1986年の噴火で溶岩が積もって、新たに最高峰を更新した三原新山(758m)。この三原新山の頂上には登ることはできません。

ホルニト。


その向こうは表砂漠と呼ばれるエリアかな。噴火で溶岩が流れたり、草も生えてすっかり砂漠感はなくなっています。


公衆トイレがあります。この辺りはお鉢の中でも舗装エリア。

カルデラの内側に向かって、火口を覗ける展望台へ歩道があります。正面右奥が三原新山。

火口西展望所に到着。ブラタモリの収録ではガスガスだった場所です。


先程とはまた違った角度から中央火口を見ることができます。


お鉢を一周しました。

カルデラ縁にある三原神社。

1986年の噴火の際に溶岩流が神殿を避けて流れたのだとか。

さて、ここから裏砂漠まで歩いて行くか、車で島の反対側まで移動するか検討したのですが、どうやら移動時間を含めても車で移動した方が時間を有効に使えそうなので、そのまま三原山山頂口に戻ります。

車で移動しつつ「1986年割れ目火口展望台(新火口展望台)」からの三原山。この展望台、結構いい眺めなのですが、バス利用だと「三原山温泉」と「三原山頂口」の丁度中間なので歩くしかありません。レンタカー移動の際には立ち寄ってみると良いかも。


割れ目火口という言葉の響きもあり、お鉢巡りからだともっと細長い火口に見えていましたが、こうして見ると印象が変わりますね。高さ1,500mの溶岩を拭き上げた火口はやはり迫力があります。


月と砂漠ラインから裏砂漠へ

三原山山頂口から大島公園方面に山を下りて、大島一周道路を島半周してやってきた「月と砂漠ライン駐車場」。車での裏砂漠アクセスはここの他に4WD車のみ入れる「裏砂漠入り口」もあるようですが、普通のレンタカーならこちらからのアクセスになります。

駐車場は上手く停めて小型車が10台弱でしょうか。奥にはトイレも設置されていました。車が減りそうなランチタイムを狙って来てみましたが、普通に数台の車が停まっていました。

「月と砂漠ライン」は舗装路ですがほぼ一車線道路で、途中からすれ違いもできない細い道になるので運転慣れしてない人は注意。落ちの乗った側溝があって、対向車避けのバックで側溝に落ちるレンタカーも多いそう。さらに「月と砂漠ライン」では携帯電波も入らない(大島一周道路の島南東部も怪しい)ので事故ると結構面倒なことになります。

帰りに撮った写真なので侵入の際は車の向きは逆ですが、ここから先は対向車来たらどちらかがバックで戻る必要があります。

車を停めて、ここから徒歩で裏砂漠を目指します。

しばらく灌木の中を歩くと……

空が開けて、空にはトビだらけ。

こういうのも森林限界って言うのかな。太平洋に浮かぶ火山島なので、風の影響が大きいのでしょう。左奥の雲をバックにたくさんいるのは、虫でなくトビです。

草が生えてないスコリア大地が広がったあたりから裏砂漠でしょうか。やっぱり富士山みたいな風景。ちなみに水平線が晴れていたら、海の向こうに本物の富士山が見えるそうです。

1952年(昭和24年)に発生した「もく星号墜落事故」の現場、国内発の旅客機の遭難事故だったそうです。そのような事故があったことを初めて知りました。
もく星号墜落事故 - Wikipedia

砂漠感が出てきましたね。これぞ比喩的な意味でない本当の「東京砂漠」。

「裏砂漠第1展望台」。左奥が先程歩いていた三原山のカルデラ、右手奥が裏砂漠第2展望台の櫛方山。

左手側を振り返ると、外輪山の南西側。ちょっと小ぶりな浅間山外輪山を思わせます。

外輪山と内輪山(三原山)の間も裏砂漠の範囲になるのでしょうじゃ。雨の水が流れた跡が川のようになってます。

このあたり流れがかなり深くなってますね。水捌けの良いスコリアなので、しばらく表面を流れた後に地下水となるのでしょうね。伊豆大島の地下水や井戸についてもブラタモリ(アンコ椿回)で見ましたっけ。

正面に見えている先程歩いていた内輪山の縁までは恐らく歩いて20分程度だと思いますが、往復する時間などを考えると車で回り込んだ方が色々と見られて時間も短縮できるという計算でした。

「裏砂漠第2展望台」、つまり櫛方山山頂(671m)。太平洋に浮かぶ島で、高尾山(599m)より標高が高い場所がこれだけあるというのもよく考えると凄いかも、火山の力とは凄まじいものです。

記念写真。暑いので裾が取り外せるトレッキングパンツで良かった。

見渡す限りの裏砂漠と空と海。砂漠というので、もう少し荒涼としてるかと思いましたが、季節が夏ということもあってそこそこに緑もあります。これはこれで良いですね。



足元には様々な色と形状の火山岩。

地殻変動観測施設。GPSで山体の膨張を計測するんでしたっけ。

それでは戻ります。

大島温泉ホテルが見えました。

ホテルからはしばらく灌木の盛りの中を歩いて、裏砂漠に出るようです。次回はあちらから歩くコースで。

裏砂漠からの海の景色も良いですね。

島に近い海面から雲が立ち上っているのがよく分かります。

そしてそんな上昇気流を利用して飛び回るトビたち。



筆島〜いざなみのべっこう寿司〜泉津の切通し〜野田浜

大島一周道路をさらに時計回りしていたら、突然展望台が見えたので車を突っ込んで見ると「筆島」でした。


こちらも過去の伊豆大島火山活動によるもので、溶岩が吹き出す火道のマグマが固まり、周囲が侵食によって作られた「岩頸」と呼ばれる岩。これもブラタモリ(アンコ椿回)でやっていましたね。

駐車場は丁度ヘアピンの先にあるので、減速していればすぐ気付いてそのまま入れると思います。

山も良いけど海も良い。


三原山方面はかなり雲が掛かってしまいましたね。

さて、島の食堂の多くは14時で一旦店を閉めてしまうことが多く、この時間(13時半頃)となるとどこもラストオーダーを過ぎてしまった店ばかり。完全にランチ難民となってしまいました。

そこで、やってきたのが元町から少し大島一周道路を過ぎたあたりにある「いざなみ」。テイクアウト寿司の専門店ですが、なかなか評判のお店のようです。

べっこう寿司といなり寿司を買って、再び「ぶらっとハウス」へ。ジェラートとお茶を購入して、テラスで一緒にいただくことにします。

このべっこう寿司がとても美味しくて、妻などは前日にお店で食べたべっこう寿司よりも気に入ったみたい。いなり寿司も美味しかったですし、ランチタイムをうっかり逃してしまったら「いざなみ」オススメです!

ジェラートは塩味。大島牛乳と大島の塩を使ったもので、塩感はそこまで強くなくとても美味しかった。お寿司にも合うサッパリ味ジェラート!?

続いて前日行けなかった「泉津の切通し」へ。初日朝のバスでも横を通って貰ったのですが、あまりに細い切通しでよく分かりませんでした(この通りが切通しなのかと思った)。

切通しの両側に生えた木、かなり雰囲気ありますが元から生えているものなのでしょうか……?

前日から飛んでるところは何度も目にしながら、なかなか目の前で止まってくれなかったアオスジアゲハ。

交尾をしているところでようやくじっくり見ることができました。

最後にもう一度野田浜へ。セッティング場所って何のだろう。ダイビングかな?

タイドプール(潮溜まり)周辺を少し歩いてみます。

薄茶に濁ったタイドプール。満潮時は潮が流れ込むのかたくさん魚も泳いでましたが、こんな色になるのは溶岩の影響でしょうか?(温泉か?と思ったけどググった範囲では分かりませんでした)。


元町港から高速ジェット船で東京 竹芝へ

レンタカーの返却は帰りの船の出港時間の1時間前。船は16時半なので15時半にレンタカーを返却。しまぽ通貨の残り2000円分はお土産の足しにして余裕で使い切りました。

元町港の先客待合所へ。

平日(月曜日)ですがレンタカーが出払うだけあって、そこそこの人。しかし島内はランチタイムの飲食店などが若干賑わっていた程度で、レンタカーや自転車で走っていてもハイキングをしていても他の観光客とはたまに顔を合わせる程度で、観光地としての人口密度の低さがとても心地よかったです。

出港時間が近づいたので桟橋へ。

カラフルな東海汽船のコンテナ。

太陽が桟橋の正面に。元町港が西向きの港であることが分かります。

手前が東京行きの「セブンアイランド 結」で奥が、恐らく熱海行きの「セブンアイランド 大漁」。

16時半の東京行きは2本あって、我々が乗るのはこちらの「セブンアイランド 友」、ちょっと古い船な気がする。東京行きと書いてありますが、ここも東京都なのですけどね。

乗り込むと既に乗船客で埋まっていて、神津島〜式根島〜新島〜利島を回っての大島〜東京みたい。

高速ジェット船、何がジェットなのかと思ったら航空機メーカーが開発した特殊な滑走(「翼走」というらしい)をする船体のようです。翼走状態になっても揺れなどはあまり感じず、海の上を滑るように走る船。
ジェット船で行く伊豆諸島|大島・利島・新島・式根島・神津島へ|東海汽船

竹下桟橋までは1時間45分ほど。1時間ちょっとウトウトしていたら、もう羽田沖を走っていました。大型客船にも風情がありましたが、時間を有効に使いたいなら高速ジェット船の移動も良いですね。

レインボーブリッジをくぐって竹下桟橋。

先に出港したと思っていたセブンアイランド 結が後から着岸しました。

行きに乗ったさるびあ丸も夜の航海に備えています。

以上、初めての伊豆大島。たった一泊二日ではありましたが、かなり楽しかったしまた訪れたい。妻も船旅が楽しかったらしく、今度は他の伊豆諸島にも行こうと話しています。よく考えたら日本は離島だらけですし、山と同様に島もまだまだ知らないとこだらけ。そしてできることなら島の山にも色々と登ってみたい!


伊豆大島2日目の行動ログ

この日は大きな移動は全てレンタカー(青線)で、三原山のお鉢巡りと裏砂漠のハイキング(赤線)。

ハイキング部分はYAMAPのログでも。一直線になっているのは車移動でジオタグがすっ飛んでいる部分(分けるのもダルいので2つのログを合成しました)。


剣ガ峰・三原山(三原新山) / OKPさんの三原山櫛形山(東京都)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

モンベル枕 U.L.コンフォートシステムピローの空気漏れを修理してたらトドメを刺してしまった……

テント泊を始めた頃から愛用していたモンベル「U.L.コンフォートシステムピロー」の旧モデル。

先日、雷鳥沢キャンプ場で使っていたところ、なんだか空気が抜けやすい気がする。一度入れ直したもののやはり寝てるうちにベロベロになっています……(その日は衣類を詰めたスタッフサックを枕にして寝た)。
恐らく何処かがパンク(空気漏れ)しているのだろうと、空気を入れて水に付けて調べた所、すぐには分からなかったのですが中央付近の枕の厚みを調整してる部分(何と言えば良いのか?)から微かな空気漏れを発見。

購入時に付属していたリペアキット、かなり古いものですがなんとかまだ使えるようです。パンク箇所を中心に広めに接着剤を塗って、リペアシールをペタリ。乾燥したら修理完了。これで直ったかと思ったら……

なんと、逆側の同じような場所もやはり同様の空気漏れをしてました。ということでこちらも修理。これで付属していたリペアシールは使い切ってしまいました。

今度こそ大丈夫だろうと、最終チェックでお風呂に沈めてみたところ…… 浮力の圧力が掛かったせいなのか、今まで問題なかったサイドの圧着部分が剥がれて盛大に空気漏れするようになってしまいました。あらら。

年代物なので各所が経年劣化で弱くなっていたのだとは思いますが、まさかチェック時の空気圧でトドメを刺してしまうなんて。リペアシールでは修理が難しい場所ですし、なんとかここを塞いでも、また別の場所で同様の状況になってもおかしくないので、残念ですがこれで諦めて新たな枕を買うことにしました。

今度の穴は目で確認できるレベル……

寝心地優先ならば他メーカーにも良いものはあるのですが、モンベルの「U.L. コンフォート システム」のジョイントがなかなか優秀で就寝時にズレなくて良い感じなので、現行品の「U.L.コンフォートシステムピロー」を注文しました(今は枕カバーが付いてるらしく、以前より寝心地が改善されてるかも?)。


テント泊用のマットレスは普段はサーマライトのZライトソル(クローズドセルマット)を使っていて、荷物を減らしたい際はモンベル「U.L. コンフォートシステム アルパインパッド25」(インフレータブルマット)の90cmを使ったり、厳冬期などはZライトソルに重ねています。枕+90cmマットならお尻まではカバーするので積雪期以外は十分ですし、厳冬期の八ヶ岳でもZライトソルだけで寝ていたことはあるので(流石に少し寒かった)、座ったりする際の保険のようなものです。

R値の高いマットを始め高性能なギアは評判を聞くと気になることもありますが、いいお値段したり品薄だったりするのを見ていると、供給が安定していて、壊れても修理できたり確実に買い替えができる安定のモンベル…… となってしまいます。

6月立山、虚無の浄土山〜龍王岳でたくさんのライチョウに出会って雨の雷鳥沢テント泊

数週間前ですが、立山の浄土山に登ってきました。

6月の2週目、ある取材で立山を訪れる機会があったので、せっかくなので当然のように(?)プライベートの登山もちょこっと組み込んでみました。さらに滞在日程を伸ばして雷鳥沢でテント泊。ただし、お天気はずっと霧と雨、しまいには霰にまで降られてしまいましたが、ライチョウ遭遇だらけの楽しい立山でした。

残雪の浄土山〜龍王岳へ

ということで、いきなり室堂からのスタートです。この日は朝からガスガスで真っ白です。あらかた取材予定も片付いていましたし、無理のない範囲で行ってみましょう。室堂ターミナルの山安全相談窓口によると浄土山の室堂山側斜面はまだ雪が多いので、雪山装備で注意して欲しいとのこと。

まずは室堂山に掛けての登り、一部道が出ていましたが、そんな所で目の前に……

ライチョウが登場。

4〜5月頃に比べるとペアを作ってナワバリに入っているライチョウが増えていることもあって、今回の立山滞在では毎日たくさんのライチョウを見ることができました。大きめのハイマツ帯の周囲ではほぼライチョウのフンや足跡を確認でき、遭遇回数もかなり多かったです。

メスのライチョウがひたすら食事をする中、オスは少し離れたところで周囲の様子を警戒しています。石の上に乗ってる姿はお馴染みですが、こんなハイマツのちょっとした盛り上がりなども利用します。

メスは脇目も振らず一心不乱に食べ続ける。産卵のためにたっぷり食べる必要があるのでしょうね。

この日は視界は10mもない感じで、どちらに浄土山があるかすら怪しいレベルですが、GPSを見ながら進んで行きます。何度か登ったことがある山でなければ、この日の天気では素直に雄山に行ってたと思います。

一部トレースらしきものはありますが、この時期日中にかなり雪が溶けてしまうのと、雨などで消えてしまうのであまりアテにはなりません。晴れていればもう少し分かりやすいとは思いますが。

積雪期、残雪期の浄土山。どこまで雪を登って、どこから夏道に入って行くかがちょっと分かりにくい。というか毎度つい直登寄りのコースを取りがちかも。

もう少し南寄りから斜めに回り込んだ方が正解だった気がしますが……

ということで、お馴染みの場所に出ました。

室堂から浄土山南峰までアイゼンは履いてました。この先はほぼ雪はありません。


浄土山はライチョウだらけ?

浄土山南峰にオスライチョウが居ました。メスは近くにいないのかな?

泣いてます。グェーーーー。

グェーーーー。

雨が降ってきたのでザックにカバーを掛けたりして北峰へ向かいます。

単独のメスライチョウ発見。先程のオスの場所とは100mも離れてなかったので、もしかしてペアかな?

浄土山の南峰〜北峰間はほぼ雪はありませんが……

一部残ってます。

浄土山北峰の富山大学立山施設。

せっかくなので龍王岳にも登っておきます。何も見えないけど……。

こちらもほぼ雪はなし。

いつもは絶景ポイントなんですけどね……

雨が強くなってきたと思ったら、霰が降ってきました。

現地ツイートの動画に霰の様子も写ってます。

雹みたいな大きな粒でなくて良かった。

霰でも安心カメラ。

雪の上に霰とライチョウの足跡。

足跡の先には…… 浄土山南峰にもライチョウペアがいました。

オスはしきりに一ノ越方面から聞こえてくる別のオスの鳴き声を気にしている様子。

一ノ越へ。アイゼンが必要な場所はなかったです。


一の越山荘に水を送るホースでしたっけ。

またまたライチョウが居ました(分かるかな?)。



かわいい。


浄土山周辺、100mちょっと離れると別のライチョウペアのナワバリがある感じなので、次から次に新しいライチョウペアに遭遇できます。

一の越山荘。

雄山方面は真っ白。これでは行っても仕方なさそう……。

一瞬晴れ間が見えました。雄山登山をしてる人はそこそこいましたが、浄土山ではこの日1人も登山者には会いませんでした(平日です)。

黒部ダム方面も真っ白。

一ノ越のハイマツ帯にもライチョウの姿。さすがに近づいて写真を取りに行くこともなくなりました(笑)

6月でもかなり雪が残っています。室堂〜一ノ越の登山道は一部出ていましたがほぼ雪。

最低でもチェーンスパイクかアイゼンがあった方が歩きやすいです。

霰混じりの雨がまた強くなってきました。そこまで冷えることはないけど、普通に濡れます。

結構な霰なことが分かるでしょうか。

こんな時期でも未だにナワバリ争いをしているオスも居たりします。

頑張ってくれ……。

登山はここまで。目的の取材もほぼ片付いてますし、テントも持ってきているので延泊してのんびりしようと思ってましたが、あまりの雨っぷりにどうするか迷うレベル。雷鳥沢キャンプ場もこの通りガラガラ……。


雨がすごいので帰るか迷う

ミクリガ池の東側の岩の上にいつもいるオス。

ミクリガ池の周りもライチョウだらけ。オスは何羽もいてやはりよく争っているのですが、一番いい場所にはペアになったオスがいていつも睨みを効かせている感じ?

休憩しているうちに土砂降りになり、諦めかけていたら晴れた! ……ということで延泊を決定。

とはいえ天気予報では夜に掛けて雨なので、晴れているうちにサクッと雷鳥沢キャンプ場に移動しなくては!
雷鳥荘方面。雪は一部残ってる感じ。雷鳥荘でビールを仕入れて雷鳥沢を目指します。



GW以来の雷鳥沢キャンプ場、雷鳥沢野営管理所は増改修工事中

1ヶ月ぶりの雷鳥沢キャンプ場ですが、管理所周辺が工事中のようです。

雷鳥荘前からの階段は途中で消えてました。

1ヶ月ぶりの雷鳥沢キャンプ場。ガラガラです(この日は私達含めて6張)。

雷鳥沢野営管理所は絶賛改修工事中。外に仮設トイレが並んでいますが、管理所内のトイレは既に便器も外されていました。


この仮設トイレが設置から間もないのかかなりキレイ。全て洋式で夜間はオートライト。利用者が殆どいない平日ということもあって、いつも以上に快適な雷鳥沢のトイレ環境でした。

水道はいつもどおり。

火山ガス検知器の移設を行っているとのこと。

私達が泊まった6月前半は特に設営エリアに規制は入ってませんでしたが(GW時期とほぼ同じだったと思う)、6/21の更新で富山県のサイトに以下の情報がありました。

富山県/雷鳥沢キャンプ場利用規制のお知らせ
現在、雷鳥沢キャンプ場において、雷鳥沢野営管理所の増改修工事を実施しております。
それにより、雷鳥沢キャンプ場の一部が工事規制範囲となっており、テント場の利用ができなくなっております。
工事期間中のみ、臨時のテント場を設定しておりますので、雷鳥沢キャンプ場を利用される方は現地スタッフに確認のうえ、ご活用ください。
工事期間は令和4年11月30日(水曜日)までを予定しております。

プロモンテ VB-22Z ファーストインプレッション

さて、今回は新しいテントを買ったので、そのデビューだったのです。プロモンテのVB-22Z、前室が付いたシングルウォールテント。シングルウォールを使うのは初めてです。

シングルウォール&吊り下げ式なので、驚く程に設営が速い。2世代前のステラリッジでもまあまあスムーズに張れていたけど、恐らく時間は1/3以下だと思う。風が強い稜線テント場などはかなり楽なはず。

前室があるので、テント内に入れるのを躊躇する荷物の扱いもダブルウォール同様で良いのが便利です。

ベンチレーションがぐんにゃりしてないので、風通しも良いし、外がちゃんと見えて良い(笑)

設営してすぐに雨が降ってきて、結構強くなったりもしましたが結構安心感があります。その後も雨は降ったり止んだりの繰り返しで、夜の間もかなり降っていましたが、湿気がこもることもなく快適に一晩過ごすことができました。雪の上なので強い雨でも泥はねなどもなく、水はすぐに雪の中に消えてしまうのが良いですね。

2人で利用してましたが気になる結露も思ったよりもなし。壁の結露も特に気にならないレベルで(半外の前室部分が一番結露していたかも?)、床は多少濡れていたけどステラリッジ時代と比べてもそれほど変わらない印象。シュラフの濡れも特にありませんでした。

残雪期に一泊しただけなのでまだ評価できる段階ではありませんが、この感じならば夏山でも気にせずに使えそうかな。極端に軽量という訳ではないものの(仕様:約1,220g/総重量1,360g)、以前のテントよりもトータルで数百グラムは軽量化できたし、容量も少しコンパクトになりました。

雷鳥沢でも夕方に掛けてひっきりなしにライチョウの鳴き声が聞こえ、飛んでいる姿も目にしましたが雨まじりのお天気ですし、今回ライチョウはたくさん見ているのであえて探しに行くことはしませんでした。
そういえば今回はライチョウばかり探していたので、この距離からも見つけられるようになりました(笑)

……というのは半分冗談で、いつもライチョウがいたポイントなので、遠くからでも「今日もいるかな?」と思って見たら、普通に居るのが分かっただけです。

ライチョウは鳩より少し大きいぐらいのサイズなので、目立つ所にいればかなり遠くからでも分かります。

この日は土曜日ということもあって、このライチョウポイントの遊歩道側はこんな感じで賑わっていました。

軽装でハイキングを楽しめる場所でこれだけライチョウを見られる室堂平の環境も貴重ですし、山に入ればさらに多くのライチョウに出会えるこの時期の立山はやはり最高ですね。実は何度も行ってるくせにまだ夏シーズンの立山を訪れたことがないので、そろそろ行ってみたいものです。

自動車保険(ソニー損保)の特約で自転車保険や登山保険の一部をカバーしている話

自転車は月に数度、買い物の際に家のママチャリを使ったり、シェアサイクルを利用する程度です。

自転車保険に関するこちらの記事を読みました。

東京都では2年前の2020年の4月から、他にも多くの自治体で自転車保険の加入が条例により義務付けられているのですが、義務化といっても罰則がある訳でなく残念ながら周知もあまり進んでないように感じられます。


via: 自転車保険の加入義務化ってなに?-au損保

日頃車を運転していると任意保険なしで公道を走ることのありえなさはよく理解できますし、例え自転車でも無保険で走ることは相当におっかないと感じるのですが、義務だからというだけでなく特に事故加害者になる可能性についてもっと多くの人が意識を向けて欲しいものです。

自動車保険の「個人賠償特約」でも自転車保険代わりになる?

ちなみに私は個別の自転車保険ではなく、自動車保険に「個人賠償特約」を付けていて、それが自転車保険とほぼ同様の補償内容となっています(自動車の運転とは関係なく補償されます)。私が加入しているソニー損保の個人賠償特約では、家族全員が補償の対象となり、保険金は最大で3億円に設定されています。

自転車保険はありますか|ソニー損保|自動車保険のよくある質問
個人賠償特約(個人賠償責任補償特約)|自動車保険はソニー損保

この特約は本人のケガは対象になりませんが、基本的には事故の加害者となった際の損害賠償のために入るものだと考えています(必要に応じて別の傷害保険や医療保険を組み合わせるのも良いでしょう)。

ソニー損保「おりても特約」はレジャー保険同等?

さて、損害賠償といえば登山中における事故もあります。あまり考えたくありませんが、落石を起こして後続者にケガをさせてしまったり、自分の滑落に人を巻き込んでしまうケースなど。

登山保険、山岳保険*1の中にはそのような際の個人賠償を含むものもありますが、現在私が加入している山岳保険は「jRO」という山岳遭難時における捜索や救助のサポート、それらに伴う費用を補填するもの。
登山・山岳遭難対策制度|jRO(ジロー)日本山岳救助機構


2022年7月:jROが会員制捜索ヘリサービスの「ココヘリ」の子会社となり、ココヘリの契約にjROが自動付帯するようになりました。

山行スタイルを問わずにカバーされるので多くの登山者が加入しているjROですが、個人賠償や携行品の補償はないのでそこが気になる人は別の保険を組み合わせたり、または別の山岳保険を選ぶケースもるようです。
我が家も以前はモンベルの「野外活動保険」(山岳登はん補償外のレジャー保険)を併用していましたが、今はやはりソニー損保の自動車保険で「おりても特約」を付けています(おりても傷害特約/夫婦型/5口)。
おりても特約|自動車保険はソニー損保

この特約は一般的なレジャー保険と同等の補償があり、我が家の場合は基本的のほぼ車移動で登山に出掛けるので、基本的にはjROとこの特約の組み合わせである程度はカバーされることになります。

登山の注意点と山登りのための保険 |保険とくらし|保険なるほど知恵袋|お客様とソニー損保のコミュニケーションサイト
ソニー損保では、山岳保険の取扱いはありません。なお、ソニー損保の自動車保険には、被保険自動車または家族所有自動車で出かけた際の外出先でのケガや、携行品の損害、賠償事故を補償するものとして「おりても特約」があります。「おりても特約」を自動車保険にセットしている場合は、登山に被保険自動車または家族所有自動車で行かれた場合、登山中のご自身のケガやお手回り品の補償、他人にケガをさせてしまった際の賠償責任が補償されます。(ただし、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の登山用具を使用する山岳登はんやロッククライミング中のケガは保険金支払いの対象外となります。)

公共交通で出掛けた場合や、アイゼン、ピッケルを使う雪山での個人賠償はカバーされないなどはありますが(以前から気になっていたけど、一般的には「登はん」とは言えないレベルの我が家がしているような雪山登山も登はん扱いになってしまうのだろうか? )、必要に応じて数日単位で掛けられる山岳保険も組みわせています(海外トレッキング等)。

今年の1月に川の法面でスリップして望遠レンズを折ってしまった際に、レンズの修理費を補償してくれたのも、このソニー損保「おりても特約」に含まれる「おりても身の回り品特約」でした。


複数のアウトドアアクティビティを趣味にしていると様々なレジャー保険を検討する機会があると思いますが、自動車保険の中にはこのようなレジャー保険の範疇までカバーする特約もあるので、一度利用している自動車保険の特約や補償範囲について調べてみると、意外に使えるものがあるかもしれません。

PEAKS(ピークス)2022年3月号 No.148[雑誌]

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  • マイナビ出版(ピークス 発行)
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登山系の保険の他、課金している登山系のサブスクまとめました。

*1:用語として明確な違いがある訳ではないと思いますが、登はんを含まないハイキングを対象にしたレジャー保険が前者、含むものが後者のイメージ

2022年 GW立山②:立山 別山山頂でライチョウに出会い、雪の大谷と富山ブラックと

GW、5月3日〜5日に掛けての立山日記後半。2日目の登山続きから帰宅まで。

立山周回は諦めてひとまず別山へ

こちらの続き。

別山から雄山まで立山縦走をする予定で雷鳥沢キャンプ場から別山乗越まで上がったものの、稜線にはかなり強い風が吹き荒れていました。剱御前小舎でしばらく待ってみたり、剣御前山に行くうちに多少は風は弱まったものの、今回は雄山までの縦走は諦めて、別山の山頂のみ踏んで折り返すことにしました。

縦走路の途中、真砂岳から下りるルートもあるのですが、今回はやめておきました。

別山乗越と別山の間は剣岳ビュースポット。先程の大きなレンズ雲はいつの間に消えています。

妻とはらですぎさん。右上の小さなピークが剣御前山です。フードを被って歩くぐらいには強風です。

はらですぎさんとは剱御前小舎前で出会って、お互いに立山周回を断念して別山までご一緒することとなりました。はらですぎさん視点のレポートはこちら。

別山乗越から別山はすぐのようで、三段階ぐらいのニセピークにがっかりさせられます(笑)

まあまあ晴れました。この縦走路を歩きたかった……(けど実際は風が強いのでそんな気になりません)。

別山南峰(2,874m)が見えてきました。

別山南峰の祠で風を避けつつパンなど食べて小休止。

別山山頂のシュカブラというかエビというか。少し覗いているのは剣岳の先端です。


別山北峰とライチョウペア

前回別山に来た際、妻は北峰には行ってなかったので、せっかくだし2人で行っておこくことに。丁度このタイミング、別山周辺から登山者が消えて南峰&北峰間はほぼ貸切のようになってしまいました。

そうしたら南峰と北峰の間で今回の立山で初のライチョウペアに遭遇したのでした。行って良かった別山北峰。写真の左半分ぐらいが北峰へ向かう登山道というかメインのトレースですが、ここでライチョウの存在に気づけるか気づけないか?(写真は28mm相当の画角、スマートフォンと同じぐらいですが、油断すると通り過ぎてしまうライチョウの保護色……)

同じ写真から切り出してみました。これで中望遠ぐらいの視界かな?

既にライチョウ写真のみの記事をまとめてますが、まだまだ使ってない写真があるので…… 見て。


後ろの山はなんだろう?(後立山連峰だと思いますが……)

ああ、かわいいかわいい。

ライチョウを探せ! オスはすぐ見つかると思いますが、メスはやや難易度高いかも?

別山北峰。春の立山、毎回ハードシェルを使うことがないので今回はソフトシェルとレインウェアにしてみましたが、ここまで風が強いと普通にハードシェルでも良かった気がします。

剣岳と左手前に剱沢キャンプ場。残雪期に行ってみたい気もしますが、雪上テン泊の荷物で雷鳥坂を登るのはかなりしんどそう。帰りも再び別山乗越を超えるので大変ですよね……。

強風で飛ばされている粉雪がマウント内に入らないように風裏でレンズ交換。望遠レンズをOM-1に装着して、南峰に戻る途中で再び先程のライチョウペアを探してみます。まだいるかな……?

強風から身を守るように2羽で仲良く身を潜めていました。しばらく休んだらまたお食事タイム。

オエー。長過ぎる葉っぱが口に突っかかったのかな?

冬毛の真っ白雷鳥も可愛いですが、換毛で黒白のツートーンになった雷鳥もまたいいですね。

さて、別山山頂あたりからテント場。私達のテントもよく見えます。

戻る途中、剱御前小舎の少し手前にいたメスライチョウ。この子はあまり動くことなく、目の前の草をモグモグ食べていました。

さて、後はひたすら下りるのみ。朝はガチガチだった雪もかなり緩んでサクサク下りられます。

真砂岳から富士ノ折立に掛けての登り。ここが凍っているとちょっと怖いんです。

午後になってグングン気温が上がったので稜線がかなり灰色っぽくなってきました。


雷鳥沢キャンプ場で過ごす午後〜雷鳥荘で温泉

14時過ぎにはテント場に戻って立山地ビール(室堂ターミナルで売ってます)。初日よりは少しテントが減ったようです。

大汝山の下あたり、雪崩増えてる?

山崎カール。稜線の周回はまたの機会に。

午後はテントでしばらく昼寝したり、再びはらですぎさんと合流してライチョウ探しに出掛けたものの途中で引き返したり、やはり雷鳥沢でテン泊しているというはてなブロガーのデリコさん(id:delicojp)にご挨拶したりした後、ビールを買いがてら雷鳥荘の温泉に向かうことにします。

せっかくなのでライチョウの目撃情報があったハイマツ帯の脇を登って行くと……

またまたライチョウに会うことができたのも、既に記事にした通り。



ライチョウを探しながら同じハイマツ帯をグルりと回り込んできたデリコさんとも合流。ライチョウ情報を共有したはらですぎさんも、その後合流してライチョウを見ることができたそうです。

我々はそのまま雷鳥荘へ。日帰り入浴料は1人800円です。

雷鳥荘の温泉は広くて大日岳方面を望む絶景風呂。なかなかこんな景色が見られる温泉はないと思いますし、特に積雪期の景色は素晴らしく、雷鳥沢キャンプ場に滞在する際はぜひ立ち寄って欲しいお風呂です。

via: http://www.raichoso.com/sisetu2.html

風呂上がりには雷鳥荘前で大日岳に夕日が沈むのを眺めます。雷鳥沢からだと見えない地獄谷もここからなら捉えることができます。


さらに後ろを振り返れば夕日を浴びる立山も同時に楽しめるのが良いですね。


そのままマジックアワーへ。



さて、真っ暗になる前にテントに戻ります。日没間際まで行動する際はヘッドライトをお忘れなく。

この日の夕飯も前日と同じパターン。カップ麺と2人でリゾッタ1個、コンビーフをおつまみにビール。

この日も星空は結構見えましたね。

夜中に目が冷めて外を覗いたらいい感じに天の川も見えましたが、なぜかそのまま写真を撮ることもなく寝てしまいました。後で後悔するのですが、体が睡眠モードになってると判断力が落ちまくってます。

これはまだ21時頃、右上に流れ星。


最終日、初めての大谷ウォークへ

最終日の朝。この日は午後から天気が崩れる予報でしたが、なんなら3日間で一番(しかも一日中)天気が良かったのはこの日だったのでは……? 特に眠い訳でもないのに6時過ぎまで寝まくってしまった。

のんびり朝食を食べたり、せっかく天気が良いのでテントやシュラフをしっかり干して撤収作業。やはり以前からブログやTwitter繋がりだった方々も立山を訪れているようなので挨拶したりなど……。

ログカメラのsaizouさんとTaisukeさん、我々がテント爆睡している間に奥大日岳方面で撮影されていたとのこと。お疲れさまでした。

汗をかきつつ雷鳥荘へ。ハイマツ帯にライチョウはいなかった。

持ってたポカリを飲み干してしまったので、たまらずアクエリアスを購入。

初日に来た際には真っ白だった山にも、かなり黒い部分が増えました。

また雪崩がの跡が増えてますかね?


室堂に到着するとやはりここは観光客で賑やかです。この連休に室堂を訪れた人はみなさん良い思い出ができたことでしょう。この時期の室堂を散歩する場合、日差し+雪の照り返しが強烈なので日焼け止めをお忘れなく。そこそこ塗っていたつもりですが、この3日間で鼻や口の周りが真っ赤になってしまいました……。

初日は間に合わなかった「雪の大谷」を見に来ました。いつもバスの中から見るのみで、一度もちゃんと見たことがなかったのでした。雪の大谷に出るには、室堂ターミナルの1階から外に出ることができます(普段は直通バスの出入り口として使われている場所みたい)。

アルペンルートの除雪を行う重機が展示されています。

名前は「立山熊太郎」(五台目)。

見たことあるやつ。

雪の大谷最高地点。現在は16mとのこと。6月頃まで残っているそうですが、最後はどうなるのでしょうね。

こちらは雪の大谷と並行で山側を望むことができる「パノラマロード」。

この角度から室堂ターミナル越しの立山を見るのって意外と新鮮ですね。

同じ日程で立山入りしていたはらですぎさん、この日は直接顔を会わせてないものの、我々より一足先に雪の大谷を訪れていたようです。すし玉にも立ち寄られたようですし、やはりみんな考えることは同じです(笑)

ホテル立山でローストビーフ重&白エビ唐揚げ丼

すっかりお腹が減ってしまったので、ランチはみくりが池温泉と迷って室堂ターミナルの「レストラン立山」へ。多少の待ちがありましたが、席数も多く回転が良いので名前を書いて15分程で案内されました(その間にお土産を買ったり荷物を整理したりなど……)。

昨年の秋、立山に来た際に食べて「ローストビーフ重」を再び注文。お値段は2,200円とややお高めですが、平地価格でも何ら不思議でないクオリティのローストビーフがたっぷり乗っていてかなりのオススメ。ご飯の量が少々お上品なので登山帰りや男性の方はご飯大盛りで頼んでも良いかも?

もちろん名物の「白海老唐揚げ丼」(ホタルイカの沖漬け付き)も美味しいですが(1,900円)、白えびを他で食べる機会があるならば、このローストビーフ重はぜひ試して欲しいかも。

最後に腹ごなしがてら、ライチョウ探しにミクリガ池〜ミドリガ池周辺を歩いてみました。双眼鏡を使ってハイマツの中に遠目に見つけることができましたが、写真を撮れる感じではありませんでした。

ミクリガ池、一気に溶けましたね。

ミドリガ池の周りにたくさん居た小鳥。イワヒバリにしては少し小さくてスズメみたいだなと思ったら、カヤクグリという鳥のようです。雪の上をピョンピョンジャンプしてました。

浄土山。ライチョウ探しなら浄土山に登るのもアリだったか……?

雄山山頂。結局今回は行きませんでした。

登山の方は剣御前山と別山のみと少々消化不良でしたが、それでも3日間たっぷり楽しむことができました。立山は何度来ても最高です(どうやら来月も来ることになりそう……)。

アルペンルートで立山駅へ、温泉からの富山ブラック

3連休の最終日。思いの外室堂ターミナル内の混雑はなく、高原バスも臨時便が出ていてすぐに乗れました。

そしてあっというまに立山駅。やっぱりアルペンルートの富山側は楽ちん。東京方面の人はどうしても扇沢からのアクセスが多いと思いますし、黒部ダムや立山ロープウェイなど見どころも多いですが、のんびり座っているうちに標高差1,500mを移動する高原バスは行きも帰りも最高です(だいたい寝てる)。

お疲れ様でした。妻も私と同じく日帰りクラスのバックパックに防水スタッフサックのスタイル。これができるのは雷鳥沢と、あとは上高地や尾瀬など限られた場所になりますが、アルペンルートなどの公共交通ではデカいザックに振り回されないので、結構身動きが取りやすかったりします(バスの網棚にも載せやすいですし)。

立山大橋を渡って……。

やってきたのは「ゆ~ランド 立山吉峰温泉」。今まで最終日にみくりが池温泉で入浴していましたが、入浴後の着替えを持っている訳ではないので、今回は車まで戻ってから温泉に行くことにしました。

ランチからそこそこ時間も経ってお腹も減ってきたので、夕飯に富山ブラックでも食べたいなと、やってきたのは「中華そば 大喜 大島店」。以前、富山駅の「とやマルシェ」で食べた「西町大喜」と名前が似てますが、別の系列の店です。他にも「大喜 根塚店」など「大喜」を名乗る富山ブラックを食べられる店があるようで、暖簾分け等のルーツがあるようですが詳しいことは調べていません。

オーダーは麺の固さや味の濃さまで全てテーブルのタブレットで行えるようになっていました。ここは素直に普通の富山ブラックと味付け卵、そしてご飯の小。

色の濃い醤油スープにたっぷりの黒胡椒、そして太麺。一見すると西町大喜の富山ブラックとも似ていますが、味はもう少しサッパリしているかな(しょっぱいことはしょっぱいです)。西町大喜では食後しばらく喉が乾きっぱなしでしたが、これならスープを飲み干しても結構大丈夫!?

妻には丁度良かったみたい。私も美味しかったですが、次回は味濃いめで設定してもいいかな。
たっぷりと入っているチャーシューも美味しくて、テイクアウトのお土産ラーメンも買ってしまいました(後日食べましたがとても美味しかったので改めてこのブログでレポートします)。

ラーメンを食べ終えた段階で時間は19時過ぎ。これ以上富山に居ても、次の食事を食べられるまで空腹になるのを待っていたら日付が変わってしまいそう。そのまま近くの流杉スマートICから北陸道に乗ることにしました。

富山〜東京間は普通に走っても5時間程度は掛かるので、いい感じにETC深夜割引きの時間帯に入って帰宅。やはり春の立山と富山グルメは最高でした。久々にライチョウたちにも会えましたし、大満足の連休です。


山行ルートと活動データ



立山:剱御前山・別山 / OKPさんの剱御前山別山(富山県)別山(北峰)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

本来行きたかった立山周回ルートはこんな感じ(2018年のもの)。


立山(別山〜大汝山〜雄山) / OKPさんの真砂岳(富山県)別山(富山県)立山(雄山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

2022年 GW立山①:富山で絶品寿司を食べて残雪の立山に登る・剣御前山

2022年のゴールデンウィーク、5月3日から5日まで富山県の立山室堂で過ごしました。

2019年以来の春立山は富山から、もちろん「すし玉」へ

新型コロナウイルス流行に伴う緊急事態宣言で2年連続で春の立山を諦めた我が家、今年こそはと考えていましたがアルペンルート開通直後の4月中には予定が合わず、なんとか5月に入っての連休に行くことができました。GW期間のみ一時的に入山できる残雪の尾瀬(至仏山)と迷ったのですが、この2年間春の立山に行けなかったのと、ライチョウ達にも会いたくて……。


本来は連休中の平日である2日の月曜日からの予定でしたが、天気予報的に日程2日目に予定している登山を行うのが3日より4日の方が良さそうなので出発を1日遅らせませた。結果的には当初の2日入りの方がお天気的には正解だった気もしますが、まあそれはそれ。

これまで春の立山は毎回富山側からアクセスしていて、今回も運転が短い長野側(扇沢)と迷ったものの、やはり富山グルメ(春の富山湾の海鮮や富山ブラック)の魅力、そしてアルペンルートの乗り換えの少なさから、富山までのドライブを選びました。

今年のGW期間もETC休日割引は適応外となっていましたが、深夜割引の対象になる時間にスタート。中央道〜圏央道〜関越道〜上信越道〜北陸道と走って、毎度お馴染みの「廻る富山湾 すし玉(富山掛尾本店)」の駐車場に滑り込みました。時間は11時開店の2時間前と少々早かった……。

開店1時間前からトップで並び始めましたが、3連休の初日ということもあって開店30分前には駐車場がほぼ埋まるほどの盛況ぶりでした。
11時開店、入店と同時に「特選12貫握り」(2,530円)をオーダーします。「のどぐろ、肝付かわはぎ、富山湾しろえび、ほたるいか、地元アオリイカ、地物あまえび、ぶり、紅ずわいがに、本マグロ 中トロ、あじ、おすすめ白身」という内容。

やっぱり富山の寿司はうまい。ちなみに「廻る富山湾〜」で元々は回転寿司なのですが、現在はお寿司は回ってなく、全て職人さんへのオーダーとなります。12貫でも十分なボリュームでしたが、うっかり「炙りのどぐろ」「いくら」「キンメダイ」を追加して完全に満腹となりました。幸せです。

お寿司に満足したらいざ立山駅へ。正面に雪を被った北アルプスを眺めながら、富山地方鉄道と抜きつ抜かれつ。この時間帯は立山駅までの道もガラガラで楽しいドライブです。

狙い通りに(?)昼過ぎの立山駅前駐車場にはポツポツと空きが出ていて、駅チカに停めることができました。朝イチのスタートを狙う場合は、かなり早い時間から駐車場を目指す必要がありますが、初日は移動のみと割り切ってしまえば、のんびりお寿司を食べてから駐車場に空きができる午後入りも悪くないです。

ただしやはり午前中からの混雑もあり、13時台の立山ケーブルカーが直前で売り切れてしまったので、14時のチケットを取って1時間ほど立山駅で待つことになりました。個人的にこの立山駅前の雰囲気がとても好き。

今回は思い切って荷物を2つに分けてみました。テン泊用の大型バックパックだと、登山をする際のアタックザックの収納力が積雪期は微妙なのが気になっていました。特に今回は立山周回の予定だったので、ちゃんとしたバックパックを使いたいなと思ってましたし。

テントとシュラフ、マットはカリマーの防水スタッフバッグに詰めて、ピークデザインのアンカー&ストラップを装着して手提げ/ショルダー携行できるようにしてみました。

テント場が比較的近い雷鳥沢キャンプ場だからこそできるスタイルですね(帰りのテント場から室堂までの登りは少々キツかった)。テント内でも使わない荷物をぶっこめるので意外と便利でした。

室堂から雷鳥沢へ、GWとは思えない雪の立山

美女平でケーブルカーから高原バスに乗り継いで、15時少し過ぎに扇沢に到着しました。いつもバスで通り過ぎてる「雪の大谷」を一度見に行ってみようと思ったのですが、雪の大谷ウォークに入れるのは15時までだったので最終日の出発前に立ち寄ることにしました。

室堂ターミナルで忘れずにチェックしたい山岳情報。前日までに降雪があったので縦走路の雪の状態が気になります。入山届けなどは事前にCOMPASSから提出済みです。

外に出ると確かに春(しかも5月)とは思えないぐらい白い立山の稜線が飛び込んできました。ミクリガ池も新雪が積もって真っ白です。

地獄谷や奥大日岳も白い。

これは翌日の立山縦走は少々気合を入れないといけないかもしれません。真砂岳から富士ノ折立に掛けての雪の付き方はどんな感じでしょう。

シュプールに重なるように雪崩のデブリもちらほら。

雷鳥荘の手前、遊歩道と谷川の斜面の間に大きなクラックが口を開けていました。

雷鳥荘前から雷鳥沢キャンプ場を見下ろします。山は見事に真っ白! というか……

ものすごいテントの数!?


大盛況の雷鳥沢キャンプ場でのんびり過ごす初日の夕方

春の立山に来るのはこれで3度目ですが、こんなにテントが多い雷鳥沢キャンプ場は始めてです。やはりGWの連休初日だけありますね。

良い場所は既にかなり埋まっていましたが、テント場の中央付近にひとまず設営。夜に風が強くなる予報もないですし、GWの雷鳥沢は暖かいので整地も適当でOKです。幕営料は1泊1名につき1,000円、トイレや水道(飲用時は煮沸)も使うことができます。

ひと仕事終えたのでまずはビール。はてなブロガーのはらですぎ(id:haradesugi)さんも雷鳥沢にいらっしゃるようなので、挨拶に行ってみたりと。はらですぎさんは我が家が登山を始めてすぐの頃から、ブログやSNSでゆるく交流がありましたが、実際にお会いするのは初めて。

ギアマニアな氏から最新の軽量テントやペグ類を見せて貰いつつ、そういえば我が家のテントやスノーペグは初めて春立山を訪れた2018年から何も変わってないなぁなんて(なんならその数年前から)。

そうこうしているうちに立山が夕日に染まっていい感じのアーベントロートタイム。


薄ピンクに染まった雪面を滑るスノーボーダーをテントから眺めたり……。




まだまだ明るいうちに夕飯をスタート。正直山飯にはモチベーションが低いので、すぐにできて食べられるカップ麺とあとはサバ缶でアルファ米を2人で分けつつ、ビールを飲んでおしまい。

夜はいい感じで星空が見えましたが(流れ星もよく見えた)、周囲のテントが明るい上にトイレに行く人のライトもひっきりなしなので、テント前でサクッと撮っておしまい。真ん中の上の方に流れ星が写ってますね。

ちなみにトイレ(雷鳥沢野営管理所)前の斜面が夜になると例年になくガチガチに凍っていて、転ぶ人が多発していました。うちの妻も転んでいましたし、動画カメラを手にしたまま転んだ気の毒な人も目にしました。
夜は氷点下まで冷え込んだものの、いつものモンベル#2のみでぐっすり。

薄曇りと強風の立山登山

翌朝起きるとまさかの薄曇り。えー、もう少し良いかと思っていたのに。

朝食を食べて6時過ぎにスタート。既に雷鳥坂方面には多くの登山者の姿が見えます。この日の予定は別山側から時計回りの立山周回(別山まで)、稜線の状況次第では真砂岳と富士ノ折立のコルから下りることに。
テント場を出てすぐ、浄土沢を超える手前にかなり深いクラックが口を開けているので、暗いうちから移動する場合は注意したいものです。

雪は夜から朝に掛けての冷え込みでガチガチに凍っています。

雪というよりアイスバーンの斜面のような、登りやすいけど雪山にしては面白みのない登りです。
以前は、ここを登っている最中にライチョウが現れたりしましたが、今回は登山者が多いせいなのか残念ながらライチョウの姿はありません。

奥大日岳方面を登る人の姿。

テント場、先程のクラックはテント場を囲むようにL字に入っているのですね。

室堂平に少し日が差してきました。室堂ターミナルの先を拡大すると曲がりくねった雪の大谷が見えます。

奥大日岳の上にも青空。

別山乗越へ。雲は少し薄くなってきましたが、いつになったら晴れることやら。

富山方面はかなり晴れてきましたね。

そして稜線に出ると思ったよりも風が強い。天気予報では朝方17m/sから昼にかけて11m/s程度に落ち着くとのことでしたが、まだまだ15m/s以上は余裕であります。剱御前小舎で一旦トイレ休憩しますが、この先の稜線でずっと強風に吹かれっぱなしと考えると、少し躊躇するレベルです。

と、ここで先にスタートしていたはらですぎさんがやはり先に進むのを見合わせて停滞していたので、我々もしばらく剱御前小舎で休憩しつつ、今後の行動について相談します。

稜線の雪の付き方や風の確認に、剱御前小舎裏のピークまで出てみましたがやはりなかなかの風。剣岳の上には広角レンズ(14mm相当)でぎりぎり収まるような大きなレンズ雲(?)が出ていました。

結局1時間ほど待ってみたものの、風はそこまで弱くなる気配はないので雄山まで行くことはほぼ諦めて、真砂岳から下りるか別山で引き返すかになりそう。

立山周回は諦めて、まずは剣御前山へ

縦走はしないことになりそうですし、別山に行く前に剣御前山に登ってみることにします。剣御前(2,777m)まで行く1/3程度の距離にあるピークですが、なぜか剣御前山の方が標高が高い(2,792m)ようです。別山乗越を通過する際にいつも立ち寄るか迷ってたのですが、丁度いい機会でした。

剱御前小舎からは10分も掛からずに登れてしまいます。

剣御前山の看板もありました(2,792m)。

別山ほどではないものの剣岳がよく見えます。この剣御前の尾根はそのまま剣岳の別山尾根に繋がっているようです。だから剣御前なんですね。

そんな剣御前山からの眺め、なかなか良い感じ。日本海も見えています。

奥大日岳、相変わらず雪庇がすごい。

北〜西の空はかなり晴れてきています。

立山稜線方面。

剣沢と剣沢とスキーヤー。

剣岳の山頂を600mm望遠で覗いてみたら10人以上の人が居ました! こんな強風なのに凄いですね。スキー等の滑走具も見えますし、右手側の急斜面を登っている人の姿も…… すご。

そして別山方面。こちらもかなり晴れてきました。こうして見るとよく分かりますが、別山乗越からはすぐのようで小さなピークを3つ程越えて行くことになります。

真砂岳あたりの縦走路。朝あれだけ登っていた人がいるのに、大半は別山乗越か別山までで引き返しているようで、稜線を歩いている人の姿は殆ど見られません(雄山方面から歩いてくる人が2人確認できます)。

剱御前小舎にて再びはらですぎさんと合流して、別山を目指すことにします。待った甲斐があって(?)立山稜線の空はかなり晴れてきましたね。風は相変わらずですが、先程よりは少し落ち着いたかな?

少々中途半端ですが、1本に全て詰め込むと長くなってしまうので、ここで一旦切り上げて後半に続きます。