I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

雪と吹雪の上高地でスノーハイク&キャンプして甘酒飲んできた

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2月3連休の後半2日間、長野県の上高地にスノーハイク&キャンプに行ってきました。


冬の上高地に行こう!

厳冬期の上高地キャンプには以前から興味があったのですが、いいタイミングでTwitterの登山や写真趣味で繋がってる方々からお誘いを受けて参加することとなりました。

念のため冬期の上高地について最初にお断り。あまりカジュアルに行ける場所だと捉えられてしまうと危険なので(雪崩の発生しやすいエリアなどもあります)、冬山登山と同じ装備・心構えで臨む場所だということはお忘れなく。入山の際は上高地公式サイトの注意等にもよく目を通し、余裕を持った登山計画を立てるようにしてください。
冬期に入山される方へ | 上高地公式ウェブサイト

釜トンネルまでの送迎&ガイド付きの日帰りスノーシューツアーなどもあるので、初心者の方はそのようなツアーを利用するのもいいかもしれません。

雨の中央高速から沢渡駐車場〜釜トンネル

今回の集合場所は長野側の上高地玄関口であるさわんど(沢渡)の駐車場。東京から3名乗車の車で向かった我々ですが、長野県に入る辺りから道中はずっと雪交じりの雨…。

集合時間調整もあっていつもよりのんびりなドライブでしたが、何を血迷ったのか諏訪湖SAにて4時前にこんな朝食(?)を食べている自分がいました…。どうしてこうなった?

山賊焼き+炒飯という謎プレート。意外にうまい

松本ICで高速を下りて、標高を上げて行くと徐々に天候は雪へと変わっていきます。沢渡の市営駐車場に車を停め、朝7時に予約していたタクシーに分乗して出発です。沢渡〜釜トンネルのタクシー料金は片道2900円。

GW直前から開通する釜トンネルは冬期閉鎖中です(シーズン中はマイカー規制区間)。ここから全長1,310mのトンネルを歩いて上高地へと入るのです。一度、この釜トンネル歩きをやってみたかったのですよね。

釜トンネルの中はこんな感じ。それなりに明かりも点いていてヘッドライトなどを使う必要もありません(以前はオレンジ灯のみでもっと暗かったという話も?)。

今回のパーティは写真のメンバー+私の6名。後方中央を歩いてるのはうちの妻。実はこの日(2/11)は我が家の結婚記念日なのですが、上高地キャンプ(別名「上高地ラッセル大会」)にお誘いを受けたことを伝えた所、ふたつ返事で参加決定。そうでなくっちゃね!


全長は1.3km、標高差は100m程の上り勾配(最大11%)となるので、実はこのハイキングの最初で最後の難所がこの行きの釜トンネルかもしれません?

そしてトンネル内にカッコイイ重機があれば当然撮影会が始まってしまう訳です…?


…そんな釜トンネルを抜けると、今度は昨年の夏に開通したばかりの真新しい「上高地トンネル」(こちらの全長は588m)が続きます。昨年以前も来ているメンバー曰く、このトンネルができて相当ラクななったとか。

この上高地トンネルの勾配も最大9%とこうして見るとなかなかのもの。しかし雪崩や落石の多い斜面をショートカットして歩けるのは大変有り難いです。


雪の上高地スノーハイクがはじまる

ということで、今度こそ冬の上高地ハイクがスタート。三連休中日ということもあってか、思っていた以上に入山者の踏み跡が多いです。もっと独り占めなのかと思った(笑)

それにしてもなかなか本格的に雪が降ってきましたね…。

川の石に積もった可愛い雪のオブジェたち。カメラ&写真好きの一行なので、些細な変化が見つかるたびに足を止めての撮影会が始まります(たのしい)。

大正池の右岸側を回るコースを取り始めるといよいよトレース(踏み跡)のない雪道がスタートです。といってもラッセル(雪をかき分けて進むこと)という程でもなく、登山靴のままふわふわ新雪の上を歩いていきます。ゆるいペースで写真を撮りながらふわふわの雪を歩く、ゆるふわハイク。

まだスノーシューやワカンを履いてないのでちょっと雪が深いところは膝上までズッポリ。ゆるふわか!?

曇っていたって、雪が降っていたって写真は撮れるのだ。楽しくやろうぜ!

焼岳登山口付近の湿原、雪の季節もいいよねー。

この日はOM-D仲間がいて嬉しい! ちなみに私、山の中でのレンズ交換が不安で、ついカメラを2台持ってきてしまうタイプです(この日も2台の新旧E-M1を携行)。

梓川の川岸、白い雪の中に赤く目立っているのはケショウヤナギの木です。赤い小枝が目立つのは晩秋から春にかけてのことらしく「雪景色の中の赤」は釜トンネル閉鎖中のこの季節じゃないと見られない光景です。


トイレ休憩〜梓川沿いを河童橋へ

梓川に出たところで小休止がてら、ワカンやスノーシューを履きます。スノーシューも欲しいのですが、なかなか使う機会がなさそうなんですよね…。そして冬期トイレが使えるのは本当に有り難い!

梓川の右岸側を一列になって進みます。トレースを外すとワカンを履いていてもふくらはぎ辺りまで雪に沈みます。鳥を見つけては一斉にカメラを向けたり「猿いないねー」なんて(いつもはあんなに沢山居るのに)まさにゆるふわカメラハイキング。

カメラのファインダーに積もった雪の結晶が美しい(ピント合ってない)。釜トンネルの手前では重たいボタ雪でしたが、上高地の中は比較的サラサラの雪が降ってます。これは気温の差かな? といってもこの日はそこまで寒くなくて、氷点下ひと桁ぐらい。

葉を落としたカラマツ林の向こうには六百山(上高地から見て霞沢岳の左隣の山)。今まであまり意識したことのない山でしたが、こうして見ると格好いい山ですね。

対岸のケショウヤナギの向こう、穂高連峰の一角である明神岳が見えそう…?

すかさずカメラを向ける写真クラスタのみなさん。

一瞬、山頂付近まで雲が晴れた瞬間に私もパチリ。格好いいぞ!

ただし明神の奥へと伸びる穂高連峰の全容や吊尾根までは見えず。岳沢の途中までがなんとか見えている位でした。ちょっと残念ですが何も見えないよりは、明神が姿を見せてくれただけでも感謝しましょうか。

河童橋で記念撮影をする一行。見える、心の目で見れば私には穂高が見えるぞ!

見える…… 見えない(涙)

この山肌の赤もケショウヤナギでしょうか?


小梨平で幕営&甘酒飲み比べ大会

予定では明神池まで足を進めることになっていましたが、雪も風も強いので先に小梨平に幕営しておくことにします。そういえばいつも(前泊者が整地を済ませてる)テント場ばかり泊まっているので、完全にまっさらな雪上の整地をしたのは初めてでした。風よけの雪壁も結構雑ですが、これでも2人がかりで結構時間が掛けて作ったのです(笑)

明神池には行かないことになったので、みんなんで集まってなにか温かいものでも… ってなぜそこでシロクマを作ったのだ!(大変美味しかったです)

鍋!?

立派な鍋を使って始まったのは甘酒作り。実は事前にTwitterで申し合わせて(?)、私も酒粕を持参して甘酒を作って(手前の鍋)飲み比べるイベントが発生。どちらの甘酒も好評ながら、ラストに余った2つの甘酒をミックスしたものが一番絶賛されていたという…。

自家製の干し柿も美味しくいただきました!

吹雪の中、テントの中

ますます、風も強くなり熱々の甘酒でもフォローできない位に身体も冷えてしまったので、各自テントに入って過ごします。忘れちゃいけないモバイル機器の充電タイム。

妻に任せた夕飯はキムチ鍋。まさかの白菜を忘れるという失態を抜きにしても、大変美味かったです。冬場は肉を凍らせたまま持参できるのが嬉しいですね。野菜とキムチ、肉と鍋キューブがあればコンロひとつでできて、身体も温まるナイス料理です。

鍋の後にはお湯で軽く戻したアルファ米と卵を投入してキムチ雑炊。登山だと荷物の関係で、簡単な食事ばかりになってしまうので、やはり上高地はゆるキャンだ!

食事の後は大事な湯沸かしタイム。これをやっておかないと翌日の朝に仕事が増える。山専ボトルに入れておけば、飲料用としては翌日の昼過ぎまでしっかり「お湯」です。

沸かしすぎた湯で熱燗もやっておきましょうそうしましょう。外はなにやら凄い風の音がしていますが、せっかく身体が温まったのでもう気にせずに寝てしまうことにします。どうせ星なんて見えませんしね。

朝起きたら、テントが雪で埋まってました(笑)

天気予報では「雪」でしたが、吹き下ろしの風が強い小梨平では完全に「吹雪」。これはもう撤収するしかありません。テントを飛ばさないように速やかに撤営作業を行います。

田代湿原〜大正池を抜けて釜トンネルへ

体幹の強いクライマーは吹雪の中でもランドネみ溢れるポーズをキメられるぞ。

この装備での片足立ちは素人さんが真似しようとしても難しいのだ!

吹雪の中だろうとそこに被写体があれば撮影を行う強いカメラマン。

一晩で梓川沿いの雪庇が育ってる!

そういえば、日頃は夫婦でしか登山をしていないので、実は複数人のパーティで行動するのはこれが初めてだった我が家。自分は写真を撮るので、ちょいちょい立ち止まりたくて団体行動にも向いてないのですが(?)、このパーティは大半が写真クラスタなので、その辺の行動も大目に見て貰えるのがありがたい。

樹林帯の中に入ると風も収まるのでさらにカメラマンたちが活気づく。お天気のハンデなど気にせずに楽しむ人たち、最高である。

かろうじて見えている道標。随分と積もっているなー。

夏には緑の湿原となる田代池。これだけ雪が積もっても浅い田代池(砂の堆積で徐々に小さくなってる)がしっかり水をたたえてる所に、梓川水系の水量の豊富さを感じることができます。

樹氷写真でお馴染み(?)の田代池ですがこれだけボコボコに風が吹いていたらもうね…

雪にピントを合わせてみるのも面白い… かなあ?

唐突に田代池と出羽桜の撮影会はじまる。


続いてやってきたのは大正池。当然このお天気では本来正面に見えるはずの焼岳も見えませんが、これはこれで風情がありません?

雪の大正池、秘境感があってよい。


ローアングラー(かっこいい)。

とにかく雪すごいけど(笑) 何話してるんだろう?

雪の中の対岸リフレクション。こんなお天気じゃなければ見られなかった光景です(ポジティブ思考で)。

ところでこんなに雪が降っているのに、ストロボを忘れてしまうのはかなり無能感が溢れている気もします。クリップオンどころかカメラ付属のものすら持って来てないとか……

方向を見失うような吹雪にはなりませんでしたが、現在位置はPROTREK Smartでしっかりチェック。登山に比べるとどうしても見る頻度は低くなってしまいますけども。

楽しかったキャン&ハイクもあと少しでオシマイ。ちょっと寂しいかも。

何気にトンネル出入り口付近は雪崩の危険地帯。それでなくても張り出した雪庇が危険なことは見れば分かりますね。急いで通り抜けよう!

帰りの釜トンネルは下りなのであっという間です。たまに車両の通行もあるので、気を付けて路肩を歩くのが正解です。

トンネル出口では、予約していたタクシーの運転手さんが待っててくれました。

そうそう、今回からテント泊用のザックをカリマーのクーガー55-75に変えてみました。フィッティングに時間を掛けただけあって、20kg前後の荷物を背負ってもなかなかにいい感じ。今年はこいつを背負って色々な山に行けるといいな。


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参加した雪上カメラについて

さて、最後に愉快なパーティメンバーのカメラを一挙紹介。どれもメーカー・機種は違えども、マイナスふた桁の気温と吹雪に吹かれても最後まで問題なく動いていたタフな奴ら。

昨年末に発売されたばかりのソニーの新星、α7R IIIとFE 24-105mm F4という誰もが羨む組み合わせ。撮影枚数は不明ですが、なんとバッテリー交換なしで2日間持ったそう。気になる防滴性能も氷点下の気温で使っている分には降雪でも問題なさそう?

定番のニコンD750はやはり抜群の安定感。メーカー的に防滴を謳ってない24-120mmレンズのみ、しっかりレインカバーで保護してあげる所はさすが手馴れたもの。

私のカメラの兄弟機でもあるオリンパスE-M5MarkII+M.40-150mmPROもすっかり雪まみれですが、まあOM-DとPROレンズならなんてことないでしょう(過信)。
M.40-150mmPROの大きなフードはいい雪対策になりますが、画角が画角だけに撮影に苦労してる姿もチラホラ…?

そして私はいつものE-M1MarkII+M.12-100mmPRO。もう一台、広角ズームを付けたE-M1も持っていきましたが、さすがに吹雪の中では使わないので2日目はザックの中でお休みでした(初日も広角写真は殆ど撮らなかったですし)。

電池は途中で交換していますが、本体自体は最後まで問題なく使えました。やっぱりOM-D系は氷点下での電池持ちがやや悪くなってしまうのが課題かなぁ…。

山行ログと歩行ルート

カシオのPROTREK Smart WSD-F20で記録したYAMAPのログです。トンネル通行中は位置情報が取れないためポイントが飛んでいます。


上高地スノーハイク / OKPさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

おまけ:坂巻温泉〜茅野ハッピー食堂

一旦、沢渡駐車場に戻ってからやってきた釜トンネル近くの坂巻温泉。日帰り入浴も可能で(600円)、湯の花多めな源泉掛け流しのいいお湯でした。

その後、何故か一同で茅野(諏訪)まで移動してやってきたのはハッピー食堂。以前からTwitterのタイムラインに流れてくる写真が気になっていた定食屋です。地産地消の野菜やお米を売りに、登山後でも満足できるボリュームたっぷりのメニューが人気とのこと。

注文したのはトンテキ定食の大(300g)。柔らかいお肉のトンテキはタップリのニンニクと甘いソースが絡み合ってご飯がいくらでも食べられるやつ。
ご飯のお代わりが無料なので、それはもう完全に上高地ハイクのカロリー消費分以上に食べてしまったことは仕方ありませんね…。また絶対に来る!

豚汁が付いてくるのも嬉しいなー。

こちらは奥さんが頼んだ山賊焼き。大きなもも肉1枚に、一部ピーマンを挟んで揚げてあるのもユニークですね。一切れ貰いましたが、柔らかジューシーに揚がっていて最高です。

あー、またゆるキャンに行きたい!(ちゃんと登山も行け)

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