私の住む東京都府中市。かつての奈良・平安時代には武蔵国の国府が置かれていた土地でもあり、その他にも多くの遺跡が発見されています(古墳もあるよ)。このブログでも、そんな府中の歴史、史跡ネタをいくつか取り上げてきましたが、久々にそんな地元の史跡ネタになります。
2010年に府中本町駅前にあったイトーヨーカドーが閉店したのですが(建物は現在ラウンドワンになっています)、その裏には店舗移設の準備として隣接した敷地にあった立体駐車場を解体したところ、武蔵国の国司館跡や徳川家康の府中御殿跡といった遺跡が見つかり、その土地を国と府中市が買い上げたこともあり、店舗の移転計画ごと頓挫…… という経緯もありました。
以前、SUUMOタウンに寄稿した府中の記事でも、その辺には触れていたと思います。
そんな旧イトーヨーカドー駐車場後の発掘現場が、いつの間に発掘作業を終え、「国司館と家康御殿史跡広場」として整備されていました。どうやら一昨年2018年の11月にはオープンしていたようですが、地元民である私が気付いたのは、ほんの2日前のことでした……。
国司館と家康御殿史跡広場オープンしました 東京都府中市ホームページ
所在地:府中市本町1丁目14番地
開園時間:午前9時〜午後5時
休園日:年末年始。ただし、悪天候等により休園する場合があります。
駐車場:なし
入園料:無料
ということで「国史跡 武蔵国府跡(国司館地区)史跡広場」改め「国司館と家康御殿史跡広場」。府中本町の改札を出てすぐ左手の府中街道との間。或いは、府中駅から大國魂神社の境内を抜けていくと、ラウンドワン(旧イトーヨーカドー)の向かいにある広場です。
この府中本町駅あたり「ハケ」と呼ばれる河岸段丘の上段の際にあり、今でも府中本町駅の構内や東京競馬場へと繋がる専用通路からは富士山がよく見えるポイントとなっています。
既に発掘調査を終えた地面は埋め戻され、綺麗に舗装されているので、遺跡らしきものは見当たりませんが、1/10スケールの国司館復元模型や国司館の建物の柱を復元した展示があります。
……といっても実際に見て回るものは、地面に埋め込まれた遺跡解説のプレートぐらいしかないので、5分も見たら終わりかも……。その他、併設の事務所でリーフレット等の紙資料を貰うこともできます。
なんて思っていたら、VRゴーグルによる復元CGや遺跡解説の視聴ができるそう。貸し出し時間は過ぎていましたが(冬季は15時まで)、プレハブの管理事務所に顔を出してみたところ、普通に「どうですか?」と勧めてもらえたのでお借りして体験しました。
お借りしたゴーグルを手に持って、イヤホンを耳に入れて再び広場へ。広場内に指定された5箇所のポイントに順番に歩いて行くと、バイブレーターの合図と共に自動的にゴーグル内に動画が映し出され、付属のイヤホンから解説が流れる仕組み。位置の特定は電波的な何かか、GPSなのか……?
ゴーグル内の動画ではそこまで精巧なCGが見られる訳ではありませんが、奈良時代の国司館(武蔵国府の国司の住居兼執務室)の再現映像、当時の府中一体の風景などを体験することができます(江戸時代の府中御殿の解説も1本あります)。よく知る地元を元にした映像だけに、これがなかなか面白い。
VRゴーグルツアーは全行程で15分といった所でしょうか。ある程度府中の郷土史に興味がないと、このためだけに訪れる魅力があるかは微妙ですが、近隣の東京競馬場や大國魂神社辺りに出掛けた際に、併せて立ち寄ってみると面白いかもしれません。
ここからの徒歩圏内には、大國魂神社の敷地に「ふるさと府中歴史館」がありますし、府中本町駅から徒歩20分程度の「府中郷土の森博物館」でも、様々な府中市の歴史的な展示物を見ることができます。このブログでも過去にいくつか紹介してますので、よかったら併せてどうぞ。
ちなみに私がこの日府中本町の駅を訪れた目的ですが、「荒節中華にはらい」のラーメンが目当て。近くには「青葉」や以前記ブログで紹介したワンタン麺が美味しい「いつみ屋」などもあります。
鳥観絵地図の村松昭氏のアトリアもこの府中本町駅前のエリア。併せてお立ち寄りくださいませ。
多摩川散策絵図―源流から河口まで (村松昭散策絵図シリーズ (4))
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