このブログでもよく飲食店等のレポートをしますが、毎度難しいと思っているのがお盆に並んだ料理の写真。
料理の写真は着席したまま素早く撮りたい
これまで色々な飲食店や宿泊施設で料理の写真を撮ってブログで紹介してきましたが、毎回満足行く写真が撮れるかといえばそうではありません。あくまで一番の目的は飲食ですし、せっかく作りたてを出して貰っているので素早くスムーズに、なるべく着席したまま写真は済ませたいものです。最近はスマホカメラの性能が良いのでスマホで済ませることも増えましたが、旅行などの際にはやはりミラーレスカメラを使うことが多いかも。
後でブログで使うかもしれないことを考えるとメインや単品のアップを含めて数カットは撮るのですが、毎回特に難しいと感じているのが定食やセットなどのお盆に並べられた料理全体の俯瞰写真です。

自宅の食卓ならどんな構図や距離で撮っても誰にも迷惑は掛からないし(夜はストロボを使うのでソフトボックスの影が邪魔で、妻がスマホ撮影待機してるが……)、光源も常に一定です。


ちなみに自宅のテーブルフォトには50mm相当の標準レンズを使ってますが、飲食店だと標準画角でお盆の俯瞰を撮るのはちょっと難易度高め(椅子から立ち上がったり、カメラを少し高い位置に構える必要があります)。
お盆を直接テーブルに置かずに店員さんがお皿を並べてくれる店(ファミレスなども)の場合も、特に悩むことはありません。正面から撮ってもよし、メインを目立たせるように斜めから撮ってもよよし。


一皿ずつ提供される単品料理やラーメンにしても、おしぼり等、周囲の映り込みにさえ気をつければOK。




しかしこれがお盆で提供される定食料理の俯瞰となると俄然難易度が上がります。
メインを料理を中心にアップでも撮りますが、セットの構成をひと目で伝える全体写真はやはり押さえておきたいもの。
お盆の定食は「枠」の存在が厄介!?
料理全体を入れるべきか?(皿の端は切れてもいいのか?) 構図は斜め俯瞰か真上からか? お盆の枠や四隅を入れるべきか? お盆の天地の直線は揃っているか? さくっと済ませて食べたいのに意識することが多すぎます。さらに光源や影のことも考慮する必要があります。
ありがちな微妙お盆写真はこんな感じでしょうか。着座で見たままの角度に近い斜め上俯瞰。広角レンズ(この場合28mm相当のレンズ)のパースによりお盆が台形状になるのは別に構わないのですが(適度な遠近感にもなりますし)、天地の水平ラインが並行でないので微妙に気持ち悪い。
真上からのの俯瞰を意識して撮ったつもりが、お盆のパースで傾いていることがひと目で分かってしまう例。ちなみに真上からの俯瞰写真も嫌いじゃないですが、メニューによっては立体感が分かりづらかったり、お盆がある場合は難易度が高いのであまりやりません(ラーメンやカレーなどメイン料理が1皿の場合、日の丸構図の真上俯瞰を撮ったりしますが)。
ちなみに28mm相当は超広角ズーム(M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO)のテレ端で、私が旅の記録写真に多様している画角。スマートフォンの一般的な広角レンズもこれぐらいの画角なので、スマホで同様の俯瞰撮影をするとありがちかも? 本来ならテーブルフォトはパースの付きにくい標準〜中望遠レンズを使って撮りたいのですが、その場合被写体からそれなりに距離を取る必要があります。広角レンズを使うのはテーブルに座ったまま全景を撮るための妥協でもあります。
そんな広角でそこそこいい感じに撮れるとブログでも使いやすいのですが、例えば次の写真はお盆の枠が見えにくい光線状況だったり、お盆の代わりに水平の基準になるテーブルや窓枠が写ってる効果も大きい。
この麻婆豆腐もお盆の奥の水平が隠れているので、広角にしてはパースが気にならないかも(被写界深度のせいで奥の皿がアウトフォーカスになっていますが、ブログで使う場合は別撮りのアップの写真を組み合わせてフォローします)。ビールグラスの店名を入れるかどうかで上をもっと切るかは判断が割れるかも?
お盆の歪みは後で補正してしまえ!
そんなこともあって少し前から意識するようになったのはトリミングや現像時の補正を前提にして、広角レンズで少し引き気味にして写真を撮っておくこと。一見すると使いづらそうなこんな写真ですが……
Lightroomの[変形]を使って天地の歪みを補正しつつトリミングをすれば……
そこそこいい感じに整いました。お盆の天地水平を揃えるだけでなく、奥行きのパースも少し緩くしています。
ついでにこんな感じの構図と主菜のアップも撮っておけばブログレポートには十分でしょう。


まあ、広角で広めに撮るぐらいなら最初から35mmとか40mmぐらいの焦点距離の画角で撮るのもひとつなのですが、飲食店で使いやすい画角に関しては個人差もあると思います。
かなり極端な例ですが、こんな一見すると飯撮りとしては終わってるような写真ですが……
ここまで補正することもできます。トリミングというのは要はズームと同じなので、実際よりも焦点距離の長いレンズで撮っているような絵に補正しやすいのです。
引きが甘い場合も……
お盆の天地を整えてあげればまあそれなりに見えるか。
他にもありがちなミスとして、メインの料理に気を取られて、お盆やお皿が切れてしまうパターン。イマイチではあるものの、見せたい部分が構図に収まっているなら水平を整えればブログレポート程度なら結構使えることが多いです。
先日の早川ランチでも思い切りご飯茶碗が切れた構図で撮ってしまった。奥の皿のブリも完全に見切れていて後で少し頭を抱えましたが、単品で撮った写真があったのでなんとかなりました!?
直線が目立つ器やランチョンマットも鬼門?
とはいえやはり四角いお盆やお膳、器をさっといい感じに撮るのは難しいですね。先日泊まった、湯河原温泉 オーベルジュ湯楽の朝食の正方形のお膳とか……
一応、別々にも撮ってはいましたが、もう少し綺麗に撮っておけば歪みを補正しつつ正方形にトリミングして掲載する方法もあったかも(これは試しに無理やりやってみました)。


お盆ではありませんがランチョンマットも同様で、パースや傾きが強調されてしまいます(写真のためだけではないですが使わなくなりました)。お弁当などを撮ってもやはり未補正だと気になりますね。




こんな感じで、この手のお盆料理写真は何度撮っても、毎回ブログで使う際に反省点ばかりだったりします。
そこまで全体の俯瞰に拘らずにアップの写真を組み合わせることでもブログレポートは成り立つのですが、やはり定食やセットは写真1枚で上手く見せて上げたいと思ってしまうのですよね。
ちなみに、前述の通りこれまでは28〜30mm相当ぐらいの広角レンズをメインで使っていましたが、最近は40mm相当の「少し広い標準」を使うことも増えました。
全体の俯瞰をは少々撮りにくくなりましたが、その分小さなカメラを使って素早く手を上げて撮影するなどしています。広角よりは背景ボケが作りやすいので、お盆等の直線は目立たせないように撮ったりなど……。









他にもある、迷う料理写真のシチュエーション
その他、ブロクレポート的に苦労しがちな飲食店シチュエーションをいくつかおまけで。
向かいの同行者の料理をどう撮るか? 提供のタイミングに時間差があれば、こちら側に向けてしまうのもアリですが、わざわざ席を立って回り込むこともしたくないですし、とりあえず記録的に反対側から撮るしかない。メインの料理にピントを合わせつつ、やはり天地の歪みが目立たないように撮るか後で補正すればいいかな。
頑張って真上から撮ってみたところでどうしても逆さ感が出てしまうので……
それなら割り切って斜めから撮ってしまった方が使いやすいかも?
お盆の上の配置は店側が意図した配置の場合もあるはずなので、極力お盆内の配置は変えずに撮ってますが、さすがにこれは修正しても良かった気がします……(笑) 現場では全く気が回りませんでした。
会席コースではないけど徐々にテーブル上の料理が増えて行く、旅館でよくあるパターン。どこまでを俯瞰で押さえて、どこから単品で撮れば良いか迷う…… けど仕方ないですね。後でどの写真を使うかも迷います(笑)




こちらも旅館、品数が多すぎて1枚に入り切らないテーブル。諦めましょう。
頼んだものが揃ったときに、先に手を付けた料理と一緒に撮るとなんだか絵が汚い……。
切り取り方を調整して誤魔化せ!
お店の光源問題はそういうものだと受け入れましょう…… ミックス光だったり真っ赤なテーブル、シルバーのテーブル…… それらも含めて伝えるべきお店の特徴なのだから!?

