先日手に入れたPeakDesign(ピークデザイン)の新型カメラクリップ(バックパックホルスター/カメラホルスター)「キャプチャーV3」。この2週間、普段の仕事や街歩きの際に試してみた他、先週末には雪山登山でも使ってみました。
旧モデルであるV2世代の「キャプチャープロ」との違いもだいぶ実感できたので、今回はもう少し詳細にレビュー記事としてまとめてみることにします。
上の写真を見ていただければ分かるかと思いますが、既に2個目のキャプチャーV3(ブラック)を買い足してしまった位、スッカリ気に入っています。
- Peak Design CAPTURE V3のここがイイ! ここがイマイチ?
- Peak Design CAPTURE V3とは…?
- CAPTURE V3を実際に使ってみて
- 対応するストラップ幅が狭くなったことについて
- 旧キャプチャーとの互換性について
- 2018年はキャプチャーV3、2セット体制で使ってみます
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Peak Design CAPTURE V3のここがイイ! ここがイマイチ?
まずは最初にざっくりと新型キャプチャーV3を使ってみて感じた、いいところ微妙なところ。これまで旧キャプチャープロを使っていたことを踏まえての感想です。
キャプチャーV3のここがイイ!
- カメラの着脱がとてもスムーズになった!
- 軽く、小さく、薄くなった!
- ロングクランピングボルトを買わなくても厚みのあるストラップに装着可能!
- 本体が体に当たっても全く痛くない!
- 新型プレートはネジ位置をオフセット可能
- 滑り止めの効きがいいのでズレない!
キャプチャーV3のここはイマイチ?
- ストラップ幅が広いと装着できないかも?
- 本体が小さくなったのでミトン手袋での操作が難しくなった?
- キャプチャーツールのボルト径が合わない?
- 旧キャプチャーとの互換がやや微妙?
基本的にはほぼいいことずくめの絶賛モードですが、一部気になるところもいくつか出てきました。以下、各項目でそれぞれについて解説していきます。
Peak Design CAPTURE V3とは…?
ピークデザインの「キャプチャー」はバックパックやバッグのショルダーストラップやベルトなどに装着して、ワンタッチでカメラを着脱しながら持ち運ぶためのアイテム(カメラクリップ)です。
私は2世代目の「キャプチャープロ」という製品を、主に登山の際のカメラ携行に使ってましたが、そのキャプチャーが3世代目へと進化したので、クラウドファンディングのKickstarter経由でいち早く手に入れました(既に12/23から国内販売も始まってます)。
ファーストインプレッション記事でも製品び大まかな紹介はしていますが、以下、ダイジェストとしてキャプチャーV3の進化ポイントをはじめに少しまとめておきます。
よりスムーズに、よりコンパクトに!
新キャプチャーV3ですが、旧キャプチャープロと比較しても明らかにカメラの着脱(=本体とプレートの着脱)がスムーズになりました。メーカー動画で紹介している通りに、プレートを当てて滑らせるだけで「スチャ」っとカメラがハマってロックされます。
本体重量はV2比で30%以上軽量化され(キャプチャープロ/112g→キャプチャーV3/75g)、20%小型化、薄形化もされています。
V2までは「ロングクランピングボルト」という別売りの長ネジを使う必要のあった、厚みのあるベルトへの装着も、標準で附属しているボルトに交換することで対応しました。
本体が小型化されたこともあり、ザックでの使用時に体への当たりも少なくなり、Tシャツなどの薄着で使ってもほぼ負担は感じなくなりました(V2までは胸の辺りに当たるのが少し痛かったです)。
ここまではファーストインプレッションでも紹介したことのおさらい。それでは実際に新型のキャプチャーV3をフィールドで使ってみたレポートへと続きます。
CAPTURE V3を実際に使ってみて
キャプチャーV3が手元に届いてから2週間ほど外出時にミラーレスカメラのGX7MK7やコンデジのTG-5を持ち歩くのに、そして先週北八ヶ岳の天狗岳に行った際などに使ってみました。小型のカメラがスムーズに扱えるのはもちろんですが、E-M1 MarkIIとM. 12-100mmPROのような比較的重量のあるカメラ+レンズを装着しても、以前のキャプチャープロと何ら変わらない安定感でカメラを保持してくれています。
冬山登山で着るハードシェルの作りもあって(ジップアップできる襟周りの大きさやGORE-TEX素材の固さもあり)、胸元のキャプチャーが見えにくく、装着に手間取ることがあったのがこの時期のストレスでしたが、新キャプチャーV3ではプレートさえ正しい位置に当てればスムーズに装着することができます。
キャプチャープロ時代には地味に難儀していたことだったので、かなり快適になりました。
歩行時の衝撃でズレなくなった
以前のキャプチャープロは登山の下山時など、ザックが強く揺さぶられるような歩き方(小走りの際なども)をしていると、徐々に本体の固定が下にズレてしまうことがありました。
その対策としてかなりキツくボルトを回して固定していましたが(それでもズレる)、新型のキャプチャーV3ではバックプレートに滑り止めのゴムが付いた効果もあり、目一杯にネジを締め込まなくても本体がズレることはありませんでした。
この新旧キャプチャーの固定力の違いは、バックパックのストラップに軽く固定した本体を手で動かそうとした際にもよく分かると思います。
旧製品よりも傷が付きにくくなったかも?
以前のキャプチャープロは数回使っただけで、本体&プレート共にすぐ目立つ傷が付いてしまったのを覚えてます。キャプチャーV3はまだたった2週間の使用ではありますが、軽く擦れた跡は付いているものの、ノールックでガチャガチャと接触させていたにしては目立つ傷はまだ入っていません。
このシルバーは恐らく(地金の色でなく)塗装だと思うのですが、思った以上に丈夫なコーティングになっているのかもしれません。
ノールック操作時のトラブルなど
ただし、スムーズにハマるからといって雑な動作で装着した際に、変な角度で突っ込んでしまったことで、簡単に外れなくなってしまったトラブルが1度。厚手のミトン(正確にはロブスター型)グローブで操作した際に、うっかりリリースボタンを半回転のロック状態にしてしまい、その後装着不可の状態になってしまうトラブルにも1度遭遇しています。
また、本体が小型化されたこともあり、ぶ厚いグローブでの操作はキャプチャープロと比較しても、サイドのリリースボタンが押しづらくなったように感じました。
対策として、ミトングローブの代わりに防寒テムレスというポリウレタン製の5本指グローブを使うことで、カメラ及びキャプチャープロ周りの操作は快適になりました。
基本的には厳冬期の登山で使うようなぶ厚いグローブなどで操作しない限りは、旧製品よりも明らかに扱いやすくなっいると思います。
対応するストラップ幅が狭くなったことについて
ファーストインプレッションの記事にも書きましたが、本体サイズが小さくなったことで、両サイドのネジ間が狭くなっています。だいたい実測で約70mm→55mmの変化、つまり挟むことのできるストラップの幅が1.5cmほど狭くなってしまったことになります。
実際にはストラップの両サイドを少し締め付けて固定する感じになるので、手持ちのザックで確認した範囲ではストラップ幅65mm位までは対応してくれるようです。
もし幅が60mm以上のベルトへの装着を考えてる場合は、注意した方がいいかと思いますが、実際に試してみないことには答えは分からないのですよね…。
旧キャプチャーとの互換性について
キャプチャーV3世代とV2以前の世代のキャプチャー本体、プレートの互換性について。当初、V2プレートはV3キャプチャーで使えるものの、逆のV3プレートはV2キャプチャーでは使えないと公式に発表されていました。
https://www.kickstarter.com/projects/peak-design/greatest-hits-revamped-capture-slide-and-slide-lit?ref=d0y3po
しかし実際はキャプチャーV3に附属するロングボルトを使うことで、V2世代のキャプチャー(写真はキャプチャープロ)にもV3プレートが付くようになっています。
恐らくこれは意図的に設計されているのだと思いますが(あえて固定方法の異なるボルトを付けた理由の1つなのかな?と)、Peak Design的にも新しいキャプチャーV3を売りたいでしょうし、そこまで大々的に相互の互換性については謳わなかったのでは?と勝手な推測をしています。
(新型ボルトが単独で売られることがあれば、V3プレートのみ買い増したい旧キャプチャーユーザーの救済措置にもなるのですけども…)
ただし、旧キャプチャーにV3プレートを装着しても、V3同士のようなスムーズな着脱にならないので、一度キャプチャーV3を使ってしまうと旧型には戻れないかも…?
ちなみにサイズの大きな旧プロプレートも、問題なくキャプチャーV3で使うことができました。やはりキャプチャー側の進化が大きいようで、着脱はかなりスムーズです。
私の場合は新型は登山用のザックに常設して比較的頻繁に着脱を行わない普段使いのリュックなどで、旧キャプチャープロを使おうかと考えています。
キャプチャーツールが使えなくなってしまったことは残念…
旧製品との互換性という面では、キャプチャー製品専用のドライバーだった「キャプチャーツール」のボルトドライバー部分が、ボルト頭が微妙にサイズ変更されたことで使えなくなってしまいました(六角レンチ部分のみ使用可能)。
ボルトの形状に大きなデザイン変更があった訳ではないのに、新型ボトルでは使えなくなってしまったのは少々解せません。
ただし、旧キャプチャーはこのキャプチャーツールがないと、ネジの締め込みが不安なこともありましたが、キャプチャーV3は本体に滑り止めが付いたためか、そこまでギチギチに固定しなくても現時点では本体がズレるようなことはありません。
2018年はキャプチャーV3、2セット体制で使ってみます
さて、記事冒頭でも書いていますが、このキャプチャーV3はかなり気に入ったこともあり、早速色違いのブラックを買い増してしまいました。
これで登山で使うバックパックは日帰り用、テント泊用と分けて(ストラップベルトの厚みが違うので)それぞれに通常ボルト、ロングボルト付けたキャプチャーV3を使い分けることができます。新型プレートも2個になったので2台のカメラで使うことができます。
もちろん旧キャプチャープロや既に持っているプレートはその他のカメラやザックで使うことになると思いますし、アンカーやストラップ周りなども気が付いたらほぼPeakDesign製品に置き換わってしまった2017年でした。