I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

戦車道路こと尾根緑道を歩く:八王子〜町田に掛けて伸びる多摩丘陵の尾根道

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

先日、多摩丘陵の尾根緑道を歩いてみました。かつて「戦車道路」と呼ばれていた道になります。

戦車道路とは?

八王子市鑓水から町田市下小山田町に掛けての多摩丘陵にかつて「戦車道路」と呼ばれた道があり、現在は「尾根緑道」として整備されています。なぜ「戦車道路」だったかというと……

尾根緑道の歴史
この「尾根緑道」は、以前「戦車道路」と呼ばれていました。
それは、この道が第二次世界大戦まの末期、相模陸軍造兵廠で製造された戦車の走行テスト用(全長約八キロメートル)として作られたものだからです。
戦後しばらくの間、防衛庁が同様な目的でここを使用していました。
(尾根緑道にある看板より)

「戦車道路」を知ったのは、書籍『地形と地理で解ける! 東京の秘密33 多摩・武蔵野編』が切っ掛け。著者である内田宗治氏による戦車道路の紹介は、WEBメディアのアーバンライフメトロにもあります。
町田と八王子の境界近くに存在 蛇行を繰り返す「戦車道路」とは何か | アーバン ライフ メトロ

かつて「相模陸軍造兵廠」があったのは現在の「米軍相模総合補給廠」の場所。JR相模原駅の北側に広がる広大な米軍施設、2014年に一部が返還されていますがまだまだ広い敷地が残されています。

尾根緑道からも見える広いグラウンドのような「米軍相模総合補給廠」

多摩丘陵の尾根といえば南多摩尾根幹線道路(尾根幹)を思い浮かべる人も多いと思いますが、多摩川方向に向かって伸びる尾根幹線を主脈と考えると、尾根緑道はその途中から伸びる支尾根のような存在でしょうか?

尾根幹線(多摩よこやまの道)と尾根緑道

ちなみに尾根幹線沿いには「多摩 よこやまの道」というハイキングコースもあります。

アプリで地形を確認すると開発によって丘陵はかなり削られてしまっていますが、尾根緑道部分だけは今もはっきりと尾根筋を確認することができます。特に小山内裏公園付近は尾根に沿ったS字カーブがよく分かります。


多摩境から西に歩いた後で、橋本から多摩境を繋ぐ

現在は「尾根緑道」として整備されている戦車道路。それぞれの端に最寄り駅がある訳ではないので、どこから歩くか迷っていたのですが、小山内裏公園に無料駐車場があることが分かり、それなら小山内裏公園(多摩境駅)を起点にして東側に歩くのが良さそうかなと。西側は前日に多摩美大あたりまで歩いていますし……。

実は、結局多摩境付近から東端まで歩き終わった後、時間があったので橋本駅から多摩境駅まで繋いだので、最初から橋本駅スタートにしても良かったかもしれません(笑)

当日は別の用事もあったりして結局車ではなく京王線で多摩境駅まで移動。多摩境駅周辺はあまり飲食店などがないようなので、先に南大沢で家系ラーメンを食べたしつつ……。

多摩境駅は駅名の通り近くに境川が流れていて、多摩と相模国の境。地形的にも多摩丘陵の端となります。そのせいかホームがあるのは半地下で南大沢側はトンネルだけど橋本側に行くと線路は高架になります。

多摩ニュータウン通り。正面の緑地が小山内裏公園で、この上を東西に尾根緑道が走っています。

ここから小山内裏公園にエントリーします。

まずは尾根緑道まで少し坂道を上がります。ドッグランなどもあるみたい。

戦車道路(尾根緑道)を西へ

前日にパークセンター側から上がり鑓水方面に抜けた尾根に上がってきました。前日とは逆方向に歩きます。

かなり道幅が広め。戦車道路が尾根に沿ってS字を描いているカーブです。

舗装路を歩いても良いですし、並走する未舗装路(一部はウッドチップが敷かれている)を歩くのもハイキング気分で悪くない。

「東展望広場」からは南方面が開けています。

「戦車道路」と言われると納得できる(!?)どっしりした尾根緑道。

尾根道なので、あちこちで尾根から下りる細道が見られます。

緑道本線よりも尾根の高い部分を歩けるようになっていると、つい登ってしまいがち。

尾根幹線の上を越えると左手に南多摩都市霊園と八王子物流センターが見えます。

尾根の北(町田市側)よりも南(相模原市側)の方が展望が開けていることが多いです。正面は橋本あたりのタワマン郡に、その奥はもう丹沢山塊、右端あたりは高尾方面だったりするのかな?


公衆トイレが見えてくると小山内裏公園から続いている緑地は一旦終わって、この先は車道に沿った遊歩道的な緑道となります。


土の上を歩けないのは少々寂しいですが、地形的には確かに尾根筋です。


尾根の左手(北)。標高が下がっていってるのが分かるでしょうか。

現在、尾根緑道のうち720m近くが改良工事中です。


ツチイナゴ。

尾根っぽいですね。

あまり視界が開けない北側(町田市内)もちゃんと尾根の高低差を感じられます。

「種入」バス停。そういえば尾根緑道を最後まで歩いたら、バスでどこかに出る必要があります。

「尾根緑道中央」の信号ですが、中央よりはかなり終点寄りですね。

春にはかなり桜が見事そうな緑道です。

尾根沿いに建てられたレンガのお宅、良いですね。

「谷戸池公園」、上から少しだけ眺めて先に進みます。

トイレには困らない尾根緑道。

この辺り、「小山田桜台○号緑地」と管理番号の付けられた緑地が連続します。「小山田」という地名が出てきましたが、尾根緑道の少し北にある小山田緑地は多摩丘陵の中でも屈指の広さを誇る緑地。隣接する小野路や黒川まで含めると、最大規模の緑地ではないでしょうか。

こういった風景を見ると町田市っぽいなーと感じます。

大きな煙突が2本立っているのは「町田市バイオエネルギーセンター」、ごみ焼却場を含むごみ処理関連の複合施設のようです。

片方の煙突は補修塔の工事なのか解体なのか……?

そうこうしているうちに尾根緑道は下り坂に入り、町田市の「さくら通り」にぶつかるところで終了します。


ゴール地点は丁度、桜美林大学の裏手あたりになります。尾根緑道、両端に最寄り駅もなく住所ではイマイチ説明が難しいので「多摩美大〜桜美林大学」区間と覚えておくくと分かりやすいかも?


ゴールのすぐ近くに「尾根緑道入口」のバス停がありますが、町田バスセンター(町田駅)行きなので別のバス停を利用することにします。


JR淵野辺駅〜橋本駅へ

尾根緑道の東の終点(始点)付近にはいくつかバス停があって、町田駅、淵野辺駅、橋本駅行きなどの路線があります。今回は「忠生都営住宅前」バス停まで移動して、淵野辺駅に移動、そこからJR横浜線で橋本駅まで移動しました。もちろん徒歩で淵野辺駅まで行けないこともないです(30分ぐらい?)。


ということで橋本駅。ここから尾根幹線の西の端である「鑓水南」まで移動します。だいたい徒歩30分ぐらい。ちなみに橋本駅からバスもあります(「鑓水入口」バス停が尾根緑道のスタート付近)。

相模原台地から一度境川までの坂を下ります。奥に見えている緑地は小山内裏公園などの多摩丘陵。

境川を渡ります。

神奈川県相模原市と東京都町田市の境。

国道16号線の下道。八王子バイパスばかり使っているとあまり馴染みがない部分。

鑓水南の丁字路に到着。ここが尾根緑道の西側の端になります。


尾根緑道の残りを多摩境まで繋ぐ

ここが本当の戦車道路のスタート地点(或いはゴール地点)。

すぐに車道と緑道が別れて……

尾根緑道は多摩美大の敷地横を抜けて行きます。

前日来たばかりのスーパービバホームが見えてきました。一応これで尾根緑道は全て歩いたことになりますが、ここで切り上げることもできないので小山内裏公園まで歩きます。

東京消防庁の敷地から少し離れた場所に、野ざらしの車両がまとめて停められています。

前日も見たばかりの鑓水給水塔。

この日の最初のスタート地点を少し過ぎたあたりで尾根を下ります。

「多摩境駅東入口」信号のあたりに出ました。

ゴールは多摩境駅。これで尾根緑道は端から端まで踏破できました。

ということで改めてこの日のコース。多摩境から東に歩いて、バスと電車で橋本まで移動してから再び多摩境まで歩きました。今回のコースは少々無駄が多いので、普通に歩くならば橋本駅(或いは淵野辺駅)をスタート地点にするのが良いでしょう。バスを使わない場合は、コース両端まで各30分ほど歩けばOK。