I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

春の多摩川、大丸用水堰の撤去から床止工の進捗を左岸から右岸へ見てきた

本ページは商品、サービスのリンクにプロモーションが含まれています

多摩川の大丸用水堰にしばらく行ってなかったことを思い出して鳥見がてら様子を見に行ってみたら、既に堰はほぼ撤去されていて、川の様子はすっかり変わっていました。そんなレポート。

多摩川緊急治水対策プロジェクト:R4多摩川大丸床止め設置他工事

大丸用水堰は多摩川の南武線鉄橋の少し上流にある(あった)堰。2019年の台風19号(令和元年東日本台風)で計画高水位を右岸左岸共に超過したことにより「多摩川緊急治水対策プロジェクト」として、大丸用水堰の撤去、床止工の設置、河道断面の切り下げといった改築工事が行われています。
多摩川緊急治水対策プロジェクト | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局

また大丸用水堰の撤去の撤去に際して堰の右岸から取水していた大丸用水の取水口が上流に移動し(堰の撤去により水面位置が下がるせいか?)、新たに堤外水路が設けられます。既に右岸側の低水護岸工事、流入水路設置工事は終了しており、現在行われている工事は「R4多摩川大丸床止め設置他工事」になります。

工事期間は元々は昨年度までの予定でしたが、今年2025年の6月中旬までと延長されています。

まずは2022〜23年頃の大丸用水堰の様子を簡単に。左岸側から、既に右岸側の工事は始まっている時期ですが、左岸(府中市側)には大きな変化はないので、あまりこの工事を気にしていませんでした。

右岸側。台風後で水量がありますが、大丸用水堰と大丸用水の取水口。2枚目、堰の上流には既に新しい高水敷と低水護岸が見えますが、堤外水路工事はまだ行われていない段階。堰があるので水位がギリギリですね。

大丸用水堰が撤去された多摩川左岸

堤防上を走る府中多摩川かぜのみち(多摩サイ)からの多摩川左岸の郷土の森バーベキュー場。以前はすぐ目の前に川が流れていましたが、現在は水が見えません。しばらく来てなかったので、川が見えないことにまず驚きました。

この正面に大丸用水堰がありましたが、既に完全に撤去され床止工のコンクリートブロックが重機で並べられていました。右側が一段高くなっているようですが、丁度これぐらいの高さに以前の水面があって、堰を水が流れ落ちていたように思います。以前は左岸の堰の上はかなり浅く、ウェーダーや半ズボンで中洲まで歩いて行くこともできましたが、改築後はどんな水深になるのでしょう。

少々分かりにくいですが下1/3ぐらいの場所にあるのが昔からある低水護岸のコンクリート(手前側は郷土の森BBQ場)。その先は大丸用水堰上の緩やかな溜まりになっていました。当時は全体的に水深も浅く、中州まで渡って歩くこともできました。工事後にはどんな流れになっているのでしょうか。

堰の下ではよくテンカラでオイカワを釣っていましたが、当時の澪筋は跡形もありません。
コロナ禍頃から多摩川の釣りはしばらく続けていたのですが、立て続けにスモールマウスバスを釣ってしまったことがあり、ここで再びバス釣りにハマってしまったらちょっとな…… と少々思うところがあり多摩川から足が遠のいたのも、しばらく来ていなかった理由かも。

2022年8月の大丸用水堰直下

是政排水樋管からの府中用水(新田川)の多摩川の合流。ここは台風の後など流れが変わるのですが、最近はそのまま直進して堰のすぐ下で合流していたのを、現在は床止工が行われているので郷土の森サッカー場の角で下流方向に曲げているようです。最終的にはまた直進に戻しそうな雰囲気ですね。

かぜのみちは現在武蔵野線橋脚の耐震補強工事で微妙に迂回があります。

武蔵野線、南武線を越えると河川敷に並べられた床止工のコンクリートブロック。なんでこんな堰から離れた場所に並べてるのかと思いましたが、かといって郷土の森のグラウンドに置くわけにも行きませんしね。



是政橋から

手前のボケはホトケノザ。

是政橋の上から左岸河川敷。

年始にはもっとびっしりコンクリートブロックが敷き詰められていました。2ヶ月の間にかなりの数が堰のあった場所に運ばれ、設置されれているのでしょう。

2025年1月1日の多摩川河川敷

是政橋と南武線鉄橋の間は、今回の工事の影響が殆どない場所のひとつ。


多摩川右岸を大丸用水堰跡へ

先ほど、コンクリートブロックが並んでいた対岸にやってきました。このあたりの中洲は春になると菜の花が咲いているのが南武線車内からもよく見えますが、早くも少し咲き始めていますね。

三沢川分水路の吐出口。

左岸側を見るとホースで川の水をバイパスした流れ込みがいくつか確認できます。

先程、流路を変えているのを見た、是政排水樋管からの水などが確認できます。

↑↓どちらでしょうね。雨が降ると水量が増えるので2つに分けているのか。

ここにもホース。

南多摩水再生センター(下水処理場)からの放流口。

この日はちょっと下水臭かったかも。

放流口から上流側はすっかり景色が変わってしまい、以前の様子がすぐ思い出せませんでした。ここまで低水護岸が新たに整備されています。帯工は以前からあるものです。

大丸用水の沈砂池、これは以前からのものがそのまま使われるようです。大丸用水はここからしばらく地下水路を流れて、武蔵野貨物線の手前で開渠となります。

沈砂池から余剰な水を多摩川に戻すための樋門。以前は大丸用水堰下の低水路に接続していましたが、高水敷が広くなってしまったので正面に柵が作られています。



以前の同じ樋門。撮影してる足元は川の流れギリギリの場所です。

南多摩水再生センター側からスロープと舗装道路が整備されていました。このスロープは上で施錠されていて徒歩では下りられません(徒歩の場合は低水護岸側を歩けます)。


開口部注意とは?

確かにこれはうっかり足を踏み出すと危ない!

先ほどの沈砂池からの樋門を高水敷の地下を通してここまで伸ばしているのでした。

かつての大丸用水の取水口が残されていました。この正面に大丸用水堰の右岸側が繋がっていましたが、現在は低水路との間に数十メートル幅の高水敷が作られています。


高水敷が広く取られたため、以前の取水口は低水路から遠く離れてしまいました。

以前はここまで川(堰)がありました。すっかり景色が変わる訳です。

2023年6月の大丸用水堰右岸

新たな低水護岸と床止工。

大丸用水堰を撤去して設置された床止工。奥には魚道も確認できます。


現在工事中の左岸側もこのような感じになるのでしょうか。水の勢いも今よりは穏やかになるのか。


大丸用水堤外水路、新たな取水口へ

河川敷(高水敷)には新しい大丸用水の堤外水路。この上は歩きやすいので新しい取水口まで行ってみます。以前の取水口があった位置から約1kmほど上流にあります。

南多摩水再生センター(下水処理場)とクリーンセンター多摩川(清掃工場)。


左岸側は工事で水をこちらに集めているので、まあまあ水深がありそう。

この付近の右岸は人口の堤防でなく(?)多摩丘陵の崖がすぐ近くに迫っています。多摩川右岸、先程まで稲城市を歩いていましたが、清掃工場を通り過ぎた上流は多摩市に入ります。

堤外水路を進んで行くと右にカーブして川に向かっています。正面はもう大栗川の流れ込み。

新しい帯工のすぐ上に大丸用水の取水口があります。



大栗川の合流点は目と鼻の先。

架替工事が行われている関戸橋。天気は良いですが春霞で奥多摩の山が殆ど見えません。

聖蹟桜ヶ丘のタワーマンション。

大栗川の合流点にある野鳥観察小屋。今度行ってみようかな。

合流点は浅瀬なので歩いて渡れるとは思いますが、靴を脱いでまで渡る理由もないのでここで折り返します。ちなみに過去の衛星写真を見ると右岸側の工事中は車両が通行できるよう橋が掛けられていたようです。

オオバンの足が出るぐらいの瀬。


桜ヶ丘カントリークラブから小川が流れている?

大栗川合流と大丸用水取水口の間に、右岸の崖から水が流れている場所がありました。

これは流れ込みなのか? ちょっとした川のような感じ。

この先は桜ヶ丘カントリークラブの敷地ですが、川が流れている訳でもなく、衛星写真を見ると水の流れ跡らしき筋も確認できます。丘陵からの湧水や雨水を集めたものかもしれません。

小さな流れ込み付近から堤外水路に向かってコンクリートの蓋のようなものが続いています。こちらがメインの流れで地上を流れていたのはオーバーフローなのか。


それにしてもなかなかの崖。法面保護はしないのか。

関東ローム層ですかね。水が染み出していました。



その他、多摩川風景

武蔵野貨物線を走る貨物列車。ガタゴトと貨物列車の音が聞こえてくるとつい撮ってしまう。



南武線も。

多摩川左岸にある府中市郷土の森博物館の梅林。東芝町のエレベーター研究塔も見えます。

これだけ目まぐるしく流路が変化していても、もう中洲には菜の花が咲いていて、自然の生命力を感じさせられます。ちなみにこの写真を含め、何枚かの写真は数日後に追加で撮影したもの。


航空写真で見る大丸用水堰改築、参考ブログなど

さて、「多摩川緊急治水対策プロジェクト」に伴う大丸用水堰周辺の変化はGoogle Earthの衛星写真を見るとなかなか面白いです。2019年から2024年頃に掛けての変化の様子を確認してみます。

工事が始まる前。自分がよくテンカラでオイカワ釣りに来ていた頃ですね。

右岸に低水護岸と広い高水敷が完成。大丸用水堰は健在。

右岸側で絶賛工事中。大丸用水堰の中央や大栗川を渡る作業道が設置されています。

大丸用水堰の右岸側が撤去され、大きな工事スペースが作られています。低水路の流路は工事進捗によりかなり変化しています。この時期を全く見ていませんでした。

最新の衛星写真。大丸用水堤外水路の工事が完了し、大丸用水堰右岸(跡)には床止工が確認できます。工事が行われてないので昨年の夏シーズンでしょう。

工事の詳細は関東地方整備局 京浜河川事務所のサイトで見られます。
多摩川緊急治水対策プロジェクト | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
多摩川緊急治水対策プロジェクトについて | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
工事情報 | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
工事情報 | 京浜河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局

自分が見ていなかった時期の工事の様子はこちらのブログ記事などで見ることができました。
大丸用水堰改築
ラジオペンチ 多摩川の大丸用水堰の改築工事の状況(2024年7月)
ラジオペンチ 多摩川の大丸用水堰の改築工事の状況(2024年7月) 追記

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II

  • OM SYSTEM/オリンパス
Amazon