I AM A DOG

途方に暮れる 犬とよばれる でも生きてゆく

朝の多摩川ワイルドライフ、キジのホロ打ちとつがいのキジ、タヌキを観察して過ごす

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先月、多摩川の散歩中に偶然キジを見掛けて以来、キジ探しと観察を定期的に続けてます。

多摩川河川敷の各所にあるこんな感じの草むらや枯れたヤブ。このような場所がキジたちの住処になってるのを知ったのはつい最近のこと。もちろん左岸にも右岸にもいるし、上流にも下流にもたくさんいる。思いの外にキジたちは東京近郊の住宅地のすぐ近くに暮らしている鳥みたい。


この日、最初に写真を撮った野鳥はモズでした。ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト、カラス、スズメ…… といったいつもいる鳥たちの、次ぐらいにいつも見る鳥がモズ。個体数が多い感じでもないのだけど、いつも目立つ場所(見晴らしの良い灌木の枝など)にいる。

すぐ近くにはエサを咥えたメスのモズ。オスとメスを近くで見かけることが多いモズですが、つがいなのかな。

さて、キジは朝の方が活動的……というか朝方は河川敷に人気が少なく、静かなので鳴き声もよく聞こえてキジを観察しやすい条件が揃っています。既に河川敷のあちこちからキジの鳴き声が聴こえています。

鳴き声をたよりに双眼鏡を覗いていると河川敷にいくつもある塚のようになった枯れ草の小山の上にキジが居ました。完全にお立ち台ですね。鳴いた直後、周囲の気配を感じたのか(私が近づいてるのに気付いたからかも)身をかがめているところ。全然隠れられてないけども。

しばらくするとムクムクと起き上がってきました。写真では近く見えますがキジはチャボ(小型のニワトリ)ぐらいの大きさなので、この写真でも距離は数十メートル離れていて、1120mm相当の超望遠レンズでトリミングをしてない画角がこれぐらい(↑↓の2枚)。この日、最も近くで観察できたのがこの距離。ヤブの中でここかから近づく素振りを見せたら間違いなく去って行くぐらいには警戒心が強いです。

ホロ打ち(母衣打ち)の様子を斜め後ろから。

ホロ打ちは数分おきに何度も繰り返されるので横に回り込みます。ホロ打ちのタイミングですが、直前になると背筋を伸ばしてソワソワしだすのでしばらく観察していると分かります。

白目(に見えるけど瞬膜ですね)になって「エ゛ン、エー゛ン(ケン、ケーン)」と二度鳴いたら羽を広げてバタバタさせる。これが一連のホロ打ちの動作(記事後半に動画も貼っておきます)。




腹ばいになって一休み。草むらの中でこの状態になると体がほぼ隠れてしまいますが、お立ち台なので普通に目立ってます。

決まった方角がある訳でもないようで、このキジはグルグル周りながらホロ打ちを繰り返していました。

くるっと回って反対向きでホロ打ち。写真的にはありがたい(笑)



たくさん見せて貰ったので別のキジを探しに移動します。草むらの中に頭が見えているのを見つけました。

なかなかホロ打ちをしないのでしばらく双眼鏡で見ていたところ、横にガサガサと動く影が……

メスのキジがいました! ようやくちゃんと見られたメスのキジ。

実はこの少し前にも双眼鏡でヤブを探していた際にメスキジを見つけていたのですが、カメラに持ち替えた際に分からなくなってしまったのでした。ただでさえ保護色なメスキジですし、ヤブの中の双眼鏡で見た同じ場所を超望遠レンズで捉え直すのは結構難しいのです(その点、オスは顔さえ見えていればすぐ見つかる)。

このオスとメスは間違いなくつがいでしょう。どちらも足元の草をついばんでいますがメスがひたすら食べている際に、オスは周囲をキョロキョロを警戒しながら後ろを付いて歩く。春のライチョウ(キジ科)で何度も見た行動とよく似ています。ライチョウ好きとしても、身近にこのタイプの鳥が見られるのはとても嬉しい。

保護色過ぎてちょっと目を離すとどこに居たか見失いそうになるメス。当初はヤブの中を歩きながら探し回っていましたが、こちらが気づく前に何度も逃げられて(飛ばれて)しまったので、今回のように俯瞰できる場所から双眼鏡で探すのがいいのかも。その方がキジに対して余計なストレスを与えることはありませんし。

メスがヤブの中に消えていってからも、その場に残ったオスがホロ打ち。お立ち台でなくてもやりますね。メスへのアピール行為というよりは縄張りの宣言なのかな。

そんなキジを河川敷に対して堤防の上からやや斜めに観察していたのですが、なんだか視線を感じるな…… と正面を見たら、タヌキに見られていました!?(笑)

いえ、実際は30メートル以上は離れていて肉眼だと枯れヤブの中に何か動物っぽいのがいるかなぁ?ぐらいの感じで、本当にこちらを見ていたのかは定かではないですが、双眼鏡を覗いたら視線が合うぐらいこちら側をじっと見ていました。この顔、やっぱりこちらには気づいているのか……

そして少し目を逸らす……

タヌキ、以前から多摩川では何度か遭遇していますし、以前は住宅地の緑道で夜に見かけることがありましたが、しばらくご無沙汰だったので嬉しい。先日はキツネを見掛けましたが、以前から馴染みがあるのはやっぱりタヌキ。これまで見かけるのは夕方や夜ばかりでしたが、朝方にも活動しているのですね。

タヌキ、ヤブの中にもう1頭いました。毛づくろいしていたり、つがいなのか親子や兄弟なのか。

のそのそとヤブの中を移動する2頭のタヌキ。

たまにこちらをチラチラを見ているような……

そのままヤブの穴の中に消えて行きました。

そういえばこんな感じのヤブの穴、結構あちこちにありますよね。偶然できたものかタヌキなどが住んでいるのか…… 今後も観察を続けてみます。

これは恐らく先程のつがいだったオスキジだと思われますが、少し目立つ場所に出てきていました。タヌキの観察中にも何度もホロ打ちを繰り返していました。



こちらはまた別のキジ。角度がちょっと悪いので撮影はスルー(このキジを見るために動くと上のキジを警戒させてしまいそう)、タヌキを挟んで2匹のキジを観察できてしまう動物天国多摩川。

さらに賑やかにさえずるガビチョウ。そういえばこれって最初のキジがいたお立ち台かも……。

では改めて草むらの中のキジがホロ打ちをする一部始終。身をかがめていたキジが……

ニョキニョキと体を伸ばして出てきます。警戒心が強いのだから隠れていた方が安全なのに、数分おきに鳴かずにはいられない習性なのか。まさに「雉も鳴かずば撃たれまい」。
すぐに鳴く訳でなく、足踏みのようにモゾモゾしてから鳴くことが多い。

瞬膜を閉じて二度、鳴きます、

直後に羽をバタバタ。この際、尾羽根も持ち上がり全身が見えます。

撃ちませんが、シャッターはたっぷり切らせて貰いました。

ホロ打ちの羽ばたきで体が浮くことはありませんが、風圧もあってかよろけたり体の向きが変わりがち。

このキジはホロうちをするたびに少しずつ反時計回りに回転していました(笑)

その後も小移動しながらキジ探しをして河川敷を歩き回りましたが、日が高くなるにつれて徐々に聞こえてくるホロ打ちの頻度も下がってしまったので切り上げました。

これは朝いちに見たモズと同じか別のつがいか。


この日は4羽のオスキジに2羽のメスキジ、そしてタヌキまで観察できて楽しい多摩川の朝となりました。

以前、NHK「ワイルドライフ」や「ダーウィンが来た!」で多摩川・秋川合流点にあるトライアングルで撮影された野生動物の映像を見たことがありましたが、似たような自然の営みが自宅からすぐの多摩川河川敷でも行われているようです。今後も定期的に通って観察や撮影を続けてみるつもり。



動画も少し撮ってみたので、Xに投稿したものをまとめておきます。キジのホロ打ち、つがい、タヌキ。