コーヒーカップのソーサーを割ってしまったので(簡易的な)金継ぎで修復した記録です。
- お気に入りのソーサーを割ってしまった!
- 金継に挑戦してみようかな?
- 割れたソーサーをつなぎ合わせてパテで埋める
- 金継ぎ風に仕上げる金箔&うるし塗り作業
- 仕上げのやり直しでひとまずの完成
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お気に入りのソーサーを割ってしまった!
年始に陶器のコーヒーカップのソーサーを棚から落として割ってしまいました。割った直後の写真は撮ってないのですが、大きく真っ二つに割れた上に、床に当たったと思われる角はかなり派手に砕けてしまいました……。
その場で修復の可能性は考えたので、どこまで破片があるのか確認するのにパズルを組み立てるようにしてセロテープで仮止めしたのがこの状態。ある程度大きさのある破片は繋がりそうですが、粉々に砕けてしまった部分も多く(粉はさすがに掃除機で吸いました)この時点での修復は半ば諦めていました。

実は以前にも一度同じカップを割ってしまったことがあり、その際は購入から時間が経ってなかったこともあって、買った店に同じ作家さんの作品が並んでいたこともあって取り寄せて貰うことができたのですが、それからかなりの年月が経っています……。
書い直せるならばそこまで高いものでもないはずなので、修復は一旦保留にして地元の陶磁器店を訪れてみたのですが、やはり同じ作家さんの作品は見当たらず……。なぜか新しくコーヒーカップのセットを買い求めてしまう想定外の行動に出たりもしつつ、そこはまあ食器は出会いなので仕方ない。

さて、新しいコーヒーカップを買ったことで少し心に余裕ができたのか(?)、割れたソーサーを金継ぎで修復してみることにしました。
金継に挑戦してみようかな?
金継ぎは割れたり欠けた陶磁器を漆や小麦粉などを使って修復し、金粉で装飾する伝統的な修復技法。金継ぎには以前から興味はあったものの、手間も時間もかかりますし、正しい金継ぎの道具は市販キットを使ってもそこそこに高価です(今回直すコーヒーカップなどはペアで丸ごと書い直せてしまう)。
はじめての金継ぎ | 鹿田喜造漆店

金継ぎ 金繕いセット urujyuの金継セット(Standard)〔全22種〕 本物の漆を使った修理セット
- メディア: ホーム&キッチン
最初に断っておくと今回行ったのは金継ぎといってもあくまで「金継ぎ風」であって、接着剤やパテ、合成漆を使用した簡易的な金継ぎになります。口をつける食器には向かない方法ではありますが、対象がソーサーなので見た目さえそれっぽくなればOKという判断です。

金継ぎはぶち猫さんが以前から取り組んでいるのを拝見していて興味があったのですが、やはり手間や予算的なハードルで躊躇していて、今回は昨年末に見た陶器のランプシェードをMiyachiさんが修復した手法を全面的に参考にさせて貰いました。
Miyachiさんは以前紹介したホットシューカバーの作者でもあるプロダクトデザイナーの方。圧倒的に器用な方なので、私にもできるか(さらに小さなソーサーで)不安もありますが……。
以下の作業はネット記事を参考にしつつ、自己流で行ったものです。失敗しても仕方ないという心づもりで行っているものですので、大切な食器の修復には参考にしない方が良いと思います。

今回はそもそも砕けた破片をどこまで修復できるか全く自信がなく、接着剤を使った修復から始めたという経緯もあります。接着剤や合成漆、細かな道具を買っていたらそこそこにお金も掛かってしまったので、最初からちゃんとした金継ぎキットを買っても良かったかもしれません。
割れたソーサーをつなぎ合わせてパテで埋める
さて、金継ぎで修復するといってもまずは砕けた破片をつなげあわせないことにはいけません。落とした直後に一部の破片は仮固定をしていたものの、見ての通り全く足りていません……。
改めて破片をバラしてあれやこれやと試行錯誤……。あらかたの目星が付いたところから、陶器用のエポキシ接着剤で接着しながらメンディングテープ(これは剥がしにくいので失敗。普通にマスキングテープで良かった……)で固定して乾燥させます。
小さな破片同士を接着して大きめの破片を作って、最終的に本体につなぎ合わせたものがこれです。まだまだ欠けや隙間が見られますが、これ以上はほぼ粉のような破片なのでもはや修復不可能です。小さな隙間ならエポキシ接着剤でも埋められますが、これ以上の隙間はパテを使ったほうが良さそうです。
ひとまずこの状態で数日乾燥させます。我ながら頑張ったと思う(笑)
砕けて失ってしまった部分や大きな隙間はパテで埋めていきます。使用したのは陶器用のエポキシパテ。この1/5もあれば十分なのですが、次使うのにいつになるのだろう……?
2つの粘土状のパテを混ぜて、接着剤で固定したソーサーの欠けや隙間を埋めていきます。




1日以上乾燥させてパテが完全に乾いたらヤスリがけ。大きく膨らんだ部分を金属ヤスリ(プラモ用)で大まかに落とした後、紙やすり(耐水ペーパー)を使って整えていきます。
あまり目の荒いヤスリを使うと元の釉薬なども削ってしまうので、気をつけて行いましょう。はみ出した接着剤などもこの行程で削り取ってあげます。
パテ埋めとヤスリがけが終わったソーサー。ひとまず元の形はかなり取り戻せたようです。
接着剤とパテを使った修復ならばここで完成でもいいかもしれません。ここから先は「金継ぎ風」に仕上げる装飾の部分。見た目に拘らない実用なだけならば、既にこの時点で十分です。
金継ぎ風に仕上げる金箔&うるし塗り作業
金継ぎ風の仕上げなので、仕上げに合成漆と金粉(風の粉?)を混ぜたものを塗って仕上げます。ここも本来の金継ぎとは全く違う作業です。要は接着した割れ目に、金色の塗料を塗って仕上げている感じですね……。拘らないならプラカラーやペイントマーカーでも良いのでは?(笑)


はい、失敗しました。初回の金の塗りはひたすら接着したひび割れ部分をなぞったのですが、なんだかもう見た目が全く美しくない……。
さらに乾いたと思って耐水ペーパーでこすったところ黒っぽい色が付いてしまい、これはもうダメ……。パテの部分で止めておけば良かったと後悔しています(苦笑)
これはやり直したほうがいいな、と一旦金を全て剥がすことにしました。これはプラモ用の薄め液で、あらかた落とすことができました。合成漆とは一体……?
仕上げのやり直しでひとまずの完成
しばらくやる気がなくなって放置していたのですが、週末に改めて塗り直してみました。
今度は全てのひび割れを塗るのでなく、バテの地色部分と大きなヒビを中心に塗ってみました。中央の一番大きな割れについては、ヒビも目立たないので今度は塗らないことにしました(裏は簡単に落とせそうにないので諦めました)。1日乾燥させての現在はこんな感じ。


塗りムラもやや目立っていますが、この後どうするかはもう少し時間を置いてから考えることにします。合成漆がしっかり乾燥して硬化したらヤスリがけできるかもしれませんし、そうしたら重ね塗りなども検討します。
決して美しい仕上がりとは言えませんが、コーヒーは問題なく飲めます(ソーサーだし)。
簡易的な金継ぎ風ではありますが、やはり今回は割れ方が細かったこともあり、細かなヒビに対してどのように金の部分を付けて行くかが課題だったかもしれません……。この先は気が済むまでやり直せばいいですし(?)、せっかく修復したので使い続けることで、不格好な金継ぎでも愛着が湧くようになれば無駄ではなかったと思いたいものです。

今回の金継ぎに使った接着剤、パテ、合成漆はこちら。
あとはプラモデル関連の道具があると作業がスムーズ。本来の金継ぎとは全く関係ないですけど。

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