以前から純正品以外も色々と試しているカメラレンズのレンズフード。ここ最近、ちょっとユニークなシリコンフードをモニターとして試用させて貰っています。
- KUVRD「ユニバーサルレンズフード」
- 装着は確かに簡単、でも使えるレンズは限られる
- フード折りたたみとケラれについて
- 少々雑に扱っても外れにくい
- レンズ先端の保護になる!?
- 忍者フード的な効果&サイズの異なるフィルター装着に使える?
- Makuakeにて先行販売中です
- こんな記事もあります
KUVRD「ユニバーサルレンズフード」
現在、クラウドファンディングのMakuakeで先行予約販売が行われているKUVRDの「ユニバーサルレンズフード」。シリコンゴム製のレンズフード、いわゆる「シリコンフード」の一種ですが、カメラレンズへの取り付けが、フィルターネジではなく被せることでゴムの張力で装着する仕様になっています。
φ54〜76mmに対応する「SMALL」とφ72〜112mmに対応する「MEDIUM」の2サイズ展開となっていて、今回は両サイズの「ユニバーサルレンズフード」を試させて貰っています。
パッケージは開封後も使えるパウチ仕様になっていてなかなかカッコイですね。
本体は見るからにシリコンフードですが、通常のレンズフードのようなレンズのフィルターネジに取り付けるための金属パーツはなく、スポッとレンズ先端部に被せて使います。
さて、このユニバーサルレンズフードの製品紹介ですが、まずは以下の公式動画か、プレスリリースの商品説明を見て貰うのが分かりやすいです。手抜きって訳でなく、あくまで公式が謳っているアピールポイントに対して、私自身が使ったレビューを述べた方が、検討する人にも分かりやすいかなと思うので。
レンズのメーカー、サイズ問わず使える!反射しない、かさばらない、傷つけないKUVRDユニバーサルレンズフード クラウドファンディング開始|株式会社ハンズエイドのプレスリリース
「なるほど、確かに便利!」と感じる部分もあれば「うーん、それはどうかな?」と感じる部分もあります。「99%のレンズに使える」の売り文句についても、既に私の手持ちのレンズで使えるものはごく一部に限られているので、その辺りについても説明します。
装着は確かに簡単、でも使えるレンズは限られる
装着や取り外しについて、確かにシリコン素材のフードを伸ばして被せるだけです。
ただし、装着できるのはある程度のサイズ、かつレンズ先端部が平らで可動部のないレンズ。
SMALLで対応フィルター径はφ54mmからとなっていますが、実際にはφ60mm程度のレンズでは装着時の引っかかりが緩くすぐ外れてしまいます。マイクロフォーサーズ用の小型レンズの大半は使えませんし、APS-C用のレンズでも装着できないレンズは結構ありそう。
またフードを固定できるだけのスペースがレンズ先端部に必要なので、レンズ先端寄りにピントリングがあったり、ズームレンズの前玉側可動部が薄かったり、斜めにデザインされているとフードと干渉したり固定できません。だいたい2cm程度の装着スペースの余裕が必要と思われます。
私の所有レンズの場合、オリンパスのPROレンズのF1.2単焦点シリーズ(φ62mm)か、12-100mm PRO(φ72mm)、40-150mm PRO(φ72mm)でしか使えず、例えφ62mmでも12-40mm PROの場合は前玉側のズームの繰り出し部分の幅が、フードを引っ掛けるのに不十分なためすぐに外れてしまいます。
まず手持ちのレンズに装着が可能かについて、よく確認する必要があるでしょう。
フード折りたたみとケラれについて
伸ばしたり折りたたんだりすることで、ケラレ対策ができるユニバーサルレンズフード。
実際、12-100mmPROにSMALLサイズを装着した場合、最もフードを伸ばした状態では30mm(35mmフィルム換算60mm相当)までケラレが発生します。1段短くした状態の場合でも広角側ではケラレるので、17mm(34mm相当)から使用可能となります。
ワイド端12mm(24mm相当)で使いたい場合は、2段階折り返した状態でようやくケラレは消えます。
広角レンズで使う花形フードの切れ込みは、画角四隅のケラレを防ぐためのものなので、円型のフードででケラレをなくそうとすると、かなり浅くなってしまうようです。
上下が少し大きく張り出した純正の花形フードと比べた場合、フレアやゴースト対策の効果は下がってしまうことになるかもしれません(その代わりにズームして使う場合に、フードを伸ばせる利点もありますが)。私が12-100mm PROを使う場合は、ワイド端を多様するのでこれがデフォ状態となります。
続いてMEDIUMサイズは40-150mmPROに装着していますが、こちらはフードを全開に伸ばした状態で、ワイド端の40mm(80mm相当)からケラレなしで使えます。もちろんテレコンのMC-14/MC-20を装着して焦点距離を伸ばした場合も問題なく使えます。
超望遠レンズを手持ち撮影で使う際はレンズ先端側のフード部分を手で支えて構えることもあるので、あまり大きなレンズには向かないかもしれませんが、オリンパスの40-150mm PRO+MC-20程度なら十分に実用レベルでした。またフード先端が大きく“ろうと状”に広がっているため、ドットサイトの視界にも干渉するのですが、照準器は主に中心付近を使うので、なんとかこの状態で撮影は可能でした。
つまり私のシステムの場合、SMALLは12-100mm PRO専用、MEDIUMは40-150mm PRO専用となり、レンズとの相性を選ぶようにも感じました(特にφ72mm付近だとどちらを選ぶか迷うかも)。
全体的に作りの大きなフルサイズDSLR用のレンズだと、そこまで相性はシビアではないかもしれませんが、最近はミラーレス用でコンパクトなレンズが多いので、相性確認はお忘れなく。
少々雑に扱っても外れにくい
さて、レンズとの相性がクリアされれば、なかなか便利なユニバーサルレンズフード。
以前からラバーフードは使ってましたが、ストレスだったのがフィルターネジの金属パーツとラバー部分は接着されている訳でないので、カメラバッグの出し入れなどで力が掛かった際に外れてしまうこと。撮影中この状態になると素早いリカバーは不可能で、結局ラバー部分を剥ぎ取って使っていました。
ユニバーサルレンズフードはレンズ先端に引っ掛けているだけなのですが、これがなかなかに外れにくいのです。先端部が細くなっているトップローディングタイプのカメラバッグに雑に突っ込んでも、フードが外れたりズレたりすることがありません(これもレンズとの相性はあると思いますが)。
探鳥散歩の際には40-150mm PROにユニバーサルレンズフード(LARGE)を装着して使っているのですが、今まで望遠レンズの大きなフードは一旦逆さ付しないとカメラバッグに入らないのが少し面倒に感じていたのが(LH-76を買い直そうかと思った……)、ユニバーサルレンズフードを付けたまま強引にバッグに突っ込めるようになりました。
レンズ先端の保護になる!?
私のカメラの扱いが少々雑なこともあり、カメラの使用時や携行時にレンズ先端(つまりフード)を岩や、護岸のコンクリート、手すり等にぶつけてしまうことがあります(人や車とすれ違う際は注意するのですが……)。恐らくLH-76もその手の衝撃で壊してしまったのでしょう。
ユニバーサルレンズフードはレンズ先端を包み込むように保護してくれるので、軽くぶつけた程度なら傷を防いでくれますし、岩やコンクリートの上にカメラを置く際にも、ちょっとした緩衝材の役目を果たしてくれそうです。
こんな場所にカメラを置くのも気にする人は多いかもしれませんが、私は結構気にせずにガンガン置いてしまうので多少なり傷や破損の防止になるならいいですよね。
そうそう、写真を見ると分かりますが、やはりシリコンゴム素材なのでどうしてもホコリは着きやすいかも。汚れたら洗えばいいのですが、ペットがいるお宅で使う場合は気になってしまうかも……?
忍者フード的な効果&サイズの異なるフィルター装着に使える?
これは公式情報の受け売りですが、ガラスの映り込むを防ぐいわゆる忍者フード(「忍者フード」は商標だろうか?)的な使い方ができるみたいです。まだ機会がないので試せていないのですが、水族館や夜景撮影の機会があれば試してみたいですね。
あとは映り込みに関わらず、建物や乗り物から窓越しに撮影する際に樹脂製のフードが邪魔で外したり、ガラスに傷を付けないようにといった意識をせずに、ベタッと押し付けられるのは良い気がします。
ちなみに車の車内を窓ガラス越しに写すシチュエーションってなんだろう? 自分の車ならドアや窓を開けられるし…… 探偵?
さらに面白そうなのが、レンズのフィルター径とは異なる(より大きい)フィルター(PL/ND等)のホルダー代わりに使えるというもの(C-PLの回転も)。なるほど、その考えはなかった…… こちらも手持ちのフィルターで手頃なものがない(72mmが最大)ので試せていません。
Makuakeにて先行販売中です
このユニバーサルレンズフードですが現在クラウドファンディングのMakuakeにて先行販売の予約が行われています。All-in方式で既に目標金額も達成しているので、要は普通の予約購入ですね。
様々なメーカーやサイズで使える!反射しない、かさばらない、傷つけないレンズフード|マクアケ - アタラシイものや体験の応援購入サービス
価格は1個5500円と少々お高めですが、先行販売なら早割りがあります。35%OFFの早割分は既に完売していて、20%OFF早割はまだ購入可能。ちなみに製品の破損時には無償交換され、生涯交換保証も付くとのことです(製造メーカーである米KUVRD社、或いは国内代理店が存続する限り)。
実はまだ数回しか使ってないのですが、いつの間にSMALLの内側のシリコンが少しだけ裂けていました。元から小さなキズが入っていたのか、或いはレンズフィルターのエッジ等で傷が付いたのか分かりませんが、このような破損等にも交換対応して貰えるならば嬉しいですね(その他にも経年による劣化は実際に長期間使ってみないと分かりませんし……)。
正直レンズフードの価格としてはかなり高価な商品ですし、特に私のシステムではレンズとの相性もあったので全ての人に試用(試着)なしでのオススメはしにくいのですが、お使いの機材との相性さえ良ければかなり魅力的なプロダクトだと思います。
私自信は多様する2本のズームレンズと2サイズのユニバーサルレンズフードの相性が良かったこともあり、これからも使わせて貰う予定です。
2021.9〜:現在は普通に販売されているので、Amazon等で購入可能です。
さて、今回のクラウドファンディングでもプランによってはリターンの対象となっていますが、同じKUVRDの「ユニバーサルレンズキャップ」もモニター品を提供していただいてるので、こちらもまた改めて紹介できればと思います。