前回に続きモバイルバッテリーの話。
2016年にAnkerから初代のPowerCore Fusion 5000が発売されて以来、同様のUSB充電器(ACアダプター)機能が一体型となったモバイルバッテリーを数モデル使ってきました。
初代PowerCore Fusion 5000は当時大ヒット製品となり未だに販売が続いていますし、OEM品は無印良品でも売られています。今となっては古いUSB-Aの2ポート出力で急速充電にも対応してませんが、日常的にスマホの継ぎ足し充電をする用途なら十分なスペックかもしれません。
このタイプの充電器一体型モバイルバッテリーは何かと便利なので、バッテリー容量の大きなタイプ(10000mAhクラス)も揃えておこうかと思ったのですが、単純に重量で考えると単体のモバイルバッテリーとUSB充電器を組み合わせても、トータルの重量は変わらないというかむしろ少し軽くなることもあります。
例えば手元にある5000mAhクラスで確認してみると、AnkerのPowerCore III Fusion 5000は単体で176g(実測181g)。後継モデルのAnker 511 Power Bankが170g(ただし出力は1ポートのみ)、給電性能が最大45Wまで上がったAnker 521 Power Bankだと200gなので、このあたりが一体型の重量の目安になります。
同容量のAnker PowerCore III 5000(113g)に30W充電器のAnker Nano II 30W(47g)、さらにケーブルを組み合わせて実測178g。最新の30W充電器ならばここからさらに10g強の軽量化が可能です。
ちなみに10000mAhクラスになった場合もベースが100gほど増える感じで重量差などは同じような感じ。200gを切るクラスのモバイルバッテリーに30Wクラスの充電器(40g前後。多くのノートPCに充電できる45Wクラスだと70g前後が最軽量ライン)を組み合わせた場合は、一体型より50g近軽量化させることも可能(例として下図)。日常的な外出なら完全な誤差レベルですが、登山の場合はこのレベルの重量差がいくつも合わさるとトータルでは結構大きかったりします。
モデル | 重量 | 充電器としての最大出力 |
CIO SMARTCOBY Pro PLUG | 265g | 30W |
CIO SMARTCOBY DUO 20W 10000mA+Anker 711 Charger | 214g(180g+34g) | 30W |
続いて実際の使用シーンを比較します。まずモバイルバッテリーからの給電の場合、どちらもUSB端子2ポートでの充電が可能(給電パワーは個々のモバイルバッテリーの性能で微妙に異なります)。
ただし、電源が取れる環境となると少し変わってきます。モバイルバッテリーとUSB充電器が別になっていれば、もう1系統の同時充電が可能になります。より複数のガジェットに充電したい場合や、1つの機器を急速充電した場合などはこの差は大きいかも。
一体型の場合はコンセントに繋いだところで同時充電できるのは一度に2系統のまま。
その変わりにモバイルバッテリー部分の消費をせずに、2ポートのUSB充電器として動作します。或いはモバイルバッテリーが空の状態でも接続したガジェットへの給電を優先、その後にモバイルバッテリー本体が充電されます(パススルー充電)。
USB充電器とモバイルバッテリーが別の場合は、モバイルバッテリー側が空になってしまったら別途充電が必要になります。この状態だと余ったUSB-A端子が1ポート使えるのみです。
どちらが良いかは一概に言えませんが、少しでも充電アイテムを軽量化したかったり、複数ガジェットへの充電の可能性があるなら別々。給電対象が限られるならばシンプルな一体型が便利かもしれません。
ということでCIOのSMARTCOBY Pro PLUG気になっていたのですが、登山でも使うことを考えると10000mAで180gとかなり軽量なCIO SMARTCOBY DUO 20W 10000mAhなどを選びつつ、コンセントが使える旅ならCIOの2ポートUSB充電器(30Wと45Wが同じサイズでなぜか45Wの方が軽い!)を組み合わせると合計重量はほぼ同じ。出力系統も増えますしやはりバラの方が良いかも!?
追記:このタイミングでCIO SMARTCOBY Pro PLUGがセールになっていて心が揺れたのですが、この記事を書いたりTwitterでやり取りをしていたことで考えが整理され、大容量一体型は見送ることにしました。主な理由はやはり登山の際に充電器の重量を切り離せないこと。そして一体型特有の自重によるコンセントからの抜けやすさ(場所によっては刺さらない)が、本体サイズ重量に比例して大きくなりそうなことです。